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第 11 回締約国会合( CMP11 )における京メカに関連する論点をめぐる議論

ドキュメント内 第1章 2010年度のCDM運営動向 (ページ 30-87)

第 1 章 CDM 事業審議に関する調査・分析、課題の抽出、今後の在り方についての検討

7. 第 11 回締約国会合( CMP11 )における京メカに関連する論点をめぐる議論

(1). 京都メカニズムに関連する議題

2015年12月にフランスのパリで開催された京都議定書の第11回締約国会合(CMP11) において京都メカニズムに関して、幾つかの論点が議論された。交渉された論点は以下の 通りである。

○CMPにおける議題

議題4 :クリーン開発メカニズム(CDM)に関する事項 議題5 :共同実施(JI)に関する事項

○実施に関する補助機関(SBI)における議題

議題5(a) :CDMのモダリティと手続きのレビュー 議題5(b) :JIガイドラインのレビュー

議題5(c) :JI排出削減ユニットの継続的発行,移行,獲得の迅速化のためのモダリティ

○科学上及び技術上の助言に関する補助機関(SBSTA)

議題11(a) 京都議定書第5,7及び8条関係を含む京都議定書の方法論に関する決定2~ 5/CMP.7の実施の影響

議題11(b) 第2約束期間におけるQELRCを持たない付属書Ⅰ国のアカウンティング・報 告・レビュー

議題11(c) 京都議定書のドーハ修正におけるセクションGの中の文書の明確化

(2). 交渉の経緯・結果概要

①CMPにおける議題

CMPにおける議題4、議題5については第1週後半から協議が開始され、第2週前半 に集中的に交渉された。今回のCMPにおいては、例年とは異なり、各国とも交渉におい て、柔軟な姿勢で協議に臨む場面が目立った。各国の主張は、これまでの CMPの主張と 大きな違いはなく、環境十全性を重視する立場をとる EUやAOSISと、プロジェクトの 開発促進や既存のCDMの維持を狙う途上国の間の対立は見られ、協議には相応の時間を 費やしたものの、各国とも自国の主張に固執せず、合意が優先される傾向が見られた。こ れは、各国とも、並行して実施されているパリ協定に関する協議を優先し、そのための時 間を確保するために、その他の議題については合意を急いだためである。幾つかの文言に ついて、協議に時間を要したが、文言の修正などを経て、最終的な合意文書にのこされる ことが多かった。

今回のCMPで採択された決定文書において特徴的であったのは、京都議定書の目標達 成以外の CDMの用途を検討することやGCFを念頭においた気候ファイナンスの活用に

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ついて可能性を探ることなどが、CMP 決定文書の中で記述されたことである。低迷する 市場動向、特に京都議定書の目標達成に向けた需要がほぼ払底してしった現状で、今後、

CDM の存続を図るためには、京都議定書の目標達成以外の需要の可能性を探ることにつ いて否定するこをが難しくなってきたと言えるだろう。

JIに関する協議においても、CDMと同様に合意を優先する交渉姿勢が見られた。また、

冒頭でJISC 委員長から、実質的にJISC は活動停止状況であるとの説明がなされ、現状 では、JIもCDMと同様な問題に直面していることが明らかになった。このような状況を 踏まえ、議論の中では、2020年以降の役割について検討することなどが協議された。これ も、従前からのJIの用途である京都議定書目標達成以外の、新たなJIの役割を探ろうと する動きの一つであると言えるだろう(詳細は第2章参照)。

②SBI及びSBSTAにおける議題

SBI の下での議題についても、CDMや JI に関するガイダンスと同様に、各国ともパ リ協定の交渉を優先する姿勢が見られた。これらの議題については第1週に交渉されたが、

今回のSBIにおいて合意が難しく、また決定文書を採択する必要性のない議題、特にSBI 議題5(a)、(b)については、一定の協議を経たうえで、継続協議とすることに早々に各 国とも合意した。また、SBI議題5(c)については、6月にボンで開催された補助機関会 合において合意された内容を踏まえ、協議の時間さえ設けられずに検討作業が終了したと する文書が作成された。

一方で、SBSTAにおける議題、京都議定書の第2約束期間の実施細則に関する協議は

難航した。第1約束期間とは異なり第2約束期間においては規制対象ガスが追加され、約 束期間の7年となり、さらに目標を持たない附属書B国も現れるなど、第1約束期間にお て適用されていた実施細則を、そのまま適用するのが難しく、実施細則の全般的な見直し が必要となっていたためである。細則の改正作業にあたっては、個々の細則について各国 の見解が異なり、合意を得るのに長い時間を要した。

最終的には合意が得られたものの、各国の見解が最後まで対立し、パリ協定以外では、

数少ない交渉が難航した議題の一つであった。結果としては、文書が無事に採択され、京 都議定書の第2約束期間の実施細則が明確されることになった。

(3). CDMに関する事項及びJIに関する事項の結果

①CDMに関する決定事項

今回のCMPにおいて合意された決定事項は以下の事項である。

PDDを提出せずに、方法論の改訂申請を認めること

また、PoAに関連する規則をまとめた文書の作成などの作業が求められるとともに、既

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に述べたように、京都議定書の目標達成以外のCDMの利用方法について検討すること、

そして GCF からの資金確保の可能性を探ることなどが招請された。その他、一般家庭を 対象としたプロジェクトのモニタリングにおけるデータギャップへの対応手続き、測定結 果の較正方法について地域毎の要件、セクターあるいは国で収集したデータの活用を検討 すること、標準化方法論の策定、登録申請手続きの電子化の促進などが求められている。

②JIに関する決定事項

今回のCMPにおいて合意された決定事項はないが、JIガイドラインのレビューによっ て修正されたガイドラインを実施に移すために求められる作業を検討すること、利害関係 者からの懸念が表明された場合の対応、登録後の変更に対する有効化審査など幾つかの論 点について検討作業を行うことをJISC に要請することを合意した。また、他の市場メカ ニズムとの連携を検討することがJISCに要請された(詳細は第2章参照)。

③5,7,8に関する決定事項

京都議定書第2約束期間におけるアカウンティング、レポーティングに関する細則が決 定された。この中には、第2約束期間に排出削減目標を設定していない附属書B国のレポ ーティングに関する規定も含まれている。例えば森林吸収源に関する情報や国別登録簿に 関する情報などについて、第2約束期間に排出削減目標を持たない場合でも報告が行われ ることになる。

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付録 2015 年度の CDM 理事会報告

第 83 回 CDM 理事会報告

第83回CDM理事会(EB83)が2015年4月13日から4月16日にドイツのボンで開 催された。

1.統治と管理

1.1 戦略的計画と方向性

 理事会は、ニューヨークで開催された国連気候サミットとClimate Change Weekにお ける利害関係者および政策担当者と理事会メンバーとの相互作用に関する報告を留意 した。

 理事会は、クレジットのオンラインプラットフォームにおける自主的取消しに関する 更新について留意した。この中で、第85回理事会にてプロトタイプの実施を計画して いること、2015年9月までに正式な立ち上げを目標とすることが報告された。また、事 務局に対して、COP21への政府高官の参加に際してカーボンフットプリント相殺に向 けた自主的取消しプラットフォームの使用を政府高官に要請する機会を探るよう奨励 した。

1.2 パフォーマンス管理

 理事会は、2015年の作業計画における変更事項に留意しつつ、計画の更新を確認した。

 理事会は、新たな領域でのCDM利用ポテンシャル促進ならびにCDMの地域分布の改善 に向け、「ナイロビフレームワークパートナーシップの2015年作業計画」に留意した。

理事会はまた、将来の作業計画と報告について、CDMの地域分布の促進のためのフレ ームワークの目的に限定して関連付けるべきであると要請した。ナイロビフレームワ ークパートナーシップ活動の結果と成果の報告において、これらの完成した活動概要 を含めるべきである。

1.3 理事会の業務を補助するための組織・機関

 理事会メンバーと代理メンバーの個々の温室効果ガスの相殺について可能なオプショ ンについて検討し、継続して審議していくことに同意した。

1.4 パネルとワーキンググループの施行

 下記3.1基準/ツールにおいて示した新規植林/再植林(A/R)CDMの様式と手続きの植 生回復プロジェクトの適用可能性について評価したコンセプトノートと、新規植林/再 植林(A/R)CDMプロジェクトにおける土地適格性の証明に関する費用対効果的な新 たなアプローチに関するコンセプトノートの審議結果を踏まえて、A/Rワーキンググル ープとの会合の開催に同意した。理事会はA/Rワーキンググループの議長および副議長 に対して会合日程の調整を要請した。

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