第 4 章 テストビームデータの解析
4.4 応答の線形性とエネルギー分解能
4.4.1 応答の線形性
Beam momentum (GeV/c)
0 5 10 15 20 25
(MIPs)meanE
0 1000 2000 3000 4000 5000 6000
/ ndf
χ2 365.94 / 3
p0 -139 ± 1.2345 p1 256.21 ± 0.15584
/ ndf
χ2 365.94 / 3
p0 -139 ± 1.2345 p1 256.21 ± 0.15584
CALICE preliminary
Si-W FNAL 2008
Beam momentum (GeV/c)
0 5 10 15 20 25
Deviation from linear (%)
-2 -1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2
CALICE preliminary
Si-W FNAL 2008
図 4.11: ギャップ補正前の応答の線形性(左図)と線形性からのずれ (右図)。
Beam momentum (GeV/c)
0 5 10 15 20 25
(MIPs)meanE
0 1000 2000 3000 4000 5000 6000
/ ndf
χ2 158.66 / 3
p0 -108.97 ± 0.83833 p1 258.48 ± 0.10723
/ ndf
χ2 158.66 / 3
p0 -108.97 ± 0.83833 p1 258.48 ± 0.10723
CALICE preliminary
Si-W FNAL 2008
Beam momentum (GeV/c)
0 5 10 15 20 25
Deviation from linear (%)
-2 -1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2
CALICE preliminary
Si-W FNAL 2008
図 4.12: ギャップ補正後の応答の線形性(左図)と線形性からのずれ (右図)。
σE
E = σstoc(%)
√E(GeV) ⊕σconst(%) (4.7)
図 4.13のようにエネルギー分解能は各エネルギーでのσE/Eを計算し、全体を1/√ Eの 関数でフィットした。ここでギャップ補正が上手く作用しているかどうか確認するために 4つの場合に分けてエネルギー分解能の評価を行った。
• no correction : 全イベントに対し、ギャップ補正を行っていないもの。
• gap correction : 全イベントに対し、ギャップ補正を行ったもの。
• center region w/ gap : 一方のギャップの中心から他方のギャップの中心までの イベントを用いて、ギャップの補正を行ったもの。
-25.5 <x <¯ 36.2 and -31.1 <y <¯ 30.8, for 8 to 20 GeV.
-25.5 <x <¯ 36.3 and -31.1 <y <¯ 30.8, for 4 and 6 GeV.
• center region w/o gap : ギャップの中心から4σ離れたギャップの影響がほとん どない中央部分のイベント。
-25.5 + 4σx <x <¯ 36.2−4σx and -31.1 + 4σy <y <¯ 30.8−4σy, for 8 to 20 GeV.
-25.5 + 4σx <x <¯ 36.3−4σx and -31.1 + 4σy <y <¯ 30.8−4σy, for 4 and 6 GeV.
ここで σxとσyは表4.2と表 4.3にあるフィット結果を用いている。
それぞれの場合に関するエネルギー分解能のフィット結果は表 4.8に示している。これ らの結果はビーム運動量の揺らぎを含んでいる。誤差については統計誤差のみ考慮してお り系統誤差を含んでいない。またCERNのデータは center region w/o gap で見積もっ た値である。
エネルギー分解能は center region w/o gap の場合で統計項16.51±0.35 (stat.)%であり 定数項1.90±0.23 (stat.)%となった。2006年にCERNで行われたテストビームの結果ではエ ネルギー分解能は統計項16.53±0.14 (stat.)±0.40(syst.)%、定数項1.07±0.07(stat.)±0.10(syst.)%
であった。この結果と比較すると、統計項は誤差の範囲で一致し、定数項はCERNの結 果とFNALの結果で違いがある。しかしながらFNALの結果はビーム運動量の揺らぎを 含んだままであり、CERNの結果は含んでいないためFNALの結果のほうがCERNの結 果よりも定数項が大きい値となっていると考えられる。従って、異なる2つの施設で行わ れたテストビームの結果は同等であり、性能の劣化がなく、ILDが要求する性能を満たし ていることが分かった。またFNALのデータはCERNでの試験後、試作機を一度解体し、
ヨーロッパからアメリカに輸送してもう一度組み直して取得したものである。そのためこ の結果は頑健性の評価という点でも大きな成功が得られたことになる。
これら center region w/o gap の結果は、ギャップの影響が少なく、またシャワーの漏 れが少ない理想的な状況下での結果であり、エネルギー分解能を過大評価している。よっ て実機として使用する場合必ずギャップの影響を考えなければならず検出器全体で評価し た gap correction が重要となる。 gap correction の場合エネルギー分解能は統計項 19.33±0.12 (stat.)%で定数項1.33±0.16 (stat.)%となった。 no correction から分解能の 改善が見られ、ILDが要求する性能も満たしている。これらの結果からエネルギー分解能 はギャップの影響によるものが大きく、より良いエネルギー分解能を得るためにはその影 響が小さい方が良いことが分かる。そのためCALICEコラボレーションではガードリン グの幅を狭くしたものやガードリングがないセンサーの研究を行っている。
表 4.4: no correction での各エネルギーの平均値Emean、分散σ、分解能σ/Emean 平均値Emean(MIPs) σ (MIPs) σ/Emean
4 GeV 893.39±0.98 95.48±0.91 10.69±0.10 6 GeV 1397.62±1.41 117.50±1.32 8.41±0.09 8 GeV 1903.54±1.93 145.95±1.80 7.67±0.10 12 GeV 2911.95±2.64 189.76±2.16 6.52±0.07 20 GeV 5001.22±2.53 258.68±2.66 5.17±0.05
表 4.5: gap correction での各エネルギーの平均値Emean、分散σ、分解能σ/Emean
平均値Emean(MIPs) σ (MIPs) σ/Emean 4 GeV 928.55±0.65 93.06±0.61 10.02±0.07 6 GeV 1438.83±0.81 111.65±0.78 7.76±0.05 8 GeV 1956.44±1.04 137.22±1.00 7.03±0.05 12 GeV 2981.26±1.48 167.98±1.41 5.65±0.05 20 GeV 5073.61±1.80 225.22±1.70 4.43±0.03
表4.6: center region w/ gap での各エネルギーの平均値Emean、分散σ、分解能σ/Emean
平均値 Emean(MIPs) σ (MIPs) σ/Emean
4 GeV 937.52±1.02 88.59±0.96 9.45±0.10 6 GeV 1444.55±1.06 107.34±1.00 7.43±0.07 8 GeV 1961.95±1.27 132.52±1.21 6.75±0.06 12 GeV 2985.79±1.69 164.95±1.66 5.52±0.06 20 GeV 5077.37±1.87 222.78±1.77 4.39±0.03
表4.7: center region w/o gap での各エネルギーの平均値Emean、分散σ、分解能σ/Emean
平均値 Emean(MIPs) σ (MIPs) σ/Emean
4 GeV 943.99±2.30 81.45±2.20 8.63±0.23 6 GeV 1450.35±2.13 99.13±2.01 6.83±0.14 8 GeV 1970.07±2.48 120.33±2.35 6.10±0.12 12 GeV 2994.82±3.51 159.83±3.43 5.34±0.11 20 GeV 5075.47±3.37 209.69±3.22 4.13±0.06
表 4.8: エネルギー分解能のまとめ。それぞれの場合について統計項と定数項の値を示し ている。ここでは統計誤差しか含んでいない。CERNのデータは1つ目の誤差が統計誤 差を表し、2つ目の誤差が系統誤差を表している。系統誤差にはMIP閾値と試作機の位 置依存性を含んでいる。
統計項 (%) 定数項(%) χ2/ndf no correction 20.47±0.21 2.44±0.17 15.38/3 gap correction 19.33±0.12 1.33±0.16 38.41/3 center region w/ gap 18.30±0.16 1.57±0.15 12.88/3 center region w/o gap 16.51±0.35 1.90±0.23 5.74/3 2006 CERN data 16.53±0.14±0.40 1.07±0.07±0.10 30.69/32
(GeV/c)-1/2
Pbeam
1/
0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7
/E (%) Eσ
0 2 4 6 8 10 12 14
no correction gap correction
center region w/ gap events center region w/o gap events CALICE preliminary
Si-W FNAL 2008
図 4.13: それぞれの場合でのエネルギー分解能。 no correction (黒), gap correction (赤), center region w/ gap (緑)と center region w/o gap (青)を 1/√
Eの関数で
プロットしている。この図でビーム運動量の揺らぎは考慮していない。