(平成26年上半期・警察庁)
お金・品物を得 るため
171 19.7%
遊ぶため 157 18.1% 相談に応じてく れる人、優しい 人だから
140 16.1% 性交目的
64 7.4% しつこく「食おう」
と誘われたから 60 6.9% 友達・彼氏募集
49 5.6%
「好きだ」「付き 合って」と言わ れたから
41 4.7% 家出中で泊めて
くれるから 39 4.5% 写真が格好良
かったから 36 4.1%
寂しかったから 35 4.0%
脅かされたから 9 1.0% その他 67 7.7%
やりの画像や動画投稿サイトなどにも多く見て取れます。今プリクラで撮った 写真が集められたプリクラ投稿サイトというものがありますが、女子高生が友 達と楽しそうにピースサインしながら裸の写真を撮って送っています。その理 由としては、ノリでやっている中で自分だけ断って仲間外れにされたくないと いって、悪ふざけがエスカレートしてそのうち制服を脱いでしまい、それを友 達に送信して、友達が別の人に送信しているうちに、誰かがサイトにアップし てしまうというケースがあります。
それから、おもしろ動画投稿サイトで、ある高校生がすごくおもしろい動画 を作って投稿して、「いいね」と言われました。そうすると、私もまねして「い いね」と言われたいけれども、おもしろ動画を作るのはとても技術が必要な ので、手っ取り早く「いいね」と言われるために、過激な動画ということで脱 いでしまって投稿する。それで「いいね」と言われて、人に認められるとい う承認欲求が満たされた気になるわけです。
●安易に
でも、居場所を求める、あるいは人に認められたいということは、思春期 の子どもには当然ある話で、そういう欲求を基に思春期の子どもたちが枠に はめられることを嫌って、道を踏み外すということは、今に始まったことではあ りません。家庭環境、親への反発、学校でのいじめ、勉強ができない、大 人に裏切られた、誰も分かってくれないなどさまざまな理由から、子どもがよ くない行動を取る、規範から外れるということは昔からあるわけです。
しかし、昔であれば、暴走族に入る、不良グループに入るなど、枠からは み出そうとすると、それなりにハードルがあって、そう簡単に、安易に枠から はみ出すことができたかったわけです。ところが、今のネット社会は、簡単 に、安易に知らない人とつながり、例えば大人から見れば買春、子どもから すると売春という犯罪行為、違法なことも簡単にできてしまいます。さらに、
居場所を求める、あるいは承認欲求から、投稿などによって先のことを考え
ずに安易に犯罪者、加害者にもなってしまうわけです。
<ネット社会と子どもの加害>
例えば今年1月に東京都内のスーパーでスナック菓子につまようじを入れ た動画を投稿して、19歳の少年が逮捕されました。少年は、警視庁の調べ に対して、動画を見る人が増えてうれしかった、有名になって発言力を増し たかったという供述をしています。
今年5月には愛媛県の中学校で、13歳の男性生徒を集団で殴ったりけっ たりしたいじめの動画をLINEに投稿したとして、14歳の生徒が逮捕されま した。こうした動画を投稿すれば犯罪として検挙されるだけでなくて、ネット 上で身元から何から暴かれて、その地域に住めなくなってしまうといったこと もあるわけです が、自分の一生をめちゃめちゃにしてしまいかねない加害行 為をいとも安易にやってしまうのが、ネット社会での子どもの加害を考える上 での大きな問題だと思います。
いまは動画の閲覧回数に応じて投稿者に報酬を支払うという投稿サイトもた くさんありますから、そういったところでお小遣い稼ぎをしたいという、子ども
の気持ちをあおるような大人の責任も大きいと思います。
●大人には見えにくい
安易に加害者になることに加えて、もう一つの問題は、子どもたちの関係 が大人には見えにくいことによる加害です。今年2月に、川崎市の中学1年 生の男子生徒が少年らに刃物で刺されて殺害された事件でも、直接の原因と は関 係ありませ んが、男子 生 徒が少 年らに呼び出されたのはLINEのメッ セージでした。それから、被害者の男の子は同級生や友達にLINEでSOS のメッセージを送っていましたが、結局親や学校はそれに気づくことがありま せんでした。
子どもが実際に非行に走ってしまった親たちで作る会というのがありまして、
そこで私が参加者の方々にお伺いしたところ、ネット社会で今は子どもたちの
非行のあり方も以前とは様変わりしているということでした。10年前、20年 前の非行といえば、先ほども言いましたが、暴走族に入ったり学校をサボった りということで、付き合う仲間も近所、学校の友達や同世代の子どもなので、
悪いことをしているなりに親も誰とつるんでいるのか把握して、例えば親同士 で話し合うという解決策も取ろうと思えば取れたわけです。ところが、今はネッ ト社会で素性の分からない人と知り合って、そのことが犯罪や非行につながっ
てしまうと、大人には全く関係性が見えません。
いま、振り込め詐欺で検挙される少年が増え、去年は過去最多、大人も含 めた検挙者のうち18%近くを占めています。
その中にはネットで知り合った相手から「いいバイトがある」「荷物を受け 取るだけ」などと誘われて、気軽に手を出して現金の受け取り役になってし まった少年もいるということです。こういうパターンでは、親としても何が何や ら全く分からない、また子ども本人にも相手のハンドルネームしか分からない、
ということも起こってしまうのです。
<子どもを被害・加害から守るには>
では、子どもをネット社会で被害者にも加害者にもしないように守るにはどう すればよいのでしょうか。親や周りの大人たちにできることの一つが、スマホ の安全な利用環境を整えること、もう一つが、子ども自身にネット利用の危険 を考えてもらうことではないかと思います。
●安全な利用環境整備
まず、安全な利用環境の整備については、いろいろありますが、一つは出 会い系などの有害なサイトへの接続をブロックするフィルタリングです。
ただ、従来型の携帯の場合は、携帯電話回線を通じた仕組みなので、携 帯電話会社に申し込めばフィルタリングができて、有害なサイトに行くことを食 い止められました。ところが、スマートフォンの場合は、電話回線だけ止めて もだめで、無線LANやアプリを使ってもつながりますので、スマートフォン自
体にフィルタリング機能をかけることで初めて有害サイトに行けなくなるわけで す。
今人気のLINE、モバゲー、グリーなどはちゃんと子ども向けの安全対策 を実施していますので、フィルタリングをかけても使えるようになっています。
やり方が分からなければ、携帯電話会社に教えてもらい、子どもの年齢に あったフィルタリングをかけることは必要だと思います。
ただ、フィルタリングをかけても抜け道はたくさんあって、例えば本人が友 達に写真を送ったら、それが勝手に投稿されたというケースは防げません。
●子ども自身に考えてもらう
そこで、結局のところ、子ども自身にネット利用の危険性を考えてもらうこと が必要になってきます。そういうときに、例えばスマホ教室の利用などがあり ます が、今は学校などで警察やLINEの運営会社などが連携してスマホの
使い方教室が開かれています。
先日、私が行ってきた都内の中学校では、1年生を対象に、LINEの運営 会社がコミュニケーションでトラブルにならない使い方を教える授業を行ってい ました。例えばLINEをしていて嫌なことというカードを順に並べてもらうと、
知らないところで自分の話題が出ているとか、自分が一緒に映っている写真 を公 開されるの が嫌だという生 徒 が 多 かった で す が、生 徒1 人1人によって順番は違うので、
生 徒 たちにして み れ ば、 人 に よって嫌だと感じることは違うと いうことが分かります。
それから、友達から「隣の町 の中学校の友達に紹介したいから、みんなの顔写真を送って」というメッセー ジが来ました、さあどうしましょうと、考える時間もありました。単に嫌だと言っ
て断ってしまうと、相手を傷つけてトラブルになる、いじめにつながりかねな いということで、例えば「相手と会って仲よくなってから」といった返信を子ど もたちは考えていました。
終わった後、生徒たちに話を聞きましたら、ほぼ全ての子どもがLINEを やっていましたし、多くの子がトラブルを経験し、仲間外れなどで嫌な思いを したことがあると話していました。ただ、逆に相手を思いやる気持ちを持って、
LINEでのやりとりやネットでコミュニケーションができれば、それ自体が居心 地のいい場所になります。そうすると、居場所を求めて知らない人とつながろ うとしなくなるのではないかとも感じました。
この授業で使ったカードを自宅に持ち帰って、家族と話し合ってみてくださ いと講師の方は言っていました。家族で話し合うということはとても大事で、
子ども自身に危険性を考えてもらう上で、まずは大人が危険性を正しく理解す るために、アプリの機能や利用状況が分からなければ、むしろ子どもに教え てもらうことによって、子どもの悩みとか、子どもが何でそれを使いたいのか という話 が 聞けるかもしれない。
そうしたことを聞くうちに、子ども の悩みに気づくことができるかもし れない。そういうやりとりこそが、
実は子どもを守る上で最も大事な の で はない かと思 います。そ れ が、家庭の中での居場所にもつながっていきます。
実際にかつて非行に走った少年たちからは、親が見捨てずにいてくれた、
親に心配されていることが分かった、学校の先生が本気で自分のことを考え てくれた、仲間が支えてくれた、信頼できる大人がいたなど、非行に走った 理由と背中合わせといいますか、居場所があると感じたことが立ち直るきっか けになったという話をしてくれました。