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従来手法の問題点

ドキュメント内 第1章 (ページ 40-48)

第 3 章 知識分散型タグベーストビジョンシステム

3.1   従来手法の問題点

 

センサとしてのビジョンシステムは,主に物体認識と位置姿勢検出の機能が求められて いる.多くの場合,対象とする物体の二次元もしくは三次元のモデルを事前に作成し,

そのモデルを用いて物体の認識を行い,三次元空間中での位置姿勢を検出する二次元な いし三次元モデルベースト物体認識手法は,ロボットなどのための視覚センサとして欠 くことの出来ない重要な機能とされてきた.ここでは,これらの従来型のビジョンシス テムの物体認識および位置姿勢検出アルゴリズムについて議論を行う.

(1)モデルベースト手法

図3.1,図3.2にモデルベースト手法を用いた物体認識,位置検出のプロセスを示す.

33

従来のモデルベースト手法による物体認識は整備された環境において,以下に示す前提 条件が必要である.

・  存在する物体が既知である

・  事前に物体のモデルの記述が必要

したがって,対象物の種類が少ない場合には,事前に用意するモデルデータの数が少 なくすませることが出来,モデルデータの生成にはある程度負荷がかかるものの,工場 などの整備環境では有効に利用されてきた.しかし,家庭やオフィスといった実際の非 整備環境においては,環境内に存在する対象物体が無数に存在し,かつ変動するために,

あらかじめ大量のモデルデータが必要になること,新たに環境に導入された物体につい てはモデルデータを新規に作成してなくてはならないなどの問題がある.また様々な環 境条件が想定されるため,保持するモデルと対象物の照合を正確に取ることが難しいこ とがあることが指摘されている.

さらに,環境において存在すると想定される物体のデータベース全てに対して一つ一 つ検索をかけながらモデルとの認証を行う必要があり(図 3.3),その検索に必要な計算 時間は,存在すると思われる物体の個数が非常に大きくなると,実用的な範囲を超えて しまうという問題が指摘されている.同時にデータベースと検索テーブルが大きくなる ことで,それだけ見た目の似通った物体の存在する可能性が高くなるため,誤認識率を 上げてしまう可能性が考えられる.また位置姿勢検出においても同様に,作成されたモ デルが非整備環境においては照明などの環境状況が一定でないため,高精度な位置情報 が得にくいという問題点がある.

画像手段 画像手段

ビジョン 人間

画像の取得 画像の取得

データベース

検出目的:

物体認識 位置姿勢検出

環境

(照明など)

ロボット

(視点位置など)

物体

図3. 1:モデルベースト手法概念図

モデル作成

形状データ 形状モデル

物体認識 位置姿勢検出 入力画像

Off-Line On-Line

図3. 2:モデルベースト手法のプロセス

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Robot database Objects

Environments Model matching

Vision system

図3. 3:モデルベースト手法

(2)タグベースト手法

前述のモデルベースト手法では,事前のモデルの生成の負荷と,モデルとの認証過程 における検索の負荷が問題とされてきた.そこで,安藤らによって提案されている,IC タグを環境に存在する全ての物体に貼り付け,その中に物体認識に必要な情報を書き込 むことで,物体認識の負荷を減らすことを可能とするタグベースト物体認識手法は,一 般環境下での物体認識において有効な手法として考えられる[8].このタグベースト手 法は,環境に付けられたICタグリーダーが,それぞれの物体に付けられたICタグの情 報を読むことにより,従来の物体認識手法と比べ,インタラクティブ性を持つと言える (図3.4,図3.5).また,環境に存在する物体の認識が容易に実現出来るため,ビジョン システムは物体の位置,姿勢を検出することだけが求められるため,従来のモデルベー スト手法に比べて,計算コストの削減を図ることが出来る(図3.6).

ここで,タグベーストビジョンシステムが解決していない課題として,フレーム問題 が挙げられる.ここで言うフレーム問題とは,以下の2つである.

1)一般環境下においては数限りない検出対象物体の存在が考えられるため,物体の 知識を全てシステム提供者が記述することは困難である

2)記述した情報も数限りないものとなるため,配置場所に関する問題が考えられる

すなわち,タグベーストビジョンシステムを用いても,環境内に新たに追加された物 体がデータベースに存在しないものであった場合,新たにシステム提供者が物体モデル の作成及しデータベースに追加する必要があり(図 3.7),また先に述べた様に実際の環 境においては無数の対象物体が想定されるため,解決するためには莫大なデータベース と,そのデータベース更新のためにシステム提供者への負担が必要であり,実際の人間 生活環境において実現は困難である.すなわち,以下に挙げる枠組みの実現が求められ る.

・  物体モデル記述者の負担の軽減

・  データベースに物体モデルを追加する仕組み

・  データベースの縮小

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画像以外の手段 画像以外の手段

画像手段 画像手段

人間 データベース

ビジョン

検出目的:

物体認識 位置姿勢検出

環境

(照明など)

ロボット

(視点位置など)

要求 要求

知識 知識 画像の取得 画像の取得

物体

図3. 4:タグベースト手法概念図

Vision system

IC tag Information IC tag Information Objects Environments Robot

database

IC tag

図3. 5:タグベースト手法

タグベーストビジョンシステム

従来のモデルベーストビジョンシステム

n データベースの情報量 m 処理時間

タグベーストビジョンシステム

従来のモデルベーストビジョンシステム タグベーストビジョンシステム

従来のモデルベーストビジョンシステム

n データベースの情報量 m 処理時間

処理の高速化 処理の高速化

図3. 6:処理速度の向上

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Vision system

New Object New Object

IC tag Information Objects

Environments Robot

database New Model

Should be installed New Model New Model New Model

Should be installed

図3. 7:タグベースト手法の問題点

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