第 6 章 高圧水素ガスを用いた試験
6.3 高圧水素ガスを用いた段階的な試験実施
6.3.1 第 1 回高圧水素ガスを用いた膨張タービン回転試験
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Fig.6.3 膨張タービン高圧試験装置 外観
Fig.6.4 高圧水素用耐圧ケーシング 外観
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回路を組んで実施した。第1回目の高圧水素回転試験での膨張タービン廻りのフロー図をFig.6.5に示 す。
Fig.6.5 第1回目の高圧水素回転試験での膨張タービン廻りのフロー図
高圧水素での初回試験であることから、膨張タービンの確実な起動を優先させるため、起動前に膨 張タービンの起動は出口側の弁を全閉とし膨張タービン内部に圧力をかけた状態で、出口側の弁を開 放することで膨張タービンの起動を試みた。
試験は、供給元圧35MPa(G)および83MPa(G)の2回を試みた。供給元圧35MPa(G)での試験では 充填運転の後半の時間帯で膨張タービンの回転音は確認できたが十分な加速に至らない状況であった。
この時点で、膨張タービンのスラストが接触しながら回転したと推測される。これに引き続き、元圧 83MPa(G)とし、同じ膨張タービンで実施した回転試験では、膨張タービンの起動は確認出来なかっ た。試験後の膨張タービンの分解調査の結果、タービン側のスラスト面に接触摺動で出来た損傷跡が みられた。これは起動時の回転体内部圧力(軸受側)バランスの不適によるスラスト力に起因し回転 軸がタービン側へ押されていたものと推測される。
Fig.6.6に供給元圧33MPa(G)にて計測された膨張タービン出口のエンタルピー変化、およびコンプ
レッサー側の熱評価したものを Fig.6.5 に示す。同じ時間軸での充填タンク側の温度圧力の挙動を
Fig.6.7に示す。Fig.6.6においてコンプレッサー側の熱落差も同時に変化していることから、時刻にし
て11:11:02以降、膨張タービンが動作していることがわかる。
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Fig.6.6 高圧水素ガスによる膨張タービン試験状況(横軸h:m:s)
Fig.6.7 タンク側 圧力、温度(横軸h:m:s)
Fig.6.6において、データ解析評価の結果、約3分30秒間のタンク充填運転のうち、後半の約2分
20秒間は膨張タービンが駆動されていたことが確認出来た。しかしながら。タービンの出力は小さく、
スラスト面に接触しながら回転していた状態と推測され、本来の高速回転には至っていない。また、
膨張タービンが動作しない(回転していない)と思われる初期の時間帯においては、JT膨張による水 素ガスの温度上昇が著しく、この高温のガスが直接充填タンク側に入っていくため、試験時間の制約 を受ける。
尚、元圧33MPa(G)での正規な安定回転ではなかったとは言え、超高圧水素ガス中で駆動した膨
張タービンは世界初と言える。しかしながら回転試験後の膨張タービン分解において、スラスト軸受 面(膨張タービン側)の接触が認められた。スラスト軸受の分解時の状況をFig.6.8に示す。
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Fig.6.8 第1回試験による回転軸とスラスト軸受の接触損傷の様子(膨張タービン側)
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