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小 島 美 樹

ドキュメント内 第11回日本禁煙学会学術総会抄録集PDF版 (ページ 78-81)

梅花女子大学看護保健学部口腔保健学科

20 世紀後半、喫煙と口腔疾患との関連を示す科学的根拠の蓄積が進んだ。能動喫煙と歯周病・口腔 がん、妊娠中喫煙と唇裂口蓋裂についてはその因果関係が確立している。21 世紀に入り、受動喫煙が 子どものう蝕と関連するという報告が国内外で相次ぎ、いくつかの関連メカニズムが推定されている。

これらの知見に加えて、最近の研究において、新型タバコの口腔への影響や喫煙が口腔のマイクロバ イオーム(微生物叢)に与える影響が明らかになってきた。電子タバコは歯肉の線維芽細胞や上皮細 胞に対する細胞毒性を示すことから、歯周組織の修復機能を低下させる可能性がある。タバコ煙は、

う蝕菌のマトリックス産生と酸代謝を強め、歯周病菌の線毛タンパクの発現を上昇させる。また、喫 煙者は非喫煙者と比較して、病原性の高い歯周病菌が多く検出される。また、喫煙継続者は禁煙者に 比べて、歯周治療後も病原性の高い歯周病菌が再検出されやすい。

 サンプル   サンプル

 歯科医師チームセッション   歯科チームで健康寿命を伸ばすタバコ対策の再考

WHO推奨歯科簡易タバコ介入―日本から世界への展開

はに

 岡

おか

   隆

たかし

福岡歯科大学 口腔保健学講座

 歯の喪失からフレイルに繋がる歯科疾患の重症化を含む予防とより高い歯科治療の効果と医療費の 大幅な削減への期待から、日本での歯科臨床での禁煙指導・支援の展開役立つ内容について、タバコ 対策先行国の歯科でのタバコ介入の展開に関する文献を検討した。その結果、歯科での普及の最大の 障壁理由はトレーニング不足だった。米国では、歯科医療従事者向けのトレーニングを早くから展開 されており、卒前臨床教育が急速に普及する 3 つの理由が挙げられていた。確実な疫学知見、タバコ 使用と依存症治療のガイドライン、標準的なトレーニングプログラムである。

 タバコ枠組み規制条約第 14 条ではタバコ依存症治療の普及について謳われており、世界各国で臨 床や健診の現場において、保健医療従事者がすべての喫煙者に対して短時間の禁煙支援を行うことが 推奨されている。しかし、歯科の現場で喫煙者への介入が実施されている国は、まだまだ少ない。演 者は、WHO の政策提言「簡易タバコ介入を口腔保健プログラムに統合する」の実行に向けての事業 を受託し、モノグラフを含むトレーニングパッケージの草案の制作および歯科専門職を対象としたト レーニングコースの試験的実施を担当した。

 今後、このトレーニングパッケージを用いて日本での普及を図るとともに、日本から世界への展開 を検討する。WHO の簡易介入プラグラムのオリジナルはプライマリケア医向けに開発されたもので、

日常診療の中で 3 〜 5 分の簡易介入を患者の状況に応じて 3 系統に分けて行う点が特徴である。歯科 では、歯科領域の喫煙影響の認知を中心にして、禁煙への準備が十分でない患者の禁煙動機を高める ことが特徴である。さらに、1 系統は、非喫煙者の受動喫煙への曝露防止の支援が含まれており、歯 科に限らず、医科の日常診療でも、是非ともお奨めしたい。

ニコチンおよび禁煙補助薬の薬理・薬物動態・相互作用

あい

 澤

ざわ

 政

まさ

 明

あき

相模台病院 薬剤部

薬剤師が行う禁煙指導は、医師、看護師の行う禁煙指導とどこが違うのであろうか。禁煙指導に関 する様々な知識やカウンセリングスキルなど、基本的な部分は同じである。禁煙治療は、ニコチンの 身体的依存に対しては薬物療法が、心理的依存に対しては行動療法などのカウンセリングが行われて おり、薬剤師は薬学の視点から禁煙における薬物療法の問題点を考えて解決していくことが出来る。

ニコチンは依存性のある薬物であり、その薬物動態(吸収、分布、代謝、排泄)を知っておくことは、

ニコチン置換療法の禁煙指導をする際に必要である。喫煙と相互作用のある薬物を服用している患者 に対して、タバコに含まれる多環芳香族炭化水素が肝臓の薬物代謝酵素を誘導し薬物血中濃度が低下 すること、禁煙した場合には同じ量を服用していても血中濃度が上昇する可能性があることなどを説 明して、禁煙の動機強化につなげることもできる。

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ニコチンおよび加熱式タバコの毒性学

たか

 橋

はし

 勇

ゆう

 二

東京薬科大学 生命科学部 稲葉 洋平

国立保健医療科学院 生活環境研究部

 加熱式たばこは、200-350℃付近でたばこ葉を加熱して使用するたばこ製品となっている。現在日 本では、「IQOS」、「Glo」などが販売されている。このたばこ製品の加熱温度帯は、たばこ葉のニコチ ンを主流煙に移行させる一方で、有害化学物質があまり発生しないため、販売たばこ会社は紙巻たば こと比較すると有害化学物質量を削減していると報告している。我々は、加熱式たばこの主流煙の成 分分析を実施したところ、たばこ特異的ニトロソアミン類、多環芳香族炭化水素類、一酸化炭素、揮 発性有機化合物などの有害化学物質の種類は、大きく削減されてはいないことが分かった。また、喫 煙者の満足度を維持するためにニコチン量は、紙巻たばこに近い結果となっていた。有害化学物質を 幅広く曝露する加熱式たばこの有毒性は、成分ごとの評価よりもたばこ煙の複合曝露による長期的な 評価を進める必要がある。加熱式たばこ主流煙の成分とその毒性の新知見に加え、ニコチン毒性の最 新情報を紹介したい。

ドキュメント内 第11回日本禁煙学会学術総会抄録集PDF版 (ページ 78-81)

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