社会復帰調整官の役割 当初審判
危機介入をしても法 59 条に該当する事態に対しては速やかな再入院申 立てを検討し、カンファレンス及び審判期日に、その経過や地域処遇の
4. 審判における処遇実施計画書の活用
退院許可の申立審判において、「処遇実施計画書(含 : クライシスプラ ン)」案を使用すると具体的な地域で生活する対象者の処遇を理解する のに有効である。
処遇実施計画書(案)は、保護観察所の意見書と併せて提出される こともあるが、提出する義務があるわけではない。そのため、処遇実施 計画書(案)が提出されていない場合には、裁判所を介して保護観察所 に処遇実施計画書(案)の提出を依頼することを、合議体として検討し てみる。処遇実施計画書(案)が作成されていない場合も考えられるが、
おおむねの処遇方針ができている時期であれば、それに準じたものが提 出されてくる可能性は高い。
○処遇実施計画書の内容と作成方法
様式第○号(法第104条,令第11条第7号,規則第20条関係)
○ ○保護観察所長 ○ ○ ○ ○ 印
男
電話番号 携帯番号 電話番号 携帯番号 電話番号 携帯番号 通院医療開始日(決定のあった日) 平成○○年○○月△△日
週1 月2 週1 週2
留意事項
(到達レベルの目安)○外来通院や服薬など必要な医療を利用できる。○地域生活に慣れ,
困ったときに適切な人に相談できる。
(その他)、少し生活に慣れる○月頃から1回1時間、4回位病気に関する学習の機会を予定し ている。そのほか、○PSW(援助欄記載)との面接は診察後を予定。
Aチーム
デイケア ○作業療法士
月曜参加(1日)。様子をみて、週2~3回 参加を予定。
週1から 開始 訪問看護
○看護師
○精神保健福祉士
金曜日に自宅訪問。他の機関のスタッフと 一緒に行くこともある。
① 通 院 医 療
目 標
(6か月で中期通院医療へ移行)
○通院医療従事者との信頼関係の構築 ○病気についての理解を深める
○定期的なデイケアの参加
内 容 機関名・所在地 担当者 回数 実施方法等 備考
通院医療
開催場所
連携方法 毎月月末に,保護観察所に書面で各機関の実施状況を報告し,その内容はケア会議で共有する。
(4)処遇の内容・方法
(3)ケア会議等
開催回数
最初の6か月間は,原則として毎月初旬に1 回開催(開催時に次回日程を確定する)。
検討事項
① 指定通院医療機関における医療の状況について ② 生活(デイケア等含む)について
③ 各関係機関の具体的なかかわりについて(訪問時の留意事項等)
留意事項 なるべく父にも参加してもらうよう、連絡をとっていく。
住 所 ○○県○○市○○町○○1-2 ○○荘102
○○○ー○○○○ー○○○○
○○病院会議室
(1)処遇の目標
必要な医療を継続的に受けながら生活する。
退院後のストレスに適切に対処しながら、地域生活に慣れる。
(2)本人の希望
いずれはコンビニエンスストアなどで働いてみたい。そのためにも健康管理をしっかりする。
これからは(家族やいろいろな人に)自分から相談できるようにしたい。
緊急 連絡先
同上 保護者
○○太郎 ○○県○○市○○町○○4-5-6
(続柄) 父
○○○ー○○○ー○○○○
○○○ー○○○○ー○○○○
心理相談
○○病院
○○県○○市××町1-1-1
○臨床心理技術者 第1 第3火曜日午前。
○医師 外来受診(毎週水曜日 午後○時予定)。
ふりがな ○○○○○○○○○○○
生 年 月 日
昭和40年○○月○○日生
氏 名 ○○ ○○
処遇の実施計画
(第1回 ○○年○○月○○日作成)
次の者に対する処遇の実施計画を下記のとおり定める。
個人情報が記載されています。取 扱いについて注意して下さい。
○処遇実施計画書[記載例]
9.処遇実施計画書[記載例]
回数
週1
回数
週1
随時
随時
随時
平成○○年 ○○月 ○○日 氏 名
作成:二瓶陽子(法務省保護局)、三澤孝夫(国立精神・神経研究センター)
○私は,上記の処遇の実施計画について説明を受けました。
○○ ○○
別紙 クライシスプランのとおり
(6)その他の留意事項
(本制度の処遇終了後の一般の精神医療・精神保健福祉サービスの利用に関する事項)
現在は退院直後のため,約6か月経過以降に検討を始める。
(その他)
留意事項
最初のうちは病院の訪問看護スタッフと一緒に訪問する。
デイケアの参加が増えて行くようであれば、訪問回数を減らすこともある。
訪問でなく、本人が定期的に支援機関を訪問する形での相談も考えていく。
(5)緊急時の対応
③ 援 助
担当者
○○精神保健福祉センター
○○市××町1-1-1
△精神保健福祉士
処遇の実施計画や援助のあり方につ いて助言
計画策定時に参加 し,助言等を行う。
○○市障害福祉課
○○市××町1-1-1
○社会福祉士 日常生活に関する援助
訪問援助 窓口での相談
○○地域生活支援センター
○○市××町1-1-1
◇精神保健福祉士日常生活に関する相談
ドロップイン。本人 からの相談に応じる
機関名 担当者 内容 方 法 備考
○△保健所
○○市××町1-1-1
○保健師
全般的な状況把握・精神保健福祉 サービスに関する相談等
訪問指導等 社会復帰調
整官
○ ○ ○ ○
目標
本人の希望をよく聞いて、信頼関係を築く。
生活の安定に向け、各機関が連携して役割分担し、具体的に援助していく。
(場合によっては、他の適切な機関の利用について提案することもある)
○○病院(指定通院医療機関)○精神保健福祉士
日常生活・医療全般 に関する相談
通院時、受診後 に面接。
訪問看護に同行 することもある。
報告
毎月1回、関係機関からの報告(電話等適宜の方法)を受ける。報告内容に応じ適宜評価を 行い、その結果をケア会議で本人及び関係機関に連絡する。
留意事項
家族(保護者)宅への訪問、連絡も行っていく。
内容 方 法 備考
当初は,2週間に1回、自宅等を訪問する。2ヶ月目からは保護観察所での面接も検討する。
機関名
② 精 神 保 健 観 察
目 標
退院直後のため,環境の変化に伴う病状の変化及び生活状況を見守り,継続的な医療の確 保を図る。
内容
① 退院直後であることに留意し,生活全般の見守りを重点的に行うとともに各種サービスの 利用状況や生活上の課題について話し合う。
② 相談する内容に応じた関係機関の利用について支援・調整をはかる。
③ 体調に注意し,調子が悪化するサインに気づいて早めに相談できるよう促す。
方 法
接触方法
○処遇実施計画書[記載例]
自分が分かる 関係者が気がつく
Ⅰ
・疲労感が強くなる
・息苦しい
・不安感が強くなる
・視線が気になってくる
・幻聴:意味が聞き取りにくい声が「ザワザ ワ」という感じで頻繁に聞こえてくる
・集中力がなくなり、読書できなくなる
・朝起きられなくなる
・ぼんやりすることが多くなる
・デイケアなどの遅刻が続く
・約束の時間に遅れることが多くなる
・音楽を聴く
・散歩をする
・活動と休息のバランス確認を行う
・頓服薬を飲む
・定期的な受診時に主治医に必ず話 す
・関係者に相談する
・情報を関係者で共有する
・定期的な訪問で、持続的に相談等に乗ると ともに、必要があれば、訪問回数を増やす
・保護観察所が臨時に各関係機関に連絡を 取り、ケア計画の修正(訪問、通院回数、対応 方法等)を提案する
Ⅱ
・不安感が強くなり、視線をひどく気にする
・日頃している外出が困難になる
・そわそわして落ち着かない 不眠などから、昼夜のリズムが崩れる
・幻聴:あまり聞こえなかった声が良く聞こえ る、女性の声で、考えを乱すようなことを言 う
・日頃している外出が困難になる
・服薬の時間や回数の乱れる
・サングラスをつけることが多くなる
・セルフモニタリング表で、不眠や朝 起きられなくなることが四日以上続く
・頓服薬を飲む
・無理せず家族や関係者に相談して 休養する
・保護観察所・保健所に相談し、受診 する
・指定通院医療機関に受診・相談す る
・情報を関係者で共有する
・必要があれば、緊急で訪問する。
・状況に応じて受診の同行を検討する
・外来受診時に医師や病院スタッフに相談す ることを支援
Ⅲ
・受診したくなくなる
・イライラがひどくなり、ものに当たる
・家族や関係者と話していても落ち着かず、
話が続かない
・幻聴:男性の声が混じり、命令口調で指図 する
・過去の友人関係についての愚痴が 多くなる
・受診できない
・サングラスをほとんどつけて生活し ている
・会話中も、独笑が続いている
・セルフモニタリング表の記載が,実 際と異なっている、あるいは、記入さ れていない
・保健所・関係機関・保護観察所に相 談する
・速やかに指定通院医療機関に連絡 し、受診する。
・早めに任意入院して休養する
・関係者と相談し、入院を検討する
・受診に同行する等して必要な医療の確保に 努める
・通院回数や訪問看護の回数,処方内容を調 整する
・外来受診時に医師や病院スタッフに相談す ることを支援する
・早めの任意入院をすすめる
・医療保護入院を検討する
Ⅳ
・自宅にとじこもる(強い妄想がある)
・家族や関係者が呼びかけてもコミュニケー ションがうまくとれない(会話内容の理解が 困難)
・幻聴:亡くなった父親の声などで、「死んで しまえ」などと大音響で命令する
・自宅から出られない
・受診できない
・過去の友人や霊界からの死者が復 讐に来るなどと言う
・霊界から関係者に指令が来ている からとなどの理由を挙げ、関係者の 助言が受け入れられない
・保健所・関係機関・保護観察所に相 談する
・速やかに指定通院医療機関に受 診・相談する
・保護観察所や関係者に援助求め、
指示に従う
・関係者・指定通院医療機関の求め に応じて、とりあえず入院する
・受診に同行する等して必要な医療の確保に 努める
・通院回数や訪問看護の回数,処方内容を調 整する
・外来受診時に医師や病院スタッフに相談す ることを支援
・早めの任意入院をすすめる
・主治医の意見を確認し、医療保護入院、措 置入院を検討していく
家族 Tel
○○病院 外来Tel 夜間外来Tel デイケアTel
○○保護観察所 Tel
○△保健所Tel
○○地域生活支 援センター○○
Tel
j○○市障害福祉 課Tel 訪問看護ステー ション○○Tel
○○県精神保健 福祉センター
ⓒNCNP/T.M.
クライシスプラン【緊急時対応計画】
レ ベ ル
病状悪化のサイン
対処方法
(本人・家族等)
相談・連絡先
関係者(援助者・支援者) の対処
○クライシスプラン(緊急時対応計画)[記載例]