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和漢薬研究所

ドキュメント内 一般教育等(翌朝吉野臨精工れ) (ページ 63-70)

第4節 和漢薬研究所

資源開発

中 国 医学 を は じ め と す る 世界各地 の伝統医学 や 民 間 伝 承 医 療 で使 用 さ れ る 薬物 の 基源 の 究 明 、 真偽鑑別、 活性成分 の解明 及 び そ れ ら の 総 合 的判 断 に よ る 品質評価法の確立 な ら び に天 然 薬物か ら の 新薬 の 開発 な ど を 主要研究 目 的 と し て い る 。 こ れ ら に 関連 し て 、 各種生薬 の 組織形 態学的研究、 本草学的考察、 成分化学 的研究、

薬効発現機構の 解明 、 薬理学的研究、 さ ら に 新 薬物資 源 開 発 と 諸民族 の 薬物 文 化 保存 の 目 的 で、 各地 の伝統医学の 比較研究、 諸外国 に お け る 民族薬物の調査な ど を 行 っ て い る 。

1 . 和漢薬 の 生薬学的研究

和漢薬 は 長 い 歴史 を も っ 広大 な 中 国 で育 ま れ た も の で あ る の で、 異 物 同名 、 同物異 名 の薬物 が多 い 。 そ のた め 基源 の 究明 、 真偽 の鑑別 な ど を 目 的 と し て 、 市場調査、 本草学的考察、 植物 学的研究及 び比較組織学 的研究 を 中 国 の 中 国薬 科 大学、 北京医科 大学薬学院 と 共 同 で行 っ て い

る 。

2 . 伝統薬物 の 品質評価 に 関す る 研究

伝統薬物 な ど の 品質や 生薬製剤 の 品質 な ど を 客観的 に 評価す るた め 、 主 と し て 形態 的比較研 究、 主要成分、 有効成分な ど の 定性 ・ 定量法の 確立 を 目 的 と した 研究 を 行 っ て い る 。

3 . 伝統薬物 の 薬効発現 に 関す る 研究

伝統薬物 は 一般 に 経 口 投与 さ れ る も の で あ る か ら 、 そ の 成分 は 必ず腸 内細菌叢の洗礼 を 受 け る 。 こ れ ら 成分 の ヒ ト 腸 内細菌叢 に よ る 代謝及 び代謝物 の 活性化等 を 薬学部衛生学研究室及び 細胞資源工 学部門 と 共 同 で研究 し て い る 。

4 . 伝統薬物 に よ る 抗 ウ イ ル ス 活性 に 関す る 研

プùh舟巧

生理活性成分の検索 の 一環 と し て 、 医学部 ウ イ ル ス 学講座 と 共 同 で伝統薬物 に よ る 抗 ウ イ ル ス 薬 の 開発 を 行 い 、 既 に 数種の 生薬 に 有効性 を 見出 し て い る 。

5 . 伝統薬物 に よ る 抗糖尿病薬 の 開発 に 関 す る

研究

医学部第一内科 講座 の 協力 を 得 て 民 間薬 を は じ め と す る 民族薬物か ら 血糖降下作用物質 の 探 索 を行 い 、 数種 の 生薬か ら 有効成分 を 単離 し て い る 。

6 . 伝統薬物 に よ る 癌転移抑 制作用 及 び肝機能 障害抑 制作用 の研究

病態生化学部門 と 共 同 で、 和漢薬 を は じ め と す る 伝統薬物 の 癌転移抑 制 作 用 を 検討 し て い る 。 また 、 実験的肝機能障害動物モ デル を 用 い て 、 和 漢薬 に よ る抑 制 作用 を ス ク リ ー ニ ン グ し 、 作用物 質 の 単離 を 行 っ て い る 。

7 . 民族薬物 の 新資源 開発 に 関す る 研究 現在 ま で に 東南ア ジ ア 、 ネ パ ー ル、 イ ン ド 、 ス リ ラ ン カ 、 ア フ リ カ 地 区 な ど の 民族薬物 の 調 査 を 行 い 、 薬物資源の研究 開発 と と も に 、 使用 民族 の文化 と の 比較研究 を 行 っ て い る 。

8 . 伝統薬物 に よ る レ ト ロ ウ イ ル ス 酵素阻害作 用 の研究

レ ト ロ ウ イ ル ス 感染 に 不可欠 で あ る 逆 転写酵 素 を阻害す る 生薬成分の検討 を 行 い 、 細胞資源 工 学部門 と 共 同 でエ イ ズ 治療薬 の 開発 を 目 指 し

て い る 。

9 . 心臓保護作用 を 有 す る 和漢薬 の 開発 に 関す る 研究

培養心筋細胞 を 用 い て 、 心臓保護作用 を 有 す る天 然薬物 の検索及 び抗癌剤 な ど に よ る 心毒 性 を 軽減 す る 和漢薬 の 開発 を 行 っ て い る 。 10. 薬用入浴 剤 の研究

薬湯 料 の 研究 の 一環 と し て 、 和漢薬成分 の 経 皮 吸収 を検討 し て い る 。

1 1 . 伝統薬物 に よ る踊蝕予防 に 関す る 研究 伝 統 薬 物 成 分 の踊 蝕 原 性 菌Str,ゆtococcus mutans に 対 す る 抗菌作用 、 平滑面付着阻止作 用 を 検 索 し 、 漢 薬 厚朴 の magnolol, honokiol に 強 い 活性 を 見 出 した 。 (難波 恒雄)

156 第 3 章 講座等の沿革

生 物 試 験

昭和38 年4 月 、 富 山大学薬学部 に 和漢薬研究 施設が設置 さ れ、 生物試験部 門 は 本研究施設 に お ける 第 2 番 目 の 部門 と し て 、 昭和39年 4 月 に 開設 さ れた 。 以来、 富 山 大学 附属研究所へ の 昇 格、 富 山 医 科薬 科大学 へ の 移 管、 新研究棟 へ の 移転等 を 経 て 今 日 に 至っ て い る 。 昭 和 5 3 年 6 月 、 本 学 移 管当 時 の ス タ ッ プは 、 渡 辺 和 夫 教 授、 渡辺 裕 司 助教授、 後藤義明助手 で あ り 、 そ の 後 昭 和 54 年 10 月 、 萩原 昌樹技 官 ( 本 部 門よ り ) が 任用 さ れた 。 昭和田 年 3 月 、 渡辺教授 は 千葉大 ・ 薬学部へ、 後藤助手 は 徳島文理大 ・ 助 教授 と し て そ れ ぞ れ転 出 し た 。 昭和59年 5 月 、 広 島 大 ・ 医学部 よ り 野村靖幸博士 が第三代教授

と し て 着任し た 。 昭和60年 4 月 、 金子周 司博士 が助手 と し て 着任 (京 大 ・ 薬学部 よ り ) 、 同 年 5 月 、 萩原技 官は 富 士薬 品 工業 側に 転 出 し た 。 昭和61年 4 月 、 小西理佐技 官 ( 学 内 よ り ) が 任 用 さ れ た 。 昭和62年 7 月 、 野村教授が北大 ・ 薬 学部へ転 出 し た 後、 昭和62年12月 、 渡辺 裕 司助 教授が教授 に 昇任し た 。 昭和63年 5 月 、 金子助 手が京大 ・ 薬学部 に 転 出後、 同 年 6 月 に 松本 欣 三講師 (東大 ・ 薬学部 よ り ) が、 同 年 1 0 月 に 太 田 浩之助手 (東大 ・ 薬学部 よ り ) が 着任し た 。 平成 3 年 1 月 、 今村 ( 旧姓小西) 技 官が本学薬 学部助手 と し て 転 任、 平成 4 年 1 0 月 、 松本 欣三 講師が助教授 に 昇任し た 。 平成 4 年 4 月 、 村上 孝寿技 官 ( 学 内 よ り ) が 任用 さ れ、 平成 5 年 9 月 、 太田 浩之助手が武 田 薬 品 工業 株 )へ転 出後、

同年10 月 、 東 田 道久博士 (北大 ・ 薬学部 よ り ) が助手 と し て 着任し た 。

本部 門で は一貫 し て 、 和漢薬 の 新 し い薬効評 価法 の 確立、 薬効の 実験薬理学的手法 に よ る 定 量的評価、 分子 レベル で の 薬理作用 機序の解明 と 作用 本体 の 追求 に 関 す る 研究 を 行 っ て い る 。 渡辺和夫教授 らは 消化性潰 蕩の モデル動物 を 用 い て 黄連、 人参、 延 胡索ア ル カ ロ イ ドな ど の 抗 潰 虜作 用 を 明 らか に し た 。 ま た 中 枢 性 ペプ チ ド、 ア ミ ン 、 ア ミ ノ酸 に よ る 胃 酸分 泌制御機構 と そ れ に 及 ぼ す 和 漢 薬 の 作 用 を 見出 し た 。 ま た 、 パ ー キ ン ソ ン病治療 に 用 い られ る 厚 朴の 有

効 成 分 が magno lo lで あ る こ と な ど を 解 明 し た 。 野村教授 らは脳 シ ナ プ ス 膜 レセ プ タ ー ・ エ フ ェ ク タ ー 系制御機構及 び情報伝達 因子 の 分子 的性質 と 細胞 内動態等 を 解 明 す る 研究 を 進展 さ せ た 。 ま た 社仲葉水 抽出画分が降圧作用 及 び 中 枢 抑制作用 を 示 す こ と を 見出 し 、 ア デニ ル酸 シ ク ラ ー ゼ、抑制 が 関 与 す る 可能 性 を 明 らか にし た 。 現在、 渡辺 裕 司教授、 松本 欣三助教授、 東 田 道久 助 手 、 村上 孝 寿 技 官の ス タ ッ フ で活動 し 、 以 下の 研究課題で、着実 に 成果 を 挙 げ つ つ あ る 。

1 . 和漢薬 の 新 し い 薬効評価法 の 確立及 び そ れ を 用 い た 和 漢 薬 作 用の 定 量的評価 の 一 環 と し て 、 ( 1 )両側総 頚動脈永久結 紫ラ ッ ト の 学 習行動 に 対 す る 和漢薬 の作用、 (2) ラ ッ ト の 学 習行動 障 害 に 対す る 四物 湯、 可薬及 び そ の 成 分 の 改善作 用 、 (3)加齢 ラ ッ ト の 学 習行動 に 対 す る 薬用 人参 の作用 を検討 し 、 老人性 痴呆に 有効 な 和漢薬の 開発研究 を 進 め て い る 。

2 . 和漢薬研究 を 発展 さ せ る た め の 基礎研究 と し て 、 中枢神経作用薬 の 神経薬理学的研究 を行 い 、 ( 1)長期 隔離飼育 マ ウ ス の 攻撃行動 に お ける 中枢 ノル ア ドレナ リ ン神経系 の 関与、 (2)脳血管 性学 習障害 モデル動物 の 確立 に 関 す る 研究 、 (3) ラ ッ ト 線条体か らの ア セ チ ル コ リ ン 遊離 に 対す る 薬物作用 の研究、 (4)抗 う つ 薬 の セ ロ ト ニ ン 受 容体遺伝子発現 に 対す る 作用 の研究 に 取 り 組ん で い る 。

3 . 薬 用 植物 に 関 す る 諸 外 国 研 究 機 関 と 共 同 で、 ( 1 ) タ イ 薬用植物 の 薬理作用 の 研究、 (2) ベト ナ ム 薬 用 人 参 の 心理 的 ス ト レス に 対 す る 作用 、 (3)エ ジ プ ト 薬用植物の 薬理作用 の 研究 を 行 っ て

い る 。

臨床利用

本部門 は 、 和漢薬研究所 が富山大学か ら 本学 附置研究所へ と移 管 さ れた 昭和53年 6 月 に 本学 に お け る 活動 を ス タ ー ト さ せ た 。 当 初 の ス タッ プ は 、 教授大浦彦吉、 助教授 日 合奨、 助手横津 隆 子 と 長津哲郎 で あ っ た 。 平成 3 年 3 月 に 大浦 が定年退官、 同 4 月 に 横津が細胞資源工学部門 助 教授 に 昇任 ・ 配置換 と な っ た 。 平成 4 年 2 月 に は 、 化学応用部門 か ら 金岡又雄が教授 に 昇任

・ 配置換 と な り 、 同 3 月 に 定年退官 し た 。 平成 4 年 7 月 に 後任教授 と し て 京都大 学薬学部か ら 倉石泰が着任 し 、 平成 5 年 5 月 に は病態生化学 部門の林和子が本部 門 に 配置換 と な っ た 。 平成 7 年 2 月 現在 のス タ ッ プ は 、 教授倉石泰、 助教 授 日 合奨、 助手長津哲郎、 技官林和子の 4 名 で あ る 。 日 合奨 は平 成 7 年 3 月 に 定年 を 迎 え た 。

昭和53年度 か ら 平成 3 年度 ま で は 、 和漢薬 の 薬効 の解明 に 生化学的手法 を 用 い て 取 り 組ん で き た 。 特 に 、 薬用人参、 大黄 、 丹 参 な ど の 生薬 と そ の 成分 の 生化学 的研究及 び腎不全 に対す る 前記生薬や温牌湯 な ど の 漢方方剤の作用、 さ ら に 、 甘草、 柴胡 、 人参の サ ポ ニ ン の 作用機序 に 関す る 研究 を 展 開 し て き た 。 ま た 、 基礎研究 と し て 慢 性腎不全モ デル動物の作製 に も 取 り 組 ん で き た 。 こ れ ら の研究 テ ー マ の 一部 は 、 横津が 細胞資源工学部門 に お い て 発展 さ せ て い る 。 こ の 問、 大浦 は 、 第 4 田和漢医 薬学会大会 (昭和 62年 8 月 ) を 主催 し た 。 ま た 、 毎年文部省 の 援 助 を 得 て 開 催 し て い る 和漢薬研究所特別 セ ミ ナ ー の 第1 1回 (平成 3 年 3 月 ) は 、 大浦が世話 人 と し て 、 腎疾患 と 和漢薬 の テ ー マ で行 っ た 。

平成 4 年度 か ら は 、 倉石 の 着任 に 伴 い 、 研究 テ ー マ と 研究 の 手法 を ほ ぼ一新 し た 。 現在 は 、 痛 み に対す る 和漢薬 の 薬理作用 の解明 と 、 庫 み

に 有効 な薬物 を 和漢薬 の 中 に 探 る こ と を 主 な 目 的 と し て 研究 を 進 め て い る 。 漢方方剤 に は鎮 痛 薬 の 分類 は な い が、 疹 痛性疾患 に 使用 さ れ る 漢 方方剤 は40種類以上存在す る 。 疹 痛性疾患 に 用 い る 場合 に は 、 漢方方剤が急性 の鎮 痛作用 を 有 す る こ と は都合が よ い 。 そ こ で、 疹 痛性疾患 に 使用 さ れ る 漢方方剤 の 中 で鎮 痛作用 を 有す る も

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の を 調べ、 そ の作用機序 を 明 ら か に す る 研究 を 進 め て い る 。 一例 と し て 、 桂差薬草黄辛附湯 の 鎮 痛作用 に 、 内在性痛覚抑 制系 と し て 機能 し て い る 下行性セ ロ ト ニ ン神経系 が重要 な 役割 を 果 た し て い る こ と を 明 ら か に し つ つ あ る 。 和漢薬 以外 に も 、 カ ル シ ト ニ ン な ど動物 の 実験で鎮 痛 作用 の 証明 が困難で あ っ た 薬物 の鎮 痛作用機序 の解明 や 、 鎮 痛作用 の研究 に有用 な 慢 性痛 あ る い は 痛覚過敏の 動物モ デル の 開発 と そ の 発症 の 中枢 性機序の解明 に 薬理学や 分子生物学的手法 を 用 い て 取 り 組ん で い る 。 第14 田和漢薬研究所 特別 セ ミ ナ ー (平成 6 年 3 月 ) は 、 倉石 が世話 人 と な り 、 和漢薬研究所 に お け る 痛 み に 対す る 和漢薬 の 薬理作用 の本格的研究 の ス タ ー ト の 意 味 を 込 め て 、 痛 み と 和漢薬の テ ー マ でト行 っ た 。

庫 み に 関 し て は 、 そ の 発症機序 に 不 明 の点、 が 多 く 、 皮 膚 に お け る倖 み の 古 典的 メ デ ィ エ ー タ ー で あ る ヒ ス タ ミ ン の 臨床上問題 と な る ア ト ピ ー性皮膚炎や慢 性腎不全 な ど の俸 み へ の 役割 が疑わ れて き て い る 。 新た な抗掻庫 薬 の 開発 に は 有用 な 動物モ デルが必要 で あ る が、 現在 そ れ も 皆無 の 状態 で あ る 。 そ こ で ま ず、 俸 み の 動物 モ デル の 開発 に 着手 し た 。 ヒ ト に倖 み を 生 じ る サ ブ ス タ ン ス P 、 コ ン パ ウ ン ド 48/ 80、 セ ロ ト ニ ン が マ ウ ス に掻痔 行動 を惹起 す る こ と を 明 ら か に し た が、 ヒ ス タ ミ ン は 少 な く と も マ ウ ス で は掻序 行動 を惹起 し な い 。 現在、 サ ブ ス タ ン ス P や セ ロ ト ニ ン以外の 内 因性起痔 物質 の検索、

サ プ ス タ ン ス P 、 セ ロ ト ニ ン な ど の掻痔惹起 作 用 の メ カ ニ ズ ム の 解明 と 共 に 、 ア ト ピ ー性皮膚 炎 や 慢 性腎不全 な ど の掻痔 性疾患 に 対応 し た 動 物モ デル の 作製 に も 取 り組ん で、 い る 。 こ れ ら を 抗掻痔 薬 の ス ク リ ー ニ ン グ法 に 応用 し て 、 和漢 薬 と そ の成分の 中 に 新た な抗掻犀 薬 を探 し て い

き た い と 考 え て い る 。

昭和53年度 か ら 平成 6 年度 ま で の 問、 本部門 の 在籍者 は 、 学部学生21名、 大学院学生修士課 程10名、 博士課程 3 名 、 研究生及び研究員 20名 を 数 え る 。 現在、 ス タ ッ プ 、 学生、 研究員 が一 丸 と な っ て 痛 み倖 み の研究 に 取 り 組 ん で い る 。

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