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ブラジル経済の推移

ドキュメント内 2& (ページ 69-76)

1

2013

回顧

2002

年から

2012

年までの

10

年間、年平均約

3.5

%で成長してきたブラジル経済も、

2013

年下半 期に入ると減速傾向、ないしは成長が止まってし まっているとの報道が多く見られるようになった。

日本でもニュースで取り上げられたようだが、昨 年

2013

6

月のサッカーコンフェデレーションズ カップ開催期間中に、各地で抗議デモが発生してし まった。デモの発端は各地の地下鉄、バス料金を 値上げすることへの抗議(サンパウロでは3レアルから3.2 レアル=1レアル45円換算で135円から144円)であったが、

その後は教育・医療福祉の充実、汚職腐敗の防止、

挙げ句の果てには公共交通の無料化、同性愛者の権 利向上など、この国らしく自由な?ことを叫びな がら全国にデモが拡大していった。

2014

年の

FIFA

サッカーワールドカップ開催中止を掲げるデモも多 くあったところを見ると、ブラジル人でもサッカー の嫌いな人もいるようである。

ジウマ・ルセフ現大統領は、絶大な人気があった ルーラ前大統領の後継者として人気を引き継ぎ、デ モ以前までは

60

%程度の高い支持率があったのだ

が、このデモを境にして支持率は

30

%程度まで急 落してしまった。デモの発端となった公共交通料金 の値上げは政府要請もあり、結局中止されることに なったのだがそれでもデモは収束せず、大統領は ちょうどこの時期に予定されていた日本への公式訪 問を、デモ鎮静化のため急遽キャンセルすることに なってしまった。

このデモの後の

2013

7

月〜

9

月期の経済成長 率はマイナス成長(−0.5%)となり、ブラジル経済の 成長が国内外から疑問符を付けられるようになって しまった。現在、

2001

年以来の国債デフォルトが 懸念されている隣国アルゼンチンに比較すると、そ れほど悲観する経済状態ではないのだが、昨年のブ ラジルは低空飛行を続けることとなった。

リオデジネイロでの抗議デモ

2

2014

動向

今年は全世界が注目する

FIFA

サッカーワールド カップが

6

月から約

1

カ月間、国内の

12

都市で開催 される。政府は既に代表チームの試合のある日は国 民の休日にすることを定めていて、ブラジルのセレ ソン(代表チーム)の成績次第でもあるが、この

1

カ月 間はブラジル人の仕事が手に付かず、経済は少し停

首都ブラジリアでの抗議デモ

滞しそうである。もちろんサッカーに興味のない人 間もいるので、旅行会社はそういった人をターゲッ トに海外、国内旅行のパッケージを多く販売し始め ている。

また年末には大統領選挙が予定されており、こち らは現政権のジウマ・ルセフ大統領の

2

期目となる 再選が予想されているが、昨年落とした支持率の回 復が遅れており、おそらくバラ撒き的な政策を打っ てくると予想され、このこと自体は短期的な経済成 長を生み出すことになるであろう。

しかし、この国においては長らく言われ続けてい る「ブラジルコスト」というものが存在しているた め、外資の呼び込みや国内の生産活動に支障をきた しており、この解消を図らなければ近い将来、経済 は行き詰まることになるであろう。では、ブラジル コストとはいったいどのようなものであるか、少し 説明させていただきたい。

税金システム

労務問題

物流

金融コスト

主な

4

点を挙げてみた。

の税金システムについ ては、国税、州税、市税合わせて

50

種類以上ある 複雑で頻繁に変更されるもので、企業はそれに対応 するために他国に比較するとより多くの時間を費や す必要がある(世界銀行の計算によるとブラジルにおける税 金関連業務は年間2,600時間となっており、189カ国中159番目 となっている)。また、法人税率も

34

%となっており、

OECD

諸国平均

25

%に比較すると非常に高くなっ ている。

❷の労務問題については、労働者保護意識の強い

法律があるために各企業は多くの労働裁判を抱える ことになり、結果多額の和解金や弁護士費用などの

コストを負担することになる。

❸の物流だが、鉄道がほとんどないこの国では物

流のほとんどをトラックに頼らざるを得ないにもか かわらず、道路整備状況は非常に貧弱であり、時間 とコストが非常にかかることになる。また治安の問 題もあり警備費なども負担となる。

❹の金融コストは高い金利のため、企業は設備投資

資金などを銀行から借りることが難しくなっている。

政府もこのような問題は長年の課題として認識し ているものの、なかなか手を付けることができない でいる。海外から有望な市場として注目されている ブラジルではあるが、これらが改善されていかない とこれ以上の外資の呼び込みは難しくなるかもしれ ない。

今年のブラジル経済見通しは前述の通り、ワール ドカップと大統領選という

2

大イベントがあり予測 するのは難しいのだが、

2013

年後半を最悪期とし て今年は徐々に上向いてくるという見方が多い。た だし、ワールドカップ時に昨年のようなデモの発生

(小規模のデモは確実に起こると言われている)や現大統 領の再選が難しくなった場合には、この国は混乱す る危険性も抱えている。

2.

ブラジルの建設市場の動向と見通し

ワールドカップ、

2016

年のリオデジャネイロオ リンピックに向けて、サンパウロ−リオデジャネイ ロ間のブラジル版新幹線、高速道路や国道の整備、

地下鉄路線の拡大などのインフラ整備が大々的に行 われるはずであったのだが、残念ながら現在の国内 インフラ整備についてはこちらで生活している人間 にとってはあまり活発に行われている実感はなく、

人びとは毎日渋滞や地下鉄やバスのラッシュ時の混 雑を我慢しながら通勤している。

もこの方式を導入する予定である。

建設物価については、同じくサンパウロ州建設 業組合の発表によると

2013

年の上昇率は

7.36

%と なっており、サンパウロ州内民間建設の

1m

2の平 均コストは

1,100.08

レアル(約

4

9,500

円)となっ ている。

最後に、ワールドカップで使用するスタジアム について。この文章を書いている

2014

2

月現在、

12

会場中

5

会場がいまだ建設中となっている。本来 であればすべて

2013

年中に完成する予定であった のだが、ラテンの国らしくのんびりとしたものであ る。ただし試合を主催する

FIFA

の事務局長は

2014

年の

1

月に各地を視察に訪れた際、特に工事が遅れ ているパラナ州クリチバのスタジアムについては除 外の可能性も述べるなど、ラストスパートを促して いる状況である。

昨年

11

月にはサンパウロ州のイタケロンスタジ アムで屋根の崩落により

2

名、アマゾナス州マナウ スでは昨年

12

月の転落事故に続き今年

2

月にもク レーン部品の落下による死亡事故が起こっており、

突貫工事を心配する声も大きい。

サンパウロ市内の渋滞

サンパウロ 地下鉄のラ風景

サンパウロ州建設業組合によると、

2014

年の建 設分野の成長率は

GDP

成長率とほぼ同様の

2

%程 度と予想している。

2006

年以降建設業の成長率は

GDP

の成長を上回ってきていたが、

2013

年の最終 予測(建設2.0%に対しGDP2.3%)も含め

2014

年も厳し い予想となっている。これはインフラ投資プログラ ムの遅れ、商業施設および住宅不動産市場の動きが 緩慢であることが理由に挙げられる。政府はインフ ラ投資を促進させる最後の手段として空港、国道 の管理運営を民間に委託するプログラムを発表し、

2011

年以降一定の成果を出し始めている。民間会 社の方が仕事のスピードが早いためであるが、今後

政府は老朽化している港湾や新規に敷設する鉄道に 201311月のサンパウロイタケロンスタジアムの屋根崩落事故

とにかく安全に、そして

FIFA

が設定した最終工 期までに工事が完成することを願うばかりである。

もちろん日本代表チームには、多くのブラジル人 建設関係者が苦労して建設したスタジアムで勝利を 掴んでもらいたい。

ワールドカプ決勝戦が行われるリオデジネイロマラカナンス タジアム

2013年度 2012年度 伸び率(%)

受注額に 件数 受注額 件数 受注額 よる

4

本邦法人 24 9,676 40 21,502 -55.0%

現地法人 158 65,388 95 32,062 103.9%

182 75,064 135 53,564 40.1%

5

本邦法人 33 16,892 38 21,617 -21.9%

現地法人 108 101,175 149 70,691 43.1%

141 118,067 187 92,308 27.9%

6

本邦法人 69 60,567 51 32,219 88.0%

現地法人 153 54,764 144 60,951 -10.2%

222 115,331 195 93,170 23.8%

7

本邦法人 49 52,672 34 12,293 328.5%

現地法人 139 78,770 118 70,495 11.7%

188 131,442 152 82,788 58.8%

8

本邦法人 40 28,605 47 27,265 4.9%

現地法人 134 81,821 106 35,824 128.4%

174 110,426 153 63,089 75.0%

9

本邦法人 62 103,173 55 70,195 47.0%

現地法人 122 47,691 132 70,283 -32.1%

184 150,864 187 140,478 7.4%

10

本邦法人 46 46,348 28 23,636 96.1%

現地法人 121 56,450 135 91,633 -38.4%

167 102,798 163 115,269 -10.8%

11

本邦法人 52 76,636 49 38,558 98.8%

現地法人 122 33,742 102 57,791 -41.6%

174 110,378 151 96,349 14.6%

12

本邦法人 49 21,953 34 9,641 127.7%

現地法人 189 112,134 168 71,942 55.9%

238 134,087 202 81,583 64.4%

1

本邦法人 35 60,313 37 20,063 200.6%

現地法人 98 47,801 100 48,840 -2.1%

133 108,114 137 68,903 56.9%

2

本邦法人 29 171,812 36 32,350 431.1%

現地法人 86 48,510 100 45,750 6.0%

115 220,322 136 78,100 182.1%

本邦法人 488 648,647 449 309,339 109.7%

現地法人 1,430 728,246 1,349 656,262 11.0%

総合計 1,918 1,376,893 1,798 965,601 42.6%

1. 月別の海外工事受注実績 (単位:百万円)

地域別

2013年度 2012年度 伸び率(%)

受注額に 件数 受注額 構成比 よる

(%) 件数 受注額 構成比

(%)

アジア

本邦法人 296 538,920 39.1% 301 219,162 22.7% 145.9%

現地法人1,162 413,680 30.0% 1,149 449,380 46.5% -7.9%

1,458 952,600 69.1% 1,450 668,542 69.2% 42.5%

中東

本邦法人 21 40,131 2.9% 21 45,986 4.8% -12.7%

現地法人 1 32,879 2.4% 0 0 0.0% −

22 73,010 5.3% 21 45,986 4.8% 58.8%

アフリカ

本邦法人 20 31,160 2.3% 14 6,913 0.7% 350.7%

現地法人 0 0 0.0% 0 0 0.0% 0.0%

20 31,160 2.3% 14 6,913 0.7% 350.7%

北米

本邦法人 9 3,360 0.2% 17 4,333 0.4% -22.5%

現地法人 116 244,791 17.8% 97 173,527 18.0% 41.1%

125 248,151 18.0% 114 177,860 18.4% 39.5%

中南米

本邦法人 102 31,437 2.3% 56 25,305 2.6% 24.2%

現地法人 49 9,043 0.7% 46 12,791 1.3% -29.3%

151 40,480 3.0% 102 38,096 3.9% 6.3%

欧州

本邦法人 1 13 0.0% 9 312 0.0% -95.8%

現地法人 44 4,236 0.3% 23 7,206 0.7% -41.2%

45 4,249 0.3% 32 7,518 0.7% -43.5%

東欧

本邦法人 0 0 0.0% 1 1,009 0.1% -100.0%

現地法人 56 22,737 1.7% 33 13,342 1.5% 70.4%

56 22,737 1.7% 34 14,351 1.6% 58.4%

その他大洋州

本邦法人 39 3,626 0.3% 30 6,319 0.7% -42.6%

現地法人 2 880 0.1% 1 16 0.0% 5400.0%

41 4,506 0.4% 31 6,335 0.7% -28.9%

累計 本邦法人 488 648,647 47.1% 449 309,339 32.0% 109.7%

現地法人 1,430 728,246 52.9% 1,349 656,262 68.0% 11.0%

総合計 1,918 1,376,893 100.0% 1,798 965,601 100.0% 42.6%

2. 地域別海外工事受注実績 (単位:百万円)

海外受注実績

ドキュメント内 2& (ページ 69-76)

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