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2.5 臨床に関する概括評価

2.5.5 安全性の概括評価

小児期発症の難治性ネフローゼ症候群(頻回再発型又はステロイド依存性)に対する安 全性は,国内で行われた医師主導治験であるRCRNS-01試験とRCRNS-02試験の成績に基 づいて評価した。

RCRNS-01試験については,登録された59例のうち,本剤又はプラセボが1回以上投与

された48例(本剤投与群24例,プラセボ群24例)について,本剤投与群とプラセボ群の 有害事象等の比較を含めた安全性の評価を行い,更に,ランダム化割付終了後に本剤投与 群に登録された7例を含めた本剤投与群31例を対象に安全性評価を行った。

RCRNS-02試験については,本剤が1回以上投与された23例を対象に安全性評価を行っ

た。

また,RCRNS-01 試験と RCRNS-02 試験の選択・除外基準,治療方法,検査及び観察ス ケジュール,安全性の評価基準はほぼ同等であったことから,2つの試験で本剤が投与され た54例の安全性評価も行った。

安全性の対象集団は以下のとおりである。

1) RCRNS-01試験の本剤投与群24例とプラセボ群24例 2) RCRNS-01試験の本剤投与群31例

3) RCRNS-02試験の23例

4) RCRNS-01試験とRCRNS-02試験の本剤投与症例54例

安全性の評価として,全有害事象(臨床検査値異常を含む),及び治験薬との因果関係が 否定されていない有害事象(副作用)について,重症度及び発現頻度を評価した。また,

国内外における本剤の使用経験から,本剤に特徴的な有害事象であるinfusion reactionの頻 度及び重症度,本剤の作用機序による B細胞枯渇に関連する有害事象,及び治療を必要と する感染症増大の可能性について評価が行われた。更に,本剤に対するhuman anti-chimeric antibody(HACA)産生及び有害事象との関連についても評価された。

重症度の判定は,Common Terminology Criteria for Adverse Events(CTCAE)v3.0‐August 9,

2006(日本語訳JCOG/JSCO 版‐2007年3月8日)84)を使用した。また,有害事象用語は,

Medical Dictionary for Regulatory Activities/J(日本語版MedDRA)バージョン14.0を使用し た。また,RCRNS-01 試験及び RCRNS-02 試験の総括報告書中では,血圧上昇と高血圧,

及び血中尿酸増加と高尿酸血症を個別の基本語(preferred term)として集計したが,本一変 申請資料の中では同一の事象として扱い集計した。

RCRNS-01試験と RCRNS-02試験では,観察期間を治験薬の投与開始から 365日間とし た(但し,RCRNS-02試験の21例から23例目の観察期間は253日間)。観察期間終了まで に試験を中止した症例は,RCRNS-01試験では,本剤投与群が24例中4例,プラセボ群が 24例中20例であり,ランダム化割付終了後に本剤投与群に登録された7例中2例であった。

また,RCRNS-02試験では23例中8例であった。

2.5.5.1 治験薬の投与状況

RCRNS-01試験とRCRNS-02試験では,いずれも本剤375 mg/m2(最大量500 mg)を週1 回,4回投与しており,投与経路及び用法・用量,投与速度は同一である。本剤の各回投与 約30分前に,infusion reactionの予防を目的として,経口解熱鎮痛薬(アセトアミノフェン)

と経口抗ヒスタミン薬(d-マレイン酸クロルフェニラミン)を投与し,infusion reactionの予

防及びHACA産生抑制を目的に静注メチルプレドニゾロンを投与した。また,ネフローゼ 症候群に対する治療として,登録前の再発及び治験期間中の再発時に対する副腎皮質ホル モン剤(プレドニゾロン)の投与,及び治験開始前から投与されている免疫抑制剤につい ては,予め規定された方法に則り,漸減,中止された。

RCRNS-01試験とRCRNS-02試験の投与状況を表2.5.5.1-1に示す。治験薬が規定の4回 投与を完了出来なかった理由は,いずれも原疾患の再発による治療方針の変更に起因して おり,治験薬に起因して投与が中止されたものではない。

表2.5.5.1-1 治験薬の投与状況

症例数

(割合*1

RCRNS-01試験 RCRNS-02試験

本剤投与群 プラセボ群 ランダム化

終了後登録例 本剤投与

登録例 27例 25 7例 23

登録後除外例 3 1 0 0

投与症例数 24例 24 7例 23

4回投与完了 20例(83.3% 23例(95.8% 6例(85.7% 22例(95.7% 4回投与未完了 4例(16.7% 1例(4.2% 1例(14.3% 1例(4.3% 投与回数 1 2例(8.3%) 1例(4.2%) 1例(14.3%) -

投与回数 2 2例(8.3%) - - -

投与回数 3 - - - 1例(4.3%

*1 割合は投与症例数に対する,4回投与完了,4回投与未完了,4回投与未完了詳細の症例数割合を示す。

参照:表2.7.4.1.2-1

2.5.5.2 比較的よくみられる有害事象

1. RCRNS-01試験

有害事象は,本剤投与群の24例中24例(100.0%)に357件,プラセボ群では24例中23 例(95.8%)に251件発現した。副作用は,本剤投与群では24例(100.0%)に329件,プ ラセボ群では23例(95.8%)に210件発現した。

20%以上の症例に発現した有害事象について,本剤投与群の 24 例では,上気道感染 16

例(66.7%),C-反応性蛋白(CRP)増加11例(45.8%),リンパ球数減少9例(37.5%),鼻 咽頭炎8例(33.3%),高血圧8例(33.3%),好酸球数増加7例(29.2%),胃腸炎6例(25.0%),

低蛋白血症6例(25.0%),そう痒症6例(25.0%),アラニン・アミノトランスフェラーゼ 増加6例(25.0%),発熱5例(20.8%),高尿酸血症5例(20.8%),ざ瘡5例(20.8%),好 中球数減少 5例(20.8%),白血球数減少5 例(20.8%)であった。また,プラセボ群の 24 例では,上気道感染 14例(58.3%),リンパ球数減少10例(41.7%),アラニン・アミノト ランスフェラーゼ増加8例(33.3%),CRP増加7例(29.2%),鼻咽頭炎6例(25.0%),高 血圧5例(20.8%),高尿酸血症5例(20.8%),低蛋白血症5例(20.8%)であった。

20%以上の症例に発現した副作用について,本剤投与群の 24 例では,上気道感染 15 例

(62.5%),CRP増加11例(45.8%),リンパ球数減少9例(37.5%),高血圧7例(29.2%),

胃腸炎6例(25.0%),鼻咽頭炎6例(25.0%),そう痒症6例(25.0%),アラニン・アミノ トランスフェラーゼ増加6例(25.0%),好酸球数増加6例(25.0%),発熱5例(20.8%),

高尿酸血症5例(20.8%),好中球数減少5例(20.8%),白血球数減少5例(20.8%)を認め た。プラセボ群の24例では,上気道感染12例(50.0%),リンパ球数減少10例(41.7%),

CRP増加7例(29.2%),アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加6例(25.0%),高血圧 5例(20.8%),高尿酸血症5例(20.8%)であった。

36 / 52 Grade 3以上の有害事象について,本剤投与群の24例では,grade 4の事象は,好中球数 減少が2例(8.3%)と高尿酸血症が1例(4.2%)であった。5%以上の症例に発現したgrade 3の有害事象は,低蛋白血症が5例(20.8%),リンパ球数減少が3例(12.5%),好中球数減 少が2例(8.3%)であった。プラセボ群の24例では,grade 4の有害事象は認めず,5%以 上の症例に発現したgrade 3の有害事象は,低蛋白血症が5例(20.8%),リンパ球数減少が 4例(16.7%),アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加が2例(8.3%)であった。なお,

本剤投与群及びプラセボ群においてgrade 5(死亡)の有害事象は発現していない。

Grade 3以上の副作用について,本剤投与群の24例では,grade 4の副作用は,好中球数 減少が2例(8.3%)であり,5%以上の症例に発現したgrade 3の副作用は,リンパ球数減少 が3例(12.5%),好中球数減少が 2例(8.3%),であった。プラセボ群の24例において,

grade 4の副作用は認めず,5%以上の症例で発現したgrade 3の副作用は,リンパ球数減少

が4例(16.7%)であった。

ランダム化終了後に本剤投与群に登録された7例を含めた 31 例について,有害事象は,

31例の全例(100.0%)に470件発現し,副作用も31例の全例(100.0%)に431件発現した。

31例中20%以上の症例に発現した有害事象は,上気道感染20例(64.5%),CRP増加14 例(45.2%),リンパ球数減少13例(41.9%),鼻咽頭炎11例(35.5%),好酸球数増加9例

(29.0%),胃腸炎8例(25.8%),高血圧8例(25.8%),低蛋白血症8例(25.8%),好中球 数減少8例(25.8%)アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加7例(22.6%)であった。

31例中20%以上の症例に発現した副作用は,上気道感染19例(61.3%),CRP増加14例

(45.2%),リンパ球数減少13例(41.9%),鼻咽頭炎9例(29.0%),胃腸炎8例(25.8%),

好酸球数増加8例(25.8%),好中球数減少8例(25.8%),高血圧7例(22.6%),アラニン・

アミノトランスフェラーゼ増加7例(22.6%)であった。

Grade 3以上の有害事象について,grade 4の有害事象は,31例中,好中球減少が3例(9.7%),

高尿酸血症が1例(3.2%)であり,31例中5%以上の症例に発現したgrade 3の有害事象は,

低蛋白血症が7例(22.6%),リンパ球数減少が4例(12.9%),蜂巣炎が2例(6.5%),好中 球数減少が2例(6.5%)であった。Grade 4の副作用は,31例中,好中球減少症が3例(9.7%)

であり,31 例中 5%以上の症例に発現した grade 3 以上の副作用は,好中球数減少が 5 例

(16.1%),リンパ球数減少が4例(12.9%),蜂巣炎が2例(6.5%)であった。

2. RCRNS-02試験(治験期間2008年9月~2012年8月)

有害事象及び副作用は,安全性解析対象集団 23 例の全例(100%)に発現した。発現件数 は,有害事象280件,副作用258件であった。

20%以上の症例に発現した有害事象は,上気道感染 13例(56.5%),リンパ球数減少 12例

(52.5%),CRP増加9例(39.1%),アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加7例(30.4%),

胃腸炎6例(26.1%),鼻咽頭炎6例(26.1%),湿疹6例(26.1%)インフルエンザ5例(21.7%),

咽頭炎5例(21.7%),結膜炎5例(21.7%),高血圧5例(21.7%)であった。

20%以上の症例に発現した副作用は,上気道感染 13 例(56.5%),リンパ球数減少 12 例

(52.5%),CRP増加8例(34.8%),アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加7例(30.4%),

胃腸炎6例(26.1%),鼻咽頭炎6例(26.1%),湿疹6例(26.1%),インフルエンザ5例(21.7%),

咽頭炎5例(21.7%),結膜炎5例(21.7%),高血圧5例(21.7%)であった。

Grade 3以上の有害事象について,grade 4の有害事象は,23例中,高尿酸血症が1例(4.3%),

好中球数減少が1例(4.3%)認められ,5%以上の症例に発現したgrade 3の有害事象は,リ ンパ球数減少が7例(30.4%),低蛋白血症が4例(17.4%)であった。Grade 4の副作用は23 例中,高尿酸血症が1例(4.3%),好中球数減少が1例(4.3%)認められ,5%以上の症例に 発現したgrade 3の副作用は,リンパ球数減少が7例(30.4%)であった。なお,grade 5の有 害事象(死亡)は認められていない。

3. RCRNS-01試験及び RCRNS-02試験において本剤が投与された54 例の有害事象及び副作用 の発現状況

RCRNS-01試験においてランダム化終了後に本剤投与群に登録された7例を含めた31例

と,RCRNS-02試験の23例の合計54例に本剤が投与されている。

有害事象は54例の全例(100%,95%信頼区間93.4%~100%)に750件発現し,副作用も 54例の全例(100%,95%信頼区間93.4%~100%)に689件発現した。

54例中20%以上の症例に発現した有害事象は,上気道感染33例(61.1%),リンパ球数減

少25例(46.3%),CRP増加23例(42.6%),鼻咽頭炎17例(31.5%),胃腸炎14例(25.9%),

アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加14例(25.9%),高血圧13例(24.1%),低蛋白 血症12例(22.2%),好酸球数増加12例(22.2%)であった。

54例中5%以上に発現したgrade 3以上の有害事象は,低蛋白血症11例(20.4%),リンパ 球数減少11例(20.4%),好中球数減少6例(11.1%)であった。Grade4 の有害事象は,好 中球数減少4例(7.4%),高尿酸血症2例(3.7%)であった。

54例中5%以上に発現したgrade 3以上の副作用は,リンパ球数減少11例(20.4%),好中 球数減少6例(11.1%)であった。Grade 4の副作用は,好中球数減少4例(7.4%),高尿酸 血症1例(1.9%)であった。

なお,grade 5の有害事象(死亡)は発現していない。

2.5.5.3 死亡

RCRNS-01試験及びRCRNS-02試験において,死亡例はなかった。

2.5.5.4 その他の重篤な有害事象

1. RCRNS-01試験(治験期間2008年9月~2012年8月)

RCRNS-01試験で報告された重篤な有害事象は,本剤投与群では 24例中10例(41.7%)

に16件,プラセボ群では24例中6例(25.0%)に7件であった。このうち,本剤との関連 性が否定されず重篤な副作用と判定された事象は,本剤投与群では7例(8件),プラセボ 群では 0 例であった。本剤投与群で認められた重篤な副作用の8 件はいずれも既知であっ た。重篤な副作用8件の内容は,胃炎(grade 3),蜂巣炎(grade 3),好中球数減少(grade 4),

呼吸障害(grade 3),出血性膀胱炎(grade 3),副腎機能不全(grade 3),歯肉感染(grade 3),

胃腸炎(grade 3)であり,いずれも回復した。

また,ランダム化終了後に本剤投与群に登録された7例中3例(42.9%)に4件の報告が あった。重篤な副作用は7例中2例(28.6%)に3件が認められ,その内容は好中球数減少 症(grade 4),低蛋白血症(grade 3),蜂巣炎(grade 3)であり,好中球数減少症と蜂巣炎の 回復は確認されている。なお,低蛋白血症の回復は確認できていないが,原疾患との関連 性も考えられた。

本剤投与群にランダム化された24例と,ランダム化終了後に本剤投与群に登録された7 例を合わせた31例について,重篤な有害事象は,31例中13例(41.9%)に20件認められ,

本剤との関連性が否定されず重篤な副作用と判定された事象は,31 例中 9 例(29.0%)に 11件認められた。

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