第 3 章 擁壁背面を地盤改良した場合の改良効果の検証
3.3 模型地盤
3.3.7 地盤改良の諸定数
(1)地盤改良の配合
地盤改良の調合は,土1m3に対してセメント100kg添加とし,また,地盤改良が,
硬化中に水が分離し漏出することを防ぐため,水量を極力少なくし,セメント,珪砂 5号,水の質量比を1:15.9:1.33として調合した.この時の地盤改良の1週強度は,
1N/mm2であった.なお,調合したモルタルは,手練りで作製し,手で強く握り締めて
も湿り気が手のひらに残る程度の水分量であった.練り上がり後の地盤改良の状態を 写真3‐9に示す.
写真3‐9 地盤改良の練り上がり状況
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(2)地盤改良の圧縮強度
地盤改良試験体(B~F)の地表面荷重載荷実験は,地盤作製の6日後を目安とし て実施した.各試験体の載荷実験終了後に実施した一軸圧縮強度試験による一軸圧 縮強度を表3‐6に示す.
表3‐6 地盤改良の圧縮強度
(3)地盤改良と乾燥砂地盤の摩擦角
地盤改良と乾燥砂地盤との間の摩擦角を調べるため,3.3.5項と同様の方法ですべり 抵抗試験を行った.なお,地盤改良試験体の寸法は,ジュラルミン製の試験体寸法
(3.3.5項)と同じとし,5通りの垂直応力度下(σ=5.83kN/m2~21.46kN/m2)にお いて試験を行った.
図3‐16に,各垂直応力度下における試験体のせん断応力度τ‐変位δ の関係を示 した.横軸に変位δ(mm)を縦軸にせん断応力度τ(kN/m2)をとり,せん断応力度 τは,試験体の引張り力Qを試験体の面積(A=0.012m2)で除して求めた.なお,垂 直応力には,試験体の自重を考慮した.また,図3‐17に試験体の最大せん断応力度 τmaxと垂直応力度σの関係を示した.
図3‐16より,変位の小さい段階におけるせん断応力の増加率は,垂直応力が大き いほど大となる傾向を示した.せん断応力度τ は,各試験体ともに 1mm 付近におい て大きく増加し,その後,変化は小さくほぼ同様の値で推移することが分かった.
図3‐17より,最小二乗法によって求めた地盤改良と乾燥砂地盤間の摩擦角φδは,
φδ=34.2°となった.
試験体名 圧縮強度(N/mm2) 試験体B,〔0〕 1.0
C,〔30〕 1.0 D,〔60〕 1.1 E,〔0,1/3〕 1.1 F,〔0,2/3〕 1.0
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(4)乾燥砂地盤とサンドペーパーの摩擦角
試験体は,ジュラルミン製であり,試験体表面を地盤改良と同じ摩擦係数を有する 材質とする場合は,表面を粗くする必要がある.そのため試験体のジュラルミン表面 にサンドペーパーを貼付することとした.
以上のことから,3.3.5項で用いた試験体の片面にサンドペーパーを貼付し(図3‐
18),同様のすべり抵抗試験を行った.サンドペーパーは,紙やすり#40,#80,およ び布やすり#150の3種類を用いすべり抵抗試験を行った.
3種類の試験体の各垂直応力度下(σ=6.34kN/m2~21.97kN/m2)におけるせん断応 力度τ-変位δの関係を,図3‐19,図3‐21,図3‐23に示した.同様に,各試験体 の最大せん断応力度τmaxと垂直応力度σの関係を,図3‐20,図3‐22,図3‐24に 示した.
図3‐19,図3‐21,図 3‐23より,変位の小さい段階におけるせん断応力の増加
率は,いずれの試験体も垂直応力が大きいほど大となる傾向を示した.また,同一垂
0 5 10 15 20
0 1 2 3 4
σ=5.83kN/㎡
σ=9.76 σ=13.66 σ=17.54 σ=21.46 τ(kN/㎡)
δ(mm)
図3‐17 τmax‐σ 関係
(地盤改良の摩擦角)
図3‐16 τ‐δ 関係(地盤改良)
0 5 10 15 20 25
0 5 10 15 20 25
τmax(kN/㎡)
σ(kN/㎡) 34.2°
)
46
直応力度時において最大せん断応力度τmaxに達する時の変位は,表面が粗い試験体(#
40>#80>#150)ほど大きくなる傾向を示した.
図3‐19,図3‐21,図 3‐23より,最小二乗法によって求めたサンドペーパーを
貼付した試験体と乾燥砂地盤との間の摩擦角は,各々,紙やすり#40はφδ=33.4°,#
80はφδ=31.0°,布やすり#150はφδ=29.3°となった.
以上より,#40の紙やすりが,地盤改良に最も近い摩擦角(φδ=34.2°)となるこ とが確認された.
0 5 10 15 20
0 1 2 3 4
σ=6.34kN/㎡
σ=10.27 σ=14.17 σ=18.06 σ=21.97 τ(kN/㎡)
δ(mm)
図3‐18 試験体(サンドペーパー貼付)
(a)底面(平面) (b)底面(断面)
図3‐20 τmax‐σ 関係(#40)
図3‐19 τ‐δ 関係(#40)
0 5 10 15 20 25
0 5 10 15 20 25
τmax(kN/㎡)
σ(kN/㎡) 33.4°
)
47 0
5 10 15 20
0 1 2 3 4
σ=6.34kN/㎡
σ=10.27 σ=14.17 σ=18.06 σ=21.97 τ(kN/㎡)
δ(mm)
0 5 10 15 20
0 1 2 3 4
σ=6.34kN/㎡
σ=10.27 σ=14.17 σ=18.06 σ=21.97 τ(kN/㎡)
δ(mm)
図3‐22 τmax‐σ 関係(#80)
図3‐21 τ‐δ 関係(#80)
図3‐24 τmax‐σ 関係(#150)
図3‐23 τ‐δ 関係(#150)
0 5 10 15 20 25
0 5 10 15 20 25
τmax(kN/㎡)
σ(kN/㎡) 31.0°
)
0 5 10 15 20 25
τmax(kN/㎡)
σ(kN/㎡) 29.3°
)
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