(2)旅館経営 ㈱福田観光他2社
*前提
地方の老舗温泉旅館3社。各々再生の目玉となり得る材料に乏 しく、かつ拙いオペレーションが行われていた
*ファンド投資
3社まとめたオペレーションを行うことによる合理化効果、シナ ジー効果に注目して一体運営を行う計画とした。金融機関とファ ンドが協力して資産所有の新会社を設立、旧3社より、新会社へ の営業譲渡を行った。オペレーションについては外注委託の上3 社の一体運営を行うこととした
*結果
現在集客、コスト削減、ホスピタリティビジネスとしての質の 向上等に努めている。将来的には、新スポンサーへの営業譲渡を 期待
2番目の事例は旅館を経営する福田観光並びにプラス2社のケースであります。
まず、こちらの3社でありますけども、これはある地方の比較的老舗の旅館3社であります。各々 評価ポイントに乏しくて、いわゆる再生の目玉となり得る材料がなかなか見出し難いという案件 でありまして、かつオペレーションもレベルが低くてですね、なかなか苦労した案件であります。
色々と3件個別に検討をしてみたんですけども、なかなか規模的にですね個々に一社一社生きて いくのは厳しい状況にありまして、その結果考えましたのが3社まとめたオペレーション、これ を行う事によりまして、合理化効果、あるいはシナジーが期待できるのではないかという考えか たであります。
言ってみれば3社を一体運営する様な計画というものを考えました。
ただ一方で資料の10にもあります通り、3社を合わせますと総借入金というのは50億円を超えて おりまして、これに対して3社合わせた年商の合計というのが10億円に過ぎないという厳しい状 況でございまして、到底この年商による利益だけでは弁済というのは不可能であります。加えて この案件で特徴付けられるはですね、3社とも各々の経営者が経営の続行をすると、是非ともし たいという意思があまり感じられなかったというところもポイントであります。
その結果ですね、持ち込み頂きました金融機関とファンド側が協力いたしまして資産を所有する 新会社を設立いたしました。
この新会社に対して、これら3社から新会社の営業譲渡を行っております。
加えてですね、再生をスタートさせるに当たって色々とまずいオペレーションが行われていた結 果、設備も相当劣化しておりました。
そのため再スタートに当たりましては設備資金、あるいは運転資金というものが必要となりまし て、これが約5億円という事になりました。
この5億円のうちですね約7割部分を当初からの金融機関が、残りの3割部分につきましては出資 という形でファンドが対応しております。
説明が抜けたかも知れませんが、先程申し上げた7割というのは金融機関にご負担頂いた部分は 出資では無くて貸付でございます。
あろうと、
その上で一体の運営を目指していくという再建スキームを描いております。
こちらにつきましてはEXIT、まだ出口を迎える段階にございませんし、今まさに集客であると かコストの削減、あるいはホスピタリービジネスとしての質の向上といったことを努めている最 中でございますけども、将来的には企業価値を上げて、より良いオペレーションによって、そう いった事を築き上げたいと、そういうふうに考えておりまして、そういったステージが迎えるこ とが出来れば将来的には新スポンサーへの営業譲渡という事も考えております。
以上、申し上げますと一見簡単そうなシナリオに聞こえるかも知れませんが、こういったケース の案件化というのは、なかなか難しいかと思います。
本件の場合はいろんな要素が重なり合って案件化に漕ぎ着けたというふうに思っておりまして、
例えばそれぞれの規模が小さいと、従って3者一体のオペレーションといった事が可能な程度の それぞれの規模であったという事もございますし、これは同一地域に属する3つの旅館だったわ けですけども、同一地域の中での位置関係であるとか、そういったいろんな要素でですね競合も 考えられるわけですけども、やり方次第ではそういった競合が避けられる。あるいは逆のシナジー も期待できるといったいろんな要素が加わった結果、案件化に漕ぎ着けることが可能となった事 例であるというふうに認識しております。
次に3番目の事例といたしまして物流業者であるロジスティクスという会社です。
こちらにつきましては資料11を御覧下さい。
こちらに先程と同様バランス、PLの概要をご参考に添付しております。
こちらロジスティックスは地方の物流業者であります。
もともと年間の売上高で行きますと資料11にあります通り、約8億円の売上高がございました。
これに対して借入金の総額は12億円と過大な状況にございます。
それから、それに加えてですね、ある大きい会社の子会社であったわけなんですが、この親会社 が業績不振に陥った関係で、そこからの資金支援が止まってしまったという事実がございます。
その資金支援が止まった事によりまして、借り入れをしておりました各金融機関へのデフォルト が発生してしまいました。
ファンドといたしましては、そういった過程でその中の比較的大きい貸し出しを持っていた金融 機関から債権を譲り受けております。
ファンドといたしましては投資後真っ先にまず何を行ったかと申しますと、先程申し上げたとお り親会社がございまして、しかもこの親会社が業績不振が長かったものですから、この企業グルー プといたしましてはグループにおける、この物流業者の位置づけが大変あいまいな状況にならざ るを得ませんでした。
結果としてよくある事ではございますけども経営不在の状態にございました。
従いましてファンドといたしましては、まず経営方針を明確にする、その上で経営の合理化を行 うという事を考えました。
資金不足につきましても、ある程度見込まれましたけども、さほど大きくない金額で資金支援を 継続するという事によりまして事業の継続は可能であろうという風に判断してスタートしました。
その一方でですね、考えないといけなかった事はですね、これ物流業者であったものですから事 業の一部が免許業種でございました。
従いまして営業譲渡を行った場合は、この免許が承継されるかどうかとうリスクがございました。
もう一つは青色の欠損が不足していたという事がございます。
従いまして、この免許業種であったという事とですね、青色欠損が不足していたという事から営 業譲渡は適さないというふうに判断いたしまして結果的にファンドが譲り受けたファンドの一部 を株式化しております。
いわゆるDESであります。
ファンドが7割といった様に減資を通してなっております。
幸いにですね、その後、事業はそこそこ安定いたしまして、且つ資金繰りも安定いたしました。
その努力をする傍らですね、この事業の将来収益に着目した投資家が現れましてスポンサーとし ての申し出がございます。
ファンドといたしましては、今、いい会社にしている最中ではございますけども、将来的にこの スポンサー候補を含めてですね、株式譲渡による出口、いわゆるEXITを行いたいというふうに 考えているところでございます。
以上3つの具体的事例をご紹介しましたが、この3つの事例を基にいたしまして支援方法の類別 を出口戦略、これも織り込んでここで整理したいと思います。
まず第1は譲り受けた債権のリファイナンスであります。
ここで御説明した幸村産業のケースというのは営業譲渡を伴っておりますので、単なるリファイ ンナンスではございませんが、ファンドにとってはリファイナンスがキーとなって再生の進捗、
あるいはEXITに至っている案件です。
スポンサーあるいは金融機関貸出によるリファインナス、これは最も手早い方法でありまして一 般論としましては投資後EXITまで極めて早い解決が実現しているとうのは、このリファイナン スのケースが最も多いのではないかというふうに考えております。
2番目といたしましては新会社への営業譲渡によるリスタートであります。
一番目のケースである幸村産業、あるいは2番目のケースである福田観光のケースと言うのは、
まさに営業譲渡によるリスタートというのが再生のスキーム上の決め手というふうになっており ます。