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4.3 提案に基づく『ToBiRa』の設計

4.4.1 対象授業と実験方法

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4.4 『ToBiRa』の有効性評価

今回,新たに開発したBL用教科書である『ToBiRa』の効果とその実運用性を確認する ために,実授業に適用した実証実験を行う.

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表 4.5 2013年度前期実験授業の実施概況

授業回 2~7 8~14 学習単元 発音 ユニット1(第1~4課)

4.4.2 『ToBiRa』による学習効果の分析

今回の実験結果として得られた復習状況,定期試験の実施結果,並びにアンケートの回 答結果を以下に示す.

(1) 復習状況

『ToBiRa』を利用した2013年度前期においては,同大2012年度前期『飛天』を利用

した場合 (3)と同様に,ほぼ9割以上の学習者が復習を行っていた.ただし,締切内の実施

率は,主に12~13人(5割)あたりで推移しており,2012年度前期の締切内の実施率(6

~7割)より若干低い(表 4.6).

(2) 定期試験結果

今回は,2012 年度と同様に,前期末に発音及びユニット 1 の定期試験を実施し,その 結果,両年度の平均点は大差ないが,多くの設問項目及び合計点における標準偏差は,2013 年度の方が高いことが確認された(表 4.7).

表 4.6 2013年度前期の復習実施状況 授業回

(第~回) 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14

実施者数 25 25 25 24 25 25 25 25 24 23 23 締切内 20 19 12 13 13 22 12 12 10 18

n = 25, (学習履歴により確認)

1)斜線は,eラーニングによる復習課題を課さなかった授業回を示す.

2)第4回は,記録が未保存.また,第9回は,教材の使用方法の練習を兼ねて,復習課題を授業で実施 したため,締切り内実施率が高い.

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表 4.7 定期試験結果

2012年度1前期(n = 23) 2013年度前期(n = 24)2

『飛天』を利用した提案BL 『ToBiRa』を利用した提案BL

設問項目(満点) M SD M SD

音節の聞き取り(15) 8.5 2.1 10.1 2.3 声調の書き取り(9) 6.6 1.6 6.9 2.2 挨拶語(6) 4.9 1.5 5.0 1.5 合計(30) 20.0 3.4 22.1 5.1

単語のピンイン(15) 10.4 3.0 9.8 2.7 文法の穴埋め(15) 12.5 2.3 13.3 3.0 リスニング(20) 16.8 1.7 15.1 4.8 和文中訳(20) 17.7 2.0 15.0 4.8 合計(70) 57.4 5.6 53.1 13.0 全体合計(100) 77.4 6.6 75.2 17.1

M:平均,SD:標準偏差

※1)2012年度の設問項目における配点が2013年度と異なっていたため,ここで両年度の得点を比較で きるように,2012年度の得点を2013年度の配点基準で新たに集計し直した.

※2)実験対象者25名のうち,24名が受験した.

(3) アンケート結果

図 4.11~図 4.13にアンケートの結果を示す.

まず,『ToBiRa』の授業用教科書については,ほぼ全員が肯定的に評価し,今後も利用 したいと答えている.一方,本教科書の難易度については,4 割の学習者が「内容は難し かった」と答えている.

次に,復習用Web(eラーニング)教材について,「思う」と「まあまあ思う」を合わ せ,6割前後の学習者が「継続的に復習できた」「意欲的に取り組めた」,8~9割の学習 者が「この教材でよかった」「今後も利用したい」と答えている.しかし,2012年度前期 の回答と比べ,「思う」の割合が下がっており,特に前半の2項目において顕著であるこ とが確認された.

最後に,『ToBiRa』の確認小テスト,BLによる学習効果については,9割ほどの学習 者が「自分の力が確認できた」「BLによる中国語の学習は効果がある」と評価している.

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図 4.11 『ToBiRa』の授業用教科書について

(2012年度前期末アンケートの回答者数は29名であった.)

図 4.12 復習用Web(eラーニング)教材について

図 4.13 『ToBiRa』の確認小テスト,BLによる学習の効果について 13

11 11

14

11 10

14 14

11

1

11 4

0% 20% 40% 60% 80% 100%

今後も利用したい 内容は難しかった

練習問題で学習内容が理解できた DVDによる会話練習は役に立った 楽しく学習できた

M大2013年度前期(n = 25)

思う まあまあ思う どちらともいえない あまり思わない 思わない

(グラフ内の数字は人数を表す)

19 20 7

12

8 6 14

7

2 3 7 9

1 1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

M大2012年度前期(n = 29) 15

13 4 4

6 9 12

10

3 2 7 6

1 2 3

1 2

0% 20% 40% 60% 80% 100%

今後も利用したい この教材でよかった 意欲的に取り組めた 継続的に復習できた

M大2013年度前期(n = 25) (グラフ内の数字は人数を表す)

思う まあまあ思う どちらとも思わない あまり思わない 思わない

12 6 5

13

11 16 18

10

2 3 1 1

1 1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

BLによる中国語の学習は効果がある 中国語が使えた達成感につながった 不十分な所を補うことができた 自分の力が確認できた

M大2013年度前期(n = 25)

思う まあまあ思う どちらともいえない あまり思わない 思わない

(グラフ内の数字は人数を表す)

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4.4.3 『ToBiRa』の有効性の考察

本研究で開発した『ToBiRa』は,2章並びに3章により得られら成果に基づいており,

学習意欲の向上,自習の促進,学習効果の向上を目的としている.

これに対し,2013年度前期『ToBiRa』の有効性を確認する実証実験の結果では,まず,

提案BLの復習状況に関しては,2012年度前期『飛天』を利用した提案BLと同様に,ほ ぼ9割以上の学習者が復習を行っていた.これにより,『ToBiRa』を利用した提案BLに おいても,復習促進の効果が期待できると推測される.

さらに,アンケートでは,多くの学習者が,『ToBiRa』及びそれによる提案BLの学習 効果を肯定的に評価し,8割~全員が「楽しく学習できた」,「今後も利用したい」,「学 習効果がある」と答えており,満足感を示している.これにより,『ToBiRa』は,提案 BL 授業へ適用可能であり,その適用によって学習意欲と学習効果の向上が期待できると いえる.

しかしながら,2013年度前期における復習の締切内実施率が,2012年度前期より1~2 割ほど低く,また,アンケートにおいても,復習用Web教材についての評価は,2012年 度前期と比べ,「思う」と答えている学習者の割合が減っていた.これは,本学習管理シ ステム上の学習者用ユーザレポートにおいて,詳細な学習履歴が提示されておらず,その ため,学習者が自身の進捗状況の確認や学習管理が十分にできなかったことも,締切内の 復習の実施や復習の継続に一定の影響を与えていると考えられる.また学習者側の環境に おいて,スマートフォンの利用が増え,これによりPCの利用機会が減っていることと関 連していることも推測される.

今後は,スマートフォン教材の充実など,PC 教材以外の機器の利用や,学習管理シス テムの改善などについて検討する必要がある.また,本研究では,筆者自身の授業を対象 に『ToBiRa』の有効性について実験検証を行ったが,今後は,他教員授業への『ToBiRa』

の適用可能性について実験検証を行う必要がある.