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ICH ガイドライン S7A「安全性薬理試験ガイドライン」(平成 13 年 6 月 21 日付 医薬審発第 902 号)で定義されている in vitro 安全性薬理試験により融合たん白質などの高分子量化合物 を評価する必要性は低いと考えられる。したがって、GLP に準拠した in vivo試験及び GLP 非準 拠のin vivo試験(げっ歯類の血圧に関する 1 試験)により VEGF Trap の安全性薬理評価を行っ た(2.6.3.4 参照)。

2.6.2.4.1 中枢神経系

参照項目: 4.2.3.2-17 VGFT-TX-02037 4.2.3.2-15 VGFT-TX-05009 VEGF Trap の中枢神経系に及ぼす影響については、毒性試験で得られた成績から一般症状、直 腸温など安全性薬理のエンドポイントを評価した。雌雄カニクイザルに、VEGF Trap 1.5、5、15 及び 30mg/kg を週に 2 回、3 ヵ月間皮下投与した試験において、カニクイザルの一般症状及び直 腸温への影響は VEGF Trap のいずれの群においても認められず、VEGF Trap の投与による中枢神 経系への影響は認められなかった(表 2.6.2.7- 1、2.6.7.7L、4.2.3.2-17 VGFT-TX-02037 参 照)。同様に、雌雄カニクイザルに VEGF Trap 3、10 及び 30 mg/kg を週 1 回、15 週間、その後 27 週まで 1 週おきに静脈内投与した試験(表 2.6.2.7- 2、2.6.7.7J、4.2.3.2-15 VGFT-TX-05009 参照)においても中枢神経系への影響は認められなかった。

2.6.2.4.2 心血管機能

2.6.2.4.2.1 げっ歯類における血圧に及ぼす VEGF Trap の影響:

遊離型 VEGF Trap の血中濃度との相関性

参照項目:[参考]4.2.1.3-9 VGFT-MX-08018 C57BL/6 マウスに 2.5 及び 25mg/kg の VEGF Trap を、Wistar-Kyoto ラットに 0.05、0.15、0.5、

1、2.5、5、10 及び 25mg/kg の VEGF Trap 又は 5mg/kg の hFc を単回皮下投与したときの血圧に 及ぼす影響をテレメトリー法で検討した(非 GLP 試験)。投与前 48 時間以上の測定記録を血圧 と心拍数のベースライン値とし、測定は投与後およそ 3~4 週間まで継続した(2.6.3.4 参照)。

VEGF Trap 2.5 及び 25mg/kg を C57BL/6 マウスに単回皮下投与した結果、収縮期血圧及び拡張 期血圧いずれも統計学的に有意な上昇を示し、最大上昇は投与後 24~48 時間以内に認められた。

2.5 及び 25mg/kg を投与したマウスにおける収縮期血圧の各動物での最大上昇の平均値は、それ ぞれ 14.3±0.7mmHg 及び 17.3±1.1mmHg であった。ベースライン値を上回る収縮期血圧の上昇の 持続期間は 2.5mg/kg 投与群のマウスで約 7 日であったのに対し、25mg/kg 投与群ではおよそ 21 日間持続した。同様の用量依存的な影響は拡張期血圧にも認められたが、最大上昇幅はわずかに 小さかった。血圧上昇の持続時間は血中の遊離型 VEGF Trap の存在と密接に関係しており、血中 の遊離型 VEGF Trap 濃度がおよそ 1μg/mL を下回るまで、収縮期血圧と拡張期血圧は投与前ベー スライン値を上回る上昇を持続した。また、VEGF Trap 投与マウスにおいて一時的かつ用量依存 的な心拍数の減少が認められたが、その作用は統計学的に有意ではなかった(図 2.6.2.7- 1A、

図 2.6.2.7- 1B 参照)。

Wistar-Kyoto ラットに VEGF Trap を 0.5mg/kg 以上の用量で単回皮下投与した結果、収縮期血 圧と拡張期血圧いずれにおいても用量依存的で有意な上昇が認められ、投与 2~4 日以内に最大 上昇がみられた。最高用量である 25mg/kg の VEGF Trap を投与したときの、収縮期血圧及び拡張 期血圧の各動物での最大上昇の平均値は、それぞれ 22±1.5mmHg 及び 17.8±1.0mmHg であった。

収縮期血圧と拡張期血圧の最大上昇と同程度の上昇が 10mg/kg 投与群でみられていることから、

正常のラットでは、VEGF Trap による血圧上昇は飽和に達することが示唆された。低用量では血 圧の上昇幅は段階的に減少し、VEGF Trap 0.5mg/kg での収縮期血圧及び拡張期血圧の最大上昇 は、それぞれ 4.7±0.6mmHg 及び 3.5±0.5mmHg にすぎなかった。VEGF Trap 0.15 及び 0.05mg/kg の投与では、血圧の上昇は認められなかった(図 2.6.2.7- 2 参照)。

血圧上昇の程度とは異なり、血圧上昇の持続時間は 0.5mg/kg 以上のすべての用量で用量に応 じて延長し、0.5mg/kg で約 5 日、25mg/kg で 16~17 日であった。血圧への影響の持続時間は、

遊離型 VEGF Trap の血清中濃度と明らかな相関を示した。血圧の最大上昇は、遊離型 VEGF Trap 濃度がおよそ 10μg/mL に達するレベルで認められ、遊離型 VEGF Trap 濃度がおよそ 1μg/mL 以 下に低下するまで、ベースラインを上回る血圧の上昇が持続した(図 2.6.2.7- 3A 参照)。

心拍数は 1mg/kg 以上の VEGF Trap を投与したラットで一時的に減少する傾向がみられた(投 与後 1~4 日目)。心拍数の減少幅は投与前と比べて最大 10~25bpm であったが、統計学的に有 意ではなかった(図 2.6.2.7- 3B 参照)。心拍数の減少は血圧上昇に伴う反射によるものと考 えられ、二次的に誘発された反応であり、毒性学的意義は少ないと考えられた。

2.6.2.4.2.2 カニクイザルにおける心血管機能に及ぼす VEGF Trap の影響

参照項目: 4.2.3.2-17 VGFT-TX-02037 4.2.3.2-15 VGFT-TX-05009 VEGF Trap の心血管系に及ぼす影響については、毒性試験で得られた成績から血圧(収縮期、

拡張期、平均血圧)、心拍数及び ECG パラメータ(PR、QT、RR、QTc 及び QRS 間隔)を評価した。

雌雄カニクイザルに VEGF Trap 1.5、5、15 及び 30mg/kg を週 2 回、3 ヵ月間皮下投与した試験

(2.6.7.7L、4.2.3.2-17 VGFT-TX-02037 参照)、又は 3、10 及び 30mg/kg を週 1 回、15 週間、

その後 27 週まで 1 週間おきに静脈内投与した試験(2.6.7.7J、4.2.3.2-15 VGFT-TX-05009 参 照)のいずれにおいても、血圧上昇が一部のカニクイザルに認められたものの(2.6.7.7L、

4.2.3.2-17 VGFT-TX-02037 参照)、VEGF Trap の投与による血圧、心拍数及び ECG パラメータ への影響は認められなかった(表 2.6.2.7- 3、表 2.6.2.7- 4、表 2.6.2.7- 5、表 2.6.2.7- 6 参照)。

2.6.2.4.3 血栓形成

参照項目: 4.2.1.3-5 VGFT-TX-06012 雄ウサギ(New Zealand White)の電気的傷害誘発血栓症モデルを用いて、静脈及び動脈の血 栓形成に対する VEGF Trap の影響を検討した。VEGF Trap 0.3、3.0 及び 30mg/kg を 3 回(試験-6、-3 及び 1 日)30 分間持続静注した(試験第 1 日の投与後に右頸静脈及び下行大動脈に電流を 負荷し、血栓形成を誘発させた)。活性化凝固時間、プロトロンビン時間、活性化部分トロンボ プラスチン時間、血液学的パラメータ並びに心拍数、血流量(下行大動脈及び右頸静脈)、電流 負荷の開始から血栓性閉塞に至るまでの時間経過、又は血栓と共に摘出した血管重量(血栓が存 在した場合)を評価した結果、VEGF Trap 0.3、3.0 及び 30mg/kg の投与により、静脈及び動脈 の血栓形成に影響は認められなかった(表 2.6.2.7- 7、表 2.6.2.7- 8、表 2.6.2.7- 9、表 2.6.2.7- 10、表 2.6.2.7- 11、表 2.6.2.7- 12、表 2.6.2.7- 13、2.6.3.4、4.2.1.3-5 VGFT-TX-06012 参照)。

2.6.2.4.4 呼吸機能

参照項目: 4.2.1.3-6 VGFT-TX-06009 雄ラット(Sprague Dawley)に VEGF Trap 10、50 及び 250mg/kg を 30 分間単回持続静注した ときの呼吸機能パラメータに対する影響を全身プレチスモグラフィーにより覚醒・非拘束下で検 討した。テオフィリン(30mg/kg、20 分間単回持続静注)を陽性対照薬として用いた。溶媒投与 群に比して VEGF Trap は、静注開始 270 分後まで及び投与 7 日後において、検討したいずれの用 量でも呼吸機能パラメータ(呼吸数、1 回換気量、吸気及び呼気時間、最大吸気及び呼気流量、

分時換気量、enhanced pause)に生物学的に問題となる影響を及ぼさなかった(表 2.6.2.7- 14、

2.6.3.4、4.2.1.3-6 VGFT-TX-06009 参照)。

2.6.2.4.5 創傷治癒

参照項目: 4.2.1.3-7 VGFT-TX-06010 4.2.1.3-8 VGFT-TX-06011 ウサギ(New Zealand White)の切開創及び切除創治癒モデルを用いて、VEGF Trap の創傷修 復・治癒に対する影響を検討した。

雄ウサギの切開創治癒モデルに対して、試験-2、3、7 及び 11 日に VEGF Trap を 30 分間持続 静注した。試験第 1 日に切開創傷を作製した(2.6.3.4、4.2.1.3-7 VGFT-TX-06010 参照)。

VEGF Trap 0.3、3 及び 30mg/kg の投与により、用量依存的な血管密度の低下が明確にみられ、3 及び 30mg/kg 群の平均血管密度は試験 4、8 及び 12 日に対照群(生理食塩液投与群及び VEGF Trap の溶媒投与群)に比して低かった。30mg/kg 群では、試験 8 及び 12 日に血管密度の低下が 最も大きかった。0.3mg/kg 群では試験 4 日においてのみ血管密度が対照群に比し低かった。創 傷の伸張強度は、試験 4、8 及び 12 日目に生理食塩液投与群と比較してすべての VEGF Trap 投与 群でわずかに低かった(表 2.6.2.7- 15、図 2.6.2.7- 4 参照)。VEGF Trap を投与したすべて のウサギで、遊離型 VEGF Trap が初回投与から 96 時間後まで血液中に検出された(但し、

0.3mg/kg 群のウサギ 1 匹で誤投与があり、このウサギの試験-2 日の 5 分後~3 日の成績を評価 から除いた)。0.3mg/kg 群では、遊離型 VEGF Trap の血漿中濃度は初回投与 24~48 時間後にお いてのみ VEGF Trap 複合体濃度を上回る濃度を維持したのに対して、3 及び 30mg/kg 群の遊離型 VEGF Trap の平均濃度は、いずれの測定時点においても VEGF Trap 複合体の平均血漿中濃度と比

較してそれぞれ 3 倍及び 18 倍以上高い値を示した。各投与群の初回投与 24 時間後の遊離型 VEGF Trap 濃度は、それ以降の投与(試験 3、7 及び 11 日)24 時間後の濃度と同等であった。試 験終了時に、抗 VEGF Trap 抗体が 30mg/kg 群のウサギ 1 匹にのみ確認され、このウサギでは遊離 型及び VEGF Trap 複合体の血漿中濃度は低下した。

雄ウサギの切除創治癒モデルに対して、試験-2、5、11 及び 17 日に VEGF Trap を 30 分間持続 静注した。試験第 1 日に切除創傷を作製した(2.6.3.4、4.2.1.3-8 VGFT-TX-06011 参照)。

同モデルにおいても、VEGF Trap の 0.3、3 及び 30mg/kg 投与により、創傷治癒及び関連パラ メータに対する用量依存的な抑制が認められた。創傷修復・治癒の抑制は、対照群(生理食塩液 投与群及び VEGF Trap の溶媒投与群)に比し 0.3mg/kg 群では特に試験 8 日に顕著で、線維化反 応及び血管新生の低下を特徴としていた。一方、3 及び 30mg/kg 投与群では、血管新生はすべて の測定時点(試験 8、14 及び 20 日)でほとんど検出されず、線維化反応及び表皮過形成も顕著 に減少した。その結果、VEGF Trap 3 及び 30mg/kg の静脈内投与により、試験 14 及び 20 日では、

対照群と比較して創傷部位の面積が大きく、これらの投与量では試験 20 日に開放創の割合が高 かった(図 2.6.2.7- 5、図 2.6.2.7- 6、図 2.6.2.7- 7、表 2.6.2.7- 16、図 2.6.2.7- 8 参 照)。遊離型及び VEGF Trap 複合体は、VEGF Trap を投与したすべてのウサギで初回投与から 144 時間後まで血液中に検出された。0.3mg/kg 群では、遊離型 VEGF Trap 濃度は、初回投与 24 時間後においてのみ VEGF Trap 複合体濃度を上回ったのに対し、3 及び 30mg/kg 群では、最長測 定時点である初回投与 144 時間後まで VEGF Trap 複合体濃度を上回るレベルの遊離型 VEGF Trap 濃度が維持された。いずれの群においても、初回投与 72 時間後の遊離型 VEGF Trap 濃度はそれ 以降の投与(試験 5、11 及び 17 日)72 時間後の濃度と同等であった。試験終了時に、抗 VEGF Trap 抗体が 0.3mg/kg 群のウサギ 2 匹、30mg/kg 群に 1 匹に確認され、これらのウサギでは遊離 型及び VEGF Trap 複合体の血漿中濃度は低下した。

2.6.2.5 薬力学的薬物相互作用

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