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年間で2倍に値上がりしている。フグ延 縄の水揚げ減少に加えて、副次的な漁業の水揚げ

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【豊かな海づくり推進協会コーナー】

この 10 年間で2倍に値上がりしている。フグ延 縄の水揚げ減少に加えて、副次的な漁業の水揚げ

も減少し、生活は年々苦しさを増しており、漁業 を廃業して陸に上がる人も増えてきている。

 このように苦しい経営状況だが、大事なトラフ グ資源を回復させるために前向きに取り組んでい る。獲りすぎを防ぐため、3~4日操業したら2

~3日休み、連続して漁に出ないようにつとめて

いる。小型魚の再放流は 35㎝以下という厳しい ルールでやっている。

 我々も過去の獲りすぎが現在のトラフグ資源の 危機的状況を招いている原因の一つであることは わかっている。資源を増やすためには、思い切っ た獲り控えも必要であることは承知している。し かし、救済措置もないまま、延縄漁業者がこれ以 上の厳しい資源管理や放流経費の負担をするとい うことは、もう限界。漁村地域の雇用を守るため にも、一定のトラフグの水揚げを確保しなければ ならない厳しい状況にあることも、十分に理解し ていただきたい。

吉村氏

「種苗放流は国の責任で 適正規模の把握と拡大を」

○吉村正義参考人

(山口県漁協越ヶ浜支店運営委員長)

 近年の資源減少の大きな原因は、瀬戸内海など の産卵場などの何らかの要因による再生産成功 率が低下していることではないかとされる。資源 を維持していくためには、種苗放流の強化に加 え、さらなる操業規制が必要なことは承知してい る。しかし、漁業経営は危機に瀕しており、我々 の協議会単独の力では困難。トラフグは広域に回 遊する魚種であり、様々な海域で様々な漁法で利 用されている。我々4県の延縄漁業者だけに偏っ た負担が強いられることは不公平といわざるを得 ない。このような経緯から、昨年8月に国に3点 を要望した。第一に、広域回遊魚であるトラフグ の種苗放流は、特定の県ごとに実施するのではな く、国の責任において適正規模の把握と放流の実 施、さらに事業の拡大に尽力いただきたい。第二 に、瀬戸内海などで再生産成功率が低下している 原因を調査し、原因が判明した暁には早急に対策 を講じていただきたい。第三に、資源回復のため、

漁業者に新たな操業規制が課せられる場合は、負 担軽減のため、国の支援をお願いしたい。

委員から活発な意見

「全ての関係漁業者が参加した資源管理が 必要」       

 これらの参考人の意見を受け、委員の間で活発

な議論が交わされた。田添伸委員(長崎県水産部 技監)は、長崎県が行っている有明海における種 苗放流では、非常に高い確率で産卵回帰すること が確認され、有明海では産卵親魚が増えている実 態を紹介し、種苗放流の効果をさらに高めて小型 魚の再放流などと組み合わせた管理措置、九州・

瀬戸内海海域が連携した共同放流体制が必要とし た。また、牧野光琢委員((独)水産総合研究セ ンター中央水産研究所経営経済研究センター漁業 監理グループ長)は、トラフグのように広域に回 遊する魚種にとって、沿岸の都道府県がばらばら に管理していることが効果が出にくくなっている と問題を指摘した。

 勝川俊雄委員(三重大学生物資源学部准教授)

は、片町氏のシミュレーションについて、「2~

3年がまんして漁獲圧を下げることで、将来的に 資源が回復し、漁獲も伸びていくのであれば、迅 速に何らかの手当てを急ぐべき」と、漁業者、行 政、研究者が協力して取り組む必要性を強調した。

 田添委員は、「有明海では種苗放流の効果が出 ている。長崎県では、平成 16 年度からトラフグ を毎年 50 万尾放流し、効果調査を行っているが、

放流したトラフグは外海域で索餌回遊した後、有 明海に 95%の非常に高い確率で産卵回帰するこ とがわかっている。平成 16 年度から種苗放流を 開始したが、トラフグ全体の資源は悪い中で、有 明海は横ばいであり、産卵親魚がどんどん増えて いる」と説明した。今後の国の方向性として、① 科学的知見の充実、②トラフグを漁獲する全ての 関係漁業者などが参加し、資源管理の取り組み検 討、③資源管理と種苗放流の連携による効果的な 資源増大―が重要とし、「具体的な目標の設定と 達成のための管理措置や必要種苗放流数の検討が 必要。放流効果を出すには、小型魚保護を組み合 わせた管理措置が効果的。また、優れた種苗を生 産できるところはまだあまりないため、優れた種 苗を共同生産する体制の確立が必要。関係県が連 携して放流効果が高い海域への放流を行い、有効 放流尾数を増やしながらやっていけば、資源は回 復するのではないか」と述べた。

 牧野委員は、「トラフグのように広域に分布し、

沿岸でも多く獲られているような資源の場合、沿 岸の都道府県がばらばらで管理すると効果が出に くい。特に地方分権が進んで財源が地方に移譲さ れたあと、県によって対象とする資源の重要度が

資源管理のあり方検討会 (平成26年7月1日)

資源管理のあり方検討会取りまとめ(案)抜粋

トラフグ

(1)資源の状況等

 トラフグ日本海・東シナ海・瀬戸内海系群は、

20 府県にわたり、はえ縄、小型底びき網、小型 定置網及び釣りなど様々な漁業種類により漁獲さ れている。

 長期の漁獲量の指標である下関唐戸市場㈱にお ける取扱量は、1971 年(昭和 46 年)~ 1993 年(平 成 5 年)の間は 600 トン以上の中位~高位の水 準にあったが、1994 年(平成 6 年)から急激に 減少し、1997 年(平成 9 年)以降は 106 ~ 313

トンの低水準で推移しており、2012 年(平成 24 年)は 114 トンである。また、2002 年(平成 14 年)以降の資源量は 2006 年(平成 18 年)の 1,039 トンをピークに減少しており、2012 年(平成 24 年)は 717 トンで過去最低である。これらのこ とから、近年の資源水準は低位、資源動向は減少 と判断され、資源は危機的な状況にある。

 資源管理については、2005 年(平成 17 年)か ら 2011 年(平成 23 年)まで、山口県、福岡県、

佐賀県、長崎県、熊本県及び広島県の浮きはえ縄 及び底はえ縄漁業者によって九州・山口北西海 域トラフグ資源回復計画が実施された。2012 年 違うため、それぞれ財政事情が厳しい中で、どう

しても各自が優先順位をつけて、資源全体でみる とばらばらなってしまうという問題がある」と指 摘した。

 重義行委員(大日本水産会専務)は、「トラフ グは資源状況がまだよくわかっていない。なぜ こうなってしまったのか、環境要因なのか、再生 産成功率の問題など、研究機関が

しっかり押さえた上で漁業者に求 めていかなければならない。人工 種苗生産をしっかりやって、たく さん放流すれば、若齢魚の部分は 漁業者に負担をかける必要もない ということになる。漁業者は、自 分たちの負担がかかる話の前に、

もっと種苗放流をしっかりやって ほしいという希望はないのでしょ うか。このような漁業規制を行う 際は、国としても調査研究や種苗 放流について、国がしっかりやる べきところは両輪を併せてやるこ とが重要」と、参考人の考えを質 した。

 これに対し、参考人の漁業者は、「従来通りの 種苗放流はやっていくが、トラフグはこれだけ広 域に、いろいろな漁業で獲られている資源なので、

種苗放流はぜひとも国にお願いしたい」と述べ、

都道府県ごとの放流ではなく、国の責任で種苗放 流を行う体制が必要であることを強調した。

写真左より大枝周二萩越ヶ浜はえ縄船団団長、吉村正義山口県延縄協議会 会長、中村忠彦宗像漁業協同組合代表理事組合長、松尾克樹西日本延縄漁 業連合協議会事務局

(平成 24 年)以降も資源管理指針・計画体制の 下、熊本県から山口県西方海域(瀬戸内海、有明 海、八代海を除く)において 5 トン以上漁船の隻 数管理、休漁期間の設定、25 センチ(一部海域 では 20 センチ)以下の小型魚再放流の取組が実 施されている。また、これら関係県は連携して近 年 150 万~ 250 万尾の人工種苗を放流してきて おり、0 歳魚の資源尾数に占める放流魚の割合は 平均 20%となっている。その他の府県において も独自に漁具規制、小型魚再放流などの取組が行 われているものの、横断的に資源管理を検討する 体制は脆弱な状況にある。

 一方、多種多様な漁業による漁獲の 7 割(尾数 換算)以上は未成魚(0 歳~ 1 歳)が占める実態 にあり、これら操業の多くは産卵場や成育場が多 い瀬戸内海や有明海で行われている。このため、

従来の取組のまま大量の未成魚の漁獲が継続する 限り、現状の種苗放流を継続しても資源量は減少 を続けると推定されている。

(2)今後の対応

 トラフグの生態には不明な点も多く、資源減少 要因は未解明であることから、調査研究の拡充強 化が急がれるが、資源回復のための予防的措置と して、成育場等における未成魚及び産卵場におけ る親魚を対象とした漁獲規制や保護などに取り組 む必要がある。

 そのためには、トラフグを漁獲する全ての関係 漁業者、関係行政機関及び試験研究機関が参画す る横断的な検討の場を設け、資源管理措置につい て検討し、関係漁業者が統一的な方針の下で資源 管理に取り組むことが望ましい。

 具体的には、これまでのはえ縄漁業者の資源管 理の取組の効果分析を行うとともに、その他の小 型底びき網、小型定置網及び釣り等で漁獲する漁 業者を含め、それぞれが取り組むべき資源管理措 置について検討した上で、関係者の合意の下で統 一的な資源管理指針を策定し、関係する府県や漁 業者が資源管理指針や計画を策定して、資源管理 を進めていく仕組みをすることを目指す一方で、

先行的に資源管理に取り組む漁業者の取組を併せ て促進するため、その円滑な実施のための方策を 検討する必要がある。

 トラフグの資源管理を効率的に進めるために は、漁獲の 7 割を占める未成魚の抑制に取り組む 必要があるが、未成魚しか分布しない地域や混獲

が避けられない漁業種の実情を調査し、関係者が 連携して、未成魚漁獲の抑制や未成魚の再放流を 検討する必要がある。

 種苗放流については、未成魚漁獲の抑制と組み 合わせることで更に効果的な資源増大が図られる ことから、資源管理と一層の連携を図りながら、

十分な放流尾数を確保しつつ放流効果の高い場所 での集中的な放流、尾びれの欠損のない種苗の放 流など種苗放流の有効化を検討する必要がある。

今後の資源管理への期待

 本取りまとめは、5 回にわたる会合を踏まえた 検討会の提言として、検討会を設置した水産庁に 提出される。今後、水産庁は関係部局及び漁業関 係者と調整を進め、より具体的な措置を早急に検 討し、可能な部分から速やかに取組を実施すべき である。

 冒頭にも述べたとおり、本検討会は可能な限り 我が国漁業の実態に即した検討を行うことを旨と し、漁業関係者の意見を聴取しつつ検討を行った。

本検討会で取り上げたマサバ太平洋系群、スケト ウダラ日本海北部系群、太平洋クロマグロ、トラ フグの 4 魚種に対する資源管理は、それ自体が重 要であるだけでなく、今後、他の魚種について資 源回復を図る際にも有用な知見を提供すると考え る。

 もちろん、我が国の資源管理のあり方に関する 検討は、本検討会で完結するものではなく、様々 な場において継続されるべきものである。特に、

今後行われる資源管理指針・計画体制の評価・検 証は、我が国漁業管理の特徴である漁業者の自主 的な取組をより高度化させ、公的管理との連携を 図るものとして極めて重要である。次期水産基本 計画も視野に入れつつ、所要の作業を進める必要 があろう。

 これら取組は、水産日本の復活に向けた貴重な 一歩であり、本検討会の取りまとめがその羅針盤 となることを期待するものである。

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