行規定である。
イギリスでは、雇用 審判所が不公正 に解雇された個人 を原 職に復職 させ、または同等 のさもなければ適切な職に再雇用するよう 命じることができる。実際には、これはきわ めて稀な場合にしか 起こらない。復職 や再雇用の命令をしない場合は、雇用審判所は使 用者に補償を命じる(基本支払金は
8,400ポンド、補償支払金 は最高
56,800ポンドだが、
使用者が法定の解雇手続や 懲戒手続を履行していなかった場合には
50%まで増額さ れ る)。復職 や再雇用が 命じられたのに使用者が従うことを 拒む 場合は、雇用審判所は基 本支払金 及び補償支払金に加えて
26週-52 週分の 賃金 (1 週あたり
280ポンドが上限)
を追加的に支払 うよう命じることができる。
(7) 罰則
ポルトガル では、次の場合に使用者は罰金を科される。
-労働者委員会に解雇の提案の写しと書 面による 宣明を 送付しなかったとき。労働者 が労働組合代表 であれば労働組合にも。
-労働者委員会に手続の写しを送らなかったとき。労働者が労働組合 代表 であれば労 働組合にも。
ギリシャでは、解雇が無効と判 断された労働者を復職 させることを使用者が拒否した
ときは懲役(ごく稀)または罰金を科される。
(8) 労働協約
オーストリアでは、 商工会議所の会員である使用者に雇用されるすべての労働者は労 働組合員でなくても労働協約の適用範囲に 含まれる。労働協約はしばしば法規定とは異 なる予告期間の定めをしている。
ベルギーでは、労働者 代表に関わるものを除けばこの問題に特に関する労働協約はな い。業種によっては、勤続期間に応じて長い予告期間を定めるものもある。
ドイツでは、 多くの労働協約がより有利な予告期間の規定を設けている。 ドイツの全
労働者の
90%がそのような労働協約の適用を受けている。デンマークでは、 多くの労働者にとって労働協約が重要である。これは、労働協約に 拘束される使用者は同じ企業で働く組合員と 非組合員を 平等に取り扱わなければならな いという事実によるものである。さらに、 多くの非組合員はいわ ゆる「接着契約 」を結 び、適当な労働協約に従うことを定めている。最 後に、労働協約は労使双方に適用され る分野における規範を設定している。つまり、労働協約はそれが 直接適用される者より もずっと多くの 人々にとって重要性がある。労働協約が適用されない労働者の多くは、
俸給雇用法のような法の規定が適用される。
ギリシャでは、この問題にかかる労働協約はほとんどないが、多くの 就業規則が極め て重要である。それらは通常、補償金などにおいてより有利な条件を定めている。
スペインでは、労働協約に解雇の合法的な理由を特定する規定が盛り込まれている。
フィンランドでは、労働協約には法の規定と同じ内容が盛り込まれている。
フランスでは、多くの労働協約に法の予定するものとよく似た補償の規定がある。
アイルランドでは、解雇に特化した労働協約はないが、 多くの協約には労働者を解雇 する際に守るべき手続が定められている。
イタリアでは、労働協約が正当な解雇理由と予告期間、 調停手続を規定し、解雇通知
には理由が付記されなければならない旨を述べている。
オランダでは、 法定の予告期間は労働協約によって修正されている。解雇の事前手続 を定めるものもあれば、効力停止の要件を規定するものもある。
ポルトガルでは、労働協約は法から 離れて、補償額や懲戒 手続の期限に関して労働者 側に有利な規定を設けることができる。
スウェーデンでは、 立法はしばしば労働協約による適用除外や補完を認めており、そ のような協約は通常協約締結 組合の非組合員にも適用される。全労働者の約
85%は何ら かの労働組合の組合員であり、多くの使用者は使用者団体に加盟している。予告期間は しばしば労働協約に定められている。そのような規定はスウェ ーデンでは準強 行規定で あり、それゆえ労働協約によって適用 除外されうる。
3.3.3