map hosei
望遠鏡 2 台による解析
T3-T4 の望遠鏡に対してモンテカルロシミュレーションを行った時の、エネルギーや冪などの
パラメータを表に示す。
T2 T3 T4
ミューオンファクタ 0.4074 0.4424 0.5783 スポットサイズ 0.14 0.12 0.09
エネルギー 500GeV∼30TeV 冪 -2.2(Aharonian et al) 方位角 観測データの分布にあわせて振る 天頂角 観測データの分布にあわせて振る
ミューオンファクタの値は、3 ヶ月の観測期間の真ん中にあたる7 月のものを用いた。今回用 いたモンテカルロシミュレーションの特徴として、実際の天頂角、方位角分布に合わせてシミュ レーションも天頂角、方位角両方を変化させたということがあげられる。通常 CANGAROO-III の解析では、モンテカルロシミュレーションは、天頂角のみを変化させる。方位角は、観測データ の分布から決定していた。例えば、今回の観測であれば、全観測時間の方位角分布は、図7.2(左) のようになっているので、100 度と260度などに固定して降らせたモンテカルロを組み合わせて 解析を行っていた。シミュレーション内で、実際の観測の状況を再現するためには、方位角方向 にも変化させた方が理想的である。図7.1 と図7.2 はモンテカルロシミュレーションと実際の観 測の天頂角と、方位角の分布を比べたものである。実際の観測の分布が良く再現されていること がわかる。シミュレーションは、点源を仮定して行われた。また、図7.3はカニパルサー/星雲の 解析のとき(図4.38)と同様にパラメータの分離を示している。信号領域からバックグラウンドを 引いた黒点は、モンテカルロガンマと良い一致を示す。今回の解析に使ったノイズカットのパラ メータ(ADC、TDCなどのカット値)はカニパルサー/星雲の解析のときと同じである。
minvsze Entries 3440 Mean 12.85 RMS 7.624
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90
0 50 100 150 200 250
minvsze Entries 3440 Mean 12.85 RMS 7.624
event(per min) vs zenith minvsze
Entries 3984556 Mean 13.4 RMS 8.365
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90
50 100 150 200 250 300
103
×
minvsze Entries 3984556 Mean 13.4 RMS 8.365 event(per min) vs zenith
図7.1: (左)観測データの 1分ごとの天頂角分布。(右)生成したガンマ線の事象毎の天頂角分布。
minvsaz Entries 3440 Mean 169.8 RMS 78.43
0 50 100 150 200 250 300 350
0 100 200 300 400 500
minvsaz Entries 3440 Mean 169.8 RMS 78.43
event(per min) vs azimuth minvsaz
Entries 3984556 Mean 174.8 RMS 79.47
0 50 100 150 200 250 300 350
0 100 200 300 400 500
103
×
minvsaz Entries 3984556 Mean 174.8 RMS 79.47 event(per min) vs azimuth
図7.2: (左)観測データの 1分ごとの方位角分布。(右)生成したガンマ線の事象毎の方位角分布。
0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 0
50 100 150
T3 width200
0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3
0 50 100 150 200
T4 width250
0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 0.35 0.4 0.45 0.5
0 50 100 150 200
T3 length250
0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 0.35 0.4 0.45 0.5
0 50 100 150 200
T4 length
図7.3: 各パラメータの分布を示している。ここで、黒点が、信号領域からバックグラウンド領域 のパラメータを差し引いたもので、ガンマ線のパラメータ分布である。青はシミュレーションガン マの分布である。赤の線はバックグラウンドのパラメータ分布である。詳細については、図4.38 にある。
このシミュレーションデータを用い、カニパルサー/星雲と同様の解析を行なった。図7.4のよ うに視野内には4 等星以上の明るい星は存在しない。ただ、少数の PMTのスケーラー値が高い ので、カニパルサー/星雲の解析の時と同様、スケーラー値で250以上のPMTのカットは行って いる。また、エッジカットは、点源であること、また天頂付近を通る観測で、シャワーを斜めから 見ないこと、予想されるフラックスがカニパルサー/星雲に比べ少ないためにエネルギー分解能が 良くないと微分フラックスを調べることが困難なことを考慮して1layer エッジカットを用いた。
scaler3 Entries 1468880 Mean 228 RMS 120
0 100 200 300 400 500 600
0 200 400 600 800 1000 1200
103
×
scaler3 Entries 1468880 Mean 228 RMS 120 FEMscaler/ch
図7.4: 銀河中心領域の星の分布と、スケーラ分布。カニパルサー/星雲と違い、視野内に3 等星 以上の明るい星が存在しない。
次に、θ2 分布を載せる。解析の結果、ガンマ線を 287±53事象 5.4 σ と有意に検出した(図 7.5)。図7.6には F値のモンテカルロガンマ線シミュレーションの分布、実験的に得られたガン マ線の分布を拡大したものを示す。ON-OFFのF値分布はモンテカルロシミュレーションのガン マ線で予想される分布に良く一致しており、今回の解析によって有効にガンマ線事象の見積もり
が行われていることがわかる。
0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 0.35 0.4 0.45 0.5 -100
-50 0 50 100 150 200 250 Fit result
-4 -3.5 -3 -2.5 -2 -1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 0
100 200 300 400 500 600 700
ON BG MC gamma subtracted FD distribution
図7.5: (左)銀河中心からの θ2 分布。赤線はガンマ線シミュレーション。(右)Fisher-fitの結果
-4 -3.5 -3 -2.5 -2 -1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 -40
-20 0 20 40 60 80 100 120
140
MC gamma subtracted gamma contribution
図7.6: Fisher Discriminantの分布: ON-OFFとガンマ線モンテカルロシミュレーションの分布。
次に、図7.7に Method 2 のバックグラウンドの取りかたを用いて得られた、銀河中心のガン
マ線強度マップを示す。この時の角度分解能は、マップの図に示した半径0.22 度の円である。θ2
268.0 267.5 267.0 266.5 266.0 265.5 265.0 -30.0
-29.5 -29.0 -28.5 -28.0
268.0 267.5 267.0 266.5 266.0 265.5 265.0 Right Ascension (J2000, deg)
-30.0 -29.5 -29.0 -28.5 -28.0
Declination (J2000, deg)
268.0 267.5 267.0 266.5 266.0 265.5 265.0 -30.0
-29.5 -29.0 -28.5 -28.0
PSF
-60. -22. 15. 52. 90.
図7.7: ガンマ線の強度マップ。白点線の円は中心から半径1度に相当する円である。白□はWobble の観測中心を示す。銀河中心からガンマ線が放射されていることがわかる。
今回の観測のエネルギー閾値は約650 GeV である。最後に、図7.8で微分フラックスを示す。
ここで、データ点に対して、システマティックな誤差を30 % とした[74]。得られたフラックスは 以下表に示されたものである。ここで、このフラックスを dFdE =F0E−Γ で冪を仮定してフィッテ ングした結果は以下のようになる。図7.8 では青の実線に相当する。
(4.8±1.6stat±0.9sys)×10−12× ( E
1 TeV
)−2.7±0.6stat±0.4sys
photons cm−2 sec−1 TeV−1 (7.1) 逆に、他のグループの実験結果[1] [2]から冪2.2 で固定してフィットすると次のようになる。図 7.8では青の点線に相当する。
(3.8±0.9stat±0.7sys)×10−12× ( E
1 TeV )−2.2
photons cm−2 sec−1 TeV−1 (7.2) 得られたフラックスを他の実験グループのものと比べると、誤差の範囲内で一致している。
mean E(TeV) f lux(photon/cm2/s/T eV) 統計誤差 有意度(σ) ADC値(p.e.) 0.82 6.67·10−12 ±5.05·10−12 1.4σ 50∼110 1.15 4.07·10−12 ±1.41·10−12 2.9σ 110∼170 1.55 1.51·10−12 ±8.56·10−13 1.8σ 170∼230 2.25 5.02·10−13 ±2.20·10−13 2.3σ 230∼450
表7.2: CANGAROO-III 観測による銀河中心の微分フラックス。
energy [TeV]
1 10
differential flux [photons/cm2/s/TeV]
10-15
10-14
10-13
10-12
10-11
10-10
10-9
10-8