についての実験的研究
第4編 アオムシコマユパテの諸性質に関する調査
界7章 性 と 生 殖
寄主モンソロチョウの幼虫に,寄生蜂アオムシコマユバチが寄吐する場合に,寄∃二に対して座込まれる卵の 数は,1回の産卵でも平均25個内外の多数に上ることは,すでに長嶋(1933)(129),著者等(ユ955)(97),の指摘 した通りである.しかしながら本寄4蜂も,他の多くの蜂類と同様に,産雄性の嘩性生殖AIIhenotokous
Parthenogenesis,Arrhenotoky(以下便宜」二単に嘩性生殖という)をも行うので,l回の産卵によ,,て1・寄主 体内に膚込まれる卵からは,事情によっていろいろな件比をもって成虫が出現するにちがいない〔春川及び 徳永(1949)(i415),長沢(1949)(128)等の研究に見られるように,劫αCO乃査dαβの申こも産脳性の単性生殖 Teletokyを行うものがあるこ〕たとえ顔卵する雌成虫が,すでに交尾済であったとしても,必ずしも次代に雌 ばかり現われるものとも限らず.適宜彼等に次代の性比を調節する能力もそなわっているものと予想せられるい
一・方また本寄生蜂は,ユ何の産卵でも上述の如く,非常に多数の卵を寄主体に産込むのであるが,しかしな がら一・生の聞に攻撃産卵を行う寄主数や総産下卵数は,侍と場合によって変動はあるとしても,可成り莫大な
数に上ること.が従来の経験から抑乾草せられる かかる問題む只休的に把挿するために本実験を行った(107)
1研 究 方 法
先づ本寄生蜂の性比についてほ,1952年以来宮崎及び香川県下で,巻上星,秋の冬季節に本寄生蜂の寄生を 受けたモンソロチョウ幼虫を多数野外より採集し,研究室にて寄主毎に個体飼育を行、つて後これより羽化脱出
する本寄生蜂成虫をそのまま一足期間飼育して,そのそれぞれの寄主についての寄生蜂の性比を調査の上記録 した.一・方実験的に,十分に交尾を行わしめた本寄生蜂雌成虫(香川県産)を用いて.1寄主1回の産卵を連 続的に寄填せ凝りかえて5〜10回,時に20回余り行わしめて,後に至って寄主体を脱出羽化した成虫の性比を 検した(末交尾の雌成虫は単性生裾濫よって雄蜂のみを生ずることは明白であるので,改めて特に実験ほ施行 せず),性比の調査は肉眼でほ確実を期し難いので,常にルーぺ又ほ矧‡艮解剖顕徴銑を用いて,第ユ図版罪′2図
(A.8)に示した如き本寄生蜂の産卵管の有無段目当てに行った.
生殖能力(いいかえれば産卵能力)については,1955年7月に同一の寄主から同時に脱出羽化した香川産ア
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オムンコマエバチ雌1:頭の中,1C亘弛・選んで行ったものであるが,実験に先だって予め用意したモンレロチョ
ウ2〜3命幼虫を暦填として,ガラス管瓶(2‖4×9・Ocm)内でそれぞれの寄生蘭に通過せしめた.羽化の翌日 からそれぞれの香住蜂に,連[l産卵(原則として1寄手に対して1回の産卵)せしめたのであるが,当日の実 験終了後には,新たに取りかえた精製白糖液(20%)を細かく矩形に臥二)た減紙(3×1cm)紅浸して与え,寄 佳をうけしめた寄主幼虫には個体別に新たなキャベツ柴を給与し,毎日24◇Cの恒温妥に収めるようにした.
もっとも時期的にほ,軟化病その他で寄主の死亡する率きわめて高い時期であったので,寄主ほす・ぺて塩類
の飽和溶液を用いて湿度を80%に姐i仁したデジグ」・−−・・クー・内に個体別に.ガラス管瓶紅収めて容れ,又容器ほすべ て乾熟殺菌したものと毎l]取替え,キャベツの柴も毎日昇求水(1,0∞倍液)にて殺蘭した新鮮某と取替える等
慎重を期した・・しかしそれにも拘わらず,寄主の死亡率はなお相当に高かったので,死亡したものについてほ
その都度解剖顕微鏡下で解剖に附し,その寄生数をしらべて記録し,供試寄生蜂の死亡後ほ同様にまた顕微鏡 下でこれを解剖して,体内の残存卵数を検した.
満産卵時間と膚卵数の関係について「ほ,実験方法ほ大体上と同様であるが,寄生蜂が寄主体(第2令)に産 卵管を挿入している時間をストップ・ウオソデで計測して使宮上産卵時間とし,斯様にして1匝けつ産卵され た寄主を,それぞれ個体飼育して後,寄主体から脱出羽化した成虫,寄主体に残存して脱出不能になって:しま
った幼虫・寄主体を脱出営繭はしたが羽化出来なかったもの等を総計して,便宜上はじめの産卵数と見徹すこ と・にして実験をすすめた1この実験は1956年6月に行ったもので,寄生蜂は香川県下で野外から採集したモン ソロチョウ幼虫より脱出羽化したものをそのまま用い,寄主モンソロチョウ幼虫ほ,前岡様に研究案内で卵か ら飼育をつづけた生育の揃ったものを実験に.供した
ここに特に説明を補足して:おかなければならないことは,斯様な実験に用いる寄主モンソロチョウ幼虫の準
備並びに寄雀蜂アオムレコマ1ユバチに攻撃産卵せしめる技術的な面であるい前者は第1図版第3図の如き素焼 柿木鉢を利用した60W電灯による保温照明法によ/)て,比較的短時間に.,一個濫大鼠に採卵したものから好化
して釆たものを,所要の令に到逢するを待つて実験に供した訳で,装置内で植物の共に産着された多数の卵ほ 第2図版第4図の如くであるl勿論これに用いるモンソロチョウ雌成虫は,野外から採集し来たって直らに一 応10〜20%程度の砂糖水を脱脂綿に浸して2〜3分間人為的に給与し,その後1〜2時間暗所にて休息せしめ,
然る後に装置内に・移して採卵を石うのである小 しかして帰化したモンソロチョウ幼虫は,常に日本画用の極細
の小繋(穂長フmm)を用いて取扱いをなし,寄主を傷つけないように.したモン1/ロチョウ雌成虫の人為的 給餌方法,小筆濫よる寄主幼虫の取扱い蟄乱 処理前又ほ処理後の寄主の個体飼育法ほ軍2図版罪5【7図に 示した如ぐであるい
尚寄生蜂アカームシコマエバチに産卵せしめる方法ほ.,先づ上記小筆の先端に.,所要の令に到達した寄主モン ソロチョウをのせ,ガラス管瓶中に予め1頭宛収容した寄生蜂に.管瓶中で静かに近づけて産卵せしめる訳であ るが比較的若令の寄主である限り,郡2図版第8図(A・B)の如く容易にこの方法に.よって産卵せしめるこ とが可能であるLこれ等は以下の諸許にも直接関係が輝いので,便宜上本革において完糾明を寺了っておくい
2 性及び性比
アオムVコマ1ユバチ・の件は,所謂両件巷殖BisexualIeprOductionに参与できるところの,十分に生殖能力 をそなえた雄及び雌で,それ以外の所謂間件の如きものは全く見ることほできない′ ただ雌ほ多くの蜂類と」司
様に,雄に遭遇して交尾を行う機会に.恵まれない場合にはArrhenotokyにH3:って雄ばかりの次代を残す.
さて,著者の従来の経験よりすれば,本寄生蜂の1繭焼から生ずる成虫の性比ほ,概して非常にまちまち のようである..従って何等かの傾向なり,一般性なりを見出そうとするならば,どうしても同じ時期に,なる
べく多くの圃場から,本寄生蜂の寄生をうけたモンソロチョウ幼虫なり,更にそれより脱出した本寄生蜂の繭 塊を採集し,それより羽化脱出する成虫の件比を検討してみる必要がある・そこで春,初夏,秋の3季節に.,
一時に得た材料を香川産のものについて検討してみたい 今それらの材料について得た雌雄の割合を百分率にて あらわして示せは罪18図の如くである..
先づ春野外から得た寄主から現われる本番塗蜂は,罪18図に明らかな如く,時に全部が雄蜂ばかりのことや 大部分雄蜂で僅かに雌蜂を混えて現われることもあるが,殆んどのものが多数の雌蜂にごく少数の雄蜂を混え
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で現われて来るこのこと.ほ,貯李において はアオムンコマ.ユバチ・もよく交尾な才」い,そ
れぞれの寄主に対してよく授精した卵を産み 込んでいることを裏書きする訳であるが,蛛 ばかり現われるこ.とも全くないでほないが,
とに.かく,何頭かの非常に多くの雌蜂濫対し て,大抵少数でほあるが何頭かの雄蜂が現わ れるように仕組まれている・初夏の候の野外 材料では一・般にも′つと斯様な組合せのものが 多く,雄蜂ほかりとか,大部分雄蜂で少数の
雌蜂を混えると.かいうような組合せほ殆んど ないようである・
しかしながら本案坐蜂も,秋材料となると.
また事情が興って来る・即ち秋材料でほ春材 料と興って雌蜂が割合に少くなって来るい一・
般正雄蜂ほかり現われる換度が高く,叉少数 の雌蜂に.多数の雄蜂が混って蘭われるような 場合も非常に多く,多数の雌蜂に少数の研蜂 を混えているような組合せが予想夕もに少くな って来る秋崩凍lで斯様に雄蜂の現われる率 の高いのほ,恐らく気温の低下等によって寄 生蜂の活動性が不敏著になり,十分に交尾を 終った個体が非削こ少いからであるか,又ほ 蛙成虫がたとえ交尾済みであったとしても産 卵する際の貯精嚢の開閉が自由に行え.なくな
って,授精がうまく行かないか,さもなけれ ば粕虫の活動性がにぶるためであるかであっ て,従って巧ま性的に顔出した将来雄雌となる 卵が多く寄主体に痍み込まれているのであろ
うu このこと.ほ本寄生蜂に関して注志すべき 点の1つであると考えられる・勿論これには 尚,全般的な秋季における凍為墳蜂の僻度の 低下等も,雌雄相会するチャンスを波ずる訳 で関係がありそうである
十分に交尾を行った雌寄牡蜂の産出する卵 ほ.,本寄生蜂の場合,−・般によく雌蜂(少数 の雄蜂を配して産出される)iこなり,弱虫蜂ば かりになる卵を座下することほ殆んどないよ
うである今十分に交尾を行わしめた雌寄生 蜂を用いて5〜20回連続的に寄主を雪えて産 卵せしめた結果を実験にもとづいて示せは節 21表の如ぐで,毎回共に多くの雌蜂に少数の 雄蜂を混えた組合せで,寄主体への産卵が行 われていることが分る交尾をすでに十分に 終っている場令の朽卵ほ,恐らく斯相な組
100 80 60 4C 20 FEMALE(%)
FIG18Sex ratio of the adult of du‡ing eacb season