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 はじめに

 p一アルキルベンジルブロミドとピリジンとの反応を各種溶媒中で行うと生成物 として、p一アルキルベンジルピリジニウム塩を得る(3.1)。

ROcB,Br + N(iliiiilll> 一一一>ROcH,一 N(:ilil>Br一  , (3.i)

 反応生成物を純水中にあけると、p・アルキルベンジルピリジニウム塩は、直ち に加水分解され、臭素イオンBr一が水層に溶出される。臭素イオン電極を用いて 溶出しta臭素イオンの活量を測定すれば、対応するp・アルキルベンジルブロミド

ピリジニウム塩の生成量(あるいは、p・アルキルベンジルブロミド、およびピリ ジンの消失量)が計算できる。一方、反応物A,Bの濃度を[A],[B]とし、

生成物の濃度をXとすれば、反応速度vは、

v=k ( [Al 一一 x) ( [B] 一 x) (3.2)

で表される。(3.2)式から、反応速度定数浸を求めることができる。

 この章では、各種試料の合成ならびに調製の方法、まだ反応速度の測定に用い 炬各種溶媒の精製法、さらに反応速度の測定方法について述べる。

 3.1 試料の合成ならびに精製32)・33}

 a) p・メチルベンジルブロミド

 市販のp一メチルベンジルブロミド(東京化成一級)を真空ポンプを用いて、減 圧下で蒸留し、減圧度3 mmHgで、沸点60℃から64℃の留分を取る。再度、同様 の蒸留を行えば無色の結晶が得られる。得られた結晶を遮光しXaバイアル管に入 れパラフィルム密封して冷蔵庫で保存する。

    bp3640C

 b) p・エチルベンジルブロミド(13)の合成

p・エチルベンジルブロミドは、次の式に従い二段階で合成しだ。

c2Hs 掾c・隅灘鴇◎CH2・H

    1−1 Lt

C2Hs nCH20H + HBr 一一 in> C2HsQCH2Br

1一皇i

(3.3)

(3.4)

 1) p一エチルベンジルアルコvル(12)の合成

 温度計およびジムロート型冷却器を取り付けた200m1の三つロフラスコに、 p一 エチルベンズアルデヒド (11)13.4g〈0.1moD、エタノー一]L 40m1を入れ、マグ ネティックスターラで撹二丁水素化ホウ素ナトリウム2.6g(O.07mol>を少量づ

つ数回に分け、約10分間を要して加える。エタノール10m1を用いてフラスコ の器壁に付いta水素化ホウ素ナトリウムを洗い落とし炬後、室温で2時間撹搾を 続ける。反応溶液に純水を100回目加え、未反応の水素化ホウ素ナトリウムを分解 する。エーテル(50ml×4)で抽出後、有機層を飽和食塩水で一度洗浄し、水 50mlで一度洗浄する。乾燥剤として無水硫酸ナトリウムを加え一夜放置する。溶 媒を二二留去後、水流ポンプを用いて減圧蒸留を行う。

    bpa 7 129 一 130  C

    収量11.1g (収率81%)

 2) p・エチルベンジルブロミド(建)の合成

 p一エチルベンジルアルコール (旦)20gをドラフト中、リービッヒ型冷却器お よび温度計を取り付けだ200mlの3つロフラスコに入れ、マグネティックスター ラによる撹搾下、市販の48%一臭化水素水33.7g(当量の33%過剰量)を5ral 駒込ピ・ソベトを用いて加える。加え終わっだのち二二約100℃の油二上で加熱 して混合物を6時間加熱還流する。反応混合物を放冷し200ml分液ロートを用い 有機層を分取し、一度、残りの水層に水層と同程度の量の氷冷しtaベンゼンを加 えすばやく抽出し、先の有機層と合わせる。混合した有機層を、氷冷した約5%

の炭酸水素ナトリウム水溶液100mlで一度すみやかに洗浄しだ後、塩化カルシウ ムを入れて一夜乾燥する。デカンテエーションし、ベンゼンを減圧留去しだ後真 空ポンプを用いて蒸留を行い減圧度3ramHgで沸点73℃から74℃の留分を集め る。再度真空ポンプを用いて減圧蒸留を行うと無色のp一三チルベンジルブロミド が得られる。これを約0.6gつつlml一ガラス製アンプルに入れて溶閉し冷蔵庫に

保:存する。

bp3 73−740c

収量 20.lg (収率69%)

iHNMRスペクトル 図3.1

 c) p・イソプロピルベンジルブロミド(16)の合成

p一イソプロピルベンジルブロミドは、次の式に従い二段階で合成しだ。

(}◎一・隅痴H}《》騨臓3)

      ユA.      :里

(CH3)2CH

pCH20H + HBr 一(CH3)2CHOCH2Br (3・4)

 1) p一イソプロピルベンジルアルコール(15)の合成

 濃度計およびジムロート型冷却器を取り付け拒200囲の三つロフラスコに、p・

イソプロピルベンズアルデヒド(埋)28.Og(0.19mo甚)、エタノール80m 1を入 れ、マグネティックスターラで撹搾下水素化ホウ素ナトリウム4.3g(0。11mo 1)

を少量つつ数回に分け、約10分間:を要して加える。エタノール20mlを用いて フラスコの器壁に付い炬水素化ホウ素ナトリウムを洗い落としta後、室温で2時 間撹絆:を続ける。反応溶液に純水を100ml加え、未反応の水素化ホウ素ナトリウ ムを分解する。エーテル(50rnl×4)で抽出後、有機層を飽和食塩水で一度洗浄

した後、水で一度洗浄する。乾燥剤として無水硫酸ナトリウムを加え一夜放置す る。溶媒を減圧留去後、水流ポンプを用いて減圧蒸留を行う。

    bpi6 131 一 132 C

    収量25.8g (収率80X)

 2) p一イソプロピルベンジルブロミド(16)の合成

 p一イソプロピルベンジルアルコール (亜)17.2gをドラフト中、リービッヒ型 冷却器および温度計を取り付け炬200ms 1の3つロフラスコに入れ、マグネティッ

クスターラによる撹三下、市販の48X一臭化水素水30.Og (当量の33%過剰量)

を5m1駒込ピッベトを用いて加える。加え終わっ炬のち油旧約100℃の油浴上 で加熱して混合物:を6時間加熱還流する。反応混合物を放冷し200m1分液ロート を用い有機層を分取し、一度、残りの水層に水層と同程度の量の氷冷しtaベンゼ ンを加えすばやく抽出し、先の有機層と合わせる。混合しだ有機層を、氷冷しだ 約5%の炭酸水素ナトリウム水溶液100m1で一度すみやかに洗浄した後、塩化カ ルシウムを入れて一夜乾燥する。デカンテェーションし、ベンゼンを減圧留去し

炬後真空ポンプを用いて蒸留を行い減圧度3mmHgで沸点73℃から80℃の留分

を集める。再度真空ポンプを用いて減圧蒸留を行うと無色のp・イソプロピルベン ジルブロミドが得られる。これを約0.6gつつlml一ガラス製アンプルに入れて溶 封し冷蔵庫に保存する。

    bp3 79−8CeC

    収量 19.Og (収率78%)

    1HNMRスペクトル 図3.2

儀焼

溶媒  :CCI4 内部標準:TMS

1 2

1

10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 o  ,

図、.,,.。チルベ・ジ ・ブ・ Eドの・NM・スペクトル

傑ゆ皆餅・

溶媒  :CCt4 内部標準:TMS

rr

1

一2

        4     3     1

u一一一」wh−N

了HS

t

10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 o

d> p・ t一ブチルベンジルブロミドの合成34)

本研究室で合成および調製済みの試料を使用しk。

注意 p一アルキルベンジルブロミドは、皮膚に接触すると炎症をおこす    ことがあるe合成および調製は、ドラフト内で行う。

   p・アルキルベンジルブロミドの付着しだ器具は、コンタミノン    溶液に付け一晩置き、その後ビニール手袋をして洗浄する。

 e) ピリジン35)

 市販のピリジン200mi(和光特級)に、約1gの粒状水素化カルシウムを加え 3時間加熱還流後、そのまま蒸留する。常圧で沸点115.5℃の留分を集め、合成 ゼオライト(モレキュラーシープ4A)を加え遮光しtaバイアル管に保存する。

 f) トリエチルアミン36)

 市販のトリエチルアミン(和光特級)に、少量の水酸化カリウムを加え、窒素 気流下、3時間還流する。そのまま常圧で蒸留を行い、沸点88℃付近の留分を 集める。これを再度蒸留し、沸点88℃の留分を集める。

3.2 溶媒の精製方法

 a) メタノール3マ;

 IZのナスフラスコにジムロート型冷却器を取り付け炬装置に、和光1級メタ ノ…ル約50副と粒状マグネシウム薬匙二杯を加え、ミクロスパチュラでヨウ素 の結晶一粒を入れる、四塩化炭素約3ra 1程度を加え、マグネティクスターラで撹

絆する。ヨウ素の紫色が消えて、メタノー・ルとマグネシウムとが激しく反応して、

マグネシウムメトキシドを生成する。完全に生成させ炬後スターラのコアを取¢

出し、ナスフラスコにメタノール約11を加え3時間加熱還流後蒸留する。

  bp 64.50c

C) アセトン38)

 市販のアセトンに、無水塩化カルシウムを加え一夜放置し、予備乾燥をしte物 をデカンテーションで分け取る。粉末の過マンガン酸カリウムをミクロスパチュ ラ三杯を加えte後、これを3時間加熱還流する。そのまま蒸留し、沸約56℃の 留分を集める。ドライライト(無水硫酸カルシウム)を入れ一夜放置して乾燥す る。アセトンを濾別し再度三時間加熱還流し、そのまま蒸留を行う。モレキュラ ーシープ3Aを加え褐色瓶中で保存する。

  bp 560C

d) ジメチルスルホキシド39) (以下DMSOと略す)

 DMSO(和光特級)をドラフト内で水流ポンプを用いて減圧下蒸留し、最初 の約5%を除いta留分を集める。ドライライト(無水硫酸カルシウム)を入れ一 夜撹搾する。そのまま水流ポンプを用いて再度減圧下蒸留する。

  bp23 840C

 e) ベンゼン4e}

ベンゼンに塩化カルシウムを加え、一夜放置する。デカンテーションで分け取り、

蒸留し最初の約5%を除いて留分を集める。少量の水素化カルシウムを加え三時

問加熱還流後、そののまま蒸留する。

  bp 810C.

 f) アセトニトリル41)

 市販のアセトニトリルに少量の水素化カルシウムを加え、一夜放置する。アセ トニトリルを濾別し、少量の五酸化ニリンを加え、三時間加熱還流を行う。その まま常圧で蒸留し沸点80℃以上の留分を分け取る。少量の水素化カルシウムを加 えて、三時問加熱還流を行い、そのまま蒸留を行い沸点約82℃の留分を集める。

 3.3 反応速度の測定

 a) 実験方法

 ドライボックス窒素気流下でp・アルキル置換ベンジルブロミドとピリジンの 0.0025mo 1量をそれぞれ自動上皿天秤で恒量にした秤量瓶に量りとる(表3.1)。

これを直示天秤を用いて精秤する、ドライボックス中で、100ralメスフラスコに約 5伽1の反応溶媒を加え、ピリジン、p一アルキルベンジルブロミドの順に加える。

さらに溶媒を加え100m1定容とし炬後、素早く5m1のガラス製アンプル管に分配し、

直ちにアンプルを熔封ずる(以下、反応液と呼ぶ)。これを反応温度に設定しta 恒温槽にいれ反応させる。一定時間毎に反応容器を取り出し、ホールピペ・ソトを 用いて反応液の5m 1を取り出しあらかOめ緩衝液0.5m lと純水50ra 1をいれteビ ーカーに迅速にあけ、臭素イオン電極を用いて電位を測定する。

b) 測定時間について

反応速度定数kは、時間に対する生成物の量をプロットし炬場合に得られる直

ドキュメント内 Baker-Nathan効果に対する溶媒の影響 (ページ 31-52)

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