実際は,FD 内の能動機器を経由して平衡配線チャネルに接続する光ファイバチャネル(8. 参 照)が存在する。四つのチャネルインタフェースが存在し、一つは平衡チャネルの両端であり、
もう一つは光ファイバチャネル の両端である。
8.1 一般
情報配線システムに使用する光ファイバチャネルの設計は,附属書 F を参照して選択するとよい。
光ファイバチャネルは,9. 及び 10. に適合した要素から構成されなければならない。
8.5 伝播遅延
幾つかの応用システムのために,光ファイバチャネルの遅延の知識が重要となる。これは,多段 カスケードチャネルからなっている複雑なネットワークのエンド-エンド遅延要件を遵守する ことを確実にする。この理由のために,光ファイバチャネル長を知ることが重要となる。
解説のポイント:
本規定による光ファイバチャネルの纏めを行い、具体的なモデルを示す。
解説:
【光ファイバチャネルの利用】
光ファイバチャネルは主に構内配線サブシステム及びビル内幹線配線サブシステムで使用する。
構内幹線配線サブシステムは,構内配線盤(CD)から通常離れた別のビルに設置されているビル内 配線盤(BD)までの施設で、ビル内幹線配線サブシステムは、ビル内配線盤(BD)からフロア配 線盤(FD)までの経路である。
図 1 配線システムの構成
【光ファイバチャネルのトポロジ】
ここでは光ファイバ配線設計のモデルを規定し、以下に示す光ファイバチャネルの4つのモデル を説明する。①は幹線配線の、②~④は幹線配線と水平配線の結合したモデルである。
① 幹線チャネル
② “パッチ”結合チャネル
C TE C
TO C
C BD
光ファイバチャネル 平衡配線チャネル
CD EQP
C C
C C
C C
FD OE EQP C C C
C = 接続点
C = 任意の接続点
OE EQP = 光電機器
① 幹線チャネル
幹線チャネルで使用される光ファイバチャネルはLANスイッチ又はHUBのようなネットワ ーク機器同士を接続する伝送経路である。応用システムにより光ファイバ配線のクラスを選 択する。
図 2 幹線チャネルの構成例
《チャネルの接続点》
上図幹線チャネルのモデルの接続点は最大4点あり(スプライスは数えていない)、2次パッチパ ネル2箇所、1次パッチパネル2箇所となっている。
通常光配線に使われるパッチパネルのような接続機器はスプライス(恒久又は再使用可能)を含 んでいる。
光チャネルの減衰量は規格により決められていて、応用システムのパワー配分に余裕があれば、
コネクタによる接続またはスプライスを追加することは可能である。
《機器及び試験インタフェース》
下図にチャネルの機器及び試験インタフェースの位置を示す。
図 3 機器及びインタフェース
1次
(パッチコード)
Channel (チャネル)
(機器コード) 2次
(幹線ケーブル)
構内配線盤(CD)
パッチパネル
ネットワーク機等 パッチパネル
2次
パッチパネル
1次パッチパネル
(機器コード)
(パッチコード)
ビル内配線盤(BD)
ネットワーク機等
(幹線ケーブル)
(幹線ケーブル)
EI EI EI
= 接続点
C C
C C CEQP
C C
EQP C
TI TI
EI
記号;
EQE ネットワーク機器 EI 機器インタフェース TI 試験インタフェース
《具体例》
図 4 機器及びインタフェースの具体例
② “パッチ”結合チャネル
構内幹線サブシステムとビル内幹線サブシステム又はビル内幹線サブシステムと水平配線 サブシステムをパッチコードで接続するモデル
“パッチ”結合チャネルの場合、BDの接続点とFD内の接続点までの配線を幹線ケーブ、FD 内の接続点からCPまたはTOまでを水平配線ケーブルと呼ぶ。FD内の接続点はパッチコー ドで接続する。
特徴として幹線配線と水平配線の結合したモデルで、主に構内/ビル内幹線を統合した光チ ャネルに適用でき、構内/ビル内/水平配線を統合したシステムを考慮することが出来る。
光チャネル減衰量は③及び④のモデルより多いがパッチコードで系統の切り替えや増設が 容易に行えるので情報配線システム全体の柔軟な対応が可能である。
CD
機器 2次パッチパネル
BD
機器 2次
パッチパネル
幹線ケーブル
機器コード スプライス
幹線ケーブル
機器 2次パッチパネル
水平配線ケーブル
CPケーブル ワークエリアコード
TE
パッチコード 機器コード
BD
EQP C C C
EQP C C C
C C
C C
FD
パッチコード
TO C C C CP
TO
C TE C
幹線ケーブル
チャネル
《具体例》
図 6 パッチ結合チャネル具体例
③ “スプライス”結合チャネル
サブシステム同士をスプライスで結合するモデルで、主に構内/ビル内幹線を統合したチャ ネルに適用でき、構内/ビル内/水平配線を統合したシステムを考慮することが出来る。
“スプライス”結合チャネルの場合、BDの接続点とFD内のスプライスまでの配線を幹線ケ ーブル、スプライスからCPまたはTOまでを水平配線ケーブルと呼ぶ。FD内でスプライス によりケーブル接続をする。
特徴として光チャネルの減衰量は②のモデルより少ないが情報配線システム全体の柔軟性 を減少させる。使用する応用システムで光チャネルの減衰量を少なくしたい場合や、配線後 あまり変更を行わないような恒久的な配線設計をする場合に有効である。
図 7 スプライス結合チャネル FD
パッチパネル
BD
機器 パッチパネル
幹線ケーブル
機器コード 機器
パッチパネル
スプライス パッチパネル
2次 1次
幹線ケーブル
水平配線ケーブル TO 端末
s = スプライス 水平配線ケーブル
チャネル
CPケーブル ワークエリアコード
TE
パッチコード 機器コード
BD
EQP C C C
EQP C C C
C = 接続点
FD
TO C C C CP
TO
C TE C
幹線ケーブル
水平配線ケーブル s
s
《具体例》
図 8 スプライス結合チャネル具体例
④ “直接”結合チャネル
サブシステム同士をケーブルで直接結合したモデルで、FD 内でパッチコードやスプライス の接続はありません。主に構内/ビル内幹線を統合したチャネルに適用でき、構内/ビル内
/水平配線を統合したシステムを考慮することが出来る。
“直接”結合チャネルの場合、幹線/水平配線ケーブルとしていますが区別をつけるのは難 しく図のようにネットワーク機器と端末を接続する場合、水平配線ケーブルとし、ネットワ ーク機器同士を接続する場合は幹線ケーブルと言うように区別したほうがわかり易い。
特徴としてFD内で接続点が無いので、光チャネルの減衰量は②、③のモデルと比べると最 も少ないが、情報配線システム全体の柔軟性を減少させる。使用する応用システムで光チャ ネルの減衰量を少なくしたい場合や、配線後あまり変更を行わないような恒久的な配線設計 をする場合に有効である。
図 9 直接結合チャネル FD
BD
機器 パッチパネル 光エンクロージャ
幹線ケーブル 水平配線ケーブル
幹線ケーブル
機器コード 機器
パッチパネル
スプライス TO 端末
チャネル
CPケーブル ワークエリアコード
TE
パッチコード 機器コード
BD
EQP C C C
EQP C C C
C = 接続点
FD
TO C C C CP
TO
C TE C
幹線/水平配線ケーブル
幹線/水平配線ケーブル
【光チャネルの減衰量】
光チャネル設計時に重要なことは光チャネルの減衰量で、本規格では次の表の値を超えてはなら ないとしている。その値は接続機器に対する1.5dBの総割当に基づく。
叉接続機器一つの最大挿入損失は 0.75dB、スプライスによる一カ所の最大挿入損失は0.3dBとし ている。
表 1 光チャネルの減衰量 光チャネル減衰量
dB
マルチモード シングルモード
チャネル
850 nm 1 300 nm 1 310 nm 1 550 nm
OF-300 2.55 1.95 1.80 1.80
OF-500 3.25 2.25 2.00 2.00
OF-2 000 8.50 4.50 3.50 3.50
表 2 光ファイバケーブルの減衰量 最大ケーブル減衰量
dB/km
OM1,OM2及びOM3マルチモード OS1シングルモード
波 長 850 nm 1 300 nm 1 310 nm 1 550 nm
減衰量 3.5 1.5 1.0 1.0
15.OM1、OM2、OM3、OS1の違い 引用:
X 5150:2004 9.4.1節、9.4.2節、9.4.3節、附属書F 本文:
9.4.1 光ファイバ種別
4 種類の光ファイバが規定されており,三つはマルチモード光ファイバ種別(OM1,OM2 及び OM3)とし、一つはシングルモード種別(OS1)とする。
9.4.2 一般性能要件
表 26 光ファイバケーブル減衰量 最大ケーブル減衰量 dB/km
OM1,OM2及びOM3マルチモード OS1シングルモード
波 長 850 nm 1 300 nm 1 310 nm 1 550 nm
減衰量 3.5 1.5 1.0 1.0
9.4.3 マルチモード光ファイバケーブル
表 27 マルチモード光ファイバケーブルの帯域 最小モード帯域
MHz・km
全モード励振帯域 限定モード励振帯域
波長 850 nm 1300 nm 850 nm
光ファイバ種別 コア径(μm)
OM1 50又は62.5 200 500 規定なし
OM2 50又は62.5 500 500 規定なし
OM3 50 1500 500 2000
備考 限定モード励振帯域は,IEC PAS 60793-1-49に規定されたモード分散遅延(DMD)を用いることで 確実になる。全モード励振の帯域にだけ適合する光ファイバでは,附属書Fで規定された幾つかの 応用システムに対応できないおそれがある。
附属書F 表3 光ファイバ配線で適用される応用システム(省略)
解説のポイント:
X 5150:2004で定義されている光ファイバケーブルはOM1、OM2、OM3の3種のマルチモード光
ファイバとOS1のシングルモード光ファイバとの4種類である。
これらの技術的差異と用途的差異について解説する。
解説:
光の波長と石英系光ファイバにおける光の損失の間には関係があり、これは図1に示す石英系光 ファイバの損失波長特性として表すことができる。
X 5150:2004では、その損失波長特性から下記のように分類をしている。
【OS1(シングルモード光ファイバ)】
本来の目的である中高速・長距離伝送に適した減衰の少ない1310nmと1550nmの光源波長を 採用
【OM1、OM2及びOM3(マルチモード光ファイバ)】
低速だがLED光源を容易に製作できる850nmと中速にも対応できる1300nmの光源波長を採 用