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ムーランプロモーション

ドキュメント内 はじめに (ページ 67-70)

B.  中国ビジネス経験のある日系企業の事例

1.  ムーランプロモーション

 

インタビュー対象: 

インタビュアー:ジェトロ  輸出促進課  インタビュー日:2005 年 2 月 

 

企業・人物紹介:三田敬氏 

ムーラン社は中国で番組・CM 制作などを行う一方、日本のコンテンツの中国進出をサポートしている。

・価格の正規版を出すことが海賊版への一番の対抗策と訴え、

「くれよんしんちゃん」の DVD、漫画、携帯コンテンツの正規版、最近は「テニスの王子様」の中国での

 

三田氏は、海賊版に対抗できる内容

漫画出版を実現させた。 

問:三田さんが中国ビジネスに関わられて 10 年がたちました。ここ 10 年で中国市場はどう変わり ましたか? 

 

答:9 スタートし、ようやくメ

ディアが始まった段階でした。しかし 90 年代後半に、インターネットが登場して中国市場は大きく

していますから。ある分野 では日本より遅れ、オンラインゲーム市場のように日本を追い越している分野もあります。中国市

場 れているかを見極め

るのは難しいです。常に市場に身をおく必要があります。 

3 年より広東でコンテンツビジネスを始めましたが、当時は改革・開放路線が

変貌しました。海外の情報が消費者に直接入るようになり、消費者の意識が変化したのです。さら にデジタル化からコンテンツの海賊版市場が急速に拡大しました。ここ2,3年で日本と中国の流行 の時間差はほとんどなくなっています。現在の中国市場を、日本の発展段階と照らし合わせるの は難しいです。日本で段階的に発達した市場が、中国では一気に登場

の変化スピードは速く、1〜2年前の情報だけでは今の中国で何が求めら

 

問:多くの日本のアニメ関連企業が、テレビ放送に向けて力を注ぐ中、貴社は出版、DVD、携帯コ ンテンツ、その他キャラクターライセンスなど別の形態で日本のアニメを中国に進出させています。

なぜこのような方法をとられているのでしょうか? 

TVの影響の大きさはこれ  

答: までの経験から実感しており、TV で日本のアニメを放送できるに越した ことはありません。しかしテレビはコンテンツの中で最も審査が厳しく、政治的な影響も受けやすい。

のあるものからやってきた結果、テレビ以外のコンテンツ、DVD や携帯コンテンツ、出版ということ 日本のコンテンツを正規に中国で広めていくことが目的なのであって、そのためにやれる可能性

になりました。 

ただし中国市場は、様々なコンテンツが様々な発展段階で混在しており、その点ではどこの市場

うに中国ではTVに頼らずに広まっていくこともある。日本のやり方を異なる市場で頑なに守る必 要はありません。一つの戦略フォームに固執せず、やれる範囲の中で中国側のニーズに応えて いった結果が今日までのビジネス戦略になっていきました。携帯コンテンツについては、当然、携 帯を持っている層(20〜30代)とそのキャラクターのファン層が重なる必要があります。その点

「しんちゃん」は、ちょうど合致します。携帯コンテンツの審査は、市場のスピードが速すぎてそれ ほど厳しくないという利点もあります。「しんちゃん」の携帯ダウンロードは出版の売り上げを近い 将来上回るのではないかと見ています。 

 

問:「しんちゃん」はなぜ中国市場で人気があるのでしょうか? 

 

答:正直わかりません。権威に対して切り返していくこと、仲間を大切にすること、そして H な要素があ るからでしょうか。「くれよんしんちゃん」を最初に手がけられたのは非常にラッキーでした。これほ ど中国で愛されるキャラクターは珍しいです。その国で愛される素地があり、さらに愛されるように 持っていったのが「しんちゃん」の中国でのビジネスです。正規版の進出前に、あらゆる分野に海 賊版がありましたが、それは逆にあらゆる分野で「しんちゃん」のビジネスがやれる可能性があっ たということも言えるのではないでしょうか。 

 

問:昨年は「テニスの王子様」の出版に際して、中国側、日本側の代表者が出席する記者会見を 開催しました。 

「テニスの王子様」の海賊版は今が旬です。そのため、通常の売り込み手段では海賊版の中に埋 もれるという危機感が

  答:

あり、大々的に記者会見をしました。宣伝および海賊版への牽制になったと 思っています。 

した手段で出るべきです。

その手段の1つとして、通常は日本のコミックを扱わないような中国の大きな出版社をパートナー

なく中国側パートナーにもありました。そのため、記 者会見を開催し、特別グッズをつくるなど、持ちえる手段を全てとりました。結果、これまで 50 万部 が売れ、3 月には追加発行し、半年で 100 万部に達するとみています。今回の試みは、改良の余 地はありますが、今後の中国での出版のモデルケースになるかもしれないと思っています。 

 

問:海賊版に対抗できる内容・価格の正規版を出すことが海賊版への一番の対抗策と訴え、実 本気で中国に売る気があるならば、海賊版が出ている真っ最中に徹底

としました。出版物の審査は通常厳しいのですが、ここと組むことで審査を通ることが可能になり ました。今回の出版社から正規版が出版されると、国営の新華書店の店舗では海賊版はまず置 かれません。海賊版の一掃というわけではありませんが、牽制にはなります。海賊版に負けるか もしれないという危機感は実は日本側だけで

行されてきましたがその成果を今どう実感していますか? 

 

答:基本的に効果があろうとなかろうとうちはやらなければいけません。成果については基準によるで

もっと上の基準を持つ方からみると厳しい評価をいただくかもしれません。ただ、自分としては立ち のように努力しています。 

海賊版は中国では依然巨大な市場であり、現状では、中国人にとっては海賊版ビジネスのほうが 人もできることならば正規版でやりたいと思っているのです。

中国に顔を見せることが必要なのではないでしょうか。自分の役割とし ては、日本と中国両方に波紋を起こして一つになっていくのを手助けしたいと思っています。 

止まるよりは前に少しずつ行きたいと思っているし、そ

やりやすくなっています。しかし中国 日本側でもそれに応えて

 

問:三田さんが中国ビジネスで気を付けていることは何ですか? 

  答

中国人1人か2人が必要です。ビジネス相手が逆手にとって きそうな部分を考えてその対策を立てます。その意味では契約書は重要ですが、それは欧米式の詳

細 る項目が入っていること、中国的な

解釈に注意をはらうことが必要です。 

そ 頼 ー で

 

問:

:相手を信用しても、だまされる隙を見せないようにしています。日本では「信用する」イコール「隙を 見せる」と捉えられがちですが、中国では信用するのと隙を見せないのとは両立します。中国ではだ まされたほうが悪いとされますので、自衛が必要です。例えば商品を中国で作る際には、サンプル は密封して中国に送り、現地で一緒に開封します。工場で生産する際は、時間を計り、時間どおりに 商品がでてこないと怪しいとにらみます。しかし、何が隙かどうかを日本人が本当に見つけるのは難 しいです。そのため、最も信頼のできる

な契約書というよりも、相手の行動を考えて現実的に請求でき

ノウハウをあちこちでしゃべって大丈夫ですか?といわれますが、これまでやってきたことを話しても れはノウハウではありません。同じことを別の人がやっても成功するとは限りません。人と人の信

、その時々の状況を判断する力が必要です。自分のことをあえてエージェントではなくコーディネ ターだと言っています。エージェントははずそうと思えばはずせる人で、コーディネーターは通訳者 も代弁者でもなく、両者の間で調整をする人と捉えています。 

中国市場を目指す日本の企業にメッセージをお願いします。 

まず相手の中に入ることが重要です。それによって相手が何を求め、何を感じているか、市場の変 化の速さ、そしてその中でも変わらないもの、を自分で感じることができるのです。そしてできれば 将来的に中国と日本で何かを生み出してください。日本と中国で交流・相互

  答:

発展して欲しいと願っ ています。 

     

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