第2章 墓地整備基本計画
2 墓地整備の基本方針
「1 墓地施策の基本方針」で掲げた目標について、具体的な施策として展開します。
墓地施策は、「墓地禁止区域の設定」を軸とし、「条例づくりの考え方」、「公営墓地整備 の方向」および「その他の墓地行政の施策」について検討します。
(1) 墓地禁止区域の設定
① 墓地禁止区域の設定の考え方 1) 墓地禁止区域の基本方針
墓地の立地を禁止する「墓地禁止区域」は、都市計画マスタープランにおける都 市構造を基本に設定します。
a.
良好な環境の維持市民の住宅の良好な環境を維持するため、住宅周辺での墓地の立地を禁止します。
都市構造の市街地拠点を基本とし、具体的には、都市計画で指定される用途地域 のうち、「住宅系用途地域※1から100m の範囲」と、「人家(住宅)等から100m の 範囲※2」は、墓地の立地を禁止します。
※1 現在は、第一種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種 住居地域が指定されています。
※2 人家(住宅)の増減により区域の範囲が変動するため、「墓地禁止区域」とはせずに、設置 場所の基準で整理します。
b.
景観の保全南城市民や観光客等、多くの人が集まる場所や多くの人が目にする場所は、墓地 の立地を禁止します。
都市構造における観光交流拠点、都市環状交通軸を基本とし、具体的には、特定 用途制限地域の「リゾート環境地区」※3と「国道」、「県道」の沿道 30m の範囲は、
墓地の立地を禁止します。
※3 閑静で良好な環境を積極的に保全する区域として、既存の観光地周辺に指定される予定で す。
c.
自然との調和南城市では、ハンタ緑地を代表するように自然が多く残されています。緑豊かな 緑地や歴史・文化遺産などを保全する必要がある場所は、墓地の立地を禁止します。
都市構造の都市緑地軸、緑地ゾーンを基本とし、具体的には、「第1種風致地区※4」 の範囲は、墓地の立地を禁止します。
※4 特に優れた自然景観を有する地区で風致(自然の美しさ)を保全する必要がある地区とし て、主要な歴史文化遺産(12箇所)※5、骨格のハンタ(崖地)緑地に指定される予定です(面 積:約390ha)。
※5 主要な歴史文化遺産(12箇所)
①島添大里グスク一帯(市指定史跡)
②大城グスク一帯(市指定史跡)
③場天御嶽一帯(市指定史跡 東御廻り)
④佐敷上グスク(市指定史跡 東御廻り)
⑤フナクブ洞穴郡
⑥ティダ御川・知名グスク(市指定史跡 東御廻り)
⑦斎場御嶽一帯(世界遺産 国指定史跡 東御廻り)
⑧知念グスク一帯(国指定史跡 東御廻り)
⑨ヤブサツの浦原一帯(市指定史跡 東御廻り)
⑩ミントン・垣花グスク一帯(県指定史跡 東御廻り)
⑪玉城グスク一帯(国指定史跡 東御廻り)
⑫糸数グスク一帯(国指定史跡 東御廻り)
2) 墓地禁止区域のイメージ
墓地禁止区域の設定イメージを以下に示します。
図表 墓地禁止区域の設定イメージ図
南部東道路
国道、県道
c.自然景観の保全、自然環境 との調和の観点から、「第 1 種風致地区」指定区域全域 で、墓地禁止区域を指定
b.多くの人が利用する 道路沿道の景観の保全、
観光軸としての効率的 な施策展開の観点から、
「国道、県道」の沿道 30m の範囲で、墓地禁 止区域を指定
b.快適なリゾート環境 の保全の観点から、「特 定用途制限地域(リゾー ト環境地区)」指定区域 全域で、墓地禁止区域を 指定
a.住環境保全の観点から、
「 住 居 系 用 途 地 域 」 か ら 100mの範囲で、墓地禁止区 域を指定
第 4 種風致地区
墓地禁止区域以外の区域では、墓地立地の許可条件とする構造基準を条例 に規定します。
※構造基準等は、「(2)条例づくりの考え方」で整理します。
b. 特定用途制限地域 (リゾート環境地区)
c. 風致地区 (第1種風致地区)
a. 用途地域 (住宅系用途地域から100mの範囲)
墓地禁止区域
b. 国道、県道 (国道、県道の沿道30mの範囲)
※墓地禁止区域の外、「公園、学校、病院その他公共的施設又は人家から100mの範囲」は、原則として墓地 の立地を禁止し、「(2)条例づくりの考え方」で整理します。
3) 墓地禁止区域
墓地の立地を禁止する「墓地禁止区域」は、以下の着色部分とします。
図表 墓地禁止区域
■良好な環境の維持
用途地域の「住宅系用途地域」から100mの範囲
■景観の保全
特定用途制限地域の「リゾート環境地区」
「国道」「県道」の沿道30m
■自然との調和
「第1種風致地区」
南城市役所 本庁舎 大里庁舎
佐敷庁舎
知念庁舎 あざま サンサンビーチ
百名ビーチ 新原ビーチ 玉泉洞
ユインチホテル南城
斎場御嶽 馬天港
志喜屋漁港
331 77
86
137 86
17 48
331
久高島
奥武島
(2) 条例づくりの考え方
墓地を設置する場合は、墓地の経営に対する南城市の許可が必要です。
許可権限は、平成21年4月1日に沖縄県知事から南城市に委譲されており、今後、南 城市が許可に関する事務をおこなうため、南城市で墓地の許可等に関する条例づくりを 進めます。
条例づくりの考え方のポイントを、次頁から整理します。
条例づくりのポイント
¾ 墓地の経営主体は、これまでどおりの考え方とします
¾ 墓地禁止区域を定めます
¾ 個人墓地に対する許可基準を強化します
¾ 許可手続は、これまでどおりとします
¾ 墓地の許可に関して審議する組織づくりを検討します
¾ 罰則規定を検討します
図表 墓地等の経営の許可権者
沖縄県知事 南城市
墓地、埋葬等に関する法律
(第10条第1項)
墓地、納骨堂又は火葬場を経営 しようとする者は、都道府県知事 の許可を受けなければならない
沖縄県の事務処理の特例に関する条例
(第2条の表4の2第1号)
墓地、埋葬等に関する法律第10条第 1 項の規定による、墓地、納骨堂又は 火葬場の経営の許可に関する事務は、
南城市が処理する 平成21年4月1日
① 墓地等の経営主体
墓地等の経営主体は、原則として南城市です。
原則により難い場合は、宗教法人、公益法人が経営主体となりますが、例外として個 人による墓地経営が許可される場合があります。
墓地等の経営主体については、今後もこれまでと同様の考え方とします。
図表 墓地等の経営主体
経営者の種別 墓地、埋葬等に関する法律 施行細則(第2条)
墓地等の許可申請に関する事務取扱要領
(第4.4.(1)、(2))
地方公共団体 ○経営できる ○墓地等の経営者は原則として市町村等
宗教法人※1 ○経営できる △原則により難い事情があるとき
(営利目的の場合は許可しない)
公益法人※2 ○経営できる △原則により難い事情があるとき
(営利目的の場合は許可しない)
共同墓地※3 個人墓地※4
<例外>
知事が県民の宗教的感情に 適合し、かつ、公衆衛生そ の他公共の福祉の見地から 支障がないと認めるとき
施行細則により支障がないと認められる 場合は、次の者が経営する墓地
①町または字の区域その他自治会等地縁 に基づいて形成された団体
②自己または親族の為に限り設置する墓 地を経営する個人
(公営墓地等が利用できない等、やむ を得ない事情のある場合に限る。)
※1:宗教法人法(昭和26年法律第126号)第4条第2項に規定する法人であって、県内に主たる事 務所又は従たる事務所を有するもの。
※2:民法(明治29年法律第89号)第34条に規定する法人であって、県内に主たる事務所又は従た る事務所を有するもの。
※3:町又は字の区域その他自治会等地縁に基づいて形成された地域共同体的な団体等が経営する墓地 をいう。
※4:個人が自己又は親族のために限り設置する墓地をいう(いわゆる門中墓や家族墓は、個人墓地に 該当する)。
② 墓地禁止区域
1) 墓地禁止区域の設定
墓地の許可をしない区域として、墓地禁止区域を以下のように定めます。
¾ 用途地域の住宅系用途地域(第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地 域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、
第二種住居地域、準住居地域)から100mの範囲
¾ 特定用途制限地域の「リゾート環境地区」
¾ 国道、県道から30mの範囲
¾ 第1種風致地区
2) 墓地禁止区域の例外
各地域の実情により、墓地禁止区域であっても墓地を設置したい場所があることが考 えられます。
このような場合に対応できるよう、例外として墓地禁止区域であっても墓地を設置で きる区域をつくる仕組みを定めます。
例えば、例外とする区域設定は、地域から条件を満たした要請に基づき、(仮称)墓 地審議会※1での判断を経て決定する仕組みが考えられます。
※1 「(仮称)墓地審議会」については、「④(仮称)墓地審議会の設置」で整理します。
a.
(例示)墓地禁止区域の例外とする区域を要請する条件¾ 自治会からの要請によること
¾ 例外としたい区域が、墓地禁止区域の基本方針に基づいていること
b.
(例示)墓地禁止区域の基本方針に基づく例外・「良好な環境の維持」の観点から
住宅周辺であっても、緑地などにより住宅と墓地をさえぎるものがあり、良好 な環境を維持できる場合。
・「景観の保全」の観点から
多くの人が集まる場所や多くの人が目にする区域であっても、高低差があった り、緑地等により墓地が見えない場合。
・「自然との調和」の観点から
自然との調和の観点から、風致を保全するために第1種風致地区を墓地禁止区 域としているため、原則として墓地禁止区域の例外は認められない。