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実験方法

ドキュメント内 小林, 繁夫 (ページ 47-50)

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2.3.1 実験方法

2.3 Zn-Cr合金電析

前章で述べたように、 Zn-Cr系電気合金めっき鋼板は、 高耐食性表面処理鋼板と して、 種々の優れた特性6-9)を示すことが知られている。 これらの特性の出現には電 析物中のCrが浴本体における3価の状態から金属まで還元されていることが必要で あり、 このためには電解液中にポリエチレングリコール等の有機化合物の添加が必須 であるか10)。 Ye Linら10)は、 Crの金属への還元電位がZnのそれに比べ約0.15V卑 であることから、 ポリエチレングリコールはZn の電析をCrの電析電位まで分極す ることにより、 合金電析を可能にしていることを報告している。

一方、 Cr3+イオンからのCrの単独電析に関しては多数の研究報告がある11-13)が、

健全なめっきを高電流効率で得ることが困難であり、 6価 Crめっきの代替として汎 用されるまでには至っていない。 Cr3+イオンからの金属 Crへの還元が困難な理由の 一つに、 水溶液中のCr3+イオンの構造および陰極近傍のpH上昇に伴う加水分解生成

物が大きく関わっているとする報告10,14,15)もみられる。 このように、

Zn-Cr合金系に

おける統一的な電析機構に関する知見は得られておらず、 未だ不明な点が多く残され ているのが現状である。

したがって、 水以外の溶媒を用いることにより、 Zn-Cr 合金の電析挙動は大きく 変化する可能性があり、これらの共析機構に関する知見が得られることが期待できる。

本節ではZn-Cr 合金電析に及ぼすめっき浴組成、 電解条件の影響を検討することに よって本合金系の電析機構を考察する。

に、陰極上に得られた電析物を硝酸に溶解後、電析物中のZnおよびCrの双方をICP 発光分析法により定量し、 電析合金組成および陰極電流効率等を決定した。

2.3.2 メタノール浴からのZn-Cr合金の電析挙動

まず、水無添加の浴からZn-Cr合金電析を行った。浴中のCr3+イオン濃度比を種々 変化させた場合の電析物組成および電流効率の電流密度依存性を Fig.2.12 に示す。

図より、 電流密度が低い領域では電析物にほとんどCrは共析せず、 また電流効率も 極めて低い値を示した。 電流密度が高くなると Cr 含有率は上昇し始めるが、Cr3+イ オン濃度比が50mol%以下ではせいぜい40mass%であるのに対し、Cr3+イオン濃度 比80および90 mol%では90 mass%近くのCrを含有する電析物が得られた。 しか しながら、 電流効率はCr含有率が高くなるにつれ低下する傾向が認められた。

水溶液を用いた Zn-Cr 合金電析においては、 ポリエチレングリコールを浴に添加 した場合でも、Cr が金属として含有されるのはせいぜい 40 mass%程度までであっ て、 これ以上Cr含有率を増加させるとCrは酸化物(llI)として存在するようになる。

したがって、 メタノール浴から極めて高い Cr 含有率の Zn-Cr合金が得られること は極めて興味深い現象と言える。

Fig.2.13には、80mol%Cr3+浴からの合金電析の全分極曲線を、ZnおよびCrの部

分分極曲線と併せて示す。 水溶液からのCr電析の場合、 2価の状態、を経由して金属

まで還元されると仮定すると、 飽和Ag/AgCl電極基準でー1.11 Vより卑な電位域で金 属として電析するJO)。 図より、Cr の部分分極曲線はー1 .14 V付近から立ち上がり、

水溶液の場合と同様の電位で金属まで還元されていることが分かる。 一方、Zn の部

分分極曲線はCrより卑な電位域に位置し、 -1.2V付近から電析が始まった。Zn/Zn2+

系の場合、 メタノール溶媒中における標準単極電位としてー0.94 V (vs. NHE)なる 値が報告され16)、 これは水が溶媒で、ある場合とさほど変わらない。 したがって、Cr との共析により、Znの電析が大きく分極されていることが予想される。

次に、 浴中のCr3+イオン濃度比を種々変化させて合金電析を行った場合のZnの部 分分極曲線をまとめてFig.2.14 に示す。 浴中のCr3+イオン濃度比が50 mol%以下で、

は、Zn の電析はほぼ平衡電位と思われるー0.94 V付近から始まっているが、Cr3+イ オン濃度比が80および90mol%の浴で、はZnの電析は0.2V近くも大きく分極した。

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Current Density (Alm2)

Effect of current density on the content of Cr in deposits and 011 the cathode currel1t efficiel1cy for alloy deposition from the methal10l bath.

Fig.2.12

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