筆者も申請してみましたが、意外と簡単に取得で きました。
その内容は、以下の通りです。
❶ 不動産譲渡益に対する課税強化。外国人に対し
て5
年以内30%
、それ以降5%
❷
外国人が購入できる住宅価格を1Million RM
(約3,100万円)以上に設定
❸
不動産業者に対する情報開示義務。価格、印紙 税の有無など❹
完成前の物件に対する「開発業者金利負担スキー ム」の廃止、金融機関に対してもこのスキーム に対する融資を禁止❺
集合住宅開発計画に対して、低価格帯20%
、中 価格帯20%
を含むことを義務付ける。このコストは、高価格帯の物件を購入する人、
または開発業者に転嫁される
高級コンドミニアムを開発し、外国人に売却する スキームが破綻することになり、特に
JB
で高級コ ンドミニアムの売れ行きに大きな影響が出ていま す。開発プロジェクトの発注が遅れる、停滞するこ順位 国名 取得者数
1位 中国 3,262名
2位 バングラディッシュ 2,370名
3位 日本 2,083名
4位 英国 1,879名
5位 イラン 1,202名
6位 シンガポール 847名
7位 台湾 765名
8位 パキスタン 761名
9位 インド 669名
10位 韓国 663名
11位 その他 4,659名
合計 19,160名
表3|MM2Hプログラム国別累計(2002〜2012年7月)
特集
シンガポール
山下 一志
[五洋建設(株)シンガポール営業所長]/シンガポール支部1.
経済概況2013
年のシンガポールの実質GDP
成長率は3.7%
で、前年の1.3%
から回復傾向を示した。こ れは、政府予測通りの成長(3.5%〜4.0%)を果たして きたものであり経済が堅調に伸びてきたことを示 す。その中でも、製造業が前年比0.8%
の微増に留 まる中、建設分野が前年比で5.5%
増と金融サービ ス分野の5.1%
増と共に成長の牽引役を果たしてき た構図となっている(表1)。四半期ベースでの成長率は、
2013
年第3
四半期 で前年比5.9%
増と回復傾向を示していたものの、第
4
四半期では前年比4.4%
増と、経済成長は減速 したかたちとなった。これは、回復傾向にあると考 えられていた製造業が失速したためであり、第4
四 半期、製造業は前年比3.5%
増に留まった。2014
年のシンガポール経済だが、米国、欧州経 済の回復基調を受け、シンガポール政府は緩やかに 成長していくものという見方を示しており、2014
年の成長率を2013
年と同程度の2
〜4
%と予測して いる。2.
建設市場の動向2014
年1
月9
日、Building Construction Authority
(BCA/建築建設局)は、建設需要(埋立工事除く)を次の通り発表した。
2014
年の建設需要を310
億 シンガポールドル(星ドル)から381
億星ドル(約2.5兆円から約3兆円)と推計し、
2013
年の358
億星ドル(約2.8兆円)を超えるケースも想定している。
内訳を見てみると、民間工事が
120
億星ドルから161
億星ドル(約1兆円弱から1.3兆円)の幅で予測され ており、前年比で20%
から40%
の落ち込みとなる 見込みである(2013年の民間分野の建設需要速報値210億星 ドル(約1.7兆円))。一方、地下鉄延伸工事、道路整備工事をはじめ とするインフラ整備工事は、
190
億星ドルから220
億星ドル(約1.5兆円から約1.7兆円)の予測幅が示され、全体の
57%
以上を占めるに至っている。2013
年の148
億星ドル(1.2兆円)と比較しても、約25%
から40%
の伸びを示しており、民間工事が減速傾向に ある中、建設需要を強力に下支えする役割を担って いることが分かる(表2)。2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年
1Q 2Q 3Q 4Q * 通年*
名目GDP(10億シンガポールドル) 269 274 315 334 345 − − − − 361
名目GDP(1兆円) 21.52 21.92 25.20 26.72 27.60 28.88
前年比(%)
全体 1.7 -1.0 14.8 4.9 1.3 0.3 4.3 5.9 4.4 3.7 製造業 -4.2 -4.2 29.7 7.6 0.1 -6.3 0.8 5.3 3.5 0.8 建設 20.1 17.1 3.9 2.6 8.2 5.5 6.3 5.8 4.7 5.5 サービス 4.6 -1.0 11.1 4.4 1.2 2.7 5.9 6.5 5.5 5.1 表1|シンガポールの名目GDP/成長率の推移
*は速報値
※名目GDP/1シンガポールドル=80円換算 出典:通産省(MTI)/IMF資料より作成
3.
国土開発計画(マスタープラン)シンガポールでは、「コンセプトプラン(Concept Plan)」という
40
年〜50
年先を戦略的に見据えた 長期計画を策定する仕組みになっており、10
年 ごとに改定されている(最新のものは、コンセプトプラン 2011)。これは、シンガポールにおける土地資源の 戦略的利用計画および交通計画を統合した総合プラ ンであり、その目標は、予期される人口成長・経済 成長に必要な土地を確保し、優良な生活環境を創造 することを目標としている。そのコンセプトプラン に書かれている長期戦略を具体的かつ詳細的に策定 した実践計画が「マスタープラン(Master Plan)」とし て位置付けられ、向こう10
年〜15
年の期間をターゲットに詳述の上、
5
年ごとに改定されている。こ のマスタープランは、シンガポールの国土開発を導 く最も重要な指針とされており、マスタープランで 提案される開発計画の多くが政府もしくは民間部門 によってこれまで実現されてきた。昨年末、都市再 開発庁(URA)により新たな「マスタープラン2013
」 が発表された。この「マスタープラン2013
」は、6
つの柱からなり、「良質かつ多様性のある住環境の 提供」、「職場を住宅の近くに分散」、「緑あふれる空 間の提案」、「シンガポール人のアイデンティティ向 上」、「公共交通との高い接続性の実現」、「活気あふ れる公共空間の創造」が主な柱となってその具体 案が詳述されている。今回、大規模な開発計画が出典:BCA(建築建設局)/MTI(通産省)公表資料より作成
2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 P 2014年 F
土木 Civil Engineering(百万星$) 7,933 9,020 3,020 6,740 4,810 6,750 10,300
建築 Building(百万星$) 26,686 13,510 24,550 28,750 25,950 29,110 27,800
建設 Total(合計)(百万星$) 34,619 22,530 27,570 35,490 30,760 35,860 38,100
建設需要(円換算)@80円単位(10億円) 2,770 1,802 2,206 2,839 2,461 2,869 3,048 名目GDP(10億星ドル) 269 274 315 334 345 361 378
名目GDP(兆円) 21.52 21.92 25.20 26.72 27.60 28.88 30.24
(建設需要/GDP)×100(%) 12.87 8.22 8.75 10.63 8.92 9.93 10.08
全体〈All Sectors〉 (単位:百万シンガポールドル)
P:速報/F:見通し(上限値)
2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 P 2013年 P 2014年 F
土木 Civil Engineering(百万星$) 727 790 830 610 2,690 1,420 1,000
建築 Building(百万星$) 19,349 7,840 18,190 19,610 18,550 19,590 15,100
建設 Total(合計)(百万星$) 20,076 8,630 19,020 20,220 21,240 21,010 16,100
建設需要(円換算)@80円単位(10億円) 1,606 690 1,522 1,618 1,699 1,681 1,288
民間〈Private Sector〉 (単位:百万シンガポールドル)
2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 P 2013年 P 2014年 F
土木 Civil Engineering(百万星$) 7,206 8,230 2,190 6,130 2,120 5,330 9,300
建築 Building(百万星$) 7,337 5,670 6,360 9,140 7,400 9,520 12,700
建設 Total(合計)(百万星$) 14,543 13,900 8,550 15,270 9,520 14,850 22,000
建設需要(円換算)@80円単位(10億円) 1,163 1,112 684 1,222 762 1,188 1,760
官庁〈Public Sector〉 (単位:百万シンガポールドル)
表2|シンガポールの建設需要の推移
ある「ハブ化」の代表格として、ここでは「空港の ハブ化」を取り上げる。昨年、チャンギ国際空港の 第
5
ターミナル新設計画が発表され、2020
年代に は供用開始の予定である(図2)。それに伴い、
3
本目の滑走路の供用も2020
年頃 には始まり、第5
ターミナル周辺には「ハブ化」実 現に欠かすことができない物流施設群の新設も計画 には盛り込まれている。また、既存のターミナルと の接続や空港全体の効率的な利用促進のためのイ ンフラ整備(道路、鉄道、バスなどの輸送手段含む)を行う ことも合わせて公表されている。3
つのターミナル と2
本の滑走路を利用している現在の旅客数は、年 間6,600
万人の利用が可能だが、4
つのターミナル と3
本の滑走路の供用が始まる2020
年代前半には、年間
8,500
万人、第5
ターミナルの供用を開始する2020
年代中頃には、年間13,500
万人の利用が可能 となる世界有数のメガエアポートへと変貌を遂げる。また、シンガポール政府は、
2030
年に人口を現 在の530
万人から1.3
倍の690
万人へと増やす計画 を打ち出しており、それに対応するためのインフラ 整備だけでなく、住宅建設についても力を入れてい る。一方、日本同様、急速な高齢化に対応すべく、各地域の中核を担う総合病院の建設、医療ハブを目 指した高度医療施設の整備などにも注力していく方 針を打ち出している。
今後も、政府の示した建設統計から判断して、
2014
年だけでなく、中長期的に見ても、シンガポー ルでは引き続き安定的に大型工事が出件される見通 しである。厳しい競争は避けられないものの、日系 建設企業各社の得意とする技術力を発揮してシンガ ポールの成長力を各社も同時に取り込んで成長して いくチャンスであり、2014
年がその足掛かりとな ることを期待する。いくつか盛り込まれたが、その中でも大規模な再 開発として特筆される計画が、「
Greater Southern Waterfront
(南部湾岸開発計画)」である。2027
年に用 地借地権の期限が到来するタンジョンパーガー、ブ ラニ、ケッペルにあるコンテナターミナルとパシル パンジャンコンテナターミナルとを西部のチュアス 地区に移設し、約1,000
ヘクタールにおよぶ跡地を 再開発するというものであり、現在6
件の開発計画(案)からの絞り込みが進められている(図1)。
図1|南部再開発計画 第5案
出典:都市再開発庁(URA)ウェブ
4.
その他のインフラ整備計画/
開発計画前述のマスタープランに沿って、地下鉄延伸計画、
高速道路の延伸
/
地下化計画、港湾整備計画、空港 整備計画など多数のインフラ整備計画が策定され、実施に向けた動きが加速してきている。その中でも、
シンガポール経済の成長を支えているキーワードで
図2|チャンギ空港整備計画
出典:Changi 2036 Steering Committeeプレスリリース資料
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