価値づけ項目
本1社会的に立派な家であるために ヰ2世間並・標準的な家であるために 本3落ちついた気持ちになれるために 本4安心した気持ちになれるために 本5家族がのびのびできるために 本6ゆったりとくつろげるために 本7育児がやりやすいために 本8家事がやりやすいために
宇9あなたの来客のもてなし方にとって
, 0あなたの盆・正月のむかえ方にとって
, ,家族の節句 ・祝いごとのやり方にとって
, 2家を美しく整えるために
, 3趣味・稽古ごとができるために
, 4我が家という実感がもてるために
, 5家らしい家であるために
X = I Y • 4
41111111Illit----一ヘ l1111111!
ド 一 川 ヘ一
椅
同
図5-2 床の間付和室と椅子式居間の価値構造
- 90
-5.
4四つの価値次元から見た接客性空間への価値づけの地域差及び世代差
5.
4. 1データ処理の方法
ここでの分析は、 西里静彦の開発した双対尺度法文7)でデータ処理した結果 にもとづいている。 他の統計処理方法によらず双対尺度法で処理する理由はつ
ぎの通りである。
データ処理の目標は、 都市化度(地域性)と価値づけ項目との関係、 年令区 分(世代性)と価値づけ項目との関係とがより明瞭に読みとれるようにするこ とである。 データ処理方法の選択で重要な点は、 本章の分析の目的にとって回 答者個々人の情報は最終的には必要ではなく、都市化度と年令区分という分析 軸のそれぞれで区分された回答者のグループとしての情報、回答者グループと 価値づけ項目との関係を示す情報である、 ということであるロ この点から言う と、常套手段となっているサンプルや変量の分類を目的とする因子分析法や数 量化田類は、回答者個人の数量化という中間段階を必要とするので望ましくな い注1
)。
また、要因分析、例えば都市化と年令をそれぞれカテゴリー化しこれを 外的基準とし、価値づけ項目を説明変数とする数量化H類の処理も考えられる が、 回答者(サンプル)が少ない場合は、 相関係数が高く出るが、 サンプルが 多くなればなるほど相関係数が低くなる傾向注2)があり、 結果の解釈自体が煩 雑になる。 結局、これらの多変量解析法に依らないで、単純な集計方法、例え ば回答者の5段階評定値のデータをもとに、 ある評定値、 例えば3(必要であ る)以上の評定値の出現度数分布表または出現率分布表を作成する方が、 か えって簡便で良いと考えられる。 したがって、 本節では、表5-3、表5-6、中の細線枠内のような、 3(必要である)以上の評定値の出現率分布表を、 分 析軸ごとに作成した。
ところで、このような表による分析には、あらためて二つの問題を指摘でき る。 一つは、 5段階評定値のうちどれを境界値にするかによって出現率の分布 が変わってきて、イ可を実態と見なすかが確定しない点である。 例えば、評定値 5 (是非必要である)以上を集計すると、 評定値3(必要である)以上を集計
-91
-した場合よりも、 比較的はっきりとグループ問の差が出ると予想されるが、 差 がよりよく出るという集計上の都合だけで、 評定値5よりも多く出現するであ ろう評定値3(必要である)、 4 (必要であると、 是非必要である、 との中間) を無視することは不適当であろう。 他の一つの問題は、このような出現率分布 になにがしかの相関関係が潜在していると感じられる場合、 表をどのように視 察しでもそれが明瞭に見えてこないことである。 特に、 評定値3以上の出現率 では特に言える。 見えていても、 視察する人に左右され、 また、 どの程度相関 があるか客観的に説明できない。 評定値3、 4、 5ごとに表を作成すれば更に 煩雑さは増す。
以上述べた問題点を解消するために最も有効と判断した双対尺度法を採用し たロ具体的には、表5-3、 表5-6中の細線枠内に示すような、 評定値3(必 要がある)以上の出現率表(クロス集計表) を入力データとして、 双対尺度法 の解を得たロ この方法を適用すると、 回答者のグループ区分と15の価値づけ 項目とに対し、 表の列(回答者グループ区分)と行(価値づけ項目)の判別性 をある条件下で最大にするような数値が与えられる。 しかも、行に与えられる 数値は、 列に与えられる数量の行平均値に、 ある定数を乗じたものに一致する から、行の数値と列の数値は無次元でありながら、もし単位を与えるとすれば 同じ単位を与えなければならない性質のものであるから、 同じ意味を持つ。 こ のために、 回答者のグループ区分(列)と15の価値づけ項目(行)との関係、
正確には潜在構造を、あたかも、数量Xと数量Yの単相関関係を見るごとく、端 的に読み取ることができる。
表5-3以下の表中の、 記号Tは床の間付和室に関する価値づけ項目である ことを表し、記号Lは椅子式居間に関する価値づけ項目であることを表す。L,
Tに続く数字は、 図5 - 1中の価値づけ項目の番号である。
92
-5. 4. 2 都市化度と価値づけ構造
表5-2に示すように、主成分得点にもとづいて各都市を3つのグループに、
したがって回答者(サンプル) を3つのグループU1. U2. U3に区分した。
U1は福岡、 春日、 熊本の580サンプル、 U2は倉敷、 大分、
大牟田、 久留 米、 佐賀の434サンプル、 U3は鳥栢、 大川、 津山、 日田、 八代、 玉名、 庄 原の636サンプルである。 主成分得点は、 都市化度を表すと解釈され、 都市 化度の高い}I[買に、 U1, U2, U3となる。表5 - 3は、 床の間付和室に関する集計表と椅子式居間に関するそれとを一 つの集計表にまとめて、 双対尺度法で処理した結果であるから、 床の間付和室 と椅子式居間のいずれに総合的な価値づけが強いかどうかと都市化度との関係 を示す。 都市化度の高い)I[買 U1, U2, U3に、 1. 296 5、 - O. 1 9 8 5、 -1. 1410 が与えられているから注3)、 プラス (+ ) の値は都市 化度の高いグループの特徴を示し、マイナス(- )の値は都市化度の低いグルー プの特徴を示すものと解釈できる。行方向のT1, T2,. ・ ・、 L14, L1 5に与えられた数値の分布を見れば、 相対的に、 都市化度が高いグループは椅 子式居間への総合的な価値づけが強く、都市化度が低いグループは床の間付和 室への総合的な価値づけが強い、 と言える。 以上のことは、 床の間付和室の価 値づけ項目T1'"'-'T15の多くに、 マイナスの数値が与えられ、 椅子式居間の 価値づけ項目L1'"'-'L15の多くに、 プラスの数値が与えられていることから 言えるのであるが、 特異な点もある。
床の間付和室のiT8家事がやりやすいために」は、 マイナスではなくプラス の値であり、 椅子式居間のiL1社会的に立派な家であるために」は、 フラス ではなくマイナスの値である。都市化度が高いグループは床の間付和室への総 合的な価値づけが相対的に弱いものの、家事作業の場などの個人的(家族的)機 能的な価値は認めており、 一方、 都市化度が低いグループは椅子式居間への総 合的な価値づけが弱いものの、 対社会的な象徴的価値は認めているといったこ とが読みとれる。 このことは、 椅子式居間、 床の間付和室それぞれ個別の分析 でも明らかになる。
- 93
-表5-4は、床の間付和室に限定して解を求めた結果である。U1, U2, U
3に、 1. 4549, -0. 7490, -0. 6209 が与えられており、
解の値の 意味は、 表5-3の場合と同じと解釈できる。 都市化度の低いグルー プの 特徴は、fT2世間並・標準的な家であるためにJ、fT
15家 らしい家であ るために」 にあり、 対社会的象徴的価値、 個人的象徴的価値づけにある。 こ れ に対し、都市化度が高いグループの 特徴は、fT 8家事がやりやすいためにJ、時 には fT7育児がやりやすいために」 といった個人的 (家族的) 機能的価値づ けにある。
表5-5は、椅子式居間に限定して解を求めた結果である。 U1, U 2,
U3に、 1. 1342, -0. 0020, -1. 3309 が与えられてお り、 こ こでも解の値は、 表5-3の場合と同じ意味に解釈できる。 都市化度の 低いグループは、総合的な価値づけが都市化度が高いグループよりもよりも相 対的に弱いもの の 、fL1社会的に立派な家であるために」、fL9来客の もてな し方にとってjといった対社会的象徴的価値、 対社会的機能的価値づけが特徴 であり、 都市化度が高いグループは、 fL3落ちついた気持ちになるために」、
fL 1 1家族の節句祝いごとの やり方にとって」など、 個人的(家族的)機能的 価値づけが特徴であるこ とが分かる。
以上指摘できる特徴は、 あくまで相対的な特徴、 差異というべきものであっ
て、 細線枠内に示す評定値3以上の評定の出現率分布中、 T9は、 77% (U
1 )、 81 % (U 2)、 79 % (U 3)であり、 L9は、 67 % (U 1)、 65%
(U 2)、 63 % (U 3)であり、 床の間付和室の接客空間としての 価値、 椅子 式居間の接客空間としての価値は高いと言える。 そういう共通性の上に、 以上 述べてきた価値づけの 都市化度による差異の存在が読みとれるのである。
-94
-都市化度と価値づけ構造1 表5-3
U3 U2 ( L )
0502 双対尺麿法の解
グループ区分:主成分得点による都市化度別 U 1 対 象:床の間付和室(T) + 椅子式居間 SQUARED CORRELATION RATIO = .0025 MAXIMUM PRODUCT-MOMENT CORRELATION = DELTA (TOTAL VARIANCE ACCOUNTED FOR)
PARTIAL= 90.78 COMMULATION= 90.78
WEIGHTED BY ETA ) ( UNWE I GHTED.
OPTIMAL WEIGHT VECTORS
評定3 (必要あり)以上の 百分率(%)
U 1 U 2 U3
T 1 48.0 50.0 52. 0 T 2 57. 0 68.0 68. 0 T 3 77. 0 81.0 80.0 T 4 64. 0 65. 0 65. 0 T 5 35. 0 38.0 36. 0 T 6 48. 0 50.0 50. 0 T 7 13.0 13. 0 13. 0 T 8 15.0 13. 0 13. 0 T 9 77. 0 81.0 79. 0 T1 0 78. 0 79. 0 79.0 T11 75.0 80. 0 81.0 T12 65.0 70. 0 69.0 T13 44. 0 48.0 47.0 T14 59.0 66.0 60.0 T15 62. 0 71.0 69. 0 L 1 32. 0 32. 0 32.0 L 2 44.0 45.0 38.0 L 3 64. 0 56. 0 50.0 L 4 54. 0 50. 0 44. 0 L 5 66. 0 62.0 52.0 L 6 71.0 68.0 60.0 L 7 26. 0 23. 0 22. 0 L 8 32. 0 28.0 27.0 L 9 67. 0 65. 0 63. 0 L 10 31.0 28. 0 27. 0 L 11 28. 0 25. 0 21. 0 L 12 54. 0 52. 0 45.0 L 13 27. 0 28. 0 26. 0 L 14 52. 0 47. 0 42.0 L 15 49. 0 48. 0 44. 0 WEIGHTED
0651 -.0100 -. 0573 UNWEIGHTED
1. 2965 ー.1985 -1.1410 U 1
U2 U3
nud'EE守,,‘1Enku'EEan『phunHunudnudnHUAHUaH『nhuaH『aH『4EBマr-aA『マ,thuJunudnhU「hdマ''n/』『fS4EEn吋uphunud'E''E'nudnJιan『nudマ,tnuuphu'E'an『マ,,‘EEan『守FS守,tphUヲtanHUFhunMUnHuan『nuuF同dnJιnJιpnuaavnkuq屯unノ』円ノιq‘u'i'an『円/』噌t'aιvaa,an『円/』内hU噌tEq《unmupnuマ''phup「urhU41'aA『nudp円unHUマー・円ノ』
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- 95
-表5
-
4 都市化度と価値づけ構造2法金挫
グループ区分:主成分得点による都市化度別 Ul U2 U3 対 象:床の間付和室(T)
SQUARED CORRELATION RATIO-= .0006
MAXIMUM PRODUCT-MOMENT CORRELATION = .0235 DELTA (TOTAL VARIANCE ACCOUNTED FOR)
PARTIAL= 78.79 COMMULATION= 78.79
OPT I MAL WE I GHT VECTORS ( UNWE I GHTED. WE I GHTED BY ET A )