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ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 56-77)

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25%

2

負荷帯についての収集データを用いて、主蒸気温度のパワース ベクトルとそれに対する各変数聞の因果関係が明らかとなり,寄与の度合いも 周波数軸上にノイズ寄与率として表示される(図6. 3 (心, (b))。

横軸の最大周波数は

O . 3 3 3 c y c l e / m i n

であり,それを

20

等分している。

負荷では

o O . 0 8 3 3 3 c y c l e / m

泊付近の帯域,

25%

負荷では 0.00167cyclel

n " " "

0 . 0 8 3 3 c y c l e / m i n

の帯域で,主蒸気温度

STE

には燃料流量指令

FF

,一次スプ レー開度指令

SPl

の影響が支配的であることが明らかである。

また、主蒸気圧力の主蒸気温度、再熱蒸気温度への影響は高周波数雑音とし て観測されており、この雑音の存在が主蒸気温度、再熱蒸気温度の同定精度を 劣化させることが判明したため、主蒸気温度,再熱蒸気温度の帯域を超える主 蒸気圧力の

O.OOlHz

以上の高周波成分を雑音とみなして,デジタルフィノレタ により除去することにより同定精度の向上を図った。

設計したフィルタの前処理の効果を周波数特性で確認した (図 6. 4)

1  1  I I11  1  1  1 I11  1  I  1 I 11  1  1  1 1 11  ...J̲̲I‑̲I̲ふ...J...J...J I  I III 

1 111 

I~ 1 I 1 I  I 111 

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50 

‑50  10

ω 

U

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10 10

[Hz]  10

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1 1 1 1

1 1 1 1 1 1 1 1

l i l l 1 1 1 1 J 1 1 1 1   1 1 1 1 4 1 1 1 1   1 1 1 1

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L l   1 1 1 1 J 1   1 1 1 1 4  

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3

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2

‑100 

10 10 10

[Hz]  10

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1  I11  I 111  1 1 I1  1 111 

laι...J...J...J  11III  I  1  III  1 I  III  1  1  111  1‑‑‑' I......J....... II I~I 、r司PJ 1yY' 

1  1  I  1111  1  1  I I 11  1  1  1 1 1 11  I  I  I 1 I 11  1  I  1  1 1 11  1  1  1 1 1 11  一 ー ー ー 」 ー ー ‑ I ‑̲‑!̲ι...J̲II‑'‑1̲ーーーー」ーー‑I̲̲ 1...  ̲1‑̲j ...JIH‑̲ ̲ ー

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10 10

[Hz]  1σ4 

1σ5 

‑200 

フィルタ処理前後の主蒸気圧力周波数特性 4 

図6.

同定試験時の入力信号を用いて外生変数依存型 ARXモデルを駆動したとき に、観測される出力が実際の出力を十分表現しているか否かを評価するために、

図6. 2の同定試験時収集データにより求められたパラメータを用いて

MWD

のランプ状変化時の予測シミュレーションを行った(図6. 5)。

従来の方法では、同定対象の非線形性を複数の線形モデノレを切り換えていくや り方で対処しており同定精度もそこそこの精度しか得られなかったが、提案モ デノレを用いるとただ一つのモデルで大きな負荷変化時の対象のもつダイナミッ クスをうまく表現できることがわかった。 なお、図中において実測値は黒実 線、提案モデルによる予測値は灰実線で示した。

STE 

20 

10 

c

;

 

10

20 

20 

20 

25∞ 

24α3  2況調D

22α3  21C

20∞ 

1α)()  9∞ 

7∞  800  )() 政)()

3500 

RTE 

15 

2

‑15 

RTE 

@

wO 15 

10 

EJ 

02 9w O 

10  ‑10 

2)() 24αコ

2300  22α3 

21∞ 

‑15 2)()

TPE 

1α)()  800  鋭)()

6∞  7α3 

‑15 

15  10 

5 

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TPE 

/500 

‑15 

~ 15 

10 

~

‑10 

5 

‑10 

2500  24∞ 

2300 

外生変数依存型ARXモデルによる同定試験時入力時系列信号を 用いた予測シミュレーション

22∞ 

2100 

‑15  2

1α)()  900 

700  800 

6α

図6.

15  5∞ 

モデルの妥当性を評価する上では時間領域ばかりではなく、実測値と予測値 との周波数応答特性を比較する方法が広く行われており、この方法によれば予 測モデルがどの周波数域まで有効であるかを把握することができる。

ここでは、ランプ状負荷変化時の予測モデノレの妥当性を評価する手法として、

時間的に周波数特性が変化することを考慮し、実測値時系列データと予測値時 系列データにWavelet解析を行う方法を試みた。

図6. 6 (a)は実測値の、図6. 6 (b)は予測値のそれぞれのゲイン特性を表し ており、縦軸は周波数、 Z軸にゲインをプロットしたものである。 ゲインは の大きさに濃度を対応させているので、同一時刻の箇所での濃度を対比させ全 体の模様が類似であれば、予測精度が高いと評価することができる。

このような方法で,図 6. 6 (a)と図 6. 6 (b)を比較すると、予測モデルは高 周波域で実測値よりもやや大きなゲイン特性を有するが、主蒸気温度、再熱蒸 気温度、主蒸気圧力のすべての状態量について比較的精度の高いモデノレが得ら れたことが確認できた。

‑5 

50  100  150  200  250  300 

102

50  100  R1T50E   200  250  300  10 

5~ ..  ..  .‑.. ..,・ ・ ・

5

‑10 

50  100  150  200  250  300 

102

50  100  T1P50E   200  25 300  0.4 

0.2 

‑0.2 

0.4

50  100  150  200  250  300 

102

50  100  150  200  250  300  図6.6 (心実測時系列データのWavelet解析結果

89 

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つぎに、従来まで行われていた負荷帯毎に複数の線形モデノレを準備し、負荷 の大きさに応じて予測モデルを切り換えていく方式と提案モデルとの予測精度 の比較を行った。

予測モデルベース最適化制御系では、現時点の各操作量の変化に伴い主蒸気 温度や再熱蒸気温度が将来どのように変化するかが予測できる。したがって、

予測制御系は主蒸気温度や再熱蒸気温度が実際に動く前に制御系が正しいアク ションをとることができるので、操作端から対象プロセスの遅れを補償するこ

とができ、干渉し合っている制御ループの影響を軽減することもできる。

異なった負荷レベノレでのプロセスの動特性が変化することを考慮して、従来 は予測モデルを通常幾つかの運転点で構築しており、このためこのシミュレー ショ ンでは、 3つの負荷レベルが運転点として選ばれた。 また、対象は変圧 運転ボイラであるため主蒸気圧力の設定値も変化していることが従来手法の精 度が劣化する原因の一つでもあった。

一方、提案モデルではランプ状の変化時にプロセスの動特性が変化するとき の定式化をモデル構造の中に取り込んでいるためただ一つのモデノレを構築する だけでありシンプルである。

図6.7は,複数の動作点で求めた線形化モデルを複数個用い,負荷の大き さにより補間する従来方式と提案モデルについて,予測精度の比較実験を行っ た結果を示す。

複数の線形モデルによる補間方式では十分表現できない,負荷変化時の対象シ ステムの非線形性に対しでも,提案モデルでは,広い運転範囲にわたって高い 予測精度を有することが確認できた。 この事実により,複数の線形モデノレの 補間に際して,動作点をどのように選ぶべきかという問題に対する一つの解決 策を提案モデルは与えることができることが確認できた。

ちなみに図6. 8は提案モデルを用いて得られた各ノミラメータの負荷レベノレへ の依存性を調べたものである。曲線の形状からして幾つの線形モデルを準備す べきか、またこれらのモデノレをどのように切り換えていくべきかという問題を 解決せねばならない従来の方法に対して、提案モデルでは,パラメータの負荷 依存性が予測誤差を最小にするよう最適に選ばれる点に最大のメリットがある

と考えられる。

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25 

0  50  100  150  200  250  30C 

主蒸気温度偏差 STE 

σo 

‑2  4 

‑6 

0  50  100  150  200  250  30(  再熱蒸気温度偏差

RTE  9 

3 0 

‑3 

‑6 

‑9 

0  50  100  150  200  250  30 

ランプ状負荷変化時の予測精度:提案方式と線形モデル補間方式との比較 :ボイラシミュレータによる検証シミュレーション

実線は実測値,点、線は線形モデル補間方式,一点鎖線は提案方式を表わす 糠彩締

R

寒波;議

複数(通常3‑‑‑4負荷帯)の負荷帯で同定試験を行い,そのときの収集データを 基に求めた複数の線形モデルを,負荷に応じて補間したモデルを用いて得られ た予測値

提案波誠

ランプ状負荷変化の同定試験を行い.

形モデルを用いて得られた予測値

そのときの収集データを基に求めた非線

線 形 化 モ デ ル を 複 数 個 用 い , 負 荷 の 大 き さ に よ り 補 間 す る 従 来 方 式 と提案モデルとの予測精度の比較

7  図6.

: ; ( ) : レ イ : ; 「 1H; ベ : h J ; ;

Jjl/l N:Ul 。:J;;川 ~U 。トリ:円

; 川 : l4h;川:川:~イ oi;門

心 Jfl:: 門て円。:l~!:l叶;;卜オ:;い~o:D

;ぺ;ぺ。卜吋;jJ~Bo:ー olJjul

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j J j j L A j ト イ 。 : J : 円 。 寸 。 卜 ↓ ; ト ベ

~ ]べ円 。 ト斗川 。 レペトバ:卜↑。:H

j LL : J : : LJYL ド ロ ベ 。 ベ : 0

0

; 川ィ 川 5 イ ト 。 ト ベ : kj : 。 ↓ / ず い : : l J

:: [\j_; ~ o PJ 。 ベ ; 川 ; トイ :: 川 o~ N

。 : 川 : : 川 J J j 1 : : 1 0j 人[

:

1 l1f J l : J ]1J J 川; 卜 斗 ; │ 刈 ; 。 ト ノ │

MWD  MWD  MWD  MWD  MWD  MWD  M W MWD 

図6. 8  外生変数依存型

ARX

モデルのパラメータの負荷依存性

6.  2 制御検証実験

火力発電用ボイラシステム(タービンプロセス、制御装置を含む)の負荷変 化率向上を目指した、ランプ状負荷変化時の制御性能改善に対する予測制御系 設計問題を数理計画問題に帰着させ、制約付き非線形最適化問題として解を求 めるにあたって、先の検証実験より得られた外生変数依存型

ARX

モデルを適 用することにした。

提案モデルは, MWDの大きさに応じて,線形モデル構造のパラメータが連 続的に変化する特徴を備えており,予測制御系設計に適した構造をもっている。

この節では,提案モデルを用いたモデルベースのオンライン最適化制御の有効 性を机上シミュレーションにより検証する。

発電設備と

DCS

(分散型制御装置)の運用面からの見直しはプラント効率 に大きな影響を及ぼし,その結果多大なエネノレギ節約が期待されることは明ら かであるが種々の物理的制約があることも考慮せねばならない。 しかしなが ら,現行

DCS

に搭載された

PID

制御を中心とした制御装置だけでは,上述の ような制約条件を満足しつつ,エネルギを最小化するといった高度な制御戦略 を実現することは難しい。

一方,最新の

DCS

では高速の演算を可能とするパワーフルな

CPU

が搭載さ れていることもあり、今まで汎用計算機を利用して実現していた制約付き非線 形最適化問題の数値計算技術を,

DCS

上に搭載することも十分に実現性があ る。 このようなハードウェアを利用すれば,ある種の評価関数を,現実の制 約条件の下で最適化するような数理計画的手法による操作量のリアルタイム計 算が可能となってきた。

また,世の中のニーズとしても,最近のエネノレギ産業では,エネルギ節約と 環境保全の両方の改善に努力が傾注されており,それにならって火力発電ボイ

ラシステムの経済運用への関心も高まる傾向にある。

環境保全がらみの種々の制約条件はっきものであるので、対象に要求されて いる環境保全面からの排ガス規制の制約や,設備機器の物理的な制約条件など を考慮しつつ,管理値ぎりぎりの制御を行ないプラントの安全運転を確保しな がら省エネルギ化や生産コスト低減を実現するためには,

DCS

による上述の オンライン最適化制御の実現に期待が寄せられてくるようになる。

しかしながら、世の中のニーズすなわち制御系への要求仕様が時代とともに 高度化してくることは容易に予想されるため,エンドユーザーが実現したい 種々の制御戦略(省エネルギ化,設備に対するストレスの低減化など)の,そ

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