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報酬請求指導マニュアルについて

1 目的

施設・事業所が届出等で実施する各種加算等に関する指導について は、報酬基準に基づき介護保険給付の適正な事務処理を行わせるとと もに、基準要件に適合した加算に基づくサービスの実施を行わせるこ とにより、不正請求の防止と制度管理の適正化を図るとともに、より よいケアへの向上に向けた施設・事業所への事業支援を図ることを目 的とする。

2 加算等の報酬請求事務指導の基本的視点

(1)報酬基準に基づいた実施

各種加算等については、報酬基準に基づいた実施体制の確保、個 別ケアプランに基づいたサービス提供、多職種との協働によるサー ビス提供の実施など、届け出た加算等についての基本的な考え方や 基準に定められた算定要件に基づいた運営及び請求が適切に実施さ れているかをヒアリングにおいて確認することにより、不適正な請 求の防止とよりよいケアへの質の向上に努めるものとする。

(2)報酬基準に適合しない場合の取扱い

報酬基準に適合しない取扱い等が認められた場合には、加算等の 基本的な考え方や報酬基準に定められた算定要件の説明等を行い、

適切なサービスの実施となるよう是正させるとともに、過去の請求 について自己点検させ、不適切な請求となっている部分については 過誤調整として整理させること。

3 報酬請求指導の方法

(1)実地指導の留意点

介護保険法第23条、第24条による実地指導においては、施設・

事業所の職員等に対して介護報酬請求上の加算及び減算の考え方を 理解させ、適正な請求を行わせるとともに、よりよいケアに結びつ くサービスの質の向上と提供を行うことにより、介護給付管理の適 正化を目的としていることから、報酬請求指導においても次の点に

留意すること。

①各種加算及び減算の考え方等の理解普及

指導にあたっては、加算及び減算の種類が多数にわたることか ら、別冊「各種加算・減算適用要件等一覧」を参照して基本的な 考え方、請求の方法等について十分な理解に努め、施設・事業所 の職員等からの相談に応じることができるようにすること。

②指導方法の統一

施設・事業所ごとに異なった指導となると介護報酬請求上も問 題となることから、指導内容に疑義があるときは国に照会などし て、統一的な指導方針となるよう十分配慮すること。

(2)事前準備

①指導担当者が確認するもの

○ 実地指導を実施するにあたって、指導担当者はホームペー ジやパンフレット等を利用し、施設・事業所の以下の情報を 理解しておくことが重要。情報を事前に入手することで、実 地指導を適正かつスムーズに進めることが可能。

・事業規模(入所者数、居室数、居室配置 等)

・併設事業所 ・運営方針

・介護サービスに従事する従事者に関する事項

・介護サービスの内容に関する事項 等

○ 各種加算等の報酬請求指導を実施するに当たっては、「各種 加算等自己点検シート」を施設・事業所に事前に送付し、自己 点検を求める。

②施設・事業所の職員が準備するもの

施設・事業所は、「各種加算等自己点検シート」を基に、各種加 算等の届出状況について内容が十分確認できる既存書類を必要な 関係資料として準備する。

(3)施設・事業所の対応者

対応者は原則、各種加算等に関し、その実施内容を説明できる者 とする。

(4)ヒアリング方法

ヒアリングについては、施設・事業所が届出た加算等について、

関係書類等に基づき、その内容等について説明を受ける方法により 実施する。

(5)指導から監査への変更

実地指導において、著しく悪質な不正請求が確認できた場合には、

速やかに介護保険法の第5章に基づく実地検査に切り替えることと する。

(6)指導による過誤調整

① 指 導 時 点 で 加 算 及 び 減 算 に 係 る 誤 っ た 解 釈 、 認 識 の 不 足 等から届出内容と相違したサービスが提供されている場合には過

誤調整を行わせるものとする。

② こ の 場 合 に は 、 自 主 点 検 に つ い て 文 書 に よ る 指 導 と し 、 過誤調整の結果について文書による報告を求めるものとする。

(7)都道府県と市町村との連携等

都道府県又は市町村は、上記(6)に係る過誤調整を指導した場 合は、その旨を速やかに関係保険者へ連絡すること。

4 報酬請求指導にあたっての標準的なスケジュール

9:00 13:00 17:00

報酬請求指導 運営指導

各種加算等についてヒアリング ヒアリング内容 についての指導

指導内容

1.加算及び減算に係る考え方

→加算等の請求に当たっての基本的な考 え方を確認する。

2.加算及び減算の実施状況

→加算等の請求の種類等の状況を確認す る。

3.加算及び減算の請求の内容

→各種加算等の請求を行っているものに ついて、関係書類等により施設・事業 所側から説明を受ける。

4.効果

→加算を実施したことによる効果につい て説明を受ける。

○加算算定基準と異なる 誤った解釈の是正

○過誤調整による返還の 指導

備考 運営指導マニュアル参照

各種加算等についてヒアリングの具体的事例

→参考(P128~P130)

各種加算等についてヒアリングの具体的事例

*個別機能訓練加算*

○施設・事業所から提出された「各種加算等自己点検シート」及び挙 証資料を基にヒアリングを行う。

《各種加算等自己点検シート》

届出状況 点検項目 点検事項 点検結果

個別機能訓練開始時の利用者への説明の有無 □ あり 専ら職務に従事する常勤の理学療法士等を1名以上配置 □ 配置 利用者数が 100 人超の場合、利用者の数を 100 で除した

数以上配置 □ 配置

多職種協働による個別機能訓練計画の作成 □ 作成 個別機能訓練計画書 利用者に対する計画の内容説明、記録 □ 3月毎に実施

訓練の効果、実施方法等に対する評価 □ あり

個別機能 訓練加算

個別機能訓練に関する記録の保管、閲覧への対応 □ あり 実施時間、訓練内容、

担当者等への記録

○ヒアリングの具体的事例

【個別機能訓練開始時の利用者への説明の有無】

指導官:個別機能訓練開始時、利用者本人に説明は行っていますか?

施 設:説明をしています。

指導官:説明していることが確認できるものはありますか?

施 設:説明はしていますが、記録はしていません。

指導官:加算請求は、説明するにあたって記録が求められます。

参 考

【利用者に対する計画の内容説明、記録】

指導官:3 ヶ月毎の利用者への説明は行っていますか?

施 設:最初の一度だけカンファレンスをして家族をお招きして話 しましたが、3 ヶ月に 1 回という間隔で説明は行っていま せん。

指導官:説明そのものが目的ではなく、状態の変化に対応して計画 の変更をしていないと、よりよいケアに結びつかないから、

この様に最低3ヶ月毎にお願いをしているのです。

【専ら職務に従事する常勤の理学療法士等を1人以上配置】

指導官:常勤の理学療法士等を1人以上配置することになっていま すが、職員配置上どのようになっていますか?

施 設:作業療法士1名配置しております。

指導官:資格を確認できるものは何かありますか?辞令等の発令 は?また、勤務状況の確認は?

施 設:・・・

指導官:「勤務しています」と言うだけでは、確認が出来ません。例 えばタイムカード等の確認を施設長等がチェックする体制 を整備しておくなど。確認書類は特に問いませんが、毎月 配置ができていることを確認する必要があります。もし、

常勤としての日数が欠落していた場合、翌月は加算を請求 できません。

【多職種協働による個別機能訓練計画の作成】

【訓練の効果、実施方法等に対する評価】

指導官:個別機能訓練計画書はどのように作成されていますか?

施 設:(個別機能訓練計画書を見ながら)利用者の状態、目標設定、

訓練内容・・・等で作成しています。

指導官:多職種協働ということですが、どのような役割分担になっ ていますか?

施 設:介護職員は作成したプランに沿って介護を行い、看護職員 は・・・。

指導官:その実施状況を確認できるものは何かありますか?

施 設:関係職員には計画書を渡してあり、各自それに沿って実施 しています。記録はしておりません。

指導官:その職種の方が何をどう計画書に従って実施したか確認で きなければ加算は請求できません。

記録が目的ではなく、各職種での実施状況の情報共有が出 来ていないと計画が適切に実施されているか不明ですし、

家族や利用者に対しても説明できないと加算を届け出た価 値が見いだせないと思います。

【個別機能訓練に関する記録の保管、閲覧への対応】

指導官:個別機能訓練に関する記録の保管、閲覧は?

施 設:日誌等で記録しているのみで、閲覧は行っていません。

指導官:閲覧ができるようにしておくことが重要です。

記録することで利用者、家族、多職種と情報の共有を図る ことが可能になり、よりよいケアへ結びつきます。