5-1 本章の目的及び構成
本章では、本調査の枠組みで実施したメトロ・都市鉄道に関する官民ミッション（以下
「官民ミッション」と称する。）及び現地報告会の開催概要を示す。実施した官民ミッショ ン及び現地報告会は、次の通りである。
・第１回官民ミッション：2015年10月 ・第２回官民ミッション：2016年2月 ・現地成果報告会：2016年2月
5-2 第 1 回官民ミッション
前章における選定プロセスを踏まえ、2015年10月にメトロ・都市鉄道に関する官民ミッ ションを派遣し、チェンナイ、ムンバイ、ナグプールの 3 都市においてインド側政府・メ トロ関係機関との会合を催した。
（１）目的
混雑率解消や安全性、IC カード導入による利便性向上など、過去日本が培ってきた鉄 道事業に係る経験・ノウハウを今後のインドでも適用しうることを紹介すると共に、省 エネ性能など日本の鉄道技術についての優位性や経済効果を訴求し、日本の公的資金活 用による経済性を説明することにより、インドの各都市における日本企業のプレゼンス 向上を図るため、国土交通省、及び、日本の鉄道関連機器メーカーによるプレゼンテー ションを実施した。
一方、インド側から、各都市におけるメトロ・都市鉄道開発計画についてのプレゼン テーションを受けるなど情報交換を行うことで、インドメトロ・都市鉄道にかかる日印 関係者の相互理解と日系企業のビジネスチャンス拡大に寄与することを目的とし、官民 ミッションの派遣を行なった。
（２） 実施概要
10月19 日（月）～21 日（水）の3日間に渡り、チェンナイ・ムンバイ・ナグプール の３都市において、メトロキャラバンを実施した。日本側からは経済産業省の横田企画 官をヘッドに、国土交通省、JETRO、日本企業が参加。インド側は、タミルナド州Principal
Secretary、マハラシュトラ州Chief Secretary、ナグプール市長、並びに、各メトロ関連公
社Managing Directorをはじめ、各都市におけるキーパーソンへのプレゼンテーションや
個別面談を実施した。各都市における実施概要を以下に示す。
表 5-1 第１回官民ミッション実施概要
開催地 チェンナイ ムンバイ ナグプール
日時 2015年10月19日 10時～15時半
2015年10月20日 10時半～15時半
2015年10月21日 10時～13時半
場所 HYATT REGENCY
HOTEL、CMRCL
INTER CONTINENTAL HOTEL、MH州政府
RADISONN BLU HOTEL
参加者
インド側：TN州政府、
CMRCL
インド側：MH州政府、
MMRDA
インド側：ナグプール
市、NMRCL
日本側：経済産業省、国 土交通省、JETRO、企業 関係者
日本側：経済産業省、国 土交通省、JETRO、企業 関係者
日本側：経済産業省、国 土交通省、企業関係者 主催 経済産業省及び国土交通省（共催）
事務局 新日本有限責任監査法人
日本工営株式会社 出所：新日本監査法人作成
（３）プログラム構成
州政府・メトロ公社のキーパーソンに対し効果的にPRする為、セミナーのプログラム をはじめ、当日のタイムラインは柔軟に変更を行なった。以下は、各都市における当日 のプログラム、及び、出席者である。
■タミル・ナド州：1日目
日時：2015年10月19日、10時半～12時半、14時半～15時半 場所：チェンナイ
時間 内容
10時半～12 時半
会合（経済産業省・国土交通省共催）
・ 開会挨拶（経済産業省、タミルナド州政府）
・ プレゼンテーション・質疑応答
①Overview of Chennai Metro Project and Way forwad（チェンナイメトロ公 社）
②Japanese Urban Railway（国土交通省）
・ タミルナド州政府との個別セッション
・ 企業プレゼンテーション 14時半～15
時半
個別セッション 出所：新日本監査法人作成
■マハラシュトラ州：2日目
日時：2015年10月20日、10時半～13時、15時～15時半 場所：ムンバイ
時間 内容
10時半～13 時
会合（経済産業省・国土交通省共催）
・ 開会挨拶（経済産業省、ムンバイ都市開発公社）
・ プレゼンテーション・質疑応答
① Japanese Urban Railway（国土交通省）
② Overview of Mumbai Metro Project（ムンバイ都市開発公社）
・ ムンバイメトロ公社との個別セッション
・ 各企業プレゼンテーション 15時～15時
半
マハラシュトラ州政府との個別セッション 出所：新日本監査法人作成
■マハラシュトラ州：3日目
日時：2015年10月21日、10時～13時、14時～15時 場所：ナグプール
時間 内容
10時半～13時 会合（経済産業省・国土交通省共催）
・ 開会挨拶（経済産業省、ナグプール市）
・ プレゼンテーション・質疑応答
①Japanese Urban Railway（国土交通省）
②Nagpur Metro Rail project（ナグプール・メトロ公社）
・ ムンバイメトロ公社との個別セッション
・ 各企業プレゼンテーション 14時～15時 ナグプール・メトロ路線候補地視察 出所：新日本監査法人作成
（４）参加者
日本側からは、日本政府及びメトロ・都市鉄道分野の主要本邦企業が出席し、インド 側からは、州政府及びメトロ公社の主要関係者の出席を得た。インド側の出席者は、州 政府についてはChief Secretary、メトロ公社についてはManaging Directorとそれぞれ組織 の長が出席し、ネットワーク構築の関連から大きな成果であった。
■インド側出席者
・チェンナイ：タミル・ナド州政府、チェンナイメトロ公社
・ムンバイ：マハラシュトラ州政府、ムンバイ土地開発公社
・ナグプール：ナグプール市、ナグプール・メトロ公社
■日本側出席者（全行程）
・全行程：経済産業省、国土交通省、ＪＥＴＲＯ、企業関係者
5-3 第 2 回官民ミッション派遣
2015年10月に実施したメトロ・都市鉄道に関する官民ミッションにおける成果を踏まえ、
別途決定することとしていた有望インフラセクターを「交通」分野と定めた。それに伴い、
ムンバイ、ナグプール及びチェンナイに加え、新たにハイデラバード及びボパールの 2 都 市において、メトロ・都市鉄道に係る（第２回）官民ミッションを実施した。
（１） 目的
第１回ミッションと同様。また、2015年11月18日にインドにおいて、同国の二国間 政府開発援助に係るガイドラインの修正が閣議決定されたことを受け、今般のミッショ ンは日本政府がインド側に対し、有償資金協力の新制度について説明を行う場となった。
（２）プログラム構成
プログラムは各都市それぞれ、プレゼンテーションと個別セッションの二部構成とし た。プレゼンテーションについては、日本側からはメトロ・都市鉄道の発展の経緯及び 近年の日本企業による海外鉄道案件の受注状況等を紹介し、インド側からはメトロ計画 の説明がなされた。また、個別セッションでは、参加した企業が個別にメトロ公社関係 者と製品紹介を含む協議を行う場を設けた。
■アンドラ・プラデシュ州：1日目 日時：2016年2月8日、10時半～16時 場所：ヴィジャヤワダ
時間 内容
10時半～ ヴィジャヤワダ・メトロ計画に係る説明（メトロ公社）・質疑応答 12時～ ヴィジャヤワダ・メトロ計画建設予定地のサイト視察
（インド国鉄ヴィジャヤワダ駅視察を含む）
13時半～16 時
アマラヴァティ・メトロ公社と企業との個別セッション 出所：新日本監査法人作成
■アンドラ・プラデシュ州：2日目
日時：2016年2月9日、10時半～12時、15時～16時 場所：ハイデラバード
時間 内容
10時半～ インド国鉄ハイデラバード駅視察 15時～16時 会合（経済産業省・国土交通省共催）
開会挨拶（経済産業省、アンドラ・プラデシュ州）
プレゼンテーション・質疑応答
① Japan Urban Railway（国土交通省）
② Railway, it’s part of Daily Life（日本企業）
③ Japanese Experience in Metro and its Overseas Activities（JORSA） 閉会挨拶（アンドラ・プラデシュ州）
出所：新日本監査法人作成
■マディヤ・プラデシュ州
日時：2016年2月10日、10時半～14時半
時間 内容
10時半～12 時
会合（経済産業省・国土交通省共催）
開会挨拶（経済産業省、マディヤ・プラデシュ州）
プレゼンテーション・質疑応答
① Japan Urban Railway（国土交通省）
② Metropolitan Express Rail bsed MRTS: Bhopal and Indore Metro Rail
Project（メトロ公社）
③ Railway, it’s part of Daily Life（日本企業）
④ Japanese Experience in Metri and its Overseas Activities（JORSA） 閉会挨拶（マディヤ・プラデシュ州）
12時半～14 時半
個別セッション 出所：新日本監査法人作成
（４）参加者
日本側からは、日本政府及びメトロ・都市鉄道分野の主要本邦企業が出席し、インド 側からは、州政府及びメトロ公社の主要関係者の出席を得た。インド側の出席者は、州 政府についてはChief Secretary、メトロ公社についてはManaging Directorとそれぞれ組織 の長が出席し、ネットワーク構築の関連から大きな成果であった。
■インド側出席者
・ヴィジャヤワダ（サイト視察）：ヴィジャヤワダMunicipla Corporation、アマラヴァテ ィ・メトロ公社
・ハイデラバード（官民ミッション）：アンドラ・プレデシュ州政府、アマラヴァティ・
メトロ公社
・ボパール（官民ミッション）：マディヤ・プラデシュ州政府、マディヤ・プラデシュ・
メトロ公社、コンサルタント
■日本側出席者
・全行程：経済産業省、国土交通省、JORSA、企業関係者
5-4 現地成果報告会
チェンナイ及びムンバイにおいて、本調査の下に実施した一連の調査及び官民ミッショ ンの締めくくりを行うとともに、今後の双方の予定について確認を行った。それぞれの概 要を以下に示す。