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取り組みの方向

ドキュメント内 Microsoft Word - ★神戸プラン doc (ページ 54-60)

第3章 神戸プランがめざすもの

4 取り組みの方向

これらの基本方針や目標を踏まえて、中長期的な観点から取り組みの方向を定めました。

【基本方針1】生物多様性に配慮したまちづくりを進めます。

目標① 六甲山などの森をまもり育て、生きものを育み、健全な森の力で災害を防ぎます。

取り組みの方向

ア.神戸の生物多様性の基盤であり、緑の骨格をなす六甲山や帝釈・丹生山などの森林を保全・育成するために、

長期的な視点に立って、民有林を含めた森林の適切な管理を推進していきます。

<取り組み例>

□六甲山における市民・事業者等と協働した森林保全・育成

□みどりの聖域づくり(緑地の保全、育成及び市民利用に関する条例に基づく行為制限や維持管理など)

による保全

□六甲山系グリーンベルト整備事業

□植林、里山整備に対する補助

イ.適切に管理された森林が、地域の生物多様性の保全・向上や災害防止に重要な役割を果たしていることを 広く啓発するとともに、地元企業、市民団体、市民などが森林などの管理に積極的に参画する仕組みをつ くっていきます。

<取り組み例>

□生物多様性に関する市民・事業者の行動指針の作成・普及

□民有林を含めた放置林の管理を地権者・市民団体・事業者等の協働で行う協定

ウ.みどりの聖域づくりなどによる緑地の保全・育成などの取り組みを一層推進するとともに、希少な野生動 植物の生息・生育環境を保全するための新たな仕組みについても検討していきます。

<取り組み例>

□みどりの聖域づくり(緑地の保全、育成及び市民利用に関する条例に基づく行為制限や維持管理など)

による保全(再掲)

□環境影響評価制度の運用・拡充

□開発事業にあたって事業者が講じる生物多様性保全措置に関する指導指針の策定・運用(生物多様性 保全対策指針)

□緊急・厳重な保全対策が必要な希少種の生息・生育環境の保全・再生のための地域指定や行為制限、

協働による管理・監視体制などを盛込んだ生物多様性保全条例

エ.エコツーリズムなどを通じて六甲の豊かな自然や生きもの、市民・企業・市民団体等による様々な保全活動 などを広く PR し、活動の活発化や六甲山の活性化につなげていきます。

<取り組み例>

□六甲山・摩耶山エコツーリズムの促進

□エコツーリズムの教育旅行誘致・滞在型観光振興、民間参画・プログラムの充実

□六甲の自然や生きものの保全・育成のためのファンド

オ.地球温暖化対策の観点からも、間伐材の有効利用などについて検討していきます。

<取り組み例>

□六甲山の間伐材等を利用したバイオマス発電等

市民・事業者・市民団体・行政の協働の取り組み事例

(1)東お多福山での取り組み

東お多福山は六甲山地最大の草原です。かつてはススキ草原でしたが、人の手が 加わらなくなったためにネザサ草原に変わり、キキョウやゴマノハグサなどの草原 生植物が見られなくなるなど、生物多様性が低下しました。

現在、専門家の指導を受けながら、市民ボランティアの手でススキ草原の復活を めざして、調査刈り取り活動が続けられています。

(2)カワバタモロコ保全推進協議会

市民団体「兵庫・水辺ネットワーク」、地元住民、地元学校、須磨海浜水族園、兵 庫県、神戸市が中心となって、絶滅危惧種である淡水魚「カワバタモロコ」の保全 を目的に平成 21 年 5 月に発足しました。地域住民と連携した自然観察会やかいぼ り(池干し)によるため池の維持管理の促進、外来生物の駆除作業の実施、大学等 と連携した保護増殖手法調査の実施、保全マニュアル等の啓発資料の作成など、カ ワバタモロコの生息する神戸の貴重なため池の自然環境を守るために活動していま す。

(3)須磨 FRS ネット(FRS は Forest(森)・River(川)・Sea(海)の頭文字)

森・川・海の自然環境がある須磨から環境行動を発信しようと、14 の市民団体と行政が「須磨の自然環境を次世代に つなぐ」ことをめざし、協働で取り組みを進めています。

「須磨 FRS ネット」は須磨全体の自然を舞台に、①講演会・活動事例発表会、②小学生を対象にした「須磨環境塾」、

③須磨エコアスロンなど、自然にふれ、学んでもらう場づくりが進められています。

取り組み事例

東お多福山での取り組みの様子

目標② 清らかで潤いのある水環境をまもり、育てるとともに、生きものの移動にも配慮して 森・里・川・海の水循環を保全・再生します。

取り組みの方向

ア.河川・海域など水質の一層の改善を図るとともに、河川全体の自然の営みを視野に入れ、地域の暮らしや 歴史・文化との調和にも配慮し、河川が本来有している生物の生息・生育・繁殖環境、並びに多様な河 川風景を保全あるいは創出する多自然川づくりを改修・補修時等にあわせて推進します。

<取り組み例>

□大阪湾の水質環境基準の達成・維持を目的とした下水の高度処理化や下水処理水の有効利用

□千苅貯水池における植生等による水質浄化などの水源水質の保全・改善対策の実施

□多自然川づくりの推進

□市民参加による河川の生物多様性調査

イ.神戸の森林、水田、ため池、河川、海などのつながりを生物多様性保全の観点から調査・評価し、その結 果を踏まえて、水・生きもの・栄養塩などの循環を保全・再生していきます。

<取り組み例>

□水生生物調査の実施

□生物多様性保全の観点から水環境のモニタリングの拡充

□市民参加による生物多様性調査の実施

□水資源をより有効に活用し、持続可能で健全な水循環系を形成するための基本計画の策定・運用(水 循環系の現状や関連施策に関する情報の共有と総合的なマネジメント)

□地域住民及び団体との連携による水源環境の保全

□市民主体の河川愛護活動の支援

□須磨・舞子海岸及び海岸林(松林)の保全

□臨海部の親水性の向上と生物生息・生育空間の整備

□環境創造型護岸による生物生息・生育空間の創造

ウ.赤潮の発生や養殖のりの色落ちなど海域の生態系のバランスがくずれることによって生じる問題につい て、国や大阪湾沿岸自治体との連携により、解決策を検討します。このため、大阪湾再生行動計画に基 づく取り組みを一層推進し、海域の生態系に関するモニタリングの充実を図っていきます。

<取り組み例>

□生物多様性保全の観点から水環境のモニタリングの拡充(再掲)

エ.海の生物資源の持続可能な利用を図るため、つくり・育てる漁業を推進するとともに、水産資源の保護・

育成のための藻場等の保全・再生などに取り組みます。

<取り組み例>

□つくり・育てる漁業の推進

□水産資源保護・育成等のための藻場・干潟等の保全支援(漁礁、海底耕耘など)

大阪湾再生行動計画(抜粋)

1.目的

本行動計画は、京阪神都市圏を含む広い範囲の集水域を抱え、その一方で閉鎖性海域であり、水環境改善 に向けた課題が多く残された大阪湾において、都市再生本部で決定された都市再生プロジェクトである「海 の再生」を推進するため、関係省庁及び関係地方公共団体等が大阪湾の水環境の改善等を通じた「海と都市 のかかわり」に重点を置く総合的な「海の再生」のための計画を策定するとともに、住民・市民やNPO、

学識者、企業等の多様な主体との連携、協働を図りつつ、これを推進することを目的とするものです。

2.具体的な内容

本行動計画は、大阪湾の水環境の現状を踏まえて、

○大阪湾再生に向けての湾全体の目標の設定

○湾奥部を中心とした重点エリア・アピールポイント等の設定

○目標達成のための陸域負荷削減策、海域における環境改善対策及びモニタリング(監視)の実施 などの関連施策及びその計画的な推進について明らかにするものです。

コラム26

目標③ 人と共に歩んできた多様ないのちを育む田園環境をまもり、未来へつなげていきます。

取り組みの方向

ア.有機・特別栽培を柱とした環境保全型農業や地産地消の取り組みを一層推進するとともに、冬期湛水[た んすい]管理など農家の生産管理活動と生物多様性の保全を両立させる取り組みの普及を図ります。また、

生きものブランド米などの生産・販売などにより、生物多様性を活かした農業の活性化を図ります。

<取り組み例>

□環境保全型農業と地産地消の推進

□冬期湛水水田などの普及による田園地域の生物多様性の向上

イ.適切に管理された水田などが、地域の生物多様性の保全・向上に重要な役割を果たしていることを広く啓 発するとともに、事業者、市民団体、市民などが農地の管理に積極的に参画する仕組みをつくっていきま す。

<取り組み例>

□生物多様性に関する市民・事業者の行動指針の作成・普及(再掲)

□不耕作地などの管理を農家・市民団体・事業者等の協働で行う協定

ウ.市民団体などとの協働により不耕作地を利用した水田ビオトープなどを整備し、田園の生物多様性の向上 を図ります。また、環境教育や都市と農村の交流などに活用し、農村の活性化に貢献します。

<取り組み例>

□不耕作地の湿地環境としての利用の促進

□人と自然との共生ゾーン条例に基づく里づくりの推進

□集落周辺の自然緑地の保全・活用

□自然体験型環境教育・学習の推進

エ.アライグマなどの外来生物やイノシシなどの野生鳥獣による農作物被害に対しては、外来生物法や鳥獣保 護法に基づく対策の一層の推進を図ります。また、関係局区の一層の連携により、総合的な野生鳥獣対策 を推進します。

<取り組み例>

□外来生物法に基づく特定外来生物の計画的防除

□放置林・不耕作地などの管理促進

□市民参加による外来生物などの目撃情報の収集

□ペットや野生動物とのつきあい方などの市民啓発

オ.ベッコウトンボなど今では見られなくなってしまった生きものを復活するための環境再生などの取り組み について検討します。

<取り組み例>

□希少野生動植物種の生息・生育状況等の調査(神戸版レッドデータ2010のフォローアップ)

□多様な主体の協働によるベッコウトンボ復活プロジェクト

海の健康診断

海域環境のモニタリングは、約半世紀にわたって 水質などを主として行われてきましたが、これから は、海の営みや、生産の鍵を握る定着性の生物を対 象に行うことなど、海の仕組みに着目した内容の構 成が望ましいという考えに基づき、海洋政策研究財 団が研究している新しい概念の環境評価法です。

「生態系の安定性」と「物質循環の円滑さ」をモ ニタリングに当たっての大きな視点としています。

検査項目

 漁獲生物の分類群別組成の変化  海岸生物の出現状況

 干潟・藻場面積の変化  人工海岸の割合  有害物質の測定値  貧酸素水の確認頻度  透明度の変化  赤潮の発生頻度  負荷と滞留のバランス  潮位振幅の変化  底質環境

 無酸素水の出現状況 除去(漁獲)  底生魚介類の漁獲量 検査の視点

生態系の安定性

物質循環の円滑さ

生物組成 生息空間 生息環境 基礎生産 負荷・海水交換

堆積・分解

コラム27

一次検査項目一覧

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