4. 内分泌活性物質に媒介される効果の同定および特徴づけのための試験方法の利用可能性
4.4. 哺乳類に対して利用可能な国際的に標準化された試験方法
OECDの改訂版CFリストには、レベル2にin vitroの(哺乳類および非哺乳類の)機構 的スクリーニング5種、レベル3にin vivoスクリーニング2種、レベル4にin vivo試験 11種、レベル5にin vivo試験2種が含まれている。CFの全リストは付録Cに示されてい る。
レベル2の機構的in vitroスクリーニングには、エストロゲン受容体(ER)、アンドロゲン
受容体(AR)、ステロイド産生(S)干渉に媒介されるモダリティに対する(OECDまたは米国 EPAによる)検証済みの試験法が含まれる。これらはER US EPA OPPTS 890.1250 (U.S.
EPA, 2011a)およびAR US EPA OPPTS 890.1150 (U.S. EPA, 2011b)結合試験、ERトラン ス活性化試験(OECD TG 455)、ステロイド産生試験(OECD TG 456)、アロマターゼUS EPA OPPTS 890.1200試験(U.S. EPA, 2011c)である。レベル2にはまたER作動物質および拮 抗物質試験(OECD TG 457)および甲状腺ホルモン媒介モダリティ(TR結合試験、ヨウ素吸 収、甲状腺ペルオキシダーゼ阻害、TH輸送タンパク質解離)の試験が含まれるが、これら に対しては検証済みの方法はまだ利用できない。ARトランス活性化試験も未検証であるが、
現在検証が進行中である。
レベル3のin vivoスクリーニング試験には検証済みの方法2種が含まれ、一方はエストロ
ゲン作動物質/拮抗物質に敏感であり(齧歯類の子宮肥大試験、OECD TG 440)、他方はア ンドロゲン作動物質/拮抗物質に敏感である(齧歯類のHershberger試験、OECD TG 441)。
レベル4のin vivo試験は本質的にはガイドラインによる哺乳類の毒性試験であって、内分
泌攪乱に敏感な最終エンドポイントを含むものである。中にはその他の内分泌系バイオマ ーカー(甲状腺ホルモン、性ステロイドホルモンのレベルなど)を含むものもある。レベ ル4の試験は次のとおりである。強化28日試験(OECD TG 407)、90日試験(OECD TG 408)、
単世代生殖毒性試験(OECD TG 415)、雄成熟期試験(US EPA OPPTS 890.1500, (U.S. EPA, 2011d))、雌成熟期試験(US EPA OPPTS 890.1450 (U.S. EPA, 2011e))、無傷雄成体内分泌 スクリーニング試験(ガイドラインなし)、出生前発達毒性試験(OECD TG 414)、慢性毒性 および発癌性試験(OECD TG 451-3)、強化生殖スクリーニング試験(OECD TG 421)、強化 28日/生殖複合スクリーニング試験(OECD TG 422)、発達神経毒性試験(OECD TG 426)。
これらの試験は主としてEATSモダリティの少なくとも1つに反応するが、その他のモダ リティ(コルチコステロイド軸、成長ホルモン軸、ビタミンD 信号伝達、レチノイド信号 伝達、膵臓系、PPAR経路(DRP 178 (OECD, 2012b)参照)、その他の内分泌腺または組織)
にも感度を持つことがある。たとえば反復曝露毒性試験(OECD TG 407, 408, 451-3)におい て、副腎の組織病理検査から、コルチコステロイド軸を含む内分泌系に関連するエンドポ イントについてのデータが得られ、あるいは生殖毒性試験(OECD TG 414, 415, 421, 422,
レベル5のin vivo試験には検証済みの生殖毒性試験2種、延長単世代試験(OECD TG 443)、
二世代試験(OECD TG 416)が含まれる。これらは内分泌系に関連する最終エンドポイント
(主にEATSモダリティに媒介されるが、その他コルチコステロイド軸、成長ホルモン軸、
ビタミンD 信号伝達、レチノイド信号伝達、PPAR経路、その他の内分泌腺または組織な どに関連するモダリティも含む)に関するより包括的なデータを、より長期間にわたって 提供するものであるが、一般に老齢期は対象外である。
表2にOECD改訂版CFのレベル3~5の哺乳類によるin vivo毒性スクリーニングおよび 試験法と、各種内分泌モダリティに対するそれらの応答性(既知または可能性のあるもの)
を示す。
性のあるもの)。各試験法に対してCFでのレベルを示す。レベル3は内分泌活性の同定に適し、レベル4, 5は危険性の同定と特徴づけに適する。M:機構的情報が 得られるスクリーニング、A:最終的な情報が得られるスクリーニング、P:応答性と考えられるが十分な評価に至っていない最終エンドポイント。
内分泌モダリティ/軸/経路 試験法
子宮肥大試験(OECD440)(レベル3) Hershberger試験(OECD 441)(レベル3) 強化28日試験(OECD407)(レベル4) 90日試験(OECD 408)(レベル4) 単世代試験(OECD 415)(レベル4) 雄成熟期試験(US EPAOPPTS 890.1500)(レベル4) 雌成熟期試験(US EPAOPPTS 890.1450)(レベル4) 無傷雄成体試験(TGなし)(レベル4) 出生前発達毒性試験(OECD 414)(レベル4) 慢性毒性・発癌性試験(OECD 451-3)(レベル4) 強化生殖スクリーニング試験(OECD 421)(レベル4) 強化28日/生殖スクリーニング複合試験(OECD422)(レベル4) 発達神経毒性試験(OECD 426)(レベル4) 延長単世代試験(OECD443)(レベル5) 二世代試験(OECD 416)(レベル5)
エストロゲン M A A A A A A A A A A A
抗エストロゲン M A A A A A A A A A A A
アンドロゲン M M A A A A A A A A A A A A
抗アンドロゲン M A A A A A A A A A A A A
甲状腺 M A A A A A A A A A A A A
抗甲状腺 M A A A A A A A A A A A A ステロイド産生 A A A A A A A A A A A A A
HPA/コルチコステロイド軸 P P P P P P P P P P
成長ホルモン軸 P P P P P P P P P P
ビタミンD信号伝達 P P P P P P P P P P
レチノイド信号伝達 P P P P P P P P P P
PPAR経路 P P P P P P P P P P
OECD, 2012bに含まれない その他の可能性ある内分泌 モダリティ
P P P P P P P P P P