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実ネットワークでの活用

第 6 章 ユーザ品質統計情報のリアルタイム収集~パフォーマンスモニタ

6.6 実験結果

6.6.2 実ネットワークでの活用

本パフォーマンスモニタを,ある研究機関における100Mbit/sのEthernet回線上に設 置して評価した.本ネットワークセグメントは,10Mbit/sの回線によりインターネットに 接続されている.研究機関内の公開FTPサーバは,このセグメント上に設置されている.

図 6-4 は,10 分間の測定期間毎のトラヒック量を示している.グラフの各縦棒の長さ は10分間のIPパケットの総バイト数を示しており,この縦棒内で濃度毎に区切られてい る部分は,異なるアプリケーション毎のバイト数を示している.この図では,最も多く使 用されているアプリケーションはFTPであったことが分かる.折れ線グラフは,IPパケ ットのバイト数に対して1/10のスケールの再送TCPセグメントの総バイト数を示してい る.このグラフより,いずれの測定期間においても,再送率が 5%以下であったことが分 かる.図 6-5は,IPアドレスの組毎のトラヒック量を示している.各縦棒は,IPアドレ スの組毎のIPパケットのバイト数を示し,2つの折れ線は,再送TCPセグメントのバイ ト数と,イニシエータ側の平均TCPスループットを示している.IPアドレスの組毎の統 計情報は,IPパケットのバイト数の降順でソートされている.この図より,再送TCPセ グメントのバイト数や平均TCPスループットと,IPパケットのバイト数の間には相関が ないことが分かる.図 6-6は,あるIPアドレスの組における10分毎のトラヒック量の変 化を示している.各縦棒は,10分間毎のFTPトラヒックのIPパケットのバイト数を示し ており,折れ線は,同じスケールで再送 TCP セグメントのバイト数を示している.この 図より,トラヒック量は500キロバイトよりも小さく,再送率はある測定期間において一 定であったことが分かる.

IP アドレスの組毎のトラヒックは,通信の品質という視点で解析可能である.図 6-7 は,再送TCPセグメントのバイト数の降順でソートされたIPアドレスの組毎のトラヒッ ク量を示している.図の左側よりの組ほど再送 TCP セグメントのバイト数が大きいこと を示している.このグラフより,再送セグメント数が多く品質が低下している組や,再送 セグメント数が少なく高品質な組だけを抽出することができる.図 6-8と図 6-9は,それ ぞれ低品質な組,高品質な組に該当するIPアドレスの組に対し,10分毎のトラヒック量 を表示したものである.これらの2つのグラフは,比較できるように同じスケールで表示 している.低品質な組では,再送率は20%,平均TCPスループットは50kbit/sであった.

高品質な組では,再送率は0%,平均TCPスループットは900kbit/sであった.

図 6-4 測定期間毎のトラヒック量

図 6-5 IPアドレスの組毎のトラヒック量

図 6-6 あるIPアドレスの組のトラヒック量

図 6-7 再送バイト数の降順に並べたIPアドレス組毎のトラヒック量

図 6-8 低品質な組

図 6-9 高品質な組