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図地点17 園 地点7
園 地点5 - 地点2
1 2 3 4 5 6 7 8 9 1011 12 1 3 14 1 5 16 1 7 1 8 1 920
ステップ数
図4-5
モデ、ルから導出された迷路内における
被験者の到達場所の変遷
即ち正面が壁となっているような方向から接近する場合は全体的には左折と右折 の確率はほぼ同じとなった。 しかし袋小路の方から接近する場合は直進する割合 が全体の約3分の2となった。 一方、 出口の方から逆行する形で接近する場合は直 進する割合が全体の約半数で、あった。 何故出口の方から接近する場合と袋小路の 方から接近する場合とでは直進と左折右折の割合が異なったのであろうか。 その 理由のひとつは、 出口の方から接近する被験者はその行動傾向として直進するよ り横道に入り込む傾向が強いことが考えられる。 この迷路の場合、 横道に入り込 むとさえなければ出口の方から逆行することはない。 即ち、 逆行するということ は横道に入り込むということなのである。 それに対して袋小路の方から接近する 者は必ずしもそのような行動傾向を持った者ばかりであるとは限らない。 人は一 般に横道に入り込むよりも直進する行動傾向を持っていることが先に述べた北後 (1985)の研究からも示唆される。 袋小路の方から接近する被験者については北後 の実験結果と合致する。 このように経路選択行動について考察する場合は分岐路 の形態ばかりではなく、 分岐路に対する接近方向をも考慮にいれなければならな いことが明かになったといえる。
次に実験データとモデルとの適合性について考察する。 図4-3の脱出所要時間の データから最多脱出者数出現時は実験開始から聞もないころ、 即ち比較的早期に 現れ、 その後脱出者はなだらかに減少することが示されている。 そして最多脱出 者数出現前後までに全体の約半数の者は迅速に脱出するが、 残った半数の者が脱 出を完了するまでには比較的長時間を要することが明らかになった。
図4-4の迷路内における被験者の到達場所の変遷は上述したような現象が生じる そのプロセスを示している。 出発点に近いほど当然、 出発直後には多くの 被験者 の到達場所は一致している。 即ちある地点に偏っている。 しかし出発地点から離 れれば離れるほど到達場所の偏りの程度が少なくなっている。 しかしそのような 偏りは完全に消滅する訳ではなく、 例えば出発点から最も遠い地点12においても、
ある頃に通過者が最大になることが伺える。 ただし、 もし分岐路の数が本実験の 場合よりも多くなるような状況を設定すれば偏りの程度がさらに少なくなってい くことも推測される。 図4・5はモデルから導き出された理論値に基づいて作図した ものであるがこの図と図4-4はかなりよく一致しているといえる。 ということは分 岐路における経路選択の確率を正面が壁となるような方から接近する場合には左 右に曲がる確率がそれぞれ2分のl、 袋小路の方から来た場合には直進の確率が3分 の2、 出口から逆行する形で分岐点に来た場合には直進の確率が2分の1となるよう に推移確率を大まかに決定したことが、 かなり妥当であったことを示している。
さらにA、 B、 C、 Dの4つのゾーンがそれぞれ連結されている、 地点5、 7、 17で被 験者のスレ違い現象が生じるということ、 即ち例えばAゾーンから来て地点5に到 達した被験者はそのままBゾーンの方に移動を続け、 一方Bゾーンの方から来て地 点5に到達した者はAゾーンの方に移動するという本モデ、ル構成の仕方は妥当であ ったことが示されているようである。 ただデータを詳細に眺めれば経路選択確率 は表4・2fこ示されているように分岐点によって少々異なっている。 そこでもし分岐 点の数が本実験の場合よりもさらに多い場合には、 その数が増えれば増えるほど モデルとデータの適合度が低下してくるであろう。 これを防ぐようなパラメータ をこのモテ、ルの中に導入すべきであろう。
上述のようにモデ、ルの理論値と実験データはかなり一致したわけであるが、 こ れはモテ、ルのパラメータを決定するのに実験データを使用していることにもよる。
モテ、ルの妥当性を高めるためには従来行われた調査のデータとの整合性も必要で ある。 しかし、 人々のルート選択行動が時系列的にどのように変動したかという ことを具体的に記述した調査研究はない。 ただ、 火災時において、 追従と固着の ような行動特徴が現れることは明らかにした調査研究はある。 また大群集がある 空間の中で、右往左往する状態をエピソード的に記述したものとして、 例えば関東
デ、ルの妥当性を高めるためにはこのような資料を詳細に分析する必要があるであ ろうが、 同時に平常時の行動に関する研究資料も参考になろう。例えば紙野(1980) は大阪の地下鉄駅や国鉄駅における歩行者の経路選択の観察調査を行っている。
それによれば、 地下街等に見られるような廊下型通路に沿って直角方向に設置さ れた側階段多数あるような状況では、 主軸方向の最後の場所にある階段が最も利 用される傾向が高いことを見いだしている。 これはわき道に入り込む確率よりも、
直進する確率が高いことを意味しているのかもしれない。 それから経路が左右に 分岐するような所では左右の経路選択の割合は殆ど変わらないようである。 以上 の結果は本研究の実験の結果とも一致するわけで、 このような複数の分岐路にお ける経路選択確率が明らかになればそれを合成することによって、 人の流れがモ デルによって予測することが可能になろう。