MICE 施設は多数の来場者が訪れることから、アクセス性(時間距離、交通容量、アク セス手段)の良い立地であることが非常に重要である。また、MICE 施設は施設単体を整 備すれば良いものではなく、ホテルや商業施設等が周辺に立地することで来場者の周遊や 消費の喚起をできるようなMICEエリアとしての整備を行って行くことが、沖縄のMICE 誘致競争力強化のために極めて重要である。このような考え方を前提に、以下に MICE施 設の建設地に求められる要件を整理した。
5.1. 新規MICE施設の建設地の評価項目
4.1 MICE 施設整備の基本方針で取りまとめた事項をもとに検討した、新規MICEの施
設の建設地の評価項目は以下の通りである。
図表 新規MICEの施設建設地の評価項目 5.1.1 整備可能時期
5.1.2 用地面積・施設拡張性
5.1.3 アクセス(容量・時間距離)
短期(2020年)、中期(2030年)、長期(2050年)
5.1.4 MICEエリアとしての成立可能性
土地利用現況等
沖縄21世紀ビジョンにおける位置づけ 県計画における位置づけ
市町村計画等における位置づけ 地域計画等の状況
周辺開発の可能性
5.1.5用地特性の影響
土地の形状
建設工事費への影響 法的規制等
幹線への接続 周辺住環境への影響
5.1.6 地元自治体の受入体制
5.1.7 既存施設との連携
5.1.8 整備コスト
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5.1.1. 整備可能時期
MICE施設整備の基本方針にも示されているとおり、新規MICE施設は早期に整備する 必要がある。沖縄では、2020年度(平成32)当初の那覇空港第2滑走路の供用開始が予定 されており、MICE施設整備も2020年を目途とした施設供用を目指す。
そのためには、工事期間を3年とし、2017年度(平成29)工事着工を行う必要があるこ とから、建設地は早期着工可能な状態であることが望ましい。
2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020
■評価項目:整備可能時期
5.1.2. 用地面積・施設拡張性
新規 MICE 施設の機能毎の規模を検討すると、施設の用地としては少なくとも約 10ha が必要である。この中にはバス昇降場や安全避難空間の確保等についての検討は含まれて おらず、これらを含めると15haは必要になると想定されることから、目標面積は10~15ha とする。また将来的には規模拡張も検討される時期も考えると、周辺地域での施設の拡張 性も重要となる。
用途別床面積
展示場1万㎡の場合 展示場2万㎡の場合
主室床面積 共用部床面積合計(延床面積) (建築面積) 主室床面積 共用部床面積合計(延床面積) (建築面積)
多目的ホール 7,500 3,500 11,000 11,000 7,500 3,500 11,000 11,000
展示場 10,000 5,500 15,500 15,500 20,000 11,000 31,000 31,000
中小会議室(2 層) 3,000 2,500 5,500 2,750 3,000 2,500 5,500 2,750
オフィス(2層) 1,000 1,000 500 1,000 1,000 500
バックヤ ード(2 層 1,000 1,000 500 1,000 1,000 500
パントリー(厨房) 2,500 2,500 2,500 2,500 2,500 2,500
電気室・機械室 1,000 1,000 1,000 1,500 1,500 1,500
MICE施設面積 37,500 33,750 53,500 49,750
駐車場(4階5 層) 50,000 50,000 16,700 50,000 50,000 16,700
合計 87,500 50,450 103,500 66,450
その他面積
外構 13,633 14,300
サービスヤ ード 10,000 20,000
バスタ ーミナル
(エ ントランス広場)
10,000 10,000
必要最小敷地面積 84,083 110,750
単位:㎡
第2国際線 ターミナル供用 那覇空港国際線
ターミナル供用
第2 滑走路増設
調査・計画・設計等 建設工事 供用開始
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■評価項目
用地の広さ・将来的な施設の拡張性
5.1.3. アクセス性(道路・交通)
MICE 施設は大規模集客施設であり、利用者の離散集合において周辺道路網が未熟な場 合、深刻な交通渋滞を引き起こすことから、道路規格、交通容量、公共交通等の利便性が 重要となる。そのため、専用の進入路確保とともに、これらの道路を利用し、那覇空港か らのアクセス時間、中心市街地とのアクセス時間の評価が必要と考える。
また、沖縄県では今後も高規格道路の整備や長期的には鉄軌道の整備も検討されており、
時間経過による交通環境の変化も考慮する必要がある。
■評価項目
アクセス(容量)
一般道路、地域高規格道路、高規格道路、高速道路等の種別や公共交通の状況等 を勘案
アクセス(時間距離)
短期:完成時の2020年時点における時間距離 中期:完成後の2030年頃における時間距離 長期:完成後の2050年頃における時間距離
5.1.4. MICEエリアとしての成立可能性
MICE 施設は施設単体として整備されるのではなく、周辺のホテルや商業施設の集積を 含めたMICEエリアの一部分として整備されるという考え方が、地域のMICE誘致競争力 強化にとって重要である。
具体的には、MICE 施設の所在エリアには隣接したホテルや、徒歩圏内に複数の飲食・
物販施設、アミューズメント施設を有する商業施設が立地していることが望ましい。また、
現状ではそのような機能がなくとも、将来的にそのような施設が立地する可能性の高い地 域にMICE施設は整備されるべきである。そのためには、土地利用の現況や4.1 MICE施 設整備で示された各種上位計画との整合が必要である。
■評価項目
MICEエリアとしての成立可能性 土地利用現況等
沖縄21世紀ビジョンにおける位置づけ 県計画における位置づけ
市町村計画等における位置づけ
50 地域計画等の状況
周辺開発の可能性
5.1.5. 用地特性の影響
都市計画用途地域は,住居,商業,工業など市街地の大枠としての土地利用を定めるも ので12種類ある。用途地域が指定されると、それぞれの目的に応じて建設可能な建物の種 類(用途)が決められる他、容積率(延べ面積の敷地面積に対する割合)、建ぺい率(建築 面積の敷地面積に対する割合)、高さなどを規制・誘導され、良好な市街地環境の形成や機 能的な都市活動の確保が図られる。
MICE 施設は大規模集客を行う性質から用途制限があり、原則として住居系用途地域で の建設は不可であり、近隣商業地域、商業地域、準工業地域のみで建設が可能となる。そ の他の法的規制や土地の形状等についても評価の対象とする必要がある。
■評価項目
用地特性による施設整備への影響 土地の形状
建設工事費への影響 法的規制等
幹線への接続 周辺住環境への影響
<MICE機能立地可能な都市計画用途地域について>
第 一 種 低 層 住 居 専 用 地 域
第 二 種 低 層 住 居 専 用 地 域
第 一 種 中 高 層 住 居 専 用 地 域
第 二 種 中 高 層 住 居 専 用 地 域
第 一 種 住 居 専 用 地 域
第 二 種 住 居 専 用 地 域
準 住 居 地 域
近 隣 商 業 地 域
商 業 地 域
準 工 業 地 域
工 業 地 域
工 業 専 用 地 域
備 考
× × × × × × ▲ ○ ○ ○ × ×
▲ 客 席 2 0 0
㎡ 未 満 建築基準法第48に関連し、MI CE機能立地の制限の内
容( 別表第二 用途地域等内の建築物の制限( 第二十 七条、第四十八条、第六十八条の三関係) )
五 劇場、映画館、演芸場又は観覧場のうち客席の部分 の床面積の合計が二百平方メートル以上のもの 六 前号に掲げるもののほか、劇場、映画館、演芸場若 しくは観覧場又は店舗、飲食店、展示場、遊技場、勝馬 投票券発売所、場外車券売場その他これらに類する用 途で 政令で定めるものに供する建築物で その用途に供 する部分( 劇場、映画館、演芸場又は観覧場の用途に供 する部分にあつては、客席の部分に限る。) の床面積の 合計が一万平方メートルを超えるもの