常勤医師の有無と各項目のクロス集計
特例補装具の検討会も 5 年未満群 21 ヵ所
(53%)、5 年以上群 28 ヵ所(78%)であっ た。職員の経験年数が多いところで検討会 議が行われていた(p=0.1025、p=0.0442)。
一方、経験年数と判定困難内規の有無、特 例補装具内規の有無、判定困難要因の個数 との間に特別な関係はなかった。
10. 考察
同じ事例を判定しても判定困難と感じる か否かは、更生相談所の判定形式、スタッ フの経験、判定に至るまでの検討会議の有 無などによって異なると思われる。今回の アンケートを行う前の仮説は、更生相談所 が充実しているほど判定困難と感じること は少ないと予測した。充実とは、医師やリ ハ専門職が常勤でいること、補装具判定に 関わる職員の経験年数が長いこと、判定困 難事例や特例補装具検討会議が行われてい る、内規が作成されているなどシステムが できていることを因子として考えた。アン ケートの回答をした職種、経験年数などの 因子も影響したと思われるが、判定困難と 感じる要因はさまざまであり、結論として は上記に示す充実度との相関は得られな かった。
システムの充実という点では、経験年数 の長い常勤医師や常勤リハ専門職がいるこ とが判定困難事例や特例補装具の検討会議 の存在、内規作成の有無に影響していた。
また、リーダーとなる常勤医師がいること がリハ専門職の常勤確保にも影響している と言えた。
高額な既製品、高額な完成用部品を処方 する場合に、判定困難と感じる更生相談所 が一番多かった。限られた財源での支給と いうジレンマはあるが、高額だから支給を ためらうのは判定困難の理由にはならな い。身体機能を補完、代替するために、生 活上、学業上、就労上、そして児童では発 育までも考慮して、本当に高額なその既製 品、完成用部品でなければならないという 明確な理由を示すことができないから判定 に困難を感じるのである。
今後も、利用者のニーズの多様化が進み、
高額で高機能な既製品が次々と開発される 中で判定困難事例はますます増加していく ものと考えられる。判定困難事例に対応す るためには、各更生相談所の充実はもちろ んのこと、事例、経験を蓄積してその後の 判定に活かしていくこと、全国の更生相談 所が共通認識をもって判定にあたることが 解決策となると思われる。そのためにも本 事例集を活用できれば幸いである。
最後に、児童の補装具判定については、
多くの貴重な意見をいただいた。特に特例
補装具の扱いとなる高額な歩行器、座位保
持いす、起立保持具等の市町村決定に更生
相談所が積極的に関わっていく必要がある
と考えている。そのためには、更生相談所
が者の経験だけでなく児の経験ができるシ
ステムの構築、補装具費支給事務取扱の見
直しが急務である。
資
料
考察・提言事例概要代表事例アンケート結果総括的事項 資
料
考察・提言事例概要代表事例アンケート結果総括的事項
代表事例
資
料
考察・提言事例概要代表事例アンケート結果事項
資
料
考察・提言事例概要代表事例アンケート結果事項
1. 使用目的に疑義が生じた事例
1-1 使用環境確認の必要性を実感した手動兼用型切替式電動車いすの判定事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・60 1-2 座位保持装置(立位目的)の適否を医療との連携にて判断できた事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・61 1-3 生活スタイルの見直しを考慮する時期で座位保持装置(立位目的)の判定に苦慮した事例・・・・・・・・・62 1-4 保護者の希望とケースの身体状況に乖離がみられた歩行器の判定事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・63 1-5 昇降機能付き構造フレームの座位保持装置が不適当と判定された事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・64 1-6 体調により電動車いすの操作性が不安定なため介助者用コントローラーを希望した事例・・・・・・・・・・65
2. 医学的判断の面で判定困難事例
2-1 医学的判断から判定を保留し、短下肢装具の補高変更にレントゲン写真が有用であった事例・・・・・・66 2-2 医学的な理由で介護保険レンタルでの対応が不適当なため障害者自立支援法で認めた事例・・・・・・・・67 2-3 症状の永続性と使用効果が不明確な高額電動車いすを不適当と判定した事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・68 2-4 姿勢保持機能付き歩行器使用が不適当と判定した事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・69
3. 複数支給の判定困難事例
3-1 座位保持装置、車いすの使い分け、複数支給の判断に苦慮した事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・70 3-2・3 個目の車載用座位保持装置の判定に苦慮した事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・71 3-3 使用中の座位保持装置 2 台と座位保持機能付き車いすに加え車載可能な車いすが申請された事例・・・72 3-4 電動車いすと自走式車いすの同時申請がなされた事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・73
4. 高額製品・部品の判定事例
4-1 電動車いすヘッドコントローラーにより活動性を再獲得できた頸髄損傷の事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・74 4-2 電動リクライニング・ティルト機能に加えて電動リフト機能を希望した事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・75 4-3 公共設備利用のための電動リフト機能希望に対し、電動ティルト機能を用いることで対応できた事例・・・・76 4-4 公共設備利用のために電動リフト機能が必要であると認めた事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・77 4-5 国産電動車いすのフレーム補強で耐荷重対応をした事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・78 4-6 チンコントローラーの電動スイング機能を希望した事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・79 4-7 重症心身障害者の座位保持装置に昇降機能式構造フレームが必要か判断に苦慮した事例・・・・・・・・・・80 4-8 住宅内外の環境から 6 輪型電動車いす(特例)が適当と認めた事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・81 4-9 進行性疾患の相談者に対して電動車いすの特殊入力装置を適当と認めた事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・82
5. 筋電義手の判定事例
5-1 片側前腕切断で労災対象外、高所作業・重量物運搬のため能動式義手から筋電義手に切り替えた事例・・・・・83 5-2 片側前腕切断で、判定後に機能付加されそうになり、身体機能上不要な支出の可能性があった事例・・・・84 5-3 片側前腕切断で、日常生活動作、家事作業の向上目的だけでの筋電義手支給を適当としなかった事例・・・・85 5-4 片側前腕切断で、把持力を持続的に必要とする職業上、筋電義手適当とした事例・・・・・・・・・・・・・・・・86 5-5 片側前腕切断で複数の筋電義手(2 個目の電動手先具)を希望された事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・87 5-6 長期間装飾用義手を使用してきたが、細かい作業を目的に筋電義手を希望した事例・・・・・・・・・・・・・・88
代表事例
資
料
考察・提言事例概要代表事例アンケート結果事項
資
料
考察・提言事例概要代表事例アンケート結果事項
6. 高機能膝継手の判定困難事例
6-1 高額な完成用部品の希望から試用を通じ、同等安価な膝継手が処方された事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・89 6-2 使用効果が確認され、職業上の理由から高額・高機能な膝継手処方に至った事例・・・・・・・・・・・・・・・・90 6-3 将来的な環境因子の変化も含めて検討され、希望より安価の膝継手が処方された事例・・・・・・・・・・・・91 6-4 障害状況・環境因子からも高額・高機能な膝継手の適応性が認められた事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・92 6-5 脳梗塞、内部障害を合併し身体機能が低下した切断者へ高機能な膝継手を検討した事例・・・・・・・・・・93 6-6 職業上の環境因子から高機能な膝継手を希望したが、他の製品でも対応できた事例・・・・・・・・・・・・・・94 6-7 数種の高機能膝継手の比較試用を行った結果、支給に至らなかった事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・95 6-8 障害状況・環境因子から高額・高機能な膝継手が適応と認められた事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・96
7. 特例補装具判定事例
7-1 使用場面の確認が最適な電動車いすの選択につながった特例補装具の判定事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・97 7-2“仕事上、真に必要と認められるか”を職場状況調査で確認した手動立位機構付き車いすの判定事例・・・・98 7-3 住環境の制約から特例補装具(6 輪車いす)が適当と認められた事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・99 7-4 身体機能と生活環境から特例の手押し型車いす(ストレッチャー仕様)が適当と認めた事例・・・・・ 100 7-5 身体機能と生活環境から特例の電動車いす(ストレッチャー仕様)が適当と認めた事例・・・・・・・・・ 101 7-6 進行性疾患障害者の移乗・移動の自立に向けて電動リフト機能付き車いすを適当と認めた事例・・・・ 102 7-7 製作業者との連携で電動車いすの安全な操作方法が確立した事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 103
8. 制度適用面で判定困難な事例
8-1 介護保険制度との適用関係で判定に苦慮した車いす普通型の事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 104 8-2 重度障害者の短下肢装具の使用目的(内反尖足変形予防)で判定に苦慮した事例・・・・・・・・・・・・・・・ 105
9. 児童補装具の判定困難事例
9-1 既製品の歩行器が学校の備品なのか個別支給による補装具として扱うか判断に苦慮した事例・・・・ 106 9-2 昇降機能の必要性が認められず、既製座位保持装置を不適当と判定した事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 107 9-3 起立保持具とするか立位保持を目的とした座位保持装置として扱うか判断に迷った事例・・・・・・・・ 108 9-4 主治医から多機能・高額な既製品座位保持装置支給の意見があり、書類により不適当と判断した事例・・・ 109 9-5 両手を自由に使える状態で、脱臼している股関節に負担をかけない歩行器を希望した事例・・・・・・ 110 9-6 歩行器本体を基準額との差額自己負担、オプションを特例補装具とした事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 111 9-7 日常生活でも使用する同等安価な特例補装具歩行器の適応を検討した事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 112 9-8 歩行器及び起立保持具が同時に申請され書類により判断した事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 113