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これらの制 裁制度は同一の事 案にも適用される。雇用契約の終了に理由がなく、使用

者が協 調手続を守らない場合、労働者は 二種類の 経済的補償を受け取る権利を有する。

一般に協調手続の 違反 はこの種の制裁をもたらさない。適切な協 調手続なしに行われた 決定の結果労働者の 地位 が著しく 変更 された場合にのみこの制 裁が用いられる。企業内 協調法の 違反に対する通常の制裁は罰 金である。

フランスでは、労働 裁判所への個別の訴えは一定の期限内 に行うことができる。労働 組合は経済的理由による解雇については、他の理由による解雇よりも自由に訴えを提起 することができる(当事者からの委任は必要としない)。しかし労働組合はその計画を 当事者に通知しなければならず、当事者は組合による提訴を止めさせ、自分で訴えるこ ともできる。労働組合は、使用者が社会計画を遵守しているかどうかを審査 するために 民事裁判所に訴えることもできる(労働裁判所は個別の訴えにのみ権限がある)。

アイルランドでは、解雇された労働者は解雇の日から

6

カ月以内に人権委員または雇 用控訴審判所に訴えることができる。しかしながらこの期 限は、例外的な状況 のために 当初の

6

カ月間に訴えを提 起することができなかった場合には

12

カ月に 延長される。労 働者のために労働組合が不当解雇事案の訴えを開始し、 維持することが通 常である。

イタリアでは、労働者は通知から

60

日以 内に書面で解雇に異議を申し立てなければな らない。いったん異議が 申し立てられれば、提訴の期 限は

5

年である。労働者

15

人未満、

農業では労働者

5

人未満または都市部の企業(“stabilità obbligatoria”)の場合、事前の 調停手続が 義務づ けられる。解雇の正当性は使用者が立証 しなければならない。労働組 合は、労働者権利法第

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条に基づく労働組合代表の場合を除き、組合員のために活動す ることはできない。使用者は労働者を他の 職場で雇用することができないことを立証し なければならない。

ルクセンブルクでは、 集団整理解雇としての解雇は社会 計画の署名または 全国調停委 員会の関与の日以前に実施されれば無効である。

ポルトガルでは、 集団 的解雇(企業の 決定的閉鎖 、一またはそれ以上の部 門の閉鎖、

構造的、 技術 的その他の理由による労働者の 削減)については、 不法解雇であるとの判 決を求める訴えの期 限は解雇から

6

カ月である。余剰人 員を理由とする解雇の場合、不 法解雇であるとの判決を求める訴えの期限は

1

年である。労働組合は組合員のために、

代理としてまたは(集団的解雇の場合のように)それが組合員の特性の個別的権利の侵

害である場合には 直接に関 与することができる。

スウェーデンでは、 解雇 が年功ルールの 違反であるというだけの理由で訴えられた場 合には、解雇される労働者の選択に関する規則の違反 であるというだけの理由では無効 と判 断されることはない。しかしながら、労働者は年 功ルールの 不遵守に対して補償金 が支払 われる。

イギリスでは、労働者は解雇の発効日から

6

カ月以 内に雇用審判所に訴えることがで きるが、 審判所はそれが正当であればこの期限を

12

カ月に延長 することができる。解雇 された労働者は、事前の協議がないなど使用者が人員整理を実 施する際のやり方が不合 理であるという理由で、解雇が「不公正 」であるとして訴えを提起することもできる。労 働者は労働組合の人を含めて 代理を 指名することができる。 剰員手当の請求 の審査 では、

解雇が余剰人 員を理由でなされたと法定の 推定がなされる。使用者がその支払 いに 異議 を申し立てた場合、それが剰員整理を理由とするものではないことを立証 すべきは使用 者である。

他の加盟国については

3.3.2

を参照。

(6)解雇の効力の 停止

停止手続はポルトガル (3.3.2 参照)と ベルギー にのみ存在する。

ベルギーでは、使用者が情報提供 ・協議しないことに対して個別労働者が法的に訴え ることができる。この訴えが認められれば、 情報提供手続が 開始 されるか再開され、予 告期間は停止される。

ポルトガルでは、集団 的解雇は次の場合に停止 される。

-使用者が調停手続に正当な理由なく出席しない場合、

-使用者が労働者代表に通知しない場合、

-使用者が労働者代表との 情報提供及び交渉 の手続を進めない場合、

-使用者が最初の通知から

30

日が 経過する前に労働者代表 との合意なく集団 解雇を 決定した場合、

-使用者が予告期間満了前に 対応する補償 金を支払 える状態 にしなかった場合(この 義務は使用者の 破産 の場合及び企業再生並びに 経済部門の再組織に関する特別の立 法が適用される場合には適用されない)。

余剰人 員を理由とする解雇は次の場合に停止 される。

-使用者が調停 手続に正当な理由なく出席しない場合、

-裁判所 が解雇にはおそらく理由がないと判断した場合。

(7)復職

ベルギーでは、使用者が情報提供 ・協議しないことに対して個別労働者が法的に訴え ることができる。この訴えが認められれば、 情報提供手続が 開始 されるか再開され、予 告期間は停止される。

デンマーク では、LO と

DA

の基本協約が 復職について規定している。その条件は、解 雇委員会(“Afskedigelsesnævnet”)が使用者と労働者の間の協調が不可能となっていな いと判断することである。上述の 不法解雇 への補償金に追加される補償金はない。 俸給 労働者の場合、法は

6

カ月分までの賃金に相当する金銭補償の選択肢を規定している。

雇用関係が労働協約によって規制されている場合には、39 週間分までの賃金 に相当する 金銭補償の 選択肢 が多い。

スペイン では、

-経済的理由による 非集団的解雇(“despido objetivo”)については

3.3.3

を参照。

-集団 的解雇及びやむを得ざる事由による解雇については、雇用契約の終了に 対する 雇用行政の許可が権 限ある雇用行政または 裁判所によって無効と判断された場合、

使用者は労働者を復職させなければならない。

スウェーデン、フィンランドでは、解雇された労働者は解雇から

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カ月以内に再雇用

される優先 権を有する。