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光学式プラネタリウムとデジタルプラネタリウムについて、それぞれを「美ら星ゲート」に導入し た場合のメリット・デメリットを確認する。両者がもつ星空を投影する機能は重複するため、実際 に導入する設備の最終決定までに併設型とするか、デジタル式とするか、検討が必要である。

施設の目的や運営計画、人員配置、番組作成など、導入後を見据えた総合的な判断が必要と なる。

なお、調査した施設で両設備を持つ施設における光学式プラネタリウムの使われ方は、星空 投影で光学式プラネタリウムを使う以外、番組のほとんどの場面ではデジタルプラネタリウムの みで上映を行っていることがわかった。

(1)プラネタリウムの仕様

① 光学式プラネタリウム

「美ら星ゲート」の直径 9.0mドームへ、八重山で見られる美しい星空に近いリアルな 星空を投影できることが求められる。これは、実際に見られる星空により近い環境をドー ム内に再現し観客に伝えるためである。

映し出される星空に波の音や音楽、(可能であれば香りなど)を組み合わせるだけで も石垣、八重山の星の魅力を伝えることは可能であり、解説を必要としない。光学式プラ ネタリウムには、それだけ美しい星空再現が求められる。現在、本計画に対応する機種 には、株式会社五藤光学研究所のパンドラⅡとコニカミノルタプラネタリウム株式会社の コスモリープ Σ(開発中)、有限会社大平技研のメガスター(開発中)の3機種があり、い ずれも要求を満足するものである。

◇光学式プラネタリウムの基本的要求性能

項目 基本機能

基本機能 ・対応ドーム

・機器構成

・光源

・恒星

・指標

・座標

・方位

・シャッター機能

・直径 9.0m

・傾斜型 傾斜角度 15 度 欠球角度 160 度

・光学式プラネタリウム本体 1 式

・制御機器 1 式

・LED 光源を使用

・地上から見ることが出来る美しい星々の投影

・天の川を恒星の集まりでリアルに再現

・極点や天頂などを示す矢印を投影

・黄道・赤道、子午線を投影

・東西南北の方位の文字を投影

・傾斜ドームに対応する遮光装置を持つ 運動機能 ・運動 ・日周・年周・緯度変化・歳差運動

・架台回転を装備

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操作 ・操作機能 ・全ての操作が、手動、自動で行える

・リモート機能を搭載

・デジタルプラネタリウムとの連動機能

② デジタルプラネタリウム

四季の星空から最新の宇宙の話題まで、季節、時間、場所を選ばないシミュレーショ ン機能を使った投影は観客の興味、関心を引く。宇宙へ望遠鏡を向ける石垣天文台と 連携し、観測の内容や宇宙の話題を分かりやすく解説し伝えるためにも必要な投影機能 である。

デジタルプラネタリウムは、光学式プラネタリウムの様に決められた機能を操作(自動・

手動)する機械では無く、担当者の発想により番組の構成や演出、シミュレーション投影 に様々な工夫や組み立てが出来、幅広い可能性を持つソフトウエアである。

「美ら星ゲート」では、石垣天文台、八重山星の会などの専門知識を持ったスタッフの 参加を求め自由な発想をもって独自の番組を作成していくことが必要である。そうして制 作された番組により観光客へ石垣島の星の魅力を伝え、興味・関心を誘う記憶に残る投 影が可能であるばかりでなく、同じシステムを持つ国内各施設との情報交換や石垣発の 番組の提供、情報発信が可能となる。

また、地域の方々(星空や海、自然などの写真家やボランティアなど)が参加する番組 の自主制作を前提に、番組プログラムの制作を容易にする使いやすさやは、「美ら星ゲ ート」がデジタルプラネタリウムに求める機能である。

◇デジタルプラネタリウムの基本的要求性能

項目 基本機能

プラネタリ ウム投影

・恒星・惑星

・シミュレーション機能

・太陽系

・人工天体

・星座絵、線

・大気圏内

・方位

・座標系

・光跡

・周囲風景

・地球上の星空から宇宙空間で見る星々まで

・過去、現在、未来まで時間を指定した星空

・天文現象、太陽系、人工天体など

・太陽、月、各惑星、準惑星を投影

・各惑星の衛星、及び小惑星を投影

・軌道要素に従った運行を投影

・星座絵、線、星座名を任意に選択して投影

・オーロラ、朝夕焼け、流星、薄明薄暮等

・東西南北、中間方位を投影

・赤道、黄道、銀河、地平の座標系の投影

・星の光跡を残す投影

・水平線付近に風景を投影

映像投影 ◇ドーム映像 ・全天周映像を投影(動画、静止画)

・デジタルカメラでの撮影画像の投影

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◇動/静止画 ・ドーム内の任意の場所に投影可能

・拡大、縮小を自在に行う 操作系 ◇操作機能 ・光学式プラネタリウムとの連動

・手動操作、自動演出での番組の投影

・プラネタリウム、映像投影を含む自動投影

・室内照明の調光制御

・操作モニター、操作パネルは日本語表示

・タブレットなどによるリモート操作

③ 導入機器についての注意事項

光学式プラネタリウムは単体では星空しか投影しないため、解説を行おうとする場合は 星座絵などのデジタルプラネタリウムとの連動機能と組み合わせて利用されている。前項 で導入可能な光学式プラネタリウムについて、3 社の商品を紹介したが、それぞれの制 御はメーカーごとに異なり、それと連動するデジタルプラネタリウムとは一対(同一メーカ ー)のものが必要になる。

なお、光学式プラネタリウムで映し出される美しい星空に波の音や音楽、香りなどを組 み合わせるだけでも石垣島の星の魅力を伝えることは可能であり、必ずしも解説は必要 とはならない。例えば、有限会社大平技研の MEGASTAR CLASS は、7.0mドーム用で 一般消費者向けの商品だが、9.0mドームでの投影が可能であることをメーカーヒアリング にて確認済である。光学式プラネタリウムの最大の特徴である実天に近い星空投影に特 化しており、他の機器と比較すると機能は限定されているが、小型で設置場所を選ばず、

持ち運びが容易でかつ安価なものと成っている。小型ではあるが美しい星空を再現し、

その使い方の工夫次第でデジタル式とした場合の星空演出用の役割を担う機器として は十分な性能を持つ。

(2) 全天周デジタル装置の投影装置の投影システム

デジタルプラネタリウムの星空、宇宙の映像の美しさを高精細、高画質な映像で投影する 他、この投影システムで八重山の美しい自然、海や空も同様に投影し、その美しさや感動を 観客へ伝えるのも大きな役割であり目的である。それが観客の心に「八重山の記憶」として 留めてもらう重要な要素の一つとなる。そのため「美ら星ゲート」では、可能な限りの高精細、

高画質の投影装置が必要と考える。その画質を左右するドーム解像度とビデオプロジェクタ ーの性能については、「美ら星ゲート」に最適な要求値を予め決定し、仕様に定める必要が ある。

① ドーム解像度

ドーム解像度を高くすることが高画質へつながることから、2K から 4K へと高解像度化 が進んでいる。既に 7K 以上の解像度を持つ施設も存在するが、まだ一般的普及してい

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ない設備であり、高解像度に対応した番組を制作するのに高額な費用がかかるなど、番 組供給や番組制作面で現実的ではない。本計画では、現時点で最高の解像度と考えら れるドーム解像度 4K が目的達成のために最適な条件と判断した。その実現のためのビ デオプロジェクターの選定と投影方式(分割投影方式)について検討する。

② ビデオプロジェクターと投影方式

ドーム解像度4K を実現する場合、複数台のビデオプロジェクターによる分割投影を 行うこととなる。その中でも最新のレーザー光源を持つ 4K2K ビデオプロジェクターに注 目したい。ビデオプロジェクターの光源は高圧水銀ランプが主流であったが、現在、レー ザー光源へと移行しつつある。既に1社がこれを発売し、さらにもう1社から最近、本計画 への導入に適したレーザー光源を持つ4K2K ビデオプロジェクターが発表された。ラン プの長寿命化、性能面の向上が図られたこれらの機材への期待度は高く、機材選択の 幅も広がる。

本計画では、目的や条件を整理して、現時点で導入可能な機材、さらには今後のプ ロジェクターの技術開発、発売などの動向をも見据えた検討を行い、ビデオプロジェクタ ーへの要求性能を整理する。

以下に、ドーム解像度とビデオプロジェクター(解像度)、使用台数と投影方式の関係

(2016/10 調査)を整理した。導入設備を最新のものとするため◎印は本計画で検討す べき投影機と投影方式を示す。

ドーム解像度 投影方式 使用プロジェクター 解像度 使用数 1 約 2.4K 単眼投影 4K2K プロジェクター 4096×2400 1 台

◎ 2 約 4.0K 2 分割投影 4K2K プロジェクター 4096×2160 2 台※1

◎ 3 約 4.0K 3 分割投影 4K2K プロジェクター 3 台※2 4 約 7.0K 6 分割投影 4K2K プロジェクター 4069×2400 6 台 機器類は日々進歩しており、短いサイクルで新機種が発売される。本報告書作成時 に導入可能な 4K2K レーザー光源のプロジェクターは、1 機種であるが、今後、他のメー カーから発売が予定されている。導入の際は、これらの機種を含め導入機種、投影方式 の検討を行う必要がある。

※1 業務用4K2K のビデオプロジェクターを用いた投影システム。

※2 民生用機材を用いた投影システム

今後、レーザー光源プロジェクターの民生用機器が発売される予定で、その情報からは、

業務用と同等の性能を持つものと思われる。価格は業務用と比較すると低く抑えること が可能で、これらの機種はコントラスト比も高く、「美ら星ゲート」で使用出来る可能性を 十分に持つものと思われ、導入コストの削減、維持管理費の削減につながる。機器発注 発売時点で導入の可能性を検討する必要がある。

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