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3  音響式ガス温度計測

3. 1 

は じめに

火炉内ガス温度のリアルタイム計測にあたり,接触式計測法(熱電対等) では燃焼ガス(火炉出口近傍でも 12000C程度)からの強い語射によって精度

と耐久性に難点を生じ,また,光式計測法(スペクトル最強部の温度依存性 に着目)では火炎のゆらぎや火炉壁からの輯射が誤差を招くため,音波伝播 経路の平均温度を求める音響式計測法(音速のガス温度依存性に着目)が最 有力である。

音響式ガス温度計測システムは Fig.301に概略を示すとおり,炉内送出音 波信号(既知波形)の発生部,ボイラ火炉の両側面に対向して設けられたス ピーカとマイクロフォン 及び,信号処理部から構成されている。求めるガ ス温度 θ[OC]は信号処理部で識別した音波信号伝播時間 r[s]から次式に

より伝播経路の平均温度として与えられる。

:Trigger 

Received  Signal  Processing 

ー /

J

Furnace 

Speaker 

~

Upper Stage Fuel 

Gas Temperature  Lower Stage Fuel  ¥. Water Wa 

F i g . 3 0 1   Acoustic Gas Temperature Measurement 

大型発電用ボイラにおける音響式ガス温度計測の実用化にあたり,火炉内 の背景雑音(燃焼等に起因)に埋もれた計測用音波信号の検出法が特に重要 であり,炉内音響信号の処理法の高度化と炉内ヘ送出する音波信号波形の最 適化が望まれていた。

本研究では信号処理法の高度化として,まずマッチドフィルタ(重ね合せ 処理不要でリアルタイム計測に好適)による音波信号検出法を採用し,これ に背景雑音スペクトルの逐次同定に基づく受信信号の白色化フィルタ(火炉 内雑音の有色性に起因する精度低下に対処)を前置して,発電用ボイラ火炉 出口ガス温度計測を実現した。さらに筆者らは,高レベルの背景雑音に対処 できる炉内送出音波信号波形の検討を通じ, M 系列 PRK(PhaseReversal  Keying)波形の採用によリ,飛躍的な計測性能向上を達成している。

43 

3.  2  信 号 処 理 法 の 検 討

音響式ガス温度計測における信号処理法として,背景雑音に埋もれた炉内

送出音波信号波形 (既知)が信号処理後の信号対雑音比

( S /  N )  

(S gn 

to‑noise ratio at destination)極大で出力されるフィルタが好適であり,これは,

例えば Tho1l1aSの成書[9]に示される通リ,線形処理の範囲では「白色化+マ ッチドフィルタ」となる。当該フィルタ導出の議論は33節以降に関係が深い た め , 以 下 , 要 点 を 一 通 リ 述 べ る 。 な お , 本 論 で は 既 知 信 号 波 形 を

{ S k }   ( k   =  O , l , . . . , q )

で表わし,

S k   = 

( k

‑ l

q

+ 1

k )

を補って取り扱 い , ま た , 考 察 対 象 の フ ィ ル タ の イ ン パ ル ス 応 答 ( 叫 に は 因 果 性

( ん =

0  ( k

0 )

)を仮定する。

3.2. 1マッチドフィルタ

本論ではマッチドフィルタを狭義に扱い,それ自体では背景雑音を考慮、し ない信号処理法として本節に定義する。

いま,雑音を含まない炉内送出音波信号が簡単のために時点 O でマイク ロフォンから入力された際,当該信号全長の入力が完了する時点 q におけ る対象フィルタの出力 Xq は次式となる。

xq=ZhlSq‑j=rlSq‑j=hTs  (302) 

ここに,

{ S k }

および(川から,それぞれ,次の信号波形ベクトノレおよ びインパルス応答ベクトルを定める。

= (Sq  ...  sk

イ ,

h=(ho hk  hq)  (303) 

このとき,次の Schwarzの不等式の等号成立条件は狭義のマッチドフィル

44 

タの定義式であるc すなわち,当該フィルタを用いて Xq のエネルギ最大時 点(等号成立条件)を識別すれば,その q ステッフ前の時点における炉内 送出音波信号の到来を意味する。

¥i︐/ 

一 一

LH 

1︑ ︐

v

+t k 

a u 

U A

ρ/421E¥ 

/

F3

 

J H

く 一

J︑︑hBEPF/

QM

 

JLH /

fi ES t

¥ 

一 一

Q a

(304) 

ここに,K は任意の実定数である。

ちなみに,狭義のマッチドフィルタは既幸関5,22]に紹介したとおリ, I炉内 雑音の未考慮」のため性能 (S/Nの改善効果等)が不十分であり,次節および 3.2.4節に述べる白色化フィルタとの組合わせにより,音響式ガス温度計測の 信号処理法として好適となる。

3.  2.  2白色化フィルタ

本節では続く 3.2.3,3.2.4節からの参照に備ヘ,白色化フィルタ等に係わる 事項を整理する。

まず背景雑音をw.s.s.(wide sense stationary)の確率変数の紡Ij { 川 と し て扱う。このとき,自己相関を引い), パ ワ ー ス ペ ク ト ル 州

z )

は両側Z

変換

Z {

・)で結ばれる

九二 Z { r N ( η ) ) = Z J N ( 1 1 ) z ‑ f 7 = [ ( z ) l +  +  [ O N   ( Z )   l ‑

(305) 

r

( n )  

=

]ymTJl

} = Z ‑ l { ゅ ん ( ご)}ニ訟の ( z ) z

l1‑1dz (306) 

45 

ここに,右側および左側の片側Z変換を次式に表わしたc

‑ ‑

¥

i na f

fait¥ら丈

一 工 =

一 一

EE'a'EEEE

¥

E E

/ /SE1¥ ︑︑

AW

 

FE E'

EE 'B E' Eh  

i1n/l¥ a

文 む

一 一

一 ⁝

BEEEEBa

111

‑ ‑

/IE1

gFEaE A ω

BE ES L 

(307) 

次に

O N ( Z )

は ぷ

( 7 )

お よ び ゅんや) の積にスペクトル因数分解され, 両者はそれぞれ,

z

平面上で極と零点がすべて単位円内のIUC(InsidethUnit 

Circle),および単位円外のOUC(Outsidethe Unit Circle)となっている。

. . .  

︐ ︐ ︐

. a ‑ E

NA︑︑ ︐

F/

/sEt+N A

‑ ‑

ktF/

/'

SE

ωA E¥ (308) 

ここに, ゅんや) および 州

z )

は次の性質を有する

が 丙 ( z )

(309

が ぶ ( z )

(310

B

EE S'

/F

/

' ﹄'E11

IE 一 一

' /︐ ︐

VA N ' E ・E・︑

1hEE//ifEE¥ 

f ¥lt/ 一 一

'' EE

¥

(311 ) 

このとき, Wien hi llneの 定 理 に よ り , 背 景 雑 音 ( 川 の白色化フ ィルタ

p ( Z )

は次の関係を満たす

E A 

一 一

1111fi¥

BE ll

//

t az ‑

‑ ‑.

︑ ︑

¥lg

/

/SEE¥ N

AV

 

ft1

14

11・︑

11ri︑︑B

EE

/F

/

i E

¥ 

¥l

f'SEE¥ TN Aω

rg

h'

ノ ︑ t la

/1haEJ 一 一

/t

tZ EB

¥KE'F

/d

a

1¥ 

¥KEEF

/12¥ λ 

AV

  (312) 

46 

すなわち,

P (

ご)として次式を選べば,因果性 ((309)式より負の時間での応 答消失)の白色化フィルタとなる。

P ( )

1{ ̲ ¥ 

ぶ ( ご )

3.2.3 S/N極大条件の方程式

(313) 

本節ではThomasの成書[9]等を参 考 に , 信 号 ( 叶 , 背 景 雑 音 ( 川 の 自 己 相 関 引 い ) を 既 知 と し て い/

N ) D

を極大とするため,求めるフィルタ のインパルス応答が満たすべき方程式の導出(変分法による)について要点

を述べる。

まず,時点 O に背景雑音と共に音波信号がマイクロフォンから対象フィ ルタに入力された場合,時点 q (信号入力完了)において信号に起因する 出力 Soq,雑音による出力 Noq,およびエネルギで考えた い/

N ) D  

はイ

ン パ ル ス 応 答 川 を 用 い て , そ れ ぞ れ 次 の と お り で あ る。

SOq 

hq̲kSk

ニ エ

hq̲kSk k=コ::: kO

(314) 

]Yoq

二 三

hq̲k Nk (315) 

C t

‑k

( S / N)D=j o 〈 f‑

円 河

川 ) え

l

rN

( k  ‑

j)hq̲ hq̲k  (316

47 

以下, (316)式の

( S /  N )  

D 極大化を次式の

K

の 極 小 化 に 帰 着 さ せ て 樹 する。

k Z 土 へ い ‑

j)hq̲./

‑ d o S k h q ‑ J =

O (31 7) 

ここに,

( S / N ) D

の改善限界を α‑1 とした

このとき,すべての考察対象のインパルス応答(川 を任意変分品川,任 意定数

x

および求めるインパルス応答(叫を用いて記述する。

hll

二 月 + 爪

(with 

h,~

(月く叫 (318) 

ここに,インパルス応答の定数倍に対切16)式の

( S /  N ) D

は不変であるか ら,以降の計算を簡単にするため, {叫を次式が成立する振幅と仮定する。

J L  

10  l SO=..Juj'ιq‑} α 

lO (319) 

次に,最小とすべき(317)式の K は(318)式を用いれば,

x

の関数とし て扱える。このとき,当該関数中の係数

K ( O )

A

および

B

の値は

X

に 依存しない。

K(X)=K(O)+2X A+ か =B(X+ 釘 + 判 0 ) ‑ 4

(320) 

48 

ここに,係数 J は具体的に次式となる

A= よ r 5 h

q̲k

[ j ! X   ) か‑

)h~_ j as~q Sk

(321 ) 

従って,変分法の仮定によリ,常に

x=O

K(

け が極小となる条件,

すなわち,任意変分

5

ん に つ い て

A =O

となる次式の成立が,求める (叫 が 満 た す べ き 条 件 で あ る。

士 川

k

一 九 時‑ ) 一 郎

:qSK

い‑ ー ー ∞ の

(322) 

これは, (319)式の適用と変数変換 q‑j=n1q‑k二月により結論の式 に至るc

2rN (n-m)h;=sぃ(月 二 O) ~ . .   ) .

(323) 

3.2.4 S/N極大条件のフィルタ

本節では, Thomasの成書[9]等を参考に, (323)式を満たす因果性のインパル ス 応 答 ( 刈 の ス ペ ク ト ル 因 数 分 解 を 利用した解法の要点を述べる。

まず次のとおり

( ι }

((山)式の成立と下式 ()内の等号成立が同値), 

および,その両側Z変換 (OUCとなる)を考える。

g } )   = 

Sぃ ‑

t r N (n‑m)h ; 

(especially 

g Y 7=O 

at月三 0) (324) 

G ( z )  

s ( ご う

‑q

一れ(判明

49 

F咽a

・ ・

ここに,次の表記を用いたc

G ( ご )

Z  {  g n } :   S  (  ~)

z  { 

S

J 1 } ,   H

( ご )

Z { 叫

(326) 

このとき, (308)式のスペクトル因数分解,および, { 札 ( 叫 の 負 時 間 で の零値を考慮すれば, (325)式は(327)式(左辺,右辺第2項が,それぞれOUC, IUC )に変形できる。従って,以下のとおり(327)式の各項の逆両側Z変換が 得られる。

G ( z )   ̲  s ト ヤ

‑q

一 列 ( z ) H O ( z )

必 ( ご ) 必 ( z )

(327) 

(328) 

(329) 

EFU

η 

4L

U

/ h   VJ  

ρ

i v  

F

ta gs

¥

it1

¥i13

/

aE

E1¥ 

¥EEP/

f

' ' E ー

I022JlS1t

fh  一 一

(330) 

すなわち,次の関係が得られる。

S } ]  

11 

( n

0 )

(331) 

結局, (321)式に基づいて(330)式に(329)式を代入すれ成332)式となり,これ

50 

よリ求める(333)式が得られるc

1 11

η i

// い

N

卜 γ

一 件 々υ

l

l1 11 11 11 11

1

一 一

+ N   AV ' 

一 一

A ω

f 一 一

h d  

flJtk

(332) 

¥1111 /I﹄﹄Et

¥t CJ  t' fJ

r/i

ZE

E ¥ 

OJ  

¥h BE

F

/'

'E

E¥ 

一 一

li ll l1 11 11 1l il

Qd

i F 一 ペ つ

/ ta

Z N ¥

Aω t

rJ

tt

t¥

c u

l

il i

i li li a

¥︑.. F

1i/lk +N AV

. 一 一

.EE/

/iEE¥ 

(333) 

すなわち,求めるフィルタは「白色化フィルタ

p ( Z )  

Jと I

p ( z )

を通 過 し た い バ を 検 出 す る マ ッ チ ド フ ィ ル タ ( 既 知 信 号 ( 叶 を 白 色 化 フ ィ ル

p ( z )

に通し,変化した波形を q ステップシフトし,その逆1)買をインパ ルス応答とする)Jとの直列接続である。

3. 3 信 号 処 理 部 の 構 成

本節では前節の結論に従い, 音響式ガス温度計測に好適な信号処理部の実 施例として, Fig.302の構成を紹介する。なお,以下, Fig.302中の表記

Y

a

v  s bおよび x を用いて検討を進める。

51 

....‑

fromMiα 。同湖沼

Mad

dF i l t a i n g  

(DEt国ing K nown si gna 

fter PreW hi teni r唱)

Ic畑1tifici

for Ti 

m e ‑

of‑FI i

g , t  

GεsTmヰ沼戎11 C~ω| 或ion

S併設~ Icltificj

fornoise 

(Befσe Signa ReEω)

Cα1SidE訂

n gR

e5fXX主犯

of円 守

W h i t e n i n g

F i g . 3 0 2   Implementation  0 1   the Signal Processor 

まず,

I

凶臼色釘化七

U

フイ

υ

ルレげタ

P ペ ( ヤ 付

Z

オ )

Jを決定するにあたリ, A必刷R烈(仏AuJt

モデデ、ルを仮定して背景雑音(ボイラ火炉の場合,主として燃焼による有色雑 音 ) を 同 定 し , ぬ

( z )

を求める本実施例では,マイク ロフォンで受信した

信 号 + 雑 音 を ( 川 , そ の 部 分 列 を ん と す れ ば , 次 の と お り RG収 ecurslve Gradient Identification)法で、P 次の ARモデルの係数

a

の推定値が得られ る

aj=aj‑l+f(YK‑dl

k (334) 

52 

σ j

' ' ' E ' '

E E ︑ ︑

一 一

q 

σ p r

= = ( Y k ‑ 1 . . .   Y k ̲ p ) T 

(335) 

ここに,

a j

k

回目の繰返し演算における

a

の推定値を示す。なお RGI?去では公知のとおリ,適当な正定数 ρ と初期条件

a ;

(本例では前回

の推定値を用いる)により

a j

は収束して一 致 推 定 値 ど と な る。

次 に , ど か ら 得 ら れ る 多 項 式 にOUCの 因 数 (

I 川>

)があれば,こ れ を んl に入替えて因果性(すべての因数が IUC) の ぬ

( z )

および,

P(~) を得る 。 このとき,簡単化のためにの (z) の分子を l とする因数を

分母子に乗じ,その際の分母の多項式の係数を

a

として表記した。

ø ~ ( ご)

==  ‑p 

l‑ZGmZ

日 ( z ーん)

(336) 

ml

P()

1一 = 斗l

2

σn m J 7

砂 ω

州 ; パ ( z )

(337) 

従って,白色化後の信号+雑音としていk}が算出できる。

IEE1Fj

b n

ν J  

 

=ハ̲

aI

==

  1 ( ‑

Q1  ... 

p  ) ( Y k  

(338) 

また, i 

P (   z )

を 通 過 し た い

k }

を検出するマッチドフィルタJについ て,

( η }

{ S k }

の部分列を,それぞれ V

k

, 

S k

,フィルタの係数を b,

お よ び , 通 過 後 の 信 号 + 雑 音 を い け と す れ ば , 以 下 の 関 係 が あ る。

JY K = b  TV 

(339) 

53 

. : . . . . .  ・

L MH   F3   Ti q a  

f '  

‑ ‑

'b

n7U (340) 

'EEA 

4 .  

'

tt

Th

a' gF

/

1s z 

'K  

u 

'hU

fd tE

1︑¥

LH  一 一

F3   T

. a e ' ' ' '

η ''

/'b ︑ レ

da

lk  一 一

TJ  

¥K EE f

a

‑ n

u

vh

ft

11¥

LU  一 一

本節に述べた音響式ガス温度計測の信号処理部(Fig.302)において, Fig.303  はボイラ火炉側面のスピーカから時刻Oで音波信号としてバースト波を送出

した場合の動作例である。本例では,対向する側面に到達した信号+雑音(信 号処理前の信号対雑音上旬Signal‑ω01

tioat received)  (S 

N ) R   ~

1.25  (

定))について,マイクロフォン受信波形

y

,白色化フィルタ通過後 V,本 節のマッチドフィルタ通過後 XX の包絡線 Z3および z の関値処理に よる音波信号伝播時間把握 ((301)式よりガス温度に換算できる)の状況が示 される。本例のパースト波と信号処理部 (Fig.302)の組合せにより,非定常 状態、の火炉出口ガス温度の実用的なリアルタイム計測性能を確認[9,22

4]で きている。なお,本論では次節以降,炉内送出音波信号波形改良により,い っそうのガス温度計測性能の向上(計測可能な

( S /  N ) R

の低下)を試みる

54 

一 一Rece i ved y ---;一一一一一 γ 一一一つ一一一一一 γ 一一一一M~

~ j ~ ^  ~ ~

~~

Jfl1~

A  ,  : 

11  111:11II I

r

1・: 111 :'1"" 1 I1:"'1 "11 t11111

‑‑AfteγF i I ter i ng x-----r----~

T i m e   [ m s e c ]  

( S  i  gna I  Send  i  n g )  

( C o a l  f i r e d

( s /  N ) R  = 

1.25

1000MW

e)

Fig.303  Processed Signal with the Optimal F i l t e r   f o r  the Burst 

3.  4 炉 内 送 出 波 形 の 検 討

本節では,以下, Wil1etの研究[3附 参 考 に 「 既 知 信 号 波 形 仏 ) に

( S   /  N )  D

極大を与える前節のフィルタ (Fig.302)においてい/

N ) D

極大値

を最大となす条件」を導き,当該条件を満たす最適信号波形について検討す る戸

00 

48 

3.4. 1 S/N期待値の行列表現

本節では(31似 の

( s /  N ) D

を,次節以降の便宜のため, (303)式の信号波 形ベクトル

s

および 背 景 雑 音 の 自己相関行列

R N

による行列演算にて 表記する。

まず,信号

{ S k }

背景雑音

{ N

m} がマイクロフォンから時点 O よリ Fi2:.302のフィルタに入力されたとき,時点

q

(信号長分の時間経過)にお

ける出力 Xq は(338),(339),および(341)式よリ,次のとおり記述できる。

Xq Soq

oq 

=  S T U T U ( S +   N 

q (342) 

ここに, U は次の

( q + l ) x ( q + l )

上三角行列であり, {凡)のP 次 pくくq ) ARモデルの係数から与えられる。

‑a ‑a

。。 。

‑a ‑a

G  U=IO 

‑a ‑a

(343) 

。。。。。。

次に ,Nq は {Nm} の部分列ベクトルであり, w.s.sの仮定により 3

( q + l ) x ( q + l )  

Toepli 

Nm 

( Hm  N m ‑ q f  

(344) 

56 

R

入 =巾パ )

r N  ( 0 )   ル ( 1 ) 

..  . 

( p )

.. 

r N ( q )   η(    ) 1 r ¥ ]

, 

0 )   .  .  .  r ¥ ]

, 

( p  ‑ ) 1

( q‑ 1 )  

‑ 1  r N  ( p )   r N  ( p  ‑   ) 1 川 0 ) r N ( q ‑ p ) 1  

(345) 

r N ( q )   r N ( q ‑   1 ) . . .  r N ( q ‑ p )   川 0 )

U N= W   (346) 

ここに, (346)式は下から

p ( p

くく

q )

行の範囲は近似的な成立とし, W m は次式のとおり,白色雑音 ( 川 の 部 分 列 ベ ク ト ル で あ る。

lm (Wm Wm U~l1寸¥了 (347) 

E {

J ,l V }

=

1.71 (348) 

このとき, (346)式に両辺の転置を乗じて期待値をとる。

U RNU=rW1q̲l  (349) 

(TTT¥

さらに, (348)式の左右から,それぞれ

u ‑ 1

~ を乗じて次式とな

TU 1

JA

︑ 八

(350) 

7

従って,上式を(342)式に代入し,求める行列表記が得られる。

iSR

1S) 

( S / N)D=Aq)

E ( s T i 1 X lujR L J s ) = s T R Y s

3.4.2  S/N最大条件の炉内送出波形

本節では前節の結論 ((351)式)に基づき,エネルギー定の条件で

( s /  N ) D  

を最大化する信号波形

s

(信号長 q+ 1 )について検討する。

まず, RN は Toeplitz形 式 ( 正 定 , 対 称)で あ る か ら 正 の 固 有 値

い 。 J y I ?  

? 川 を 持 ち , 対 応 す る 固 有 ベ ク ト ル

{ e

O"'"

e

l/.... 

e

} を 規

格化直交系に選べる。従って,

( S   /  N ) D

の検討において,エネルギー定の任 意信号波形 を 係 数 Ck

(k=O=...~q) を用いて次のとおり展開できる 。

with 

主 ci=1

(352) 

このとき,上式および

R } )

の固有ベクトル

e {

O'

e

l/

e

q},固有値

{ 1/

)/人1:''')/λ

q }

に着目すれば, (351)式の値は次のとおり評価でき る。

一一=一ーを c戸 (S

l!!̲  ̲1r.

/

"

N)n=STR

T¥ 

~ s 壬2d=

」-λmax λma

; ‑ : 0 

1'.  ¥  J D λmin k=O λmm  (353) 

ここに, λ max, λmm は RN の最大,最小固有値である。

58 

~

しかるにフーリエ級数によリ

R N

は非負の係数

{ Y o ' . . . ' Y

q} により次 のとおり展開[27]できる。

J/L 

JISEE

P A  

b MH  

γ J  

q

Ti n u  

γ /  

一 一  

λ 

.1E

EE

gF

IK  

ω 

.ltJ 

.

BB A

/i

tt

D A  

ρ

i ν

 

瓜 叫 吋

p刊時わ(十い(‑

j (

j(q‑l)Cuk)

(jqCUk)

( j (

q

‑ l )

cuk ) 

y J q + l+2yk f k f ; 

(354) 

ここに,

Y o

,上 付 記 号 * お よ び fk1)買に白色雑音成分,複素共役記 号および角周波数 ωk の正弦波ベクトルである。

¥12EF rk  

ω 

.1l/tsEE

p  x 

ρ

'E EA   /ISEEE¥  ' 一 一

Mb

EI  

¥hEE﹃/BEF/'ιk 

ω 

G 4  

ρ

x  p 

11/¥  EEJ

(355) 

よって, RN の 固 有 値 ん お よ び 固 有 ベ ク ト ル 引を用いれば, (54)  式より次の関係が成立するc

(

y

ι I0

ι

1

q

T

l

ι+4 ; l f y

e" 

A" e" 

い ( η

0

. . .   q )  

(356) 

こ の と き , sp

1

~ .

fq } の 次 元 は q 以 下 で あ り ,

s 州 eo ...~e})

eq} の 次 元 は

q

1であるから, s

fl 川 に

交する固有ベクトルが少なく とも一つ存在し, これを eO とすれば,次の関 係が得られる。

Yolq̲1eO =λOeO 

(357) 

59 

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