第3章 平均天空とそれによる昼光照明設計法
3.2 平均天空の構成方法
中村らは、 平均天空を構成するために、 まず、 天空の輝度分布を晴天空、 中 間天空、 および、 曇天空の3つに大別した。 これらの天空の輝度分布に関して は、 晴天空の輝度分布はCIE標準晴天空1, 2、 曇天空の輝度分布は、 CIE標 準曇天空2, 3を充てた。 また、 中間天空の輝度分布には、 同氏らの中間天空4を 用いた。 次いで、、 これらの天空の輝度分布を、 一日の就業時間、 検討期間、 検 討地点の地理的な位置(経度、 緯度)から求める天空上の太陽の位置の出現頻 度と、 晴天空、 中間天空、 および、 曇天空のそれぞれの出現頻度を重み係数と して加重平均することにより、 平均天空を構成した。
なお、 同氏らは、 平均天空を構成するために、 次の2点について検討を行っ た。
( 1)
C
1E標準晴天空、 CIE標準曇天空、 および、 中村らの中間天空の輝
度分布は相対値で示されている。 これ を絶対値で示すために、 太陽高度と天 頂輝度の関係を検討し、 その関係式を定める。
( 2 ) 晴天空、 曇天空、 および、 中間天空のそれぞれの出現頻度を日照率より 類推する方法を検討し、 その推定式を求める。
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上記(1 )についての検討の概要は次のようである。
中村らは、 1969年以来、 天頂輝度の測定をしばしば行い、 その実測資料を蓄 積した。 また、 それに基づいて、 太陽 高度と天頂輝度の関係についてのいくつ かの提案を試みた5,67,890 これらより、 平均天空の構成に用いる、 晴天空、 中 間天空、 曇天空のそれぞれについての太陽高度と天頂輝度の関係式を次のよう に定めた10 0
Lzcl
(
yJ
= 4.47 .tan1.13ys + 0.14(kcd/m2)
一一一一一1.3.1Lzin(人)
= 0.47'(
4.47 .tan1な
+0.14)
+0.6かい
5.0 'sin1侃ys + 0.07) (kcd/m2)
--1 . 3 . 2
Lzoc
(
yJ
= 15.0・sinlωys + 0.07(kcd/m2)
一一一一1.3.3Lzcl(γs) :太陽高度γsのときの晴天空の天頂輝度(kcd/m2)、
Lzin(γs) :太陽高度γsのときの中間天空の天頂輝度(kcd/m2)、
Lzoc(γs) :太陽高度γsのときの曇天空の天頂輝度(kcd/m2)、
γs .太陽高度(rad. or deg.)。
上記 の式1.3.1、 および、 式1.3.2は、 太陽高度が主として7 0・以下のと きの実測値に基づいている。 また、 これらの式は、 太陽が天頂に位置するとき、
すなわち、太陽高度が9 0・のときの値を求められない。したがって、中村.Rahim は、 これらの式を、 最近、 下記 のように修正したl l o
Lzcl
(
yJ
= 6山組1.18(
0.846' yJ
+ 0.14(kcd/m2) 一一一一一一一一1.3.4
Lzin
(
yJ
= 9.90・sin1槌ys + 3.01 . tan 1市
846 .yJ
+ 0.112 (kcd/m2) 一一一1.3.5Lzcl(γs) :太陽高度γsのときの晴天空の天頂輝度(kcd/m2)、
Lzin(γs) :太陽高度γsのときの中間天空の天頂輝度(kcd/m2)、
γs .太陽高度(rad.)。
上記(2 )についての検討の概要は次のようである。
中村らは、 まず、 気象台の地上気象観測日原簿の測定記録に基づいて、 雲量、
天気、 雲の状態、 日照時間に関する晴天空、 曇天空、 およ び、 中間天空の条件 を定めた。 次いで、 この条件に従って、 日本の8都市(札幌、 青森、 仙台、 金
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沢、 名古屋、 東京、 広島、 福岡)の1 979年から1 982年までの4年間の、
月ごと、 年ごとの各 天空の出現頻度を 推定した。 また、 併せて、 この日原簿の 日照時間の記録から、 8都市4年間に ついて対応する日照 率を求めた。 これら により、 日照率から3つの天空の出現 頻度を推定する回帰式を、 晴天空、 中間 天空、 および、 曇天空の出現頻 度をそれぞれPcl、 Pin 、 Poc、 月平均日照率を
σ m として、 それぞれ次のように示した12,13,i4.150
P
c l
=5.689/(1.054 -a m/100) -5.397 (%) 一一一一一一一一1.3.6
Pin =
100 - 5.689/(1.054 -am /100) - 78.629/( 0.551 + am /100) + 56.091 (%)
P∞=
78.629/(0.551+am/100 )-50.694 (%)
Pcl :晴天空の出現頻度(%)、
Pin :中間天空の出現頻度(%)、
Poc:曇天空の出現頻度(%)、
σ m:月平均日照率(%)。
一1.3.7 一一一1.3.8
理科年表に記載されている、 我が国の80地点の3 0年間(1 9 5 1年から 1 980年)の日照時間の記録から求めた日照率の平均値は、 4 5.2 %である。
同氏らは、 これを上式1.3.6から式1.3.8に代入して 、 我が国における3つ の天空の出現頻度を、 晴天空4.1 %、 中間天空68.2 %、 曇天空27.7%とし た。 また、 世界の各地における日照率、 あるいは、 日照時 間に関する気象資料 を収集、 整理し、 世界の各地における3つの天空の出現頻度を推定するため の 基礎資料とした16.1718,19,20.2l,22,230
中村らの平均天空は次の手順により構成する240
1 . 晴天空、 中間天空、 および、 曇天空の天空要素の輝度は、 CIE標準晴 天 空、 中村らの中間天空、 および、 C 1 E標準曇天空と、 それぞれの天空の天 頂輝度により求める。
Lcl(ys'y,C)
=LcIR(ys'y,C)' Lzcl(yJ (kcd/m2) Lin(ys'y,C)
=LinR(ys'y ,C). Lzin{yJ (kcd/m2) Loc{ys'y)
=1ρcR(y)' Lz的J (kcd/m2)
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一一一一一一1.3.9
--- 1 . 3 . 1 0
-- 1 . 3 . 1 1
Lcl(γs, y , t) :太陽高度y sのときのCIE標準晴天空の天空要素(高度:γ、
太陽との角距離:t)の輝度(kcd/m2)、
LclR(γ s, y , t) :太陽 高度y s のときのCIE標準晴天空の天空要素(高度:
γ、 太陽との角距離:t)の相対輝度(-)、
Lzcl(γs) :太陽高度γsのときの晴天空の天頂輝度(kcd/m2)、
Lin( γs, y , t) :太陽高度γsのときの中間天空の天空要素( 高度:γ、 太陽と の角距離:t)の輝度(kcd/m2)、
LinR(γs, y , t ) :太陽高度γ s のときの中間天空の天空要素(高度:γ、 太陽 との角距離:t)の相対輝度(-)、
Lzin(γs) :太陽高度γsのときの中間天空の天頂輝度(kcd/m2)、
Loc(γs,γ) :太陽高度γsのときのC1 E標準曇天空の天空要素(高度:γ)の 輝度(kcd/m2)、
LocR(γ) : C
1E標準曇天空の天空要素(高度:γ)の相対輝度(-)、
Lzoc(γs) :太陽高度γsのときの曇天空の天頂輝度(kcd/m2)、
γs .太陽高度(rad.)、
γ:天空要素の 高度(rad. or deg.)、
t :太陽と天空要素の角距離(rad.)。
2. 天空上の太陽の位置の出現頻度を加味した晴天空、 中間天空、 および、 曇 天空の天空要素の輝度を求める。 すなわち、 晴天空、 中間天空、 および、 曇 天空のそれぞれの天空要素の輝度を、 検討する地点での、 検討する期間とそ の就業時間帯、 たとえば、 1年間と午前9時から午後5時における、 天空上 の太陽の位置の出現頻度を重み係数として加重平均する。
M
m) f£。Ps(
y刈
LBin
(
y,α)
=t:
。ι
。附
s,as)/
100.Lin(
y s' y ,C)
. dαs . dy s (kc伽2)- - -
1 . 3 .1
3L恥
(
y,α) イ:of
.。附
s,aJ/
100. Loc(
y s' y)
.dαs . dy s (刷1m2)一一1 . 3. 1 4
LBcl( γ ,α) :天空上の太陽の位置の出現頻度を加味した晴天空の天空要素(高 度:γ、 方位角:α)の輝度(kcd/m2)、
LBin( γ ,α) :天空上の太陽の位置の出現頻度を加味した中間天空の天空要素 (高度:γ、 方位角:α)の輝度(kcd/m2)、
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LBoc(γ ,α) :天空上の太陽の位置の出現頻度を加味した曇天空の天空要素(高 度:γ、 方位角:α)の輝度(kcd/m2)、
Ps(γs,
as)
:検討する地点での、 検討する期間の太陽の位置(高度:γs、方 位角:αs)の確率(%)、
Lcl(γs, y , ?; ) :太陽高度γsのときのCIE標準晴天空の天空要素(高度:γ、
太陽との角距離:?; )の輝度(kcd/m2)、 式(1.3.9)参照、
Lin(γs, y
,?; ) :太陽高度y sのときの中間天空の天空要素(高度:γ、 太陽と の角距離:?;)の輝度(kcd/m2)、 式(1.3.10)参照、
Loc(γs,γ ) :太陽高度γsのときのCIE標準曇天空の天空要素(高度:γ )の 輝度(kcd/m2)、 式(1.3.11)参照、
γs .太陽高度(rad. )、
αs .太陽の方位角(rad.)、
γ:天空要素の高度(rad.)、
α:天空要素の方位角(rad. )、
?; :太陽と天空要素の角距離(rad.)。
上記の式1.3.1 2から式1.3.1 4による輝度は、次の式で近似的に求める。
LBcI(y,α)
=� � Ps(y s' aJ/100. Lcl(y s' y ,C)
(kcd/m2) 一一一一一一一一1.3.1 5YS αs
LBin(y,a)
=� �Ps(Ys,aJ/100'Lin(ys'Y'C)
(kcd/m2) 一一一一一一一一1.3.1 6YS αs