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第3章 教育施策の推進状況

第5節 「共に学び、共に育つ教育」の推進

第1 「就学指導」から「就学支援」へ

国においては、障がい者制度改革推進会議において、インクルーシブ教育の推進を基本的な理念と した制度改革にかかわる検討が行われ、その結果を受け、文部科学省中央教育審議会初等中等教育分 科会「特別支援教育の在り方に関する特別委員会」より、現在の就学指導の在り方を改善する方向性 を含んだ「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進

(報告)」(平成24年7月)が公表された。こうした動向に合わせ、現在の県就学指導委員会の機能を 向上させるよう以下の取組を行った。

1 市町村教育委員会を対象とした就学指導にかかわる支援体制の整備

就学指導にかかわって各市町村就学指導委員会の抱える課題やニーズ、市町村就学指導委員会 が抱える就学指導にかかわる困難なケース等の相談、支援への助言を行うために、特別支援教育 エリアコーディネーターを県就学指導委員会調査員(就学支援アドバイザー)に任命し、市町村 における就学指導委員会を支援する体制を整えた。

就学支援アドバイザーの活動状況(平成24年4月~平成25年1月)は、計63回であった。

2 県就学指導委員会委員の在り方の検討

上記報告を受けて県就学指導委員会の名称及び在り方についても、今後検討していく予定であ る。

第2 幼、保、小、中、高等学校における特別支援教育の充実 1 特別支援教育エリアコーディネーターの指名及び配置

特別支援教育にかかわる研修や相談にかかわる業務を効果的に推進するため、各教育事務所単 位に特別支援教育エリアコーディネーター(教諭兼指導主事)を1名配置した。特別支援教育エ リアコーディネーターは、学校教育室及び教育事務所と連携しながら管内の特別支援教育に課題 に対応するとともに、全県的な課題にも同一歩調で対応するなど効果的な業務の推進を図った。

2 特別支援学校による相談、研修等の支援

各特別支援学校のセンター的機能により地域の幼稚園、保育所、小、中学校、高等学校等への 相談や研修等への支援が進められた。また、幼稚園、小、中学校特別支援学級等95校を対象に、

年数回訪問しての継続型訪問支援を実施した。

3 特別支援教育研修資料の作成

平成21年度に小学校向け研修資料を作成し、平成22年度には中学校及び高等学校向けの特別支 援教育研修資料を作成し各学校に配付した。平成24年度は各種研修会等においてそれら研修資料 の活用を図った。

第3章 教育施策の推進状況

第5節 「共に学び、共に育つ教育」の推進

第1 「就学指導」から「就学支援」へ 第2 幼、保、小、中、高等学校における特別支援教育の充実

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4 いわて特別支援教育かがやきプラン推進事業の継続実施

県単独事業により県立高等学校27校へ特別支援教育支援員28名を配置し、障がい等によって個 別の指導及び支援の必要な生徒への支援の充実を図った。

第3 特別支援教育の理解促進

1 小・中学校 PTA 学習会の実施

障がいを有しない児童生徒の保護者を対象とした特別支援教育や発達障がいに関わる理解を図 るためのPTA学習会を実施した。平成24年度は46校において実施した。

2 幼稚園及び保育所を対象とした研修会の実施

幼稚園、保育所、療育関係者等を対象として幼児期の障がいの基本的理解や対応について、ま た園内の特別支援教育の推進を図るための研修会を盛岡市と宮古市の2か所で実施した。盛岡会 場では75名が参加し、宮古会場では36名の参加を得た。

3 特別支援教育ボランティアの育成と活用

平成24年度は、盛岡青松支援学校、花巻清風支援学校、前沢明峰支援学校において、特別支援 教育ボランティア養成講座を開催した。さらに修了者が登録するボランティアバンクについて周 知と活用を図り、小・中学校及び特別支援学校における活用を図った。

平成24年度のボランティア活動実績は、小学校と特別支援学校において延べ34件、52名が活用され た。

(特別支援教育支援員配置校)

盛岡第一高等学校、盛岡農業高等学校、葛巻高等学校、平舘高等学校、雫石高等学校、紫波 総合高等学校、大迫高等学校、花北青雲高等学校、西和賀高等学校、水沢農業高等学校、前 沢高等学校、岩谷堂高等学校、花泉高等学校、大東高等学校、住田高等学校、大船渡東高等 学校、釜石商工高等学校、遠野高等学校、遠野緑峰高等学校、山田高等学校、宮古北高等学 校、宮古水産高等学校、久慈高等学校長内校、種市高等学校、福岡高等学校及び定時制、一 戸高等学校

第5節 「共に学び、共に育つ教育」の推進

第2 幼、保、小、中、高等学校における特別支援教育の充実 第3 特別支援教育の理解促進

- 65 - 第4 特別支援学校生徒の就労支援の充実

1 公的機関における職場実習の受け入れ

県庁の各部においては、教育委員会(2名)、商工労働観光部(1名)、保健福祉部と商工労働 観光部(交互に2名)、総務部、環境生活部、盛岡広域振興局、労働委員会事務局(3名)との連 携した事業により、県庁内で特別支援学校高等部生徒8名の現場実習を受け入れた。各機関にお いて、4日~2週間に渡って実習を実施した。

2 関係機関との連携

労働局、障がい者職業センターと共催で「就労支援セミナー」を3校(盛岡峰南高等支援学校、

宮古恵風支援学校、岩手大学教育学部附属特別支援学校)で開催するなど、関係機関と連携を図っ た。

3 啓発リーフレットの作成

特別支援学校卒業生の雇用及び職場実習先の開拓のため、企業事業所向けの啓発リーフレット を作成し、学校の進路指導において活用できるようにした。

4 企業との連携協議会の設置

平成24年度は、花巻地区、前沢地区、気仙地区、釜石地区、宮古地区、久慈地区において44企 業・事業所の参加を得て企業との連携協議会を立ち上げ、各地区で2回実施した。特別支援学校 の指導や高等部生徒の学習の様子について企業の理解を深め、また、参加企業から指導内容等に ついての助言を受けることができた。

第3章 教育施策の推進状況

第5節 「共に学び、共に育つ教育」の推進 第4 特別支援学校生徒の就労支援の充実

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