2.4. 実装が期待されるトランザクションと想定される利用シーン
2.4.2. 患者基本属性の登録、更新、削除
MPI に対して、患者基本属性の登録、更新、削除を行うためのシーケンス図を示す。
a) 患者の新規登録
<利用シーン>
患者が新規に地域医療連携システムに参加する。地域にユニークな地域患者 ID を発行し、MPI、および《ド キュメントレジストリ》に患者を登録する。
b) ローカル患者 ID の関連づけ
b-1) 地域患者 ID が分かっている患者の関連づけを行うケース
<利用シーン>
既に地域医療連携システムに参加しており、地域患者 ID が分かっている患者に対して、各医療機関のロ ーカル患者 ID を関連づけする。
事前処理 : 地域患者IDの発番
→ 地域患者ID、MPIに登録する患者基本属性 患者ID提供(PIX)
ITI-44 Patient Identify Feed HL7 V3
→ 地域患者ID(施設コード付き)
患者ID提供(XDS.b)
ITI-44 Patient Identify Feed HL7 V3 患者基本属性
入力 患者IDソース PIX
マネージャ
患者IDソース ドキュメント
レジストリ
→ 地域患者ID、ローカル患者ID 患者ID提供(PIX) ローカル患者ID登録 ITI-44 Patient Identify Feed HL7 V3 ローカル患者
IDと地域患者 IDを入力
患者IDソース PIX
マネージャ
b-2) 地域患者 ID が不明な患者の関連づけのみ行うケース
<利用シーン>
既に地域医療連携システムに参加している患者に対して、医療機関のローカル患者 ID で地域患者 ID を検 索してから、関連づけする。
c) ローカル患者 ID の関連づけと文書登録を連続して行う場合
<利用シーン>
既に地域医療連携システムに参加している患者に対して、医療機関のローカル患者 ID を関連づけし、続 けて医療機関に蓄積されているドキュメントを《ドキュメントリポジトリ》と《ドキュメントレジストリ》
に登録する。IHE ITI テクニカルフレームワークでは、複数のアクタが一体で実装される場合には、アクタ 間のトランザクションの省略を容認している。このため《患者 ID ソース》、《ドキュメントソース》、《ド キュメントリポジトリ》の配置形態の違いにより、複数の実装形態が考えられる。ここでは 4 つのシーケン ス図を例示する。
→ 検索条件(氏名、性別、生年月日等)
患者基本情報照会(PDQ)
ITI-47 Patient Registry Candidates Query
ITI-47 Patient Registry Find Candidetes Query Respons
← 患者基本情報サプライヤに登録された患者基本情報リスト
関連づけする
患者を選択 → 地域患者ID、ローカル患者ID
患者ID提供(PIX) ローカル患者ID登録 ITI-44 Patient Identify Feed HL7 V3 ローカル患者
ID入力 患者IDソース PIX
マネージャ 患者検索条件
入力
患者基本情報 コンシューマ
患者基本情報 サプライヤ 患者基本情報
リスト表示
c-1) 《患者 ID ソース》と《ドキュメントソース》が異なるサーバ、もしくはアプリケーション上に実装さ れるケース
本ケースでは《患者 ID ソース》、《ドキュメントソース》と《ドキュメントリポジトリ》が別々のサー バ、もしくはアプリケーションで構成されることを想定しており、《PIX マネージャ》から発行される MPI 更新通知をトリガとして、《ドキュメントソース》が《ドキュメントリポジトリ》へ文書登録を行うケース を対象としている。
【一般的なアクタの配置】
・ センター側 《患者 ID ソース》、《PIX マネージャ》、《ドキュメントレジストリ》
・ 医療機関 《PIX コンシューマ》、《ドキュメントソース》、《ドキュメントリポジトリ》
※小規模医療機関の《ドキュメントリポジトリ》はセンター側に配置する場合もありうる。
なお IHE ITI では《PIX コンシューマ》と《ドキュメントソース》間のトランザクションは規定されてい ないため、各実装システムにおいて独自に定める必要がある。
事前処理 : 関連づけする患者候補リストを取得し、関連づけする患者を選択する(b-1、b-2を参照のこと)
→ 地域患者ID、ローカル患者ID 患者ID提供(PIX) ローカル患者ID登録 ITI-44 Patient Identify Feed HL7 V3 ITI-46 Pix V3 Update Notification
← MPI更新通知
システム内 通知
↓ 文書、文書メタ情報 文書登録(XDS.b)
ITI-41 Provide & Register Document Set-b
文書メタ情報登録
ITI-42 Register Document Set-b PIX
コンシューマ
ドキュメント ソース
ドキュメント リポジトリ
ドキュメント レジストリ ローカル患者
ID入力 患者IDソース PIX
マネージャ
c-2) 《患者 ID ソース》と《ドキュメントソース》が異なるサーバ上に実装されるが、《ドキュメントソー ス》と《ドキュメントリポジトリ》が一体実装されるケース
本ケースは《患者 ID ソース》と《ドキュメントソース》が別々のサーバもしくはアプリケーションで構 成されるため、《PIX マネージャ》から《PIX コンシューマ》に通知される MPI 更新通知をトリガとして文書 関連づけを行うが、《ドキュメントソース》と《ドキュメントレジストリ》が一体で実装されるため文書登 録のトランザクション(ITI-41)は発生しない。
【一般的なアクタの配置】
・ センター側 《患者 ID ソース》、《PIX マネージャ》、《ドキュメントレジストリ》
・ 医療機関 《PIX コンシューマ》、《ドキュメントソース+ドキュメントリポジトリ》
事前処理 : 関連づけする患者候補リストを取得し、関連づけする患者を選択する(b-1、b-2を参照のこと)
→ 地域患者ID、ローカル患者ID 患者ID提供(PIX) ローカル患者ID登録 ITI-44 Patient Identify Feed HL7 V3 ITI-46 Pix V3 Update Notification
← MPI更新通知
システム内 通知
文書メタ情報登録
ITI-42 Register Document Set-b ローカル患者
ID入力
PIX マネージャ 患者IDソース
ドキュメント レジストリ PIX
コンシューマ
ドキュメント ソース ドキュメント
リポジトリ
c-3) 《患者 ID ソース》と《ドキュメントソース》が同一サーバ上で一体実装されるケース
本ケースは《患者 ID ソース》と《ドキュメントソース》が医療機関側に配置され、また《ドキュメント リポジトリ》も医療機関の別サーバに実装されることを想定している。このため MPI 情報更新の通知を PIX マネージャから受け取る必要がない。
【一般的なアクタの配置】
・ センター側 《PIX マネージャ》、《ドキュメントレジストリ》
・ 医療機関 《患者 ID ソース》、《PIX コンシューマ》、《ドキュメントソース》、
《ドキュメントリポジトリ》
事前処理 : 関連づけする患者候補リストを取得し、関連づけする患者を選択する(b-1、b-2を参照のこと)
→ 地域患者ID、ローカル患者ID 患者ID提供(PIX) ローカル患者ID登録 ITI-44 Patient Identify Feed HL7 V3
システム内 通知
↓ 文書、文書メタ情報 文書登録(XDS.b)
ITI-41 Provide & Register Document Set-b
文書メタ情報登録
ITI-42 Register Document Set-b ドキュメント
ソース
ドキュメント リポジトリ
ドキュメント レジストリ ローカル患者
ID入力 患者IDソース PIX
マネージャ
c-4) 《患者 ID ソース》と《ドキュメントソース》および《ドキュメントリポジトリ》が同一サーバ上で一 体実装されるケース
本ケースは《患者 ID ソース》と《ドキュメントソース+ドキュメントリポジトリ》が医療機関側に配置 される場合に適用される。
【一般的なアクタの配置】
・ センター側 《PIX マネージャ》、《ドキュメントレジストリ》
・ 医療機関 《ドキュメントソース+ドキュメントリポジトリ》
c-4 を用いて 《ドキュメントソース+ドキュメントレポジトリ》に SS-MIX2 標準化ストレージを採用し た場合の事例を以下に示す
※SS-MIX2 標準化ストレージの更新差分をセンター側へ取り込み、《ドキュメントリポジトリ》の文書メ タ情報更新機能をセンター側に実装してもよい。
事前処理 : 関連づけする患者候補リストを取得し、関連づけする患者を選択する(b-1、b-2を参照のこと)
→ 地域患者ID、ローカル患者ID 患者ID提供(PIX) ローカル患者ID登録 ITI-44 Patient Identify Feed HL7 V3
システム内 通知
文書メタ情報登録
ITI-42 Register Document Set-b ローカル患者
ID入力 患者IDソース PIX
マネージャ
ドキュメント ソース ドキュメント
リポジトリ
ドキュメント レジストリ
d) 患者基本情報の削除(地域医療連携システムからの削除)とローカル患者 ID の関連づけ解除
<利用シーン>
地域医療連携システムから脱退などの理由により患者を削除する場合や、特定の医療施設の情報提供を 行えないようにする場合に使用する。MPI、《ドキュメントレジストリ》の情報のみ削除し、以降の文書参照 を行えないようにする。
※ドキュメントリポジトリの削除は、2.4.8 「ドキュメントレジストリ・リポジトリの削除」を参照のこ と。ITI-44 を使用した患者 ID の関連付けの解除の実装例については、8.2 「地域医療連携からの脱退への 対応について」を参照のこと。