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地場産業の衰退と地域密着型産業の再生の途

ドキュメント内 地場産業から地域密着型産業へ (ページ 127-130)

1.地場・産地産業の衰退

バブルの後遺症は想像以上に大きく、しかも長引いている。それもバブルの崩壊ではなく、バブ ル自体の悪影響である。

「1985~92年にモノづくりの現場は自失していた。以降、地域産業は衰退した。とくに基 礎技術部門(鍛造、鋳造、メッキなど)の脆弱化が進行した」147。地場産業全体のデータは見出 せないので、以下、主に産地のデータを検討することにしよう。

産地の多くは衰退した(図4-1)。例えば、大川家具産地や有田焼産地などの生産額の低下は 著しい。

出典:中小企業庁 『平成14年度産地概況調査結果表』、全国中小企業団体中央会『全国の産地-平成 17年度産地概況調査結果-』平成18年3月により補足。

『2005年度産地概況調査集計結果表』によれば、産地数は

486、

企業数は

41,656、従業者数

は年間総生産額

67,872

億円、 輸出額

2,661

億円(輸出比率

3.9%)であった。中小製造業全体に

占める割合はそれぞれ

15.6%、6.5%、4.7%、3.0%である

148

『2015年度産地概況調査集計結果表』によれば、産地数

252、企業数 12,938、従業者数

123,953

人、年間総生産額

15,750

億円、輸出額

1,600

億円(輸出比率

10.2%)である。輸出比率

147 関満博『地域産業に学べ!』日本評論社、2008、4-7頁。

148 出典:『全国の産地』 2005年版、76頁。原資料は「平成17年度産地概況調査」、経済産業省

「工業統計表」平成16年、財務省「貿易統計」。但し、各項目の産地数は異なる(企業数480、従業者数

413、年間生産額406、輸出額406)。

0 200,000 400,000 600,000 800,000 1,000,000 1,200,000

0 20,000 40,000 60,000 80,000 100,000 120,000 140,000 160,000 180,000

1981 1983 1985 1987 1989 1991 1993 1995 1997 1999 2001 2003 2005

図4-1 全国産地の従業員、生産額、輸出額の推移

生産額(全体)

輸出額 従業員数

128

を除き大幅に減った。中小製造業全体に占める割合はそれぞれ、6.2%、1.7%、0.5%、1.8%であ る149

2015年頃には域内分業体制の維持が更に難しくなっている。5年前と比較すると、「産地内 での分業が一部困難となり、製造に支障が出ている」産地が34.8%となっている。 次いで「産 地内の分業は変化せず残っている」が25.2% であり、「産地外を含めた分業 体制の見直しや合 理化により支障はない」は5.2%にとどまる。「もともと分業体制はない」とする産地も34.

8%あるが、この5年間に分業が困難になり製造に支障が出ている産地が多い150。 表4-

1

産地内に立地する企業間の分業体制

回答数

3年前と現在の比較

分業体制に

支障 変化なし 分業体制 は向上

そもそも 分業体制 はない

無回答

合 計 513 98 265 23 127 23

100 19.1 51.7 4.5 24.8

81 8 35 3 35 7

100 9.9 43.2 3.7 43.2

繊維 衣服合計 146 46 69 6 25 6

100 31.5 47.3 4.1 17.1

うち繊維 115 39 56 4 16 4

100 33.9 48.7 3.5 13.9

衣服・他の繊維製品 31 7 13 2 9 2

100 22.6 41.9 6.5 29

77 10 49 3 15 4

100 13 63.6 3.9 19.5

57 12 23 3 19 3

100 21.1 40.4 5.3 33.3

57 7 32 3 15 0

100 12.3 56.1 5.3 26.3

その他 95 15 57 5 18 3

100 15.8 60 5.3 18.9

出典:『平成14年度産地概況調査結果表』32表

地場産業関連地域の特徴である、多数の中小企業間の地域内分業体制は依然として健在ではあ るが、幾分綻びを見せている所もある。特に繊維・アパレル関連がそうである。ただ、その主な 原因は倒産・廃業や事業縮小であるから、分業体制そのものの問題というよりは地場産業全体の 停滞の問題であろう。アウトソーシングを活用している企業は

2

割に留まる。

149 出典:『全国の産地』 2015年版、82頁。現資料と注は05年版と類似の内容である。

150 日本総合研究所『全国の産地-平成27年度産地概況調査結果-』平成28年3月、12-3、82 頁。

129

表4-2 アウトソーシングを活用している企業の有無

出典:『平成14年度産地概況調査結果表』31表

2015年、産地外企業との連携については、「まだ少ない」とする産地が52.8%と最も多い が、「近年、増えている」とする産地は16.9%に留まる。「以前から多い」とする産地は5.6%

にすぎない。また「連携を行っている企業はない」とする産地も24.7%ある。産地外企業との 連携は、まだ広がっていない151

他産地との連携内容では「他産地との連携を行っていない」とする産地が49.8%と多いが、

「国内の販路開拓を連携して行っている」も39.3%にのぼる。「海外への販路開拓を連携して行 っている産地」は7.6%にとどまる。連携は

3

大都市圏では多い。幾分増加している傾向はある

152。共同販売(共同受注)については、「産地内企業の一部が共同販売(共同受注)を行ってい る」産地が25.9%である。多くの産地では「共同販売(共同受注)は行われていない」(68.

5%)153

こうして、一部産地産業を除き、全体としては急激に衰退していった。

151 『全国の産地-平成27年度産地概況調査結果-』15、96頁。

152 同上16、97頁。

153 同上38、118頁。

回答数 ある ない 無回答 合計

合 計 524 105 419 12 536

100 20 80

86 11 75 2 88

100 12.8 87.2

繊維 衣服合計 151 40 111 1 152

100 26.5 73.5

118 25 93 1 119

100 21.2 78.8

衣服・他の繊維製品 33 15 18 0 33

100 45.5 54.5

76 14 62 5 81

100 18.4 81.6

59 7 52 1 60

100 11.9 88.1

57 10 47 0 57

100 17.5 82.5

その他 95 23 72 3 98

100 24.2 75.8

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