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付録 1. NRC の原子炉監督プロセスの枠組み及び性能評価指標の概要

2. 性能評価指標の概要

原子炉監督プロセスにおいて、NRCは、検査から得られる知見及びライセンシーが収集した性

能指標(

PI

)データを整理する。検査から得られる知見については、重要度決定プロセスを(

SDP

) を用いて、その安全上の重要度を評価し、また、性能指標(PI)については、「リスク情報」を 活用して定めているしきい値と比較する。

これらから得られた情報について、アクションマトリックスに定めたガイドラインを用いて評 価して、選定された課題に対する追加の検査を含めた

NRC

の対応措置を決定する。また、検査 から得られた知見のうち重大なものについては、適宜、強制措置をとる。

原子力発電所の性能は、性能指標(PI)と

NRC

による検査計画によって測定される。性能指標

(PI)は、各コーナーストーンにおける性能を監視するためのデータを用いる。これらのデータ は

4

半期に

1

回、ユーティリティーから

NRC

に提出され、これらのデータに基づいた性能指標 は、安全に及ぼす影響に関連づけて設定されたしきい値と比較して、性能を測定する。

性能指標は、選定された領域におけるプラントの性能に関する洞察を与えるが、

NRC

の検査プ ログラムの方は、

NRC

がプラントの性能を評価するに際してもっと深くかつ幅広い情報を与える。

検査プログラムは、性能指標の情報が正確であることを検証すること、及び性能指標データによ って直接測定できない性能を評価することを目的に設定されている。

性能指標のそれぞれには、容認可能な性能を測定するためのクライテリアを設定している

(

付表

1-2)

。このクライテリアは、「緑」、「白」、「黄」及び「赤」の

4

とおりの色分けするよう設 定している。性能指標が期待される範囲内にある状態が「緑」であり、この範囲を外れても未だ コーナーストーンの目的には適合している状態が「白」である。また、コーナーストーンの目的 には適合しているが、わずかながら安全余裕の低下がある状態が「黄」である。一方、安全余裕 が大幅に低下した状態が「赤」である。

付表

1-1.

コーナーストーンごとの性能指標( 注 1 )

安全のコーナーストーン 性能指標

計画外の原子炉停止

(自動及び手動)

計画外の原子炉停止に引き続いて、通常の原子炉冷却系の機能 喪失

起因事象

原子炉出力の大幅な変更に至る計画外事象

緩和系 安全系の利用不能

・特定の非常用炉心冷却系

・非常用電源 安全系の故障

燃料被覆(原子炉冷却系中の放射能によって測定)

放射性物質の放出に対する障

壁の健全性 原子炉冷却系のからの漏えい率 緊急時対応組織の訓練の性能 緊急時対応組織の準備 緊急時対応

周辺住民に対する連絡システムのアベイラビリティ

プ ラ ント 内 の 放 射 線 管 理 区 域へ の ア ク セ ス の 制 限 に関 す る 規 制への適合

従業員の放射線安全

規制上の制限値を、

10

%を上回る作業員の管理されていない被 ばく

公衆の放射線安全

NRC

の規制及び認可条件に基づいて、報告が要求される放射能 の放出

核物質防護 公衆は利用不能( 注 2 )

1.

性能指標は、四半期毎に原子力発電所の運転者によって四半期毎に報告され、

NRC

スタッ フによってレビューされ、

NRC

のウェブサイトに公表される。

2.

核物質防護のコーナーストーンについても

NRC

は監視しているが、関連する検査及び評価 に係る情報については、予想される敵対者に対して潜在的に有用な情報を与えないために公 開しないことを決定している。

付表

1-2.

ライセンシーのパフォーマンス評価の概念モデル(2.2)

- 緑 -

(許容可能なパフォーマンス)

・基本事項のすべてを満たしている

・ リスクの増加/期待されるパフォーマンスからの差がわずか

- 白 -

(許容可能なパフォーマンス-規制対応の強化が求められる領域)

・ 基本事故は満たされているが、安全余裕のわずかな減少が伴う

・ 通常のパフォーマンスの領域を超えている

・ 技術仕様書の制限値の範囲内

・ パフォーマンスの変更がΔCDF<10-5(ΔLERF(10-6)に該当する

- 黄 -

(許容可能なパフォーマンス-規制対応が要求される領域)

・基本事項は満足されるが、安全余裕の重大な減少が伴う

・技術仕様書の制限値に達するか、又は超える

・パフォーマンスの変更がΔ

CDF<10

-4(Δ

LERF<10

-5)に該当する

- 赤 -

(許容されないパフォーマンス-プラントは通常この領域で運転することは許されない)

・プラントのパフォーマンスが設計基準から大きく外れる

・運転継続に伴い公衆の健康と安全を保障するプラントの機能の信頼性が損なわれる

・安全余裕が容認できない

- 安全でないパフォーマンス -

(赤をさらに下回るパフォーマンス)

付図

1- 1.

原子炉監督プロセスの全容

NR C の 対 応 管理会 議 ラ イ セ ン シ ー に よ る 措置の 監視 追加の 規制措置

評価プ ロ セ ス ( ア ク シ ョン マト リック ス )

パブリ ッ クミー テ ィング • プレ スリ リ ー ス • NR C の ウ ェ ブ サ イト • パブリック ドキュ メ ント 室 /A DAM S (A ge ncy wid e Doc u me nt s Ac ce ss and M ana g e m e nt Syst e m ) 評価報 告書 検査計 画 検査か ら 得ら れ た 知見 性能指 標( P I) 強制措 置 重要度 決定プ ロ セ ス ( S D P ) 追加検 査 「 リ ス ク 情報」 を 活用し た 基本検 査 事象へ の 対応 (SI/AIT /IIT) 一般安 全問題 等に 係る 特定 の 検査

検 査

性能指 標( P I)

性能指 標の し き い 値

重要度の 評価

情報伝 達 N R C に よ る 検査 性能指 標( P I)

重要度の 評価 安全の 7 コ ー ナ ー ス ト ー ン の す べ て に お け る 性能 の 評価結 果

安全の コ ー ナ ー ス ト ー ン

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