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 本児の書字をFig.17に示す。マンガの中には、文字と文字との間 隔を正しくとることができず、「ほ」が「し」「ま」にみえるといったよ

うに、1つの文字が分離して2つの文字にみえたり、「かっ」が「カう」

のように、前の文字の一部分が、次の文字と一緒になってみえたり

することがあった。また「い」と「り」、「わ」と「れ」、「ん」と「く」

が類似している場合もあった。対象児の書く「R」という文物は、「丸

(O)」の下に「はち(八)」がついたように書かれていた。Fig.18に示 すように、「記」という漢宇が「ごんべん(言)」と「れ(L)」になってい

た。このような本児の書字も年齢を重ねるにつれ、バランスよく書

かれるようになっていった。

       ・{ 1

イ1曳\ 喚

1㌧

③ことばの使用に関して

 ストーり一の中で幾度か、「1じご」「2じご」などといった表現が

出てきた。これはストーリーから読み取ると、1時過ぎ、2時過ぎを

意味していると思われた。また言葉の使い方では、「おまわりさん2 の妻であり、「おまわりさんの子どもの」母親である人物が「おまわ りさんの子どものかないです」と表現されていた。また「1たば10人」

「ラジオはことわってない」という表現もあった。このようなことか

ら、言葉の意味が十分に理解されていないまま使用されていること

があると推測された。その他、「しゅやく」fふくしゅやく」「ふくふく

しゅやく」「ふくふくふくしゅやく」といった表現みられた。

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2 Yくんへのインタビュー

X+2年11月4日(木)璽8:30〜19=30Y児宅にて

 事前にY児にインタビューを行うを約束をしていた。この日、Y 児はマンガを全て用意し、マンガについて話すことを考えてくれて

いた。

『これが「とけいのエレベーターとくしゅう」っていう2年忌(8歳)

の時に描いた一番最初の物語です。これは最初のところはストーリ

ーとかは決まっていないように見えるんだけど、一応結びつけ性、

ストーり一が結びついているような感じじゃなくて、普段のエレベ

ーターを描いているような感じになっているんです』.

 Y児は、8歳の時に描いたマンガをみながら、書宇や表現、その当

時描かれたマンガのストーリーについて語った。

『これは、まあ、読みにくい字があるっていうことはお分かりでし

ょうね。僕もこれ何て読むんかなっていう時もあります。特に字の

間違いなんかもあります。面白いのが、(マンガの中でYくんがエレ

ベーターに乗った場面で、本当なら「Rへお願いしますjと言うとこ

ろ)「早速Rにお願いください」という表現なんか、今見ると全然違っ

ていたり、内容も色々と自分で描いているという感じでストーリー

の結びつけ性がないなって思う。まあ2年生ということで… 』.

 このマンガを書き始めたきっかけを尋ねると、『マンガを描き始 めたのかは休憩時衙にすることがなかったから、休憩時間の時間つ

ぶしに自由帳に(マンガを)描いていた』という応えが返ってきた。

そして、本膳はマンガを描き始めた頃のことを思い出しな漢ら、

『「とけいのエレベーターとくしゅう」は1巻と書いていないから多 分、僕が予測すると物語にしょうと考えてない』『おまわりさんが登

場してからが物語になっているかなと自分では考えていて、これで

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続いていくという感じです。』と話した。このコメントから、このマ

ンガは本児が描き続けようと思って描いたものではなく、マンガを

描いていく中でストーリーが作られていったものだと推測される。

 また『マンガは、タイトルを先に決めて、「こんな話が描きたいな」

と思って描いている。ストーリーを描いていると、次のストーリー を思いつく事があるんです。そのときは、描いているストーリーを 強制終了し、次のストーリーを描き始めている。だから、強制終了 したものが沢山ある』と、マンガのタイトルとストーり一が描かれ

ていく流れを語った。さらに、『「とけいのえれべ一た一とくしゅう

②」でたんこぶ病院に行くストーリーが登場する。このたんこぶ病院

に行くというストーり一は、これ以降、リメイクした感じで何度か

出てくる。「ありくんのたび②」が初めてのリメイクだと思う』とス

トーリーが繰り返されている部分にも触れていた。

 描画については、『たんこぶ病院に行く話が出てきているところ を見たら分かると思うんだけど、医療設備がだんだん高度になって く。それを見ていったら結構楽しい。いつもと一緒のたんこぶ病院 だけど、少しずつ変わっていく。呼び出し機が最初の医療設備だと 思う。医療設備は本当にある物と、こんなのがあったらいいなと思

うものが描かれている』『ありくんは最初、6本足だったんだけど、

いつのまにか2本足になっている。2本足にみえるんだけど、片面 だけ見えているので本当は4本足。何でかこんなに短縮しているん だとも思う。そのうち友達にも6本足でしょって言われた』と語っ

ていた。

 次に登場人物の表情についても語ってもらった。文章中で「ありく ん」が石につまずいてこけたというストーリーが展開しているとき、

ありくんの目が「X」になっていた。この表現は、文脈から読み手に は「痛い」という表現によみとれた。この点について本児にききとり を行ったところ、本訴もr痛い」を表現していることが分かった。ま た汗や怒っている表現についても読み手と本児との間で一致した。

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 マンガにはY児と友人が共同で描いている部分や友人・知人が感 想を書いている部分が幾つかあった。共同で制作した部分について

は、『一部、字が違うのは、友達との共同作田だと思ってください。

文は友達が書いて、(ストーリーを)考えたのと絵は僕です。(Y児が)

転校したので、「ありくんのたび③」で友達との共同の部分は終わっ ている』『友人が(マンガを)読んで、(友人の「こんな話が描いて欲し い」という)リクエストに応えて描いたものもある』と話していた。

また、このマンガを作成する際に、誰か特定の人に読んでもらうこ とを前提にしていたかどうかを質問したところ、その時に興味を示 してくれた何人かの友人、知人が読んでくれたが、読んでくれる相 手が特定されていたわけではないということ、またマンガを読んで

もらったら嬉しいという応えが返ってきた。

 Y児にこのマンガのPRをしてもらったところ、『これらは、マン ガというよりは絵本に近いお話だと思う。でも、マンガとして描い

ている。このマンガは、あったらいいなというもの(医療器具など)、

その時にあった出来事(テレビで報道されていた電車の脱線事:故)、

実際に見たもの(とけいのエレベーター、脳放送の収録場面など)、

が出てきます。そして、このマンガを読むことによって時代(映画の 上映情報)やマイブームが分かるようになっています』と、マンガの 特徴を語った。

 さらに、『学校の休憩時間に描いていたのが、家でも描くようにな った。小学校2年生から現在も描いている。しかし、中学に入ると、

時間がなくて、最近ではあまり描いていない。』『(今まで描いてき

たマンガは大切であることと)僕にとって、このマンガはやめよう と思ってもやめられないものです。多分、ずっと描きつづけると思

う。渥『最後に、このマンガはノンフィクションではなく、フィクシ ョンです。』と、本児にとってマンガが大切な存在であることを示唆 するコメントが返ってきた。

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3 実生活でのエピソード

 母親からのききとりによると、病児は幼児期、デパートのエレ ベーターが好きでエレベーターの側から離れなかったそうだ。ま

た本児がカセット好きだったことから、7歳10ヵ月からプレイセ

ラピーに通い始めた頃、学校の授業に担任の配慮でカセットを取 り入れてもらったこともあったようだ。カセット好きは幼児期か ら13歳まで続いていた。また電車も好きで、時刻表や電車の名 前を詳しく知っている、電車での旅を体験したということがあっ た。映画も好きで、いつも新しい映画情報を入手していた。

 人間関係においては、10歳10ヵ月の転校はこれまでに比べて

なじみにくかったようで、いたずらをされることもあったようだ。

この時、心理士の助言のもとに母親と担任の先生との話し合いの 機会が持たれ、詠出に合った指導が行われた。その後、11歳3ヵ

鍔には元気になった。

 12歳になると学校のクラブへ入って友人と下校するようにな った.興味が広がり、習い事へ継続して通うようになった。また クラス役員など自分でやりたいことを選ぶ、あるいは決められる ようになった。13歳になると、友人と登下校するようになった。

 学習指導場面においては、12歳時、学習面での算数の計算が苦手 で、筆算になると列が崩れてしまうので、2桁以上の計算は電卓を 使用しての学習を進めていた。計算自体に問題はなかったため、列 を崩さないで書く練習をしていくことで電卓の使用が不要になって いった。また童児は漢字が苦手なため自分なりに覚えようと努力し

ていた。

 中学へ入学すると英語が教科に加わり、入学当初はアルファベッ

ト「p」「切「d』「 」の区別が難しかったようだ。そこで、それぞれの違

いを丁寧に説明していくという学習指導を行ったところ、その混乱

も少なくなった。しかし、英単語を読めるようになっても書けない、

実際の英単語を貝の前にするとなんとなく感覚で覚えてはいるが読

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