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実験方法と装置

ドキュメント内 土粒の粉砕メカニズムに関する研究 (ページ 49-55)

第 3 章 土粒の粉砕の基本的メカニズム

3.2 実験方法と装置

第 3 章 土粒の粉砕の基本的メカニズム

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第 3 章 土粒の粉砕の基本的メカニズム

48 影可能な CCD カメラと LED ライトを用いて、粉砕ロッドを使用しない場合と、使用した場 合における、土粒の粉砕実験をして、土粒の断片化過程を観察し粉砕ロッドの役割をあ きらかにする。

3.2 遊星式ロッドミルのターンテーブルの概略図

衝撃圧縮実験と摩耗実験

断片化の過程を圧縮と摩耗過程で分離することを試みた。圧縮に焦点を当てるために、

図 3.3 に示す振動装置を作製し、樹脂製の容器に土粒を1個入れて各種パラメータの決 定に使用した。この振動装置ではモーターの回転を上下の正弦波振動に変換した。その

周波数は 8.13 Hzで、遊星式ロッドミルで生成される回転数 488 rpmと関連付けた。この

装置の上下振動振幅は10 mmで、振動装置に取り付けた振動容器も同じ速度で移動し

0.51 m / s まで加速することが可能で、最大加速度は26 m / s 2 であった。実験で使用した

土粒の質量が 2.6 × 10−3 kg であり、振動容器の端部に衝突することによる最大圧縮は

0.068 Nであり、180°の位相シフトで運動量が変化する。これは、遊星式ロッドミルで与え

られる圧縮力と同じオーダーとなる。この振動実験装置を使用することで、土粒に衝撃圧 縮を加えることができる。

傾斜角 20° 

側面図

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3.3 左:振動容器、右:振動実験装置

摩耗過程の実験に使用した摩耗試験機DIK0850を図 3.4に仕様を表 3.1に示す。こ の装置に取り付けたカンチレバーには、錘により垂直荷重を変化させる機構が備えられ ていて、水平方向へのカンチレバーのストロークは2 ~120 mmの範囲で設定が可能とな っている。この実験ではカンチレバーは25 mmの振幅で正弦波状に往復運動させた。カ ンチレバーの作動周波数は10 ~ 60 rpmの範囲で変更ができる。実験条件として作動周

波数は60 rpmとし、カンチレバーの垂直荷重を1.5 Nとした。カンチレバーとベースの間

の高さの変化を空間センサーで測定した。また、土粒の破壊過程を高速 (240 fps) CCD カメラで撮影した。

振動

土懐の塊

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3.4 左:摩耗試験装置DIK0850, 右写真:スライドアームと錘付きカンチレバー

3.1 摩耗実験装置の仕様

摩耗実験装置 DIK0850 仕様

水平移動距離 2 ~120 mm (1 mm 単位で調節可能)

水平往復速度 10 ~ 60回 / min

水平往復回数 1 ~ 100,000,000回の範囲で任意設定可能 試験条件保存件数 15

電 源 AC 100 ~ 240 V 50 / 60 Hz 外形寸法 W380 mm × D590 mm × 310 mm 重 量 22 kg

スライドアーム

カンチレバー

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51 実験に使用した土壌

実験で使用する土粒の土に関して詳しく調べた。この土壌は、関東ロームと言われて いる東京近郊に多く分布している地層から採取された土壌である。この土壌の起源は東 京周辺に堆積した火山砕屑物(火山灰など)が降下し、風雨などによって再度運ばれて 堆積したものである。この土壌の特徴は、粘性質の高い土壌であり、シルトおよび粘土の 含有割合が25 % ~ 0 % 程度のものである。通常、遊星式ロッドミルの粉砕実験では、自 然乾燥状態の土粒で行っているが、土壌の含水量が実験結果に影響されると考え、含 水量を測定するために、気化装置 EV-6と測定装置 AQV-7(平沼)を組み合わせたカー ルフィッシャー水分滴定装置で測定した結果、土壌含水量は 10.7 重量・%であった。ま た、土壌の化学組成を調べるため分析を埼玉県産業技術総合センターに依頼した。そ の結果、炭素硫黄分析装置EMIA920V(株式会社堀場製作所)での結果、炭素は1.4 % であった。また、波長分散型蛍光 X 線分析装置 ZSX101e(理学電機工業株式会社)で 計測した結果を表3.2に示す。この使用している土壌には、主にシリカ(47.5 %)、酸化ア ルミニウム(33.6 %)、および酸化鉄(12.1 %)が含まれていた。さらに、レーザー回折式粒 度分布測定装置 SALD-3100(島津製作所)で、粉砕後の土粒子の粒度分布を測定した。

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3.2 実験に使用した土壌の成分表

1分析値(mass%)は、検出された成分だけを酸化物に換算して合計が100%になるよう換算した値である。

成分名 分析値(mass %)1

MgO 1.7

Al2O3 34

SiO2 48

P2O5 0.23

SO3 0.40

Cl 0.82

K2O 1.4

CaO 0.46

TiO2 1.4

MnO 0.27

Fe2O3 12

CuO 0.014

ZnO 0.019

Br 0.0077

SrO 0.0083

ZrO2 0.026

MgO 1.7

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