2.5 臨床に関する概括評価
2.5.5 安全性の概括評価
2.5.5.1 安全性評価に用いた臨床データ及び評価方法
現在,国内外の本剤使用例数は臨床試験で約6500人,市販後で推定92.5万人である.関節 リウマチに限定しても臨床試験で約2900人,市販後で推定48.9万人となる.本剤の安全性プ ロファイルはこのような豊富な使用経験に基づき検討されており,新たな知見が得られた場合 には随時,添付文書等に反映されている.
国内では,関節リウマチについて,3mg/kgを0,2,6週,以降8週間隔投与の用法・用量 にて承認されており,市販後の使用成績調査の結果も含め,その忍容性が確認されている.海 外では関節リウマチについて,3mg/kgに加えて最大10mg/kgまでの増量が承認されている.
海外では増量も含めた上で安全性が検討されており,増量による明確なリスク上昇は見出され ていない.本項では以上の状況を踏まえ,本剤で留意すべき既知の有害事象にも着目しながら 既承認の用法・用量と比較する形で増量における安全性を評価した.
また,海外では増量に加え,投与間隔の短縮(4週間隔まで)も承認されており,安全性上 の知見が得られている.増量と同様,既承認の用法・用量と比較する形で投与間隔の短縮にお ける安全性も評価した.
安全性評価に用いた臨床試験一覧を[表2.5.5.1−1]に示した.増量について,国内実施の 増量試験におけるブラインド期間(14〜54 週)のデータを用い,3mg/kg 群に対する 6mg/kg
群及び10mg/kg群を併合した増量群の安全性を中心に評価した.また,増量試験で得られた結
果の補完を目的とし,海外で増量が承認された根拠データであるATTRACT試験,ASPIRE試
験及びSTART試験も用いて評価した.これらの海外試験について,投与レジメン,有害事象
の評価方法を含む試験デザインが類似していることから,プラセボ投与例及びレミケード 8 週間隔投与例を投与群別に併合した.海外試験併合後の各投与群の内訳を[表2.5.5.1−2]に 示した.増量試験の集計に合わせて,14〜54 週のデータを用い,3mg/kg 群に対する 6mg/kg 群,10mg/kg群及び漸増群を併合した増量群の安全性を中心に評価した.
投与間隔の短縮について,4週間隔投与が行われたATTRACT試験により,8週群に対する 4週群の安全性を評価した.
なお,国内外の市販後では本剤の安全性情報が集積,検討されており,定期的にまとめられ ている.これらの情報についても適宜記載した.
表2.5.5.1−1 安全性評価に用いた臨床試験一覧 試験名
(試験番号)
施設数,患者数 試験デザイン
年齢 性 人種(海外)
実施期間 投与スケジュール 投与
例数
安全性 評価
安全性 評価期間
国内試験 増量試験
(TA-650-13) 71施設,327例 二重盲検
20-74歳 男60,女267
2005.09.15
〜 2007.05.01
オープン期間:3mg/kgを0,2,6週に投与 ブラインド期間
・3mg/kg群:3mg/kgを14〜46週まで8週間隔投与
・6mg/kg群:6mg/kgを14〜46週まで8週間隔投与
・10mg/kg群:10mg/kgを14〜46週まで8週間隔投与 327
99 104 104
症状,臨床検査,バ イタルサイン,免疫 学的検査
54週
海外試験 ATTRACT試験
(C0168T22)
34施設,428例 プラセボ対照二重盲 検
19-80歳 男96,女332 白人389 黒人22 アジア人3 その他14
1997.03.31
〜 2000.03.09
・プラセボ群:プラセボを0,2,6週,14〜102週ま で8週間隔投与
・3mg/kgの8週群:3mg/kgを0,2,6週,14〜102 週まで8週間隔投与
・3mg/kgの4週群:3mg/kgを0,2,6週,10〜102 週まで4週間隔投与
・10mg/kgの8週群:10mg/kgを0,2,6週,14〜102 週まで8週間隔投与
・10mg/kgの4週群:10mg/kgを0,2,6週,10〜102 週まで4週間隔投与
88 86 86 87 81
症状,臨床検査,バ イタルサイン,免疫 学的検査
122週
ASPIRE試験
(C0168T29)
122施設,1049例 プラセボ対照二重盲 検
18-76歳 男303,女746 白人900 黒人52 アジア人16 その他81
2000.07.10
〜 2003.04.04
・プラセボ群:プラセボを0,2,6週,14〜46週ま で8週間隔投与
・3mg/kg群:3mg/kgを0,2,6週,14〜46週まで8 週間隔投与
・6mg/kg群:6mg/kgを0,2,6週,14〜46週まで8 週間隔投与
294 371 375
症状,臨床検査,バ イタルサイン,免疫 学的検査
58週
START試験
(C0168T41) 106施設,1084例 プラセボ対照二重盲 検
18 -89歳 男213,女871 白人853 黒人22 アジア人7 その他202
2001.09.26
〜 2003.11.21
I群:プラセボを0,2,6,14週,以後3mg/kg を22,
26,30,38,46週に投与
II群:3mg/kgを0,2,6週,14〜46週まで8週間隔.
22週から1.5mg/kgずつ増量.盲検性を保つた め26週にプラセボ投与.
III群:10mg//kgを0,2,6週,14〜46週まで8週間 隔.盲検性を保つため26週にプラセボ投与.
361 360
361
症状,臨床検査,免 疫学的検査
66週
表2.5.5.1−2 海外試験併合後の各投与群の内訳 併合後の群の名称
プラセボ群 プラセボ →
3mg/kg群a 3mg/kg群 6mg/kg群 10mg/kg群 漸増群 増量群b
ATTRACT試験c プラセボ群 86例f 3mg/kg
8週群 88例f 10mg/kg
8週群 87例 10mg/kg
8週群 87例 ASPIRE試験 プラセボ群 291例g 3mg/kg群 372例g 6mg/kg群 377例g 6mg/kg群 377例
START試験 I群 361例 II群d 250例 III群(1) 361例 II群e(2) 110例 (1)+(2) 471例 併合後総症例数
全期間及び0〜14週 377例 361例 710例 377例 448例 110例 935例
14〜54週 330例 342例 666例 352例 421例 110例 883例
a: レミケード3mg/kgを22週以降投与された群(START試験I群),b:「6mg/kg群」,「10mg/kg群」及び「漸増群」を併合,c:ATTRACT試験の 3mg/kg 4週群と10mg/kg 4週群は本併合には含めない,d: II群のうち22週以降増量されなかった症例,e: II群のうち22週以降本剤が増量された症例,f: ATTRACT試験でプラセボ群に割り付け られたが0.5mg/kgの実訳を一度だけ投与された2症例は,3mg/kg 8週群として集計.g: ASPIRE試験でプラセボ群に割り付けられたが,実薬が誤って投与された3症例 は,1例を3mg/kg群,2例を6mg/kg群として集計
2.5.5.2 被験薬及び対照薬投与の対象となった患者集団の特徴および曝露の程度