防災科研は、平成
7
年度より高感度地震観測網の全国的整備を担っている。平成29
年度末の 観測施設数は、高感度地震観測施設(Hi-net)812ヶ所(うちKiK-net703
併設点、関係機関観 測点10
ヶ所)、広帯域地震観測施設(F-net)73ヶ所、強震観測施設(K-NET)1,045ヶ所であ阿蘇山、霧島山、口永良部島(16 火山)にそれぞれ火山活動観測施設
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ヶ所を整備、運用、維持管理を行って地震活動、地殻変動等データの蓄積を重ねている。
3) 平成 31
年度の地震及び火山観測網の運用基本方針防災科研は、基盤的地震観測網の整備及び維持管理を行い、データ収集・処理・提供機能を 果たすための基幹的な業務を一貫して長期にわたって実施するとともに、地震・火山災害の被 害軽減に資する研究を推進している。
平成
31
年度は、これまでに引き続き、基盤的地震観測網等の整備を図るととともに、観測施 設及びデータ伝送の維持管理を実施し、観測が安定的に継続して行われるよう努める。特に、観測施設の建設から
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年近くが経過し、施設の設置環境に変化が目立ちその情報収集や施設の 劣化への対応とともに移設を求められるケースも顕著になっているので、観測に支障がないよ うに対応していく。また、データの処理・提供においては、データの品質保持に努めつつ、提供データ本体のデ ータベース構築、観測点情報や履歴等の維持管理に関するデータベースの運用を行う。
特に平成
23
年東北地方太平洋沖地震は大きな災害をもたらし、地殻変動も起こり、余震が継 続的に発生しているだけでなく、全国各地で地震が発生しているのでデータの処理に相当な負 担がかかる状況が継続していることを考慮する必要がある。火山分野においては、一時期より低下したとはいえ活動を続ける三宅島火山の活動の把握に 加え、平成
23
年には霧島山新燃岳の噴火が起こり火山活動は継続していること、平成26
年9
月には御嶽山の噴火により大きな被害があったこと、平成27
年9
月には阿蘇山の活動が活発化 し噴火後、噴火レベル3
入山規制が発表されるなど、いくつかの火山で活動の兆候があること に注意しつつ、各火山観測網の整備、運用、維持管理を行い、データの解析とその蓄積に一層 努める。海底地震津波観測においては、平成
24
年度から整備を行った日本海溝海底地震津波観測網(以下、「S-net」という。)の運用開始並びに、平成
28
年度よりDONET
の運用がJAMSTEC
から 正式に移管され、これらの観測施設及びデータ伝送の維持管理を行い、安定的な運用ができる よう努める必要がある。本作業は、地震、火山及び海底地震津波の分野に共通する一貫した観測網整備・維持・運用 業務を通じ、地震予知・火山噴火予知の統合的な研究推進を支援するために実施される。(図
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参照)本仕様書における作業内容(第