第3章 に示した中長期的な取り組みの方向を踏まえ、今後概ね5年間に実施すべき市の主な事業 を目標ごとに整理した行動計画をまとめました。特に重点的に推進すべき新規・拡充事業などを重
3 市民・事業者・農林漁業者・市民団体の取り組み
ここでは、市民・事業者・農林漁業者・市民団体の取り組み例を紹介します。一人ひとりが、で きることから始めましょう。
これらの取り組み例については、今後、さらに情報の収集に努め、市民・事業者向けの行動指針 や市民団体向けの配慮指針などを作成し、普及啓発を図っていきます。
(1)市民の取り組み例
生物多様性の保全に関する市民の取り組み例
①普段の生活での取り組み
○ 自宅では庭、生垣、ベランダ、壁面などを利用して緑化に努めましょう。
○ 緑化植物は在来種を中心に、生きものを呼び込める種(蝶の食草・食樹、実のなる樹木)を選びましょう。
○ 河川、ため池、海などの水域を排水等で汚さないようにしましょう。
○ 自然と触れ合う機会を設け、自然環境や生きものへの理解を深めましょう。
○ 毒性の強い殺虫剤など、生態系に悪影響を及ぼす物質を使わないようにしましょう。
○ 野生鳥獣が人間の生活圏に立ち入らないよう、ゴミ捨てのマナーなどを守りましょう。
○ ペットは最後まで責任を持って飼育し、捨てたり放したりするのはやめましょう。
○ 国内産の農水産物の購入・消費に努めましょう。
○ 地産地消を心がけましょう。
○ ふぞろい野菜も積極的に食べましょう。
○ 国内産の木材の使用に努めましょう。
○ 間伐材を利用した製品を使うよう心がけましょう。
○ 環境に関心を持ち、環境をよくするために自分自身や家庭でできることから取り組みましょう。
②自然の中での取り組み
○ 動植物の過度な捕獲や採取はやめましょう。特に貴重種の採取等は慎みましょう。
○ ごみを捨てたり、釣り糸や釣り針などを放置しないようにしましょう。
○ 野生鳥獣にはエサを与えないようにしましょう。
○ 外来種を放さないようにしましょう。
○ 生態系に影響を及ぼす恐れのある他地域からの動植物の放流や移植はやめましょう。
③保全活動や観察会等への積極的な参加
○ 森林の手入れに積極的に参加しましょう。
○ 学校や公園などでのビオトープづくりやその維持管理に積極的に参加しましょう。
○ 市や市民団体等が開催する観察会に参加して、身近な自然への理解を深めましょう。
○ 地域で行う環境保全活動に関心を持ち、積極的に参加して交流を図りましょう。
○ 生きものに関する情報を積極的に収集発信しましょう。
○ 身近な生きもの調査などに参加し、自然への理解を深めましょう。
○ 学校で行われる自然観察会などに積極的に参加しましょう。
○ 自然体験の機会を持ち、自然への理解を深めましょう。
○ 自然観察会等の地域の自然を知る機会があれば参加し、地域の実情を学びましょう。
○ エコツーリズムに積極的に参加しましょう。
環境ラベル・認証制度マーク
生物多様性に配慮した製品を選ぶ際の参考として、環境ラベルや認証制度マークがあります。
など 神戸市内で環境保全に
配慮して生産された野 菜で、神戸ブランド野 菜推進委員会が認定し ています。
兵庫県内産の農産物・
畜産物・水産物及び加 工食品で「安全・安心」
かつ「個性・特長」が あり、兵庫県が認証し ています。
このマークがついてい る製品は適切に管理さ れている森林からの木 材を使っています。適 切に管理された森林と は、FSC の規定に従い、
独立した機関により認 証された森林を指しま す。
間伐や間伐材利用の重 要性等を PR し、間伐 材を用いた製品を表示 する間伐材マークの適 切な使用を通じて、間 伐推進の普及啓発及び 間伐材の利用促進と消 費者の製品選択に資す るものです。
持続可能で適切に管理 され、環境に配慮した 漁 業 を 認 証 す る 制 度 で、海洋管理協議会が 定める基準に基づき、
漁業を第三者認証機関 である DNV が認証し ています。
1996 Forest Stewardship Council A.C.
コラム29
(2)事業者の取り組み例
生物多様性の保全に関する事業者の取り組み例
生物多様性企業方針などを定め、取り組みの体制を整備して全社的に取り組みましょう。
①事業活動に基づく取り組み
○ 生物多様性の保全と持続可能な利用に配慮した原材料の確保や商品の調達・製造・販売。
○ 排水等により水域を汚すことがないように注意しましょう。
○ 生態系に悪影響を与える化学物質の使用を控えましょう。
○ 海外からの生きものの輸入は法規制を遵守するとともに、ペットの飼育に関する規則を市民に理解しても らうよう周知しましょう(ペット産業)。
○ 開発行為にあたっては、地域の生態系に重大な影響を及ぼさないよう、計画段階から十分な検討を行いま しょう。
○ 国内産の農林水産物を使用するよう努めましょう。
○ 間伐材の有効利用を図りましょう。
○ 遺伝資源の利用にあたっては、遺伝資源へのアクセスと利益配分(ABS)に関する名古屋議定書に基づき、
国際ルールを遵守しましょう。
②CSR に基づく取り組み
○ 工場、事業場等では、在来種を用いた敷地内の緑化(屋上・壁面緑化などを含む)に努めるとともに、遊 休地を活用したビオトープづくりを推進しましょう。
○ 地域の里山の定期的な管理や、持続可能な利用を支援しましょう。
○ 農家と都市住民が交流できる機会づくりを支援しましょう。
○ 植林や森林の手入れを支援しましょう。
○ 生物多様性の保全のために活動する人々や団体、公共団体等との情報交換や連携した取り組みに参加しま しょう。
○ 市民団体等が主催する自然環境調査や研修会等に積極的に参加し、またそのような活動を支援しましょう。
○ 企業として環境保全活動に参加するとともに、積極的に多様な主体との交流を図りましょう。
○ 事業所で行っている環境保全活動を公表しましょう。
○ インターネット等を活用して、生物多様性に関する情報の収集・発信と交流に努めましょう。
○ 自然環境調査などの行事に社員を積極的に参加させましょう。
○ 従業員等が行う自然環境保全活動を積極的に支援しましょう。
○ 市などが企画する自然環境教育に協力していきましょう。
○ 保全活動に携わる人材の育成や保全活動団体等を支援しましょう。
○ エコツーリズムに積極的に関与していきましょう。
生活協働組合コープこうべ
創立 70 周年を記念して、1992 年に「コープこうべ環境基金」を設立し、兵庫県内の自然保護とそれに関する 啓発活動を行う団体への支援が行われています。これまで、のべ 393 件、5,192 万円の助成が行われています。
(平成 21 年度の募集内容)
A.実践活動部門・・・兵庫県内での自然環境保護活動、あるいは自然環境保全のための啓発活動(5~20 万円程度 を助成)。
B.自然環境保全に向けた実証的調査・研究部門・・・兵庫県内の適切な自然環境保全促進のために行う、実証的調 査・研究(50 万円を上限に助成)。
そのほか、マイバッグ運動のレジ袋代金の一部を活用し、2008 年度から 10 年間かけて、西宮市にある社家 郷山(しゃけごうやま)の森林整備と、現地での環境学習・活動が予定されています。今後は、NPO 法人こども 環境活動支援協会、兵庫県森林組合連合会とも連携して取り組みをすすめていく予定になっています。
環境のとりくみ http://www.kobe.coop.or.jp/work/ecology/index.html
取り組み事例
神戸製鋼グループ
神戸総合技術研究所では、敷地内のほぼ中央にビオトープを設置しているほか、コベルコシステム㈱は、六甲山 の自然の恵みを守り、育てる活動として、林内の下草刈り、間伐、倒木・腐朽木の除去、調査・観察会等を実施す るなど、森づくりの取り組みを行っています。
地域交流施設として設立した「灘浜サイエンススクエア」では、ビオトープで絶滅危惧種のカワバタモロコやイ ヌタヌキモを保全しているほか、「灘浜サイエンススクエアの自然教室」として、ビオトープの生きものや六甲山の 土壌生物の観察会などを開催し、子供たちの環境学習に役立っています。
「灘浜サイエンススクエア」は、財団法人都市緑化基金の「生物多様性保全につながる企業のみどり 100 選」に 選ばれています。
灘浜サイエンススクエア http://www.kobelco.co.jp/nadahama/science/nss/gaiyo.html
取り組み事例
(3)農林漁業者の取り組み例
生物多様性の保全に関する農林漁業者の取り組み例
○ ため池の堤体や畦畔の草刈りを定期的に行い、良好な環境の維持に努めましょう。
○ 水田では環境にやさしい米作りを行い、水田環境に暮らす動植物の生息・生育環境に配慮しましょう。
○ 不耕作地は放置せず、飼料稲や野菜など多様な品目の栽培を進めましょう。また、栽培が困難な山間 棚田などの不耕作地はビオトープとして活用するなど、湿地環境の維持・再生に努めましょう。
○ 有機・特別栽培などの環境保全型農業を推進しましょう。
○ 間伐等の森林の適切な整備・保全に向けた持続的な林業活動を行いましょう。
○ 海底耕耘や乱獲防止などに努めましょう。
SEGES(社会環境貢献緑地システム)の認定制度
SEGES(シージェス:社会・環境貢献緑地評価システム)は、貢献度の高い優れた緑を評価認定する、いわば「緑の認定」
です。 良好に維持管理されている身近な緑は、環境を保全し、潤いと安らぎのある美しいまちづくりに貢献します。 SEGES では、企業などが積極的に保全・維持・活用に取り組む優良な緑地を認定しています。2005 年より運用してきたこれまで の SEGES は、良好な維持管理により、ずっと続いていく「そだてる緑」の SEGES といえるのに対し、新たに、都市開発 の際に緑を保全・創出する優良な計画を評価する「つくる緑」の SEGES を設け、
2008 年に制度のトライアルとしての認定が始まりました。
SEGES の審査には、緑地が社会や環境にどう貢献しているかを的確に評価で きるように定めた基準を用います。審査基準は都市緑化基金と専門家による調査 研究から開発された独自のもので、3 つの原理と 8 つの原則からなるものです。
審査員は原理、原則、基準に照らして現地審査をおこない、将来性評価を含めて 総合得点を算出します。それを評価委員会で客観的かつ公正に審議して、評価結 果を出し、相当する認定ラベルを発行します。
コラム30
シスメックス株式会社
約 72,000m2という広大な敷地の過半を庭園とし、豊かな緑を地域に提供しています。庭園内には周辺の 植生を考慮したうえで 100 種類を超える多様な植栽を施し、池やせせらぎを各所に配置しビオトープを設け ることで、修景的な庭園であるとともに動植物の生息できる空間づくりをしています。
「シスメックステクノパーク」は、財団法人都市緑化基金の「生物多様性保全につながる企業のみどり 100 選」に選ばれています。
取り組み事例
農林漁業者の取り組み
多くの人に安全な野菜を食べてもらうため、たい肥などで土づくりをして、農薬や化学肥料をできるだけ使 わない野菜栽培が進められています。このような方法で作られた野菜は「こうべ旬菜」と名づけられて、目印 として「菜菜[なな]ちゃん」マークが付けられています。「こうべ旬菜」は、平成 13 年(2001 年)から学 校の給食でも使われています。
市内で農業を営む者で、卓越した農業技術を有し、優秀な経営を実現している農業 者を「神戸アグリマイスター」として認定しています。その活動を支援することによ り、農業の理解促進や担い手の育成・確保等を図ることを目的としており、2006 年 度から毎年 1 名~2 名程度が認定されています。神戸アグリマイスターは、食育の推 進や後進の育成などの役目を担っており、学校教育の場での活躍も期待されています。
漁業協同組合などにより、漁業デーやお魚ふれあいフェアー、魚のつかみ取りなど の行事が行われ、水産物の販売などにより市民が漁業に親しめるような取り組みが行 われています。
取り組み事例
住友ゴムグループ
2008 年度から「未来を植える!どんぐりプロジェクト」をスタートさせ、どんぐりの実を拾い集めて工場 内で育てた苗木を周辺地域に植栽したり、より多くの地域に苗木を提供することで、全国各地の「郷土の森づ くり」を通して地域の輪を広げることを目指す取り組みが行われています。
CSR 活動基本理念のガイドラインの一つに「Green」(緑化)を掲げて、国内外の拠点や周辺地域の緑化活 動を推進しており、創業 100 周年を機に 2009 年度から開始した「100 万本の郷土の森づくり」プロジェ クトは、世界各地の事業所やその周辺地域において、今後 20 年間で 100 万本の木を植えるというプロジェ クトで、現在計画を上回るペースで進行しています。
国内の事業所では、事業所外の周辺地域へも緑化活動地を拡大し、「GENKI の森」と命名して活動を広げて おり、2009 年度は、六甲山の渦が森「GENKI の森」(約 4ha)で植樹に向けた草刈り・笹刈り、2010 年 度には第 1 回植樹活動が行われました。
取り組み事例