A.2.6.1 対間等レベル遠端漏話
10.3.3 表 46
・ (67)コネクタ及びスプライスの挿入損失は,光源が全モード励振状態(例:LED光源)とな るときの基準の試験方法を満足しなければならない。光源が限定モード励振状態(例:レー ザ光源)となるときの測定では,常に全モード励振より小さい挿入損失となる。
解説のポイント:
X 5150:2004ではマルチモード光ファイバの帯域特性値として、「全モード励振帯域」と「限定モ
ード励振帯域」を規定している。
解説:
全モード励振帯域とは、従来から使用されている帯域特性値である。LED光源での利用に合わせ
た、JIS C 6824「マルチモード光ファイバ帯域試験方法」で測定出来る。ISO原文(ISO/IEC11801:
2002)ではOFL:Overfilled launch bandwidthと表記されており、光ファイバのコア部(直径 50μ
mや62.5μm)に対して十分に広いビーム径で光信号を入射させた時の帯域特性値を意味している。
図 1 LED による入射状態 図 2 LD(laser Diode:レーザダイオード)による入射状態
それに対して、限定モード励振帯域は、新たに導入された帯域特性値である。ギガビットイーサ ネット等で使用される、短波長(850nm)帯のVCSEL(Vertical-Cavity Surface-Emitting Laser:面発 光レーザ)光源による利用に合わせた、TIA/EIA-492AAAC-2002等の帯域測定法により測定出来る。
従来のネットワークでは、マルチモード光ファイバ用の光源としてLED(発光ダイオード)を使 用して来た。ギガビットクラスの高速なネットワークでは、LED は光源として使用出来ないため LD(レーザダイオード)を使用する。LD には DFB(Distributed FeedBack:分布帰還型)や FP
(Fabry-Perot:ファブリペロー型)、VCSELなどの種類がある。この中でも、VCSEL が安価な光源 として使用される様になって来ている。
限定モード励振帯域は、ISO原文(ISO/IEC11801:2002)ではEffective laser launch bandwidthと 表記されており、レーザ光源で「実効的」に入射させた時の帯域特性値を意味している。VCSEL はレーザ光源であるため、LEDとは違い、絞られた光を照射するが、高価なDFBやFPレーザに比 較すると、かなりの広がり(20~30度)を持っている。そのため、全モード励振帯域に比べて、特 性値が改善される。
これに従い、VCSEL を使用する場合に、従来の光ファイバに比べて最適化が図られたマルチモ ード光ファイバ(OM3)が出て来ている。
表 1 マルチモード光ファイバの分類表(JIS X5150:2004 より)
最小モード帯域MHz・km
全モード励振帯域 限定モード励振帯域
波長 850nm 1300nm 850nm
光ファイバ種別 コア径(μm)
OM1 50又は62.5 200 500 規定なし
OM2 50又は62.5 500 500 規定なし
OM3 50 1500 500 2000
上記の分類表に示す通り、OM3光ファイバは、VCSEL光源への対応を前提として製品化されて おり、従来のOM1およびOM2光ファイバでは規定されない限定モード励振帯域が規定されている。
「JIS X 5150(2004)用語解説集」作成委員名簿 情報配線システム標準化委員会 情報配線規格普及グループ 主 査 上 村 郁 應 NTTコミュニケーションズ株式会社 副 主 査 鎌 原 正 幸 パンドウィットコーポレーション日本支社
〃 難 波 伸 治 住友電設株式会社
委 員 若 山 郁 夫 NECフィールディング株式会社
〃 廣 瀬 直 彦 木島通信電線株式会社
〃 田 中 幹 二 倉茂電工株式会社
〃 塔 村 達 雄 サンテレホン株式会社
〃 別 府 正 寿 昭和電線電纜株式会社
〃 金 田 守 弘 タイコエレクトロニクスアンプ株式会社
〃 矢 野 民 恵 通信興業株式会社
〃 竹 内 孝 介 日本製線株式会社
〃 飯 森 光 夫 日立電子サービス株式会社
〃 御 代 川 勉 株式会社フジクラ
〃 福 田 智 康 富士通株式会社
〃 西 村 太 松下電工株式会社
〃 荒 井 邦 孔 株式会社リバフィー通研
〃 下 山 雄 一 東日京三電線株式会社 エキスパート 宮 島 義 昭 住友電気工業株式会社
〃 植 野 嘉 章 松下電工株式会社 オブザーバー 銭 祥 富 経済産業省
事 務 局 河 内 浩 明 社団法人 電子情報技術産業協会
〃 細 川 照 彦 社団法人 電子情報技術産業協会