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国立大学法人 岡山大学(拠点設置国:インド)

5. 各研究拠点における評価

5.8. 国立大学法人 岡山大学(拠点設置国:インド)

人材育成については、本プロジェクトでインド拠点に配置された者が感染研に異動するな ど、着実に人材育成が図られているところである。また、日本側で雇用した非常勤研究員2 名のうち1名は、拠点の特任助教に昇任している。

相手国人材については、第1期に13名、第2期に8名、計21名の大学院生を岡山大学 プロジェクト・フェローとして採用し、5名が学位(Ph.D.)を取得した、10名は他のプロ ジェクト・フェローに移籍した。学位取得者5名のうち、1名は平成24年6月に大阪大学 免疫学フロンティア研究センターの特任研究員に就任し、残る4名のうち、2名は米国にお いて博士研究員として活躍中であり、2名は同ポジションへ応募中である。

5.8.2. 評価結果

①研究拠点設置の目的について

多くの在留者・渡航者が苦しめられ、地球規模とされる腸管感染症対策に取り組むため の拠点として、インドは最適と考えられる。また、NICEDと共同して、下痢症調査、赤痢 のワクチン研究開発、VBNCコレラ菌研究、未知下痢原因微生物の発見、下痢症微生物の 病原性機構研究など、インドで問題となっている下痢性疾患に特化したプロジェクトとな っており、目的とその成果が分かりやすいことも踏まえ、十分評価できる。

一方、全域を1拠点のみでカバーするには無理があり、インドでは他の研究機関・プロ グラムも少なく、インド内での連携も取りようが無い(少ない)とも考えられることから、

長期的広範な研究地域とするためにも今後の対応を迅速に検討されることを期待したい。

②拠点における実績

研究拠点設置国機関等と連携については、平成10年からの2期10年間にわたるJICA 事業「新興下痢症対策プロジェクト」によるNICEDへの検査技術等移転・インド人研究者 の育成をうまく活用しており、インドはもちろん、本プログラムの他拠点(神戸大学・イ ンドネシア、長崎大学・ベトナム)との連携や大阪府立大学、札幌医大学、感染研などと の参画に中心的役割を果たすなど、関係機関との連携は進んでいると評価できる。

研究拠点を活用した研究の推進については、ウイルス、細菌、寄生虫と幅広く下痢症に 関する研究を高いレベルで進めており、成果を挙げている。簡単に成果が挙がる領域では ないが、下痢症は、現在もなおインドにおいて 疾病負荷 が大きく、疫学・基礎研究をと おして、診断からワクチン開発までカバーする本プログラムの進展は下痢症に苦しむイン ドの公衆衛生に貢献することは疑う余地がない。また、他拠点への技術移転は社会への貢 献という観点から、良い成果である。

また、インドでは、ほかにも深刻な疾患を招き、我が国に影響を与えている感染症が多 い(例えば、腸チフス、デング:インドからの帰国者の罹患率が高い)ことから、それら への対応を今後考えてほしいとの意見もあった。

資金調達については、全体としてあまり多額ではないが、民間企業からの資金を積極的 に取り込むとともに、相手国政府資金も取り込んでいることは評価できる。

しかしながら、公的機関からの競争的資金の獲得について、一層の努力を期待する。

人材育成について、国内拠点、海外拠点共に人材育成が積極的になされ、岡山大学の協 力も十分得られている。特に、相手国の大学院生をプロジェクト・フェローとして採用し て事業に参加させている点は評価できる。この実績を活かすためにも、これらの人材の感 染症研究への定着にプログラム全体の配慮が必要である。今後は、相手側政府の課題でも あるが、本プログラムで育成した学生を維持することが今後の課題である。

しかしながら、インド側の人材育成が積極的に進められているが、日本側の若手人材育 成はやや少ないとの意見もあった。

5.8.3. 総評

本拠点は、腸管感染症にターゲットを絞り、インド側と連携して基礎から疫学まで幅広く 研究を進めており、拠点活動の意義があることから、継続が妥当である。

なお、インドの腸管感染症対策はバングラデシュ、パキスタン、ラオス、ミャンマー、カ ンボジア等と共通する課題もあると考えられることから、今後、インドでの研究成果を周辺 諸国にも広げる仕組造りについて検討することも必要である。

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