第 6 章 高圧水素ガスを用いた試験
6.2 膨張タービン式プレクールプロセス実証用高圧水素試験装置
前章に記載の空気回転試験で良好な結果が得られた膨張タービンを、高圧水素試験に向けて耐圧構 造化したものを国内の高圧水素供給源のある設備に専用の試験装置に組み込んで実証確認試験を開始 した。上流側の高圧水素ガス供給部と下流側の充填タンク設備は、TSS 社保有の水素ディスペンサー の出荷検査用の試験設備を利用して実施した。
Fig.6.1 に概略の試験フロー図を示す。Fig.6.1 において、供給源としての水素ガスは、圧力約
13.5MPa(G)の低圧水素ガスカードルから水素圧縮機によって設備供給圧力である約 82〜83MPa(G)
まで昇圧される。圧縮された水素ガスは高圧水素蓄圧槽(240L×3基)に蓄えられる。
高圧水素蓄圧槽から供給された水素ガスは試験用ディスペンサーに供給され、水素ガスを膨張ター ビン高圧水素試験装置へ分配する。この膨張タービン高圧水素試験装置には、膨張タービン本体とア フタークーラーを組合せた膨張タービン基本ユニットを内蔵しており、実際に膨張タービンが回せる フローになっている。膨張タービン出口側に蓄冷器が設けられており、膨張タービンの出口温度が -40℃以下に下がった場合でも充填模擬タンク側への充填試験が可能なようになっている。高圧水素試 験設備の最下流側には、FCV 車載の水素タンクを模擬した充填模擬タンク(36L×3 基)が接続されて おり、この模擬充填タンクへの水素充填を行う試験が可能なようになっている。
また、膨張タービンの出口側には大気放出用の回路も設けられており、放散搭から大気放出来るよ うになっている。また、Fig.6.1中に主要な圧力、温度、流量の計測点を示す。本試験装置は、高圧水 素(82MPa(G))での運用となるため、現時点では、膨張タービンの回転計、振動計、微小変位計の計測 は、構造上設置することが出来ない。
膨張タービン高圧水素試験装置の外形図面をFig.6.2に、試験状態の外観写真をFig.6.3に示す。膨 張タービンのアフタークーラーの冷却水は単独の空冷チラーから供給している。高圧対応のケーシン グに収めた膨張タービン部分の外観写真をFig.6.4に示す。
これらは、実証試験のために接手類(コーン&スレッド)を多用し非常に複雑な配管構成となって いるが、最終実機では可能な個所はすべて溶接構造とし単純化をはかる予定である。
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Fig.6.1 膨張タービン高圧水素試験設備(PI:圧力計、TI:温度計、FI:流量計)
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Fig.6.2 膨張タービン高圧水素試験装置の外形図
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Fig.6.3 膨張タービン高圧試験装置 外観
Fig.6.4 高圧水素用耐圧ケーシング 外観